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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジョー・サトリアーニ & スティーブ・ヴァイ From Surfing To Shockwave Part 2 of 3

先週に引き続き、ジョー・サトリアーニスティーブ・ヴァイの対談ビデオPart 2です。
少年時代のギターレッスンのことを詳しく記憶しているヴァイ先生と詳細はあまり覚えていないサッチとのやりとりが何とも楽しいので、ぜひビデオを再生し、両者の表情を見ながら楽しんでください。

 

 

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SV:それで、君はレニー・トリスターノのレッスンを受けたんだよね。

JS:ああ、確か彼から3ヶ月のレッスンを受けた。私は当時、彼が何者なのかということも分かっていなかった。彼はクール・ジャズの祖であり、ビーバップの先駆者だ。けれど当時の私の知識にはなかったんだ。私は知人のミュージシャンに愚痴をこぼしていたんだ。音楽レッスンには真に創造的な指導が欠けているのではないかって。大抵は「こう弾いてみなさい」という指導だったから。私は更なる音楽の世界の秘密を追求したかったんだ。そうしたら知人に「だったら、レニー・トリスターノに会いに行くべきだ。彼はすぐそこのクイーンズに住んでいるんだから」と言われた。家から車で20分程のところだ。

SV:彼はとても厳しいよね?

JS:ああ、とても。ミスをしたらそこでレッスンは終了するんだ。

SV:わぉ。それは君のレッスンでも1度あったよ。

JS:本当に?

SV:ああ、2回目か3回目のレッスンだ。恐らく私の音楽キャリアのうちで最も重要な教訓になったよ。この話はしたことなかったけど。

JS:そうなの?

SV:長い話だから、今君を退屈させるつもりはないけど。さっきも言ったように私は物事を暗記するのが苦手なんだ。最初のレッスンで君は「指板上の音を全て覚えろ」って言ったんだよ。

JS:それだけだろ?(苦笑い)

SV:それで1週間後のレッスンに「そんなことできる訳ないよ」って、実際できないから、そう思いながら行ったら、「よし、2弦上のF#を弾いてみろ」って言われたんだ。「え?」って焦っていたらそこでレッスンは終わり。君はノートにこう書いたんだよ、「指板上の音がわからないなんてのはクソだ!」って。私はまだそれを持っているからね。そのまま家に帰された。

JS:わ~お!

SV:とぼとぼと家への帰り道、それが私の大きなターニングポイントになったよ。これからは必ず完璧な準備をして臨むんだと心に誓ったんだ。そんな小さなことが大きなインパクトを持つなんてね。

JS:ハハ、レニーにやられたことを君にしてたんだろうな。(汗)でもレニーには重要な教えをもらった。ミュージシャンになるというのはどういうことか。音楽家として即興にどう向き合うべきか。

人は即興のとき、あまり深く考えず単に音を出すけれど、実はもっと深いものだ。友人とやステージ上で弾いて上手く行ったことを繰り返してしまうけれど、それをやめるのはとても難しいんだ。例えば私がジミー・ペイジのリックを弾くと人は私をクールだと思って笑顔になるけれど、レニーはそれをやめろと言うんだ。即興は全て純粋な自分の音楽的表現として自分の内側から生み出せと。

SV:興味深いね。

JS:彼の言葉の裏にあったのは、全てを完璧に把握していなくてはいけないということだ。次にプレイする音を把握していなかったらもう弾くな、ということなんだよ。もちろん私はまだ子供だったから、アワワとなってレッスンは終了だったよ。

SV:14歳で理解しろというには少々厳しい原理だ。

JS:その頃にはもっと大きくなっていたよ。17歳くらいかな。

SV:実際に君がギターを弾き始める前、プレイするんだと決めたとき、それは強い欲望が湧いたの?

JS:大きな音を出したいって欲求はあったね。(笑)家の中で一番大きな音を立てたかったから、ドラムから始めたんだ。家族とTVを観ていたとき、Rolling Stones や Beatles が出ていた。ブリティッシュ・インベージョンのバンドたちがTVに出ていたんだ。私はドラマーを見て、一番沢山の道具を使っていて、座って思い切り叩けばいいのか、と思ったのさ。

SV:特にキース・ムーンみたいにね。

JS:ああ。それで3年やったんだけど、上手くできなかった。知ってるかい、99%のドラマーは2分半もまともにプレイできないんだ。ほんの一握りのプレイヤーだけがドラムキットの後ろで真に音楽を奏で人々を気持ち良くさせられるんだ。グルーヴやタイムの制御ができ、ビートを分割して耳に美しいものにできる。私は3年かかって自分はそういう人にはなれないのだと悟ったのさ。でも幸運なことにギターを手にして、ドラムのような敗北感はなかった。実際に上達できたんだ。

SV:地下室がなくてもできるしね。それにドラムよりもラウドになれる。

JS:ああ、わかる。リベンジさ。(笑)

(Part 3 へ続く)

 

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ヴァイ先生に厳しくしたギターレッスンの話ですが、恐らくヴァイ先生12~13歳、サッチ15~16歳ごろの話だと思います。サッチがレニーのレッスンを受けたのは17歳なので、サッチは別にレニーにされたことを自分のレッスンでやっていた訳ではなく、サッチ自身がドSだったということですね。(笑)それにしてもヴァイ先生は物持ちいいですね、サッチのレッスン中に使っていたノートをいつか公開して欲しいです。

サッチが17歳の頃に受けたレニー・トリスターノ氏のレッスンについてはこちらで詳しく読むことができます。深いお話でおすすめ。

staytogether.hateblo.jp

 

今週は来年の楽しみなイベントが発表されました。

2020年1月15日にカリフォルニア州アナハイムで開催される Metal Hall of Fame (メタルの殿堂)でヴァイ先生が殿堂入りするそうです。ヴァイ先生のプレゼンターがサッチのようですね。(サッチ自身も殿堂入り)しかも今年の式典はアマゾン・プライム・ムービーが撮影して、来年の前半に配信するそうです。

ヴァイ先生とサッチが授賞式でどんなスピーチをするのか、今から楽しみで仕方ありません。
他の受賞者はジェフ・テイト、ドン・ドッケン、スティーヴン・パーシー、グラハム・ボネット等。受賞者によるパフォーマンスやオールスター・ジャム、その他のサプライズも用意されているようで、NAMM期間のビッグなお祭りとなりそうです。

bravewords.com

ジョー・サトリアーニ & スティーブ・ヴァイ From Surfing To Shockwave Part 1 of 3

今週は約4年前の動画を取り上げます。

このビデオシリーズはジョー・サトリアーニのアルバム『Shockwave Supernova』のプロモーションとして企画された対談で、ラジオ番組を予定して収録されたようです。2人の幼少期の思い出とともに語られる様々なエピソードは興味深く、大好きなビデオです。

今回、見直していてやはり楽しいので、2人の会話を和訳してみることにしました。

 

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SV:私のメンターであり、友人であるジョーを紹介しよう。やあ、調子はどう?

JS:とてもいいよ。君は?

SV:とてもいい。私たちは私のスタジオ、ハーモニー・ハットにいるんだ。

JS:素晴らしいスタジオだ。外見の美しさだけでなく、ここに来る度にここでアルバムを創りたいと思うんだ。問題はどうやって君を追い出すかってことさ。

SV:ハハハ!じゃあこうしよう。私が君のツアーとギターキャンプをやっておくから、ここに来てアルバムを創ったらいい。(笑)私たちの人生のほぼ全てが椅子取りゲームを一緒にやってきたようなものじゃないか。一緒に初めてやったときのことを覚えているよ。

JS:ウェストベリーでのことだな。

SV:そう、1972年。私がギターをプレイすると決めたときだ。Led Zeppelin の "Heartbreaker" を聴いて以来、ずっとしたいと思っていたんだ。そして2軒隣のジョー・サージオの家に行ったら、彼はギターを持っていて弾いていたんだ。私の町の同じ通りにいる子が実際にギターを弾けるだなんて信じられなかった。それで「この町一番のギタープレイヤーじゃないか!」と言ったら「僕が上手いなんて思うなら、僕のギターの先生、ジョー・サトリアーニに会ってみろよ」と言って君の電話番号をくれたんだ。そうやって始まったんだよ。

JS:ああ、そうだった。私のベッドルームで教えたんだった、あんまり厳しくしてなかったらいいけど。

SV:皆には理解してほしいのだけど、私にはギターを学ぶ上で「ヴァイ・アドバンテージ」があったんだ。私はジョーと3フィートの距離で3年間ギターを教わったんだよ。そして、君は厳しい教師だったよ!キツイというのではなく、厳格で私が様々な基礎的な事柄を学ぶことを期待していた。私は物事を暗記するのが苦手だったんだ。今でもまだ君にみせなくちゃならない課題が残っているんだ。(笑)

JS:君は優れた生徒だったよ。必ず大物になると思った。私はとても恵まれた教師だったよ。だってヤル気のない生徒なんて欲しくないから。創造力という動力を持ち、技術もあって更に聴く才能もあった。そういったミュージシャンとして求められる能力の全てを君は持っていた。君が成し遂げたことを振り返れば、驚異的だよ。

SV:私たちは高校で同じ音楽教師に教わったよね、ビル・ウェスコット先生。ビルのことを話して。

JS:彼がどうしてカールプレイス高校に赴任したのかは知らないのだけど、優れたジュリアード卒のピアニストが小さな公立高校にいた。クラスにはヘヴィ・メタル好きの子供が何人もいて、私と私の友人に君も。私たちはただ Black SabbathLed Zeppelin をプレイしたいだけだった。

けれど彼は生来の才能によって、どうにか子供たちの心に火を灯し、音楽の秘密を知りたいと思わせたんだ。どうやってやんちゃな子供たちを黙らせ、椅子に座って授業に集中させたのか不思議だよ。そして彼は私たち、一握りの生徒を彼の知識に魅了したんだ。私は今でも思うんだ、彼が私たちに授けた音楽の秘密というのは、素晴らしい音楽理論、数百年に渡って学び受け継がれた音楽創造のながれで、それを彼は小さな公立高校で教えてくれたんだ。そして私たちはその知識を学び、地下の自分の部屋で Black SabbathLed Zeppelin をバンドでカバーしていた子でありながらその知識に夢中になったんだ。

SV:私もその授業全てを学んだよ。先生は素晴らしく才能のある人だった。彼は譜面を書いて、それを逆から演奏するようなことをしたんだ。彼は優れた音楽理論を教えてくれたけれど、私はそれをギターには応用できずにいたんだ。君に出会うまでは。君は彼が私たちに教えてくれたことをギターで見せてくれた。君がギターを始めたのはジミー・ヘンドリックスが亡くなったときだったよね?

JS:ああ、フットボール・チームに入っていたんだけど、部室から出るときにチームメイトから「お前が夢中になってたミュージシャンが死んだぞ」って聞いたんだ。

SV:彼が存命のときから音楽を聴いていたんだ?

JS:ああ。姉たちは60年代の音楽に熱中していたから、お下がりのレコードを私にくれたんだ。それで全部聴いていたよ。だからその頃には完全なヘンドリックス・マニアだったんだ。訃報を聞いてショックに打ちのめされ、フットボールを辞めてギタープレーヤーになることを決めたんだ。想像してみてよ、イタリア人家庭の夕飯の席で立ち上がって「みんな、僕はギタープレイヤーになる!」って言ったんだから。

SV:ハハハハハ!

(Part 2 につづく)

 

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以前にもこの動画シリーズの1つを取り上げましたが、1部の内容をピックアップしたものでした。その記事はこちら。

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2010年代を代表するギタリスト発表 The Guitarists of the decade

米国の老舗ギター雑誌 Guitar World が2020年1月号で The Guitarists of the Decade を発表しました。これはネットの一般投票結果およそ5万票に30人のギター通評論家の意見を加味し、結果20人が選ばれたというものです。

選択のポイントとしては、技術力、次世代への影響力、ギター社会へのインパクト、成功のレベル、楽器の可能性追求などがあるよう。最新号ではマーク、トシン、ニタ及び全員バージョンを雑誌の表紙にしており、印刷発行版ではそれぞれの表紙を収集することができます。

今週はこの「2010年代を代表するギタリスト」の結果を見ながら、思うがままに書いてみました。

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2010年代を代表するギタリスト by Guitar World

01. Mark Tremonti (Alter Bridge, Creed)
02. Tosin Abasi (Animals As Leaders)
03. Gary Clark Jr.
04. Nita Strauss (Alice Cooper)
05. John Petrtucci (Dream Theater)
06. Joe Bonamassa
07. Guthrie Govan (Aristocrats)
08. Polyphia (Tim Henson & Scott LePage)
09. Mateus Asato
10. John Mayer
11. Jason Richardson
12. St. Vincent
13. Synyster Gates (Avenged Sevenfold)
14. Kiko Loureiro (Megadeth)
15. Misha Mansoor (Periphery)
16. Derek Trucks (Tedeschi Trucks Band)
17. Joe Satriani
18. Eric Gales
19. Trey Anastasio (Phish)
20. Steve Vai

存じ上げない方も何人かいるのですが、リストをざっと見て「お!」と思ったことを以下箇条書きで。

・女性ギタリストが2名!ニタも St. Vincent もGW誌の表紙を飾った数少ない女性ギタリストの1人です。ニタちゃんは今回初めて単独で表紙を飾ります。(前回はアリス・クーパーと一緒でした)

Polyphia のティムとスコットは2人一緒に選出!

マテウス・アサトはアルバムを出していないにも関わらずの選出で、ギター界での注目の高さに驚きます。今年は彼のライブを観れて良かった!

・次世代ギタリストの選出が多い中、ベテラン勢のジョン・ペトルーシやサッチ、ヴァイ先生も健闘。

・ブルース勢もブルース・キングのJBをはじめ健闘。エリック・ゲイルズはここでもキテます。

Ibanez シグネチャーのギタリスト5人!exも含めると7人だから凄いワ。

・ジョン・ペトルーシのシグネチャー・ギターはレス・ポールの次に最も売れているシグネチャー・モデルなのだそうだけど、(Forbes からの引用というのも凄い)意外でした。その記録はJEM、すなわちヴァイ先生だと思っていたから。

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表紙にも選ばれたトシン・アバシ(Tosin Abasi)がインスタに喜びのコメントを出していましたね。以下コメント和訳:

言いたいことが沢山あって、どこから始めればいいかわからないな…
世界にはあまりにも優れた才能を持つギタリストがいて、自分のプレイが凄いって思えないことがあるんだ。それでも究極のところ、子供の頃から僕のヒーロー達を眺めてきたギター雑誌の表紙を飾ることは僕にとって大きな到達点だ。

正に数日前にはそのヒーロー達とステージを共にして(Generation Axe 2019年アジアツアー)僕は自分でデザインしたギターをプレイした。この8弦ギターを使ったインストゥルメンタルプログレッシブ・メタル音楽というのは10年前には異端児だった。それが今ではこうした拡大音域楽器というのはすっかり一般的になった。現代のギタープレイがこの時代精神を共有しているところは嬉しいね。現代のプレイヤーが持つ創造力、器用さ、多様性には興奮するし、この楽器の未来を感じて刺激を受ける。そして僕が果たした役割を嬉しく思う。
Guitar World誌、ありがとう。そして僕のしていることを好んでくれる皆にもお礼を。

 

 
 
 
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Generation Axe @ Zepp Nagoya 2019.11.28 帰ってきたギターの狂宴

2017年4月の日本初上陸からまさか2年半余りで Generation Axe が帰ってきてくれるとは、誰が想像したでしょうか!?このツアーは2016年の北米ツアーから始まり、2017年にアジアツアー、2018年に再度北米ツアーだったので、欧州と南米のファンは熱烈に待っていたと思うのですが、まさかのアジアツアーが再度実現しました。今回は、ソウル1回、日本では福岡、大阪、名古屋、東京の4都市、上海1回です。


私は大阪公演と名古屋公演に参加してきました。どちらもヴァイ先生の面前で神々のギター祭りを堪能してきました。今回の内容は2018年の北米ツアーに準じたものでしたので、本投稿では印象に残ったことを項目別に記録に残すにとどめました。

セトリやライブの詳細は、2018年の Generation Axe 北米ツアーライブレポを是非ご一読ください。

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2017年の日本ツアーは公演時間3時間程でしたが、今回は3時間半弱。北米公演は4時間やっていましたが、日本の会場ではそれは難しいでしょうから、短縮するだろうとは思っていましたが、意外に長くやってくれました!


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オープニング
開演時刻の午後7時きっちり、もしくはフライングぎみにライブが始まるのですが、名古屋では面白いことが。ステージ両サイドでスタンバイするギターグレイツたちが確認の音出しを軽くするのですが、それが次第にリックの掛け合いになっていました。それぞれ個性的なギタリストたちだから姿が見えなくても音で誰かわかるのが刺激的で、そんな短い時間も楽しかった。そういう遊びにノリノリだったのはヌーノとヴァイ先生です。


オープニングで5人が揃う "Hocus Pocus" はリフのハーモニーも厚くて、各自のソロ部の激しさ、カッコよさとオーケストレイション部分の揃った美しさを楽しめて、最初からオーディエンスを期待度MAXにさせます。

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トシン・アバシ
アンプヘッドとキャビネット1台の恐ろしくシンプルなトシンのギアが、後方でフロアを占領している Marshall の壁と対照的でした。北米では稼動型に組んだアンプ、ラック、キャビネットが2セットあったのだけど、日本では潔い程のシンプルさ。


セットリストは北米時と変更なし。ヌーノとの"Physical Eduation"では珍しくステージ中央付近に出てきて、楽しそうな姿が見れました。このときに使用したギターが驚愕の外見だったので、ぜひ Young Guitar 誌辺りに解説していただきたい。


ヌーノ・ベッテンコート
Generation Axe メンバーでトークがあるのは彼くらいなのですが、北米時と同じネタで量を減らしていましたので、詳しくは昨年のライブレポを参照ください。セトリも同じです。それでもオーディエンスと話しながらクールなギターで魅了し、バンドとの掛け合いもあり、一級のエンターテイナーだなぁと。


名古屋では、2曲弾いて暑くなったヌーノがベストを脱いでスタッフに渡そうとしたところで、袖にいたザックが受け取りに走るなど笑いのシーンがあり、「俺のワードローブ係、ザック・ワイルドと紹介していました。(笑)

バンド紹介の後には「彼らはギャラの割りに大変な仕事してるからな」と3時間超のライブでずっと演奏し続けるバンドを労っていました。

ザックとの"Sideways"でのヌーノのボーカルにはシビれました。ザックボイスとのハーモニーも美しい。この曲はこのショウ全体で実に良いアクセントになっていると思います。


ザック・ワイルド
名古屋では1曲目にジミヘンの "Purple Haze" がきて、ザックが大阪とはセトリを変えてきたのがわかりました。前日の28日にジミヘンの誕生日祝いツイートをザックがしていたので、これはザックのお祝いかも。


ひとしきりステージで弾くとザックは客席に向かうので、いってらっしゃい!と見送って後ろを眺めるのですが、スタンディングの会場ではホール後方にザックが現れても姿は見えず。スポットライトの先にいるらしいとだけ。


今回のザックは客席に降りる時間とステージ演奏の時間が半々くらいあって、意外にステージに長居してくれました。2階席に現れると姿も見えるし、周りのオーディエンスの熱狂ぶりも見えるので楽しかった。これだけ歩き回って背面弾きしても一音一音の安定感と力強さ、途切れなさには毎回感銘を受けます。また脚台に乗るザックのデカさと迫力よ。


そしてお楽しみの "Still Got The Blues" ! 袖でスタンバイしているハズのヌーノの登場が少々遅く、名古屋では客席への移動シーンからヌーノが参加。やはり2人の姿は全く見えず、PAから登場するヴァイ先生の姿も見えずでした。それでもギターの音に耳を澄ませば、誰が弾いているかよく分かるので、この熱い共演を楽しみました。メインリフを奏でる3本のギターサウンドの美しいことといったら!


スティーブ・ヴァイ
ヴァイ先生の使用ギターは曲毎に次のとおりでした。日本初登場の新作 Hills をもっと見たかったのですが、"Still Got The Blues" だけでの使用で、しかもステージで弾いてくれる時間が短くよく見えなかった。こうして見ると実戦器としてはJAVAとFLOⅢの時代になったのかも。

 

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Hocus Pocus = JAVA

Still Got The Blues = Hills

There's A Fire In The House = BO

The Animal = EVO

Tender Surrender = FLOⅢ

For The Love Of God = FLOⅢ

Black Star = JAVA

Frankenstein = FLOⅢ

Bohemian Rhapsody = FLOⅢ

Burn = JAVA


ヴァイ先生のアンプが Synergy に変わってからは初来日なので、ギアの詳細は YG誌辺りが後日特集してくれると思いますが、Synergy のラック上に Legacy Drive がありました。キャビネットはMESA。とりあえず Marshall 以外をご要望で選択肢の中から選んだのでしょうか。


"There's A Fire In The House" は "Fire Garden" ツアー以来の演奏になるので、感激したファンも多かったのでは。イントロのサイレンに合わせて多数のカンテラが回って光る演出!カンテラは北米ツアー時よりも大量に増えていました。聴いていてBOのトーンに若干の違和感を覚えたのですが、私だけでしょうか。ギターを換えたら違和感はなくなりました。


"The Animal" では余裕のエンターテイナーぶりを魅せてくれた先生。しかし私は聴き逃しませんでした。後半リードプレイからリフプレイに戻るとき、エフェクトペダル踏み忘れてました。すぐペダル踏んでましたが、先生でもそういうのあるんですね。先生も人間だった。(ほっ)


3曲目に大阪では "Tender Surrender" 、名古屋では "For The Love Of God" が聴けたので私の両日参加は幸運でした。

"Tender Surrender" ではお約束となったギター交換時、ギターテクのトーマスいじめ(なかなかギターを換えさせない)が観れるし、曲終盤ではギターでのオーディエンスとのコール&レスポンスがあるのです。先生のギターコールに応えるのって大切なヴァイライブのお楽しみ。

そしてやはりヴァイ先生の代表曲 "For The Love Of God" を生で聴けるのは至福です。しかも今回はザックの脚台に上っても弾いてる!おお!


ステージ衣装に凝るヴァイ先生、今回の衣裳も素敵でした。オープニングでは黒のロングコート(ディテールのデザインがカッコイイ!)に黒の革パンツにサングラス姿はロックギター界の帝王の御姿そのままです。(感激)
黒地に花柄のシャツにベスト、黒いパンツは日替わりでシンプルなものと、右サイドにツリーオブライフのフレットボード(何故か4弦)のデザインが入り、裾のファスナーを開くとVAIロゴが現れる特注パンツがありました。更にシューズはシャツとお揃いの花柄生地でした。何とオシャレな!これは先生しか似合いません。

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それにしてもヴァイ先生のセットは短い。2017年ツアー時でも短いと感じたのに、曲数が4曲から3曲に減っている。ああ、単独公演が観たいよ~。(涙)


イングヴェイ・マルムスティーン
前回の日本ツアーでとんでもなく機嫌が悪かった王者ですが、今回は全く違う姿を見せてくれました。名古屋で少しギターテクさんに苛立つ箇所や、照明さんに怒りを表すシーンがあったものの、全体的にはご機嫌麗しかったので別人のようでした。ピックの多数撒きぶりに1曲目のイントロ中からギターテクさんが追いピックに走ってくるのには思わず笑ってしまった。


スウィープの大洪水とピックの足蹴り技を振りまきつつ、イングヴェイはステージの左へ右へと動いてオーディエンスを煽り、ショウマンぶりを見せつけてくれました。まさか笑顔で目を合わせてもらっても困るんだけど。(汗)


そして待望の "Black Star" が始まり、ヴァイ先生がステージに戻ってきました!この曲はライブアルバムにも収録され、何度も愛聴していますが、やはり生の音はいい!2人のハモリの美しいことよ。これは何度でも観て聴きたい。熱演を終えた2人が互いを称え合います。以下ヴァイ先生のお言葉。


「私が初めて "Black Star" を聴いたとき、これまでで最も美しいギターインストゥルメンタル・メロディであり、演奏だと思ったことを覚えているよ。イングヴェイありがとう」


フィナーレ
"Frankenstein" でトシン、ヌーノ、ザックがイングヴェイと入れ替わりで戻りました。このときの4人は本当に楽しそうで、ヌーノがヴァイ先生のアームで遊んだり、2人でギター版2人羽織をやってくれたり。ヌーノのパーカッションも定番になっていました。

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"Bohemian Rhapsody" は今回ツアーの目玉。5本のギターで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。北米ツアー時よりも安定感が増していたように思います。正に圧巻のパフォーマンス。この曲は記憶に焼き付けたくて、写真も撮らず集中して聴きました。誰がどこを弾いているのか、全部知りたいので、5本分のTAB譜をYG誌あたりに掲載して欲しいなぁ。


シメはイングヴェイのボーカルで"Burn" 。イントロはアレンジしたパートを付けて。曲半ばのソロ回しではイングヴェイが一旦退くのは前回同様です。ソロ回しで各ギタリストの個性をたっぷり楽しめるのがこのライブのいいところ。イングヴェイがピック蹴りをしたところ、それがヌーノを直撃。ヌーノがイングヴェイにピックを投げて逆襲するも、狙いを外す。この騒ぎに便乗したヴァイ先生がピック蹴りをやってみるも失敗してほとんど飛ばず、というお腹抱えて笑えるコントがステージで繰り広げられました。なんと楽しい大団円。ギターって最高!

 

 

アンディ・ティモンズ 「もし Danger Danger がニューアルバムを出していたら」

10月始め頃に行われたアンディ・ティモンズのインタビューがありました。
息子のアレックス君を学校へ迎えに行き、ジムに寄ってからのスタバで休憩中のアンディでした。(笑)
興味深いトピックが飛び出していましたので、約1時間ほどのインタビューの一部を和訳してみました。

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テキサスの音楽シーンはオースティンが中心なのかい?

確かにオースティンは80年代、90年代に盛り上がったけれど、僕に言わせればバンドはどこにいてもやれるよ。今はインターネットの時代だからね。僕が80年代、90年代にクリニックをやると、「成功するにはどこへ行けばいい?」なんて質問があったけれど、当時は大都市が有利だった。でも今はどこにいても活動はできるし、ツアーすればいい。

僕は Danger Danger の時代でもロスへ行こうとは思わなかった。セッション・ワークにはナッシュビルが良いとかもあるから僕のキャリア的にはそうした方が有利だったのかも知れないけれど、実際はわからない。僕は今の僕の状態で満足しているよ。

ネットによって仕事の仕方も変わったと思うけれど、昔ながらのやり方と新しい技術を使ったやり方、そこはどう思う?

出来る限り昔ながらの手法にしているよ、特に僕のバンドでは。もうテープは使わないけど、マイクを立ててプリアンプを通してって方法を使う。ProToolでは何でも操作できるけれど、それでは(音楽への)誠実さを欠いてしまうと思うんだ。

とは言いながら一方で、僕は現代のテクノロジーの恩恵を享受しているよ。今はビゾネット兄弟(マット・ビゾネット(Bass)、グレッグ・ビゾネット(Drums))のプロジェクトに参加しているんだ。家でレコーディングしてファイルをDropBox(ファイル共有サービス)に入れればいいんだから。マットは沢山のいい曲を書いているよ。"Be on the Red Court" って言うのさ、それから鍵盤奏者もいる、エルトン・ジョンとプレイした人さ。ファイルで曲をもらって、曲を覚えてギターパートを録音するのだけど、数曲はスタジオで集まって11月にレコーディングするんだ。楽しみにしているよ。

やはり部屋に集まって互いの目を見ながらプレイするものに代わるものはないと思う。共に音楽を感じながら。60年代から70年代の優れたレコードを聴いてみるといいよ、彼らは集まってライブで弾いていたんだ。(ファイル交換では)それを再現することはできないんだよ。最近そうやって古い曲を聴いて感動しているんだ。

もちろん ProToolsDropBox を使って(地理的に離れた)ニュージーランドの人と曲を創れるというのも凄いことだ。けれどプレイヤーが部屋に集まり、ライブレコーディングのエネルギーを捕らえることができるなら、そういうときに魔法が起こるのさ。

だから君の質問への答えとしては、僕は出来る限り昔ながらの手法をとっているけれど、新しいテクノロジーの利便性も活用している。

君の素晴らしい個性的なトーンにはどうやって到達したんだい?

僕のシグネチャーペダルを買えばいいんだよ。(笑)それは冗談で、これだと簡単に答えることはできないんだ。いろいろな機会に言っているけれど、自分が理想とするサウンドを頭で想い描くこと。そして自分の耳で追求するんだ。良い耳を持つことが一番大切だ。

そして、弦のピッキングにも個人差や個性があるし、あらゆる要素の結果のトーンだ。僕のトーンを褒められるととても嬉しいけれど、その一方で僕自身はまだ自分が理想とするトーンには全く到達していないんだ。

長年かけてトーンを育てるプレイヤーがいる一方で、若くしてもう完成させてしまった人もいる。エディ・ヴァン・ヘイレンイングヴェイがそうで、彼らは今でも同じあのトーンだ。

以前のゲストの話で、ZZ Top のビリー・ギボンスの弦の使用ゲージを聞くと、07と答えたそうだ。その理由は、以前は10を使っていたけれど、B.B. King から07を勧められて替えたそうなんだ。君はどう思う?

ZZ Top のあのサウンドが07ゲージで創られているだなんてショックだよ。(笑)僕もその話はビリー・シーンから聞いたことがある。彼もあんな細い弦からあの音が出ているだなんてショックを受けていた。プレイヤーは皆自分に合った弦を使っているのだと思うよ。スティーヴィー・レイ・ヴォーンはあの音を07では出せないと思うよ。トーンの多くは太い弦からくるからね。

僕は若い頃ずっと Danger Danger でも09を使っていた。でもスティーヴィーの影響でファットなサウンドの為には太い弦にした方がいいということで、アルバム『Cockroach』のときに10を使い始めたんだ。それにしてもビリーの07は驚愕だよ、僕には08でも細すぎると感じる。確かイングヴェイは08を使っているんだよね。

Danger Danger のオリジナルメンバーで新しいアルバムを創る可能性はないかな?

可能性はあると思うよ。数年前にオリジナルメンバーで数回のライブをやったんだ。ニューヨークと日本とバーミンガムで。凄く楽しいライブだった。Danger Danger 自体は続いているんだよ、スティーブとブルーノが核となって。オリジナルのラインナップは93年くらいに終わっているんだ。でも根強いファンがいることは嬉しいし、彼らの人生に僕らの音楽と特別な絆を感じているというのは光栄だね。

そうだ、ブルーノ・ラヴェルとロブ・マルセロとポール・レイン(全員現及び旧の Danger Danger メンバー)が The Defiants ってプロジェクトでアルバムを最近出したんだ。Danger Danger のファンには強力オススメだよ、もし Danger Danger がニューアルバムを出していたらこうだろうと思える作品だ。ロブのことは勝手に「ミニ・ミー(僕の小さな分身)」って呼んでるんだけど、優れたギタープレイヤーだ。機会があれば僕が Danger Danger のオープニングをやってもいいね、そして彼らのショウで数曲プレイしたら楽しいだろうな。スティーブ達とは連絡を取り続けているから、いつかの時点では実現するかも知れないよ。

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アンディとビゾネット兄弟のプロジェクトは大いに気になります!話の内容からするとインストのプロジェクトなのでしょうか。楽しみです。

Danger Danger といえば、来月には来日公演がありますね。詳細はこちら。今回はさすがにアンディのサポートアクトは無いでしょうが、将来的に実現したら楽しそう。

 

スティーブ・ヴァイ 「その苦悩には大きな価値がある」

数年前の収録と思われるスティーブ・ヴァイのインタビューが動画公開されました。"For the Love of God" の収録時にヴァイ先生が断食をしていたというのは有名な話ですが、当時のことを振り返って語るうち、ヴァイ説法が始まります。

自身も20代の頃は精神的な苦悩を抱えていたというヴァイ先生のお話を一部和訳してみました。

 

 

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私は自分のこれまでの道のりを振り返ると深い感謝の念で一杯になる。全てのことが私にとって実に美しい形で実現した。私は音楽ビジネスの面では実際には「もがき苦しんだ」という経験がない。しかし、それは私が自分の人生でもそうだったということではない。

 

精神的な苦悩というのは現実に基づいたものではないが、自分には現実のように感じるものだ。しかし、その苦悩には大きな価値がある。それによって、言わば毅然としてそれに立ち向かい、成長できるからだ。それは自分の頭の中のノイズを遮断し、自分自身を探求するということだ。深い苦悩を持つ者にはそれができる。

 

私が最も良かったと思えることは、あの精神的に苦悩していた時期があったことだ。なぜならそれによって自立心を持ち、心の強さを身に付けることができた。分かるかな?それによって世界を見つめる新たな高台に立つことになるのだ。

 

だから、もし今、精神的に苦しんでいる人がいるとしたら、実はそれが後に報われ、恩恵となることを知って欲しい。

 

苦悩があまりに辛い場合、見方を変えざるを得ないのだ。全ての精神的苦悩は頭の中の思考にあるのだ。その思考の質が悲観的で繰り返される結果、人は更に暗黒へ堕ちる。そうすると人生自体を顧みることも難しくなる。

 

解決策は、その闇が自分の頭の中の思考に過ぎないのだと理解することだ。それらは不要な思考なんだよ。

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短いながらも、心に響く説法でした。ヴァイ先生が20代の頃に精神的落込みを経験した話は過去記事でも読めますので、カテゴリー選択から Steve Vai のバックナンバーをどうぞ。

 

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ロン・"バンブルフット"・サール Part 2 「ニューアルバムではイカレたプレイをいくつもしてしまった」

Sons of Apollo のニューアルバム MMXX (20/20) が1月17日発売と発表されましたね。いやぁ、新譜の制作と発売時期の予定がなかなかスケジュール通りにいかないバンドが多いなかで、マイク&デレクのコンビは仕事がきっちりしているなぁと感心します。今から来年が楽しみです。

さて、先週に引き続き、ロン・"バンブルフット"・サールの Everyone Loves Guitar インタビュー Part 2 です。(動画はこちら)長いトークの中から一部概要を和訳してみました。

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若い頃の自分に対してギアの面でアドバイスすることはあるかい?

まず1つ。自分でギターを創るのは止めておけ。才能はないから。(笑)
2つ目。ピーター・フランプトンの Marshall アンプヘッドを売るな。彼のツアー機材を入手したのに売ってしまったんだよ、大後悔さ。
3つ目。メトロノームを使うこと。最近、腕時計型のメトロノームを手に入れたので試すのが楽しみなんだ。

私も持っているよ。大きな音でプレイするとメトロノームが聞こえなくなるから、腕の振動で分かるのは便利なんだ。

これはドラマーの耳にも良いサイレント・メトロノームだよ。

君の普段の練習はどう?最後の練習はどんなことを?

Sons of Apollo で即興でプレイしたソロをどう弾いたのかを確認していた。自然に自分が内側から吐き出した演奏をもう少し統制のとれたプレイにしようとしたのだけど、実に大変だったよ。ニューアルバムではイカレたプレイをいくつもしてしまった。キーボードのパートをダブルにしようとしていたのだけど、あれはイカレてたよ。(フレットレスでプレイを始める)

なぜフレットレスを使いだしたのかい?

ピカピカ光ったのが好きだからさ!(満面の笑み)こうしてフレーズを練習しながら、どうピッキングをしたらこのフィンガリングの流れで一番上手く行くかを考えるんだ。

フレットレスは何が良いのでしょう?

指先で押さえた全カ所に音符があるし、こういう独特のサウンドもある。(スライドを実演)Sons of Apollo では(フレットレスの6弦を)Bにダウンチューニングしてある。そうすると6弦の無い7弦みたいな感じさ。そしてフレッテッドの方の6弦はDに下げてある。それぞれのネックで違うフレージングができるのさ。

例えば "God of the Sun" ではフレットレスでは3フレット上を頭の中で変換して弾いているんだ。この後フレッテッドへ飛んで同じフレーズを弾く。

違うチューニングのネックを行き来して弾いてるのかい?とんでもない!ネックの上側にはポジションマークはあるのかい?

もちろんあるよ。ネック上での手の位置の感覚を磨くとどの位置に置く必要があるか掴めるようになるので、そこで聴こえる音と目視した位置で調整するんだ。いいかい、幼い子供だってバイオリンで凄い腕前を見せるんだから、僕らだってフレットレスを弾きこなせるよ。少しばかり練習すればいいのさ。

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そのダブルネックが君の定番ギターなんだよね、2番目以降のギターはあるかい?

アコースティックだな。Cort はとても良いギターなんだよ。これは Gold-A6 だ。

自分が書いた曲でお気に入りの曲とプレイするのが好きな曲は?

うーん。"Don't Know Who To Play To Anymore" は好きだよ。先日、自分の作品リストを確認していたら426作品あったんだ。126曲ほど。僕のアルバムに収録されていない作品が沢山ある。誰もが日々耳にするようなTV番組で使われている作品も多いんだ。さっきも言ったように、1つ1つは小さなことだけど、1つずつ歩みを進めていくんだよ。常に挑戦し、上達方法を見つけて成長するんだ。

一緒にプレイして楽しいプレイヤーは?

多すぎるよ。そうだ、ナンシー・シナトラ。ヴァイブが良くて、彼女から発せられるエネルギーが好きなんだ。後ろで演奏していると、「さあ、前に出てきて弾いてちょうだい」って促してくれた。僕は興味深い人たちとジャムした経験が沢山あるよ。 Twisted Sisters のメンバー全員と個別にプレイしたことあるし、Kings X とも Boston ともある。

それはクールですね。無人島に持っていくレコードは?

5分おきに変わるけれど、まず思い付いたのが、The Beatles 『Magical Mystery Tour』、 Manowar 『Battle Hyymns』、 Yes 『Going For The One』だ。Yes のこれは本当に素晴らしいんだ。

音楽的、人間的に大きな影響を受けた人は?

音楽的な影響については多すぎて語りつくせないよ。僕のアルバム 『Little Brother Is Watching』だけでも、Iron Maiden やスティーヴィー・ワンダーデヴィッド・ボウイThe Beatles の影響がある。ギタープレイについては、ありがちな影響がたっぷりあるよ。イングヴェイ、ヴァイ、サッチ、ヘンドリックス、ブライアン・メイそれから、アンガス・ヤング、エース・フレイリーなど。エースは KISS の歌えるギターソロを書いたからね。

ギターでなく作曲について話すと、僕は元々ギタリストになろうとしたんじゃなくて、人を感動させるバンドサウンドを創りたかった。バンドとしては The Beatles とか Iron Maiden とか Led Zeppelin とかクラシックロックの様々なバンド。

人間的にはわからないなぁ…

バンドというのは彼らが何歳であろうと10歳の子供の集まりのようなところがあるんだよ。いつも子供の争いのようなことが起こってしまうから、時折目を覚まさせるような忠告が必要なんだ。例えば4人のバンドなら各自の持ち分は25%なんだ、つまり自分のアイデアの75%はボツになり、他のメンバーのアイデアを採用しなくちゃいけない。100%自分の意見を実現したかったら、それはソロアルバムでやるべきことだ。

でもバンドの面白いところは、上手く4人全員が同じだけ貢献すると時に100%以上のものができるということさ。1人では決してできなかった素晴らしいものが生まれる。それこそがバンド、そして音楽を素晴らしいものにしているのさ。バンドというのはこの大きな音楽コミュニティの一部であり、互いをサポートし、やっていることをシェアして、楽しむのさ。「上げ潮は全ての船を持ち上げる」(訳者注:全体の景気・環境が良ければ全ての人に恩恵があるという格言)ということさ。

旅行先で好きなところは?

沢山あるよ!僕は食べるのが好きだから、インドネシアには美味しいものが沢山あって好きだな。タイもいいし、メキシコも美味しい。ポーランド料理も素晴らしい。他にも美味しいものは各地にある。それに建築物もその土地の個性を決定づけるものだよね。チーズも土地によって違う。独特なんだ。イタリアは食事も最高、中東のスパイスは素晴らしい。でも家が一番かな。

この10年で性格的に変わったことは?

この数年で最も変わったことはやっと「知る」という言葉を学んだことかな。

ホットソースも販売していますね。

僕は音楽が好きなように辛い食べ物も好きなんだ。それで僕の好きなものをシェアしたくなってホットソースを創ることにしたんだ。2013年に6種類出した。そのうちの3つはフードフェスティバルで1位を取ったんだよ。オハイオにある Cajun という食品会社と組んで、そこで製造もラベリングも卸もやっていたのだけど、彼らが1~2年前に会社を売却したんだ。それで自分の会社を作ってやることにした。バンブルフット・フーズって言うんだ。そして Hotshots という大手の販売会社が販売してくれる。3種類発売するから楽しみなんだ。

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音楽も知識も技術も美味しい食べ物も、人とシェアしたくなるのがロンさんなんですね。ホットソースは今年秋冬シーズンに販売を間に合わせるとのことで、今日のロンさん投稿によると製造は完了し、間もなく販売チャネルに届くようです。インタビューでは3種類のソースの味を詳しく説明していました。

また、本文では割愛しましたが、朝起きてからのルーティンとして、「ベットの横で腕立て伏せを101回やる。それから Flipboard (ロンさんおススメのアプリ、自分の興味関心のある記事を収集できるそう)で朝起きると100くらいの記事が集まっているから、1時間くらい読んでいる」と話していました。運動を欠かさず、知識欲も旺盛なんですね。ちなみに腕立て伏せ101回の理由は、目標の100回やってさらにプラス1回やるからだそうです。