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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Generation Axe ライブ@ ZEPP Nagoya 2017.04.03 世紀のギターショウ!

遂に日本上陸したロックギターの祭典、Generation Axe に行ってきました!スティーブ・ヴァイイングヴェイ・マルムスティーンザック・ワイルド、ヌーノ・ベッティンコート、トシン・アバシとまぁ、個性の異なる5人のギター・マスターによる3時間に及ぶライブにワクワクです。

オープニングは全員が参加しての "Foreplay" 。目の前で繰り広げられているとんでもなく凄いものをオーディエンス皆が現実なんだと認識していく時間、熱い視線が注がれます。ヴァイ先生の合図で順にソロが演奏されるのですが、これほどまでに個性の違うギタリストが並んで1曲を演奏するというのも凄い。イングヴェイの足蹴りが目の前に見える(笑)

「では、トシン・アバシを楽しんでくれ」

ヴァイ先生の紹介で始まったトップバッターは最年少のトシンです。彼は初めてライブで見るのですが、今回のライブでは彼のギターを聞くのを楽しみにしていました。

トシンはステージ上手の端に立ち、そこに設置されたアンプの側を離れません。しかも残念なことに私の立ち位置からは殆どトシンのギターが聞こえません。プログレかつヘヴィなギターインストらしいことがリズム隊の演奏で分かるのだけど。フレットの上を滑らかに動く彼の指やバンドとのコミュニケーションは見えるのに、肝心の音がくぐもったようになって聞こえにくい!なんてこと!無念過ぎる。(涙)

「Generation Axe 楽しんでくれてる?僕はトシン・アバシ。皆サプライズの用意はいいかい?次の曲はヌーノ・ベッティンコートを呼ぼう」

歓声に包まれて登場したヌーノとトシンがステージの端と端で顔を見合わせながら次の曲が始まりました。トシンのバンド Animals As Leaders らしくヘヴィかつカッコイイ曲。メロディラインは美しい旋律。リードギターをヌーノが弾いて、トシンは低音をベースプレイヤーとジャムするように弾いています。

こういうタイプの曲をヌーノが弾いているなんて凄く珍しいこと。ヌーノの音楽性とはまるきり違う曲。彼にとっても結構なチャレンジだったのでは。Generation Axe ならではの演出。

「ありがとうございました」

上手な日本語で挨拶し、曲を終えてトシンが拍手の中ステージを去るとヌーノのステージの始まり。

「トシン・アバシに拍手を!驚くべきギタープレイヤーで作曲家だ。俺には彼がどうやってるのかも分からないね。こんな難曲をプレイするのは毎回怖くてたまらないぜ。

よし、じゃあ今度はもっと単純で難しくない曲にしよう、4ビートか時に6ビートくらいで、グルーヴをくれ!」

そして始まったのは皆が知っている "Get The Funk Out" 、ヌーノがボーカルをとりオーディエンスの拍手と合唱で一気に盛り上がります。

「あー、ところでモニターが全部ダメになってるんだ。(スタッフに)直してくれる?俺はその間下に降りるから」

と言うとヌーノがステージから降りて最前列前を歩き、オーディエンスとハイタッチを始めました。歓声が熱気を帯びて凄い!少しして調整ができたらしく、ステージに戻ったヌーノは直してくれたスタッフへ御礼を言います。

「皆、俺の後に続いて言って。サンキュー、カルロス!」

とオーディエンスに合唱させます。(笑)ステージ中央に椅子と黒いアコギが用意されており、ヌーノは中央に腰掛け準備しています。

「俺、自分の髪を食っちゃったよ(乱れた髪を直す、ヴァイ先生のぺダルボード前にある小型扇風機に目をとめて)、扇風機か!やっとスティーブ・ヴァイがいつも美しい秘密が分かったぞ、この扇風機だったんだ!(笑)」

(ヴァイ先生はライブ時、ぺダルボード前には常に小型のファンを置いています。長髪スタイルだった頃はこれで髪をなびかせ、涼もとっていました。先生のライブ必需品)

そして始まったのは "Midnight Express" うん、これは去年も聞けた。でも至近距離で彼の手元を見たのは初めて。さすがのアコギさばき。

「今夜このステージに立てて俺は凄く興奮してるんだ。スティーブ・ヴァイだぜ、イングヴェイ・マルムスティーンだぜ!

俺はインストミュージシャンじゃないから、インスト曲はさっきの曲しかないんだ。それで次は Extreme の曲からつまらない歌詞やイケてないメロディを外して、クールなギターだけを抜き出してプレイする。ここなんか蚊が飛んでないか?」

と虫を追い払う仕草をするヌーノ。あ、これは例の前振りですな。ステージ下手、自分のアンプ前に戻ったヌーノが弾き始めたのは "Flight of the Wounded Bumblebee" をスタートにした Extreme のメドレー。耳慣れたメロディとヌーノのクールなギターにオーディエンスは盛り上がります。

「次の曲は俺の大好きな曲で、これを共にプレイするのは彼以外考えられないな。姿同様にハートもデカイ男、ザック・ワイルド!」

拍手と共に登場したのはザック。デカイ、山男のよう。そして始まった "Sideways" ではザックがコード弾きとボーカルを、ヌーノがアルペジオとコーラスを担当。さっきまではファンク~カントリーだったステージは一気にブルージーな世界へ。ヌーノのコーラスいいね。ザックのギターソロは泣きのブルース!この2人いいじゃない!

そして始まったザックのセット。ザックを生で聞くのは初めてです。パワフルでブルージー、熱と魂が込められたサウンド

なぜヴァイ先生がザックを気に入ってヴァイ・アカデミーその他のイベントにもよく彼を呼んでいるのだろうかと思っていたのですが、「ザックはザックだからだよ」とインタビューで答えていた先生の言葉、もうそれが答えなのかも知れないとザックのプレイを見ながら思いました。

しかも彼は客席へ降りてギター弾くパフォーマンスを日本でもやっている!背面弾きパフォーマンスも長い!さあ、ザックのラストは貴族との共演で次はいよいよ貴族!と思っていたら

「では呼ぼう、ファーザー、スティーブ・ヴァイ!」

とザックが紹介し、ヴァイ先生が登場するではありませんか!!!え?先生がトリじゃないの?どういうこと?衝撃が収まりません。

ボディに鏡を貼ったギター、BOを持って現れた先生、始まったのは "Bad Horsie" わぉ、これが聞けるのは嬉しい!北米ツアーではBOで弾くのは "Building The Church" だったけど、Passion & Warefare 25周年ツアーではオープニング曲だった "Bad Horsie" を持ってきたようです。

ヴァイ先生のメタル曲、怪しいメロディと重低音が響きます。く~~~~、カッコイイ。

ステージでの圧倒的な存在感、ギターに触れたその瞬間から会場を異次元のヴァイ世界にしてしまうその音楽性、サウンドとカリスマは段違い。

次はギターをFLOⅢに持ち替え "Racing The World" 、こちらも前のツアーでオープニング曲でしたから、フェス向けにオープナーを2本続けたということでしょうか。この曲は第2ギターとの掛け合いもあるので、どうなるのだろうかと思っていたのですが、誰もサポートに加わらず、ヴァイ先生のギター1本でした。

疾走感ある曲の後は極上のバラード曲をEVOで "Tender Surrender" 。何度聞いても美しい、エモーショナルな至高のプレイ。ラスト手前では先生のギタートークでオーディエンスとのコール&レスポンスを挟み、ラストの超人プレイで締めくくりました。そこはもう完全なるヴァイ空間。

赤白ボディのGirlyにギターを持ち替えたら始まるのはもちろん "Gravity Storm" 。これも第2ギターがある曲ですが、ギターは1本勝負でした。曲としての本来の姿はデイヴとの掛け合いのある演奏ですが、ギター1本でもこれだけ聞かせてしまうのがヴァイ先生。

重力を音で表現したこのサウンド、まるでヴァイ・グラヴィティに身体が吸い込まれるような重力のマジックをオーディエンスに放っているよう。正に圧巻の演奏。さぁ、そろそろ次は神曲で締めかな、と思っていると、

「皆楽しんでいるかい?では世界にただ1人のマエストロを呼ぼう。イングヴェイ・J・マルムスティーン!」

えぇ~~~~~~!?"For The Love Of God" なし?もう終わり?30分もプレイしてないよ!ショックで固まってしまいました。

どういう理由で北米ツアーと演奏順を変えたのか分かりませんが、この順ではイングヴェイ→ヴァイ先生のセットつなぎにプレイした "Black Star" はどうなるのかと心配になりました。あれは見たい。

もくもくと上がるスモークと共に登場したイングヴェイ。初めて生で聞かせてもらいます。

バロック音楽香るネオクラシカルな旋律と高速弾きに時折入る片足キックとギター回しパフォーマンスに、なるほどこれが王者と。けれど残念なことに私の立ち位置では音が悪かった。音の粒が潰れて聞こえる、ゆえに旋律を美しく感じられない。トシンのギターは聞こえなかったし、ステージ上手の音が厳しい、無念。

モニターがまだ調子が悪いのか、ステージ袖に出入りして指示している貴族様。その度に演奏が中断するのです。曲の世界にちっとも浸れないのです。フル尺でしっかりと聞きたいのですが、こちらも集中力が途切れてきてしまいました。

ギターチェンジの時にギターテクさんがギターを間違えて持ってきてしまったりして、かなりイングヴェイは機嫌を損ねていました。そして彼の怒りを感じ、更に身を硬直させているギターテクさんが悲痛な表情で痛ましかったです。見ていて辛い(汗)

イングヴェイがステージに戻るよう促していたのはオーディエンスの歓声とイングヴェイ・コール。この歓声を聞くといかに彼が愛されているのか、その人気の程が分かります。

ラストはギターをアンプの壁から落とす、弦を切る、背面投げ。きっとこれが貴族の伝統芸能なんだね。

冒頭のアコースティックソロに続いてエレキの旋律が始まるとヴァイ先生がシーフォームグリーンのJAVAを持って登場。

やったあ!ヴァイ先生との "Black Star" があった!この2人のハモリが聞けるなんて冥土の土産になります!(感涙) 完璧にパートが構成されていて、ハモリが美しい!ステージ中央で弾いてくれるとイングヴェイの音も良く聞こえる!

2人のソロ掛け合いから、1音を何分ホールドできるか?を生のフィードバック操る貴族VSサステイナーを使った先生で一本勝負みたいな遊びをジョークでやっていて、笑いの要素も忘れていない。ぐっとボリュームを絞って囁くような音の粒を聞かせるパートもハイポジションでの速弾き合戦も、技術を見せながらエンタテイメントにしている、さすがです。

イングヴェイが去り、ヴァイ先生にヌーノ、ザック、トシンが呼ばれて始まったのは "Frankenstein"。ソロ回しはヌーノ→ザック→先生→トシンの順。それぞれの個性が大きく異なるから全く違うことをやってくれるので、見ていてとても面白い。

そんな中、2周目のソロまわしでザックが入れなかったのか、全バッキングからそのままヴァイ先生ソロに入るシーンがあり、ギターヒーローでもこういうことはあるのね、と驚き。

次はフィナーレを飾る "Highway Star" 、導入パートのギター5本ハモリが美しい。これはヴァイ先生のライティング。そして曲のイントロからもう興奮が止まりません。ボーカルはイングヴェイ!自分のソロ弾いたらステージ袖に下がるというとんでも俺様!(最後のソロには戻ってきました)

こういうシンプルな曲をプレイするトシンなんて普通では見れないよ、と思っていたらソロ回しでトシンになったらぐっと曲調チェンジでトシンの世界に!

ここからは "Highway Star" を離れたソロ回しが展開されて一層各人の個性がでてる。そして "Highway Star" コーラスに戻り、オーディエンスとの合唱。山のようなギターサウンドの洪水を全身に浴びて心地よい。

ステージ中央でヴァイ先生とイングヴェイが並んでいるシーンでは、貴族のギターシールドが外れているのに気付いたヴァイ先生がそれを挿し直してあげて、貴族が笑顔でお礼をいう微笑ましいところを見ることができました。

全員並んでのカーテンコールは大歓声の中、楽しそうな5人の笑顔で締めくくられました。

このショウが日本に来てくれて良かった。ヴァイ先生が企画し、編曲し、リーダーを務めるショウを見れたのは嬉しい。これほどまでに個性の違うプレイヤーをまとめることができるのは、さすが先生だと思います。

ただ一つ、あまりにもヴァイ先生のセットが短かすぎます(泣)ショウが終わった瞬間からヴァイ ロスに陥ってしまいました。

本日のセットリスト

01. Foreplay (w/all artist Boston cover)
Tosin
02. Temting Time
03. Air Chrysalis
04. Woven Web
05. Physical Eduation (Tosin w/Nuno Animals As Leaders cover)
Nuno
06. Get The Funk Out
07. Midnight Express
08. Extreme Medley
09. Sideways (Nuno w/Zakk Citizen Cope cover)
Zakk
10. N.I.B
11. Little Wing (Jimi Hendrix cover)
12. Whipping Post (The Allman Brothers Band cover)
Steve
13. Bad Horsie
14. Racing The World
15. Tender Surrender
16. Gravity Storm
Yngwie
17. Spellbound
18. Valhalla - Baroque & Roll
19. Overture
20. 1,000 cuts / Arpeggios From Hell
21. Badiniere Doube B
22. Paganini's 4th/Adagio
23. Far Beyond The Sun
24. Trilogy / Fugue / Echo
25. Acoustic
26. Black Star (w/Steve)
finale
27. Frankenstein (w/all artist exc Yngwie The Edgar Winter Group cover)
28. Highway Star (w/all artist Deep Purple cover)

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Generation Axe でミーグリ!

ライブ開始前に行われるミート&グリート、開始予定時刻をとっくに過ぎていますが、会場ではまだヴァイ先生のリハが行われており、音がもれ聞こえてきます。先生の音だ!

遅れること1時間超、遂に4人が現れました。事前に説明を受けていた通りに写真撮影をしてから、サインの列に並びました。

Generation Axe のポスター以外に私物1点(アーティスト毎)にサインをもらうことができるのですが、私が持参したのは1986年の雑誌でした。David Lee Roth バンド時代のビリーとヴァイ先生が表紙のもので、ビリーには以前にサインをもらってありました。

Pl1986先に雑誌に気付いたヌーノが「ワォ!」と言うので頭を上げたヴァイ先生、「おぉぉ」と冗談ぽく頭を抱えます。

サインを頂きながら「DLRバンドが再結成するのを見るのが私の死ぬまでに叶えたいこと(bucket list)の一つなんです」と先生に言うと、

「それは実現しないから、そんなバケツ(bucket)は蹴飛ばしてしまいなさい」と速攻で希望を打ち砕かれてしまいました。

気を取り直して、「では、PAWの25周年ツアーではいつ日本に帰ってきてくれるんですか?」と聞くと「それも無いな」と想定外の全否定。

「でも、今年はPAWで南米には行くじゃないですか!」と食い下がると「ああ、南米には行くけれど、日本には今回来ているし、それは実現しない。でも聞いてくれてありがとう」とのお言葉。来年の単独を期待していただけにショックです。

ヴァイ先生の隣からヌーノが雑誌を覗き込んでいたからか、ヴァイ先生もまじまじと表紙の写真を見つめ、「うう、何だよこのブーツは!このスパッツは!」と自分の過去の衣装を大げさに嘆いています。(先生は最近でも凄い舞台衣装着てますよね、というツッコミは止めておきました)

雑誌の中身を見始めた先生とヌーノ。「もちろん歳はとっているんだけど、ビリーって不思議な若さがあるよな」とヌーノ。それに一同合意。トシンも面白そうに表紙を眺めていたので「この衣装どう?」と言うと「ん~、じゃあスパッツだけ」と言うので「ぜひ!」と言ったら冗談と笑っていました。

サイン会の後は開演前のステージ見学。5人分の機材が見れて写真が撮れるという貴重な機会、時間が足りませんでしたがおおよそを見ることができました。マーシャルの壁を背に記念撮影ができて記念になりました。

Gastage