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リッチー・コッツェンが選んだ10枚の必須ギターアルバム

ソロアルバム "Salting Earth" をリリースして、北米ツアー中のリッチー・コッツェンがメディアのインタビューに応えました。ニューアルバムについては日本でもインタビュー記事が出るでしょうから、リッチーが選んだ10枚の必須ギターアルバムのコメント部分を和訳してみました。

この企画はそのミュージシャンの音楽性、影響に加えて少年時代の素顔が垣間見れるところが興味深いです。

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1. Stevie Wonder - Talking Book (1972)

変に聞こえるかも知れないけど、俺は実のところ根っからのギタリストって訳じゃないんだ。俺はギターアルバムってのは聞かないんだよ。ただ、素晴らしいギタープレイが入ったアルバムがあって、俺というミュージシャンを形作ったと言えると思う。

Talking Book はその1枚だ。このアルバムのレコーディングはひたすら最高なんだよ、曲に完璧に合っていて、これこそ俺が聞きたいものさ。子供の頃はこのレコードを何度も何度もずっと繰り返し聞いてたな。

2. George Benson - Breezin’ (1976)

ジョージ・ベンソンにはもっと派手なギタープレイのアルバムがあるってことは分かるけど、これを聞いて俺は子供の頃にギターを手に取り、彼がどうやっているのか探ろうと駆り立てられたんだ。

彼の影響が強いのはどこかって言うのは難しい。自分を分析してどのプレイが誰から影響を受けたかなんて話せない。俺のプレイは子供の頃から聞いてきた好きなプレイの集合体なんだよ。

と言いつつ、ジョージはプレイしながら歌うことで有名だったから、俺がそれを取り入れたってことは確かさ。だって俺が子供の頃初めて行ったコンサートの1つで彼を見たんだから。

3. Iron Maiden - The Number Of The Beast (1982)

これって(ジョージ・ベンソンから)クレイジーな転向で全く違うスタイルだけど、このアルバムは俺が青春時代にベッドルームで聞きまくった1枚だ。実際に1枚目のアルバムは磨り減っちまったんだ!このアルバムでは一番エアギターしまくったよ。

俺が学校へ着て行ったTシャツ2枚だけど、1枚はこのアルバムカバーので、エディとエヴィル・パペットがプリントしてあるのさ。もう1枚は Black Sabbath のTシャツで、気味悪い黒魔術師が666の横で水晶玉を持ってるやつ。7年生のときの俺のユニフォームだったんだ、Maiden と Sabbath Tシャツが!

エイドリアン・スミス(Iron Maiden guitar)とはもう何年も仲のいい友達で、俺たちは沢山のジャムセッションをやった。彼は素晴らしいブルース・プレイヤーなんだ。マリブにある彼の家で何晩も夜中までジャムしてすごしたよ、あらゆる種類の即興コード進行でプレイして、凄く楽しい時間だった。彼は青春期の俺に影響を与えただけでなく、いかした人でいい友人なのさ。

4. Van Halen - Van Halen (1978)

おかしなことに、俺が初めてエディ・ヴァン・ヘイレンを聞いたのはマイケル・ジャクソンの "Beat It" なのさ。両親の車の後部座席に座って家に帰るところだったある夜、親がラジオを切ろうとしたところだった、俺は「待って!ソロを弾いたのが誰かDJが言うのを聞かなくちゃ!」と叫んだのさ。ラジオでは誰か言わなかったけど、後でエディだって知った。

それで彼のことを調べてアルバムを買った。俺が初めて耳コピしようとしたのは "Eruption" だったと思う。レコードのターンテーブルの回転をスローにして彼のプレイを覚えようとしたのを覚えている。結局きちんとコピーすることはできなかった。

他の友達は "Eruption" をマスターしてエディみたいにプレイできてたけど、俺にはどうにも出来なかったんだ。俺は自分のやり方でやろうとして、自分のひねりを加えてしまうんだ。このアルバムには "You Really Got Me" "Ice Cream Man" も入ってる。俺の大好きなアルバムさ。

5. Stevie Ray Vaughan - Texas Flood (1983)

間違えてなければ、このアルバムには "Lenny" が入ってる。家の物置のスタジオで俺と仲間はこのインスト曲のコードでずっとジャムしてソロまわしをしてたんだ。

俺たちは彼のトーンに驚いたものだった。そして俺たちはトーンてものは指とフレージングから生まれるものだってことを彼で学んだのさ。時として、ギアは重要ではないんだ。トーンは指から生まれるんだよ。

6. Rush - Moving Pictures (1981)

このアルバムは特に俺に影響を与えた1枚だ。ギターについて言うと、ソロはとても音楽的でユニークだ。アレックス・ライフソンのプレイの中にはギターがギターに聞こえないものもあった。

"Tom Sawyer" "Red Barchetta" "YYZ" を俺のカバーバンドでやってたのを覚えている。これらの曲のプレイを学んで曲を覚えたのはいい勉強になったし、耳を鍛えるのにも役立った。

7. The (Dixie) Dregs - Industry Standard (1982)

地元でプレイしていたバンドを通じて The Dixie Dregs を知ったのさ。バンドには素晴らしいドラマーとギタリストがいて、"Bloodsucking Leeches" ってインスト曲をやってた。

その曲を聞いて、タイトルと作曲者を彼らに聞いたことで The Dixie Dregs を知ったんだ。ここでも、スティーヴ・モーズのプレイする様々なパートやソロを学んだことで俺は随分成長したんだ。

8. Gino Vannelli - Brother To Brother (1978)

"Appaloosa" って曲が入ってたから特にこのレコードは始終ずっと聞いていたアルバムだ。ギターを弾いていたのが誰かも知らないんだけど、この時代の最も速弾き曲の1つさ。

ドラム・トラックも派手だったな。部屋の中でいつもこの曲でロックしてたよ。きちんとコピーできなかったけれど、これで覚えたことは後日凄く俺に影響を与えたのさ。

9. Scorpions - Blackout (1982)

"No One Like You" って曲があるだろ、これには史上最高にクールなギターソロが入ってるんだ。ここで聞けるハーモニーも大好きだ。

このアルバムでも子供の頃100万回くらいエアギターした!このアルバムにはウリ・ジョン・ロートは参加していない。リードギターはマティアス・ヤプスだった。

10. The Jimi Hendrix Experience - Smash Hits (1969)

俺はオリジナル・アルバムを持っていなかった。でも "Purple Haze" "Fire" "Wind Cries Mary" "Hey Joe" なんかの名曲は全部このベスト盤から学んだよ。子供の頃持っていた唯一のヘンドリックス アルバムなんだ。

"Little Wing" は俺がティーンになるまで聞いたことがなかった。多分、デビューアルバムを出した後だ。俺は彼の作品をずっと聞いたという程ではないけれど、この曲なしの彼の作品集ってのはあり得ない。

俺がどうして "All Along The Watchtower" をカバーするようになったのかは覚えてないんだ。多分ジャムから始まって次第に俺のソロバンドでカバーの定番になったんだと思う。新たな解釈を加えるのが楽しい曲だ、沢山の違うバージョンがある。俺たちのは少しスローでセクシーなバージョンだ。他の皆がやってるみたいに熱狂的なのじゃないんだ。