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ジョー・サトリアーニ 「ミュージシャンは自分に対して正直にならなくてはいけない」

ジョー・サトリアーニがメディアのインタビューに応えました。ニューアルバム What Happens Next の作曲について、また敬愛するジミ・ヘンドリックスについてなど、一部を和訳してみました。

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曲は全部先に作曲してあったのですか、それともグレン・ヒューズ、チャド・スミスをスタジオに迎え、一緒に作ったのですか?作曲のおおまかなプロセスを教えてください。

私はバンドを集めたり、スタジオに入る前に全ての作曲は自分1人でやってしまうのが好きなんだ。アルバムを作るのには金がかかる。プロデューサー、エンジニア、アシスタント、そしてもちろんミュージシャンそしてスタジオといった人の才能に資金を使う方がいいと思っている。そしてスタジオではいい曲が浮かぶまで時間を無駄にしない方が良い。

私の場合、作曲では特別な物語を語ろうとしている。それぞれの曲は何か特定のことについてで、サウンドもアレンジも同様に特別なものにしたい。曲はそれぞれ個性的なサウンドの特徴を持っている必要がある。それはミュージシャンがここでは別のプレイができたと言えるものだ。

あなたは作曲、プロデュース、アレンジ、演奏を全てこなしますが、曲を作る際に決して見過ごしてはいけない重要なステップは何でしょう?

誠実であることだ。自分の気持ちに正直でなければならない。真実を押しとどめることはできないのさ。私はよく若いプレイヤーたちに聞かれるんだ、何をするべきか、と。誰もが知っている明白な答えは練習することだ。

しかし、物語を語ることは作曲家、そしてミュージシャンの仕事だ。それはミュージシャンにとって最も厳しいことだ。なぜなら完全に自分に対して正直にならなくてはいけないのだから。彼らは真実を取り出すため、常に深く自分と向き合わなくてはならない。シャイであってはいけないし、そのためには少し勇気が必要だ。

新曲を書いているときに、これは以前書いたものだと自分で疑ったりすることはありますか?

曲を書いているときは、往々にして興奮が高まる中、頭の中で小さな声が聞こえるものさ。おい、これは6枚前のアルバムで使ったぞってね。ただ手を止めて自分を笑うしかないんだ。作曲家であってもミュージシャンであっても、常に自分をチェックしなくてはならない。

ニューアルバムを聞いていると、あなたの奏でる音はシンガーが歌詞を歌っているように思えます。いつもそういう意図なのでしょうか?

確かに私は作曲時に音数が多過ぎないことを確かめるために、メロディラインを歌うようにしている。インスト音楽をレコーディングする際に難しいことの1つは、リフを弾いているのか、ソロなのか、メロディなのか、オーディエンスが分からなくてはいけないということだ。多くのインストミュージシャンはそのギリギリのところをやっていると思う、何しろプレイするのがとても楽しいからね。

でも私は落ち着いて、私が思うところのその曲の正しいメロディを歌って、それから自分にどう弾くのか教えるんだ。そうする時には、そのインスピレーションはどこか違う場所から来るのだと分かる。そうしていつも表現力を高めることを学ぶ、とても良い習慣だよ。

アルバム最後の曲は"Forever and Ever" で最初と最後にとてもジミヘン的なブルージーなヴァイブがありますね。ブルースのインストアルバムを作ろうと思ったことは?

やってみたいけれど、バンドとボーカリストがいるべきだね。私はブルースが好きだが、熱心なブルースプレイヤーではないから。ある種の聖地だよね。ヘンドリックスのアルバムだって作ってみたい。でも彼の曲をカバーするのは世界で一番危険なことだよ。彼のように素晴らしいプレイなどできないのだから。だから最初から敗北を認めて一歩下がらなくてはならないけれど、私は好きだからこそやるだろうね。

ヘンドリックスのインストアルバムはどうですか?

どんなものになるのか想像できないな。でも素晴らしいアイデアだ。おかげでこれから数年間このことを考えそうだよ。

ヘンドリックスの音楽の何がいまだに若いギタープレーヤーたちを惹きつけるのでしょう?

ただ素晴らしいのさ。完全にナチュラルで、彼の感情と彼のギターから生まれる音の間には何の障害も無い。私が皆に指摘しているのは、他の皆が練習をしたというものでも、彼が練習をしたとは思えないところなんだ。たったの1スケールですら、秩序的に聞こえる音はないんだ。彼が自分のヒーローのバディ・ガイにオマージュを捧げている時ですら、完璧に彼オリジナルの音がするんだ。彼は実に驚異的な人物だったのさ。