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アンディ・ティモンズ Ear X-tacy Remastered 発売!ライナーノーツを読む

1994年に発売されたアンディの名盤 Ear X-tacy がリマスターされ、Ear X-tacy Remastered として発売開始されました!(詳細はこちら、注文はオフィシャルサイトへ)

CDパッケージにはアンディ自身によるライナーノーツが印刷されており、当時を振り返っての興味深いコメントが読めます。日本盤は発売されないと思いますので、CDを購入したアンディファンに読んでいただきたく、ライナーノーツを全文和訳して掲載します。

多くのアンディファンがこのCDを購入して、アンディをサポートできますように。Ear X-tacy 25周年での来日ライブが実現しますように!

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The Andy Timmons Band は1987年にテキサスのデントンにあるロブ・ウェシュラーの家でのジャムセッションから生まれたんだ。ロブはよくこういうジャムを主催していて、音楽的な相性が良さそうな組み合わせのプレイヤーを招待していたんだ。北テキサス大学のジャズ学科のおかげで、デントンは今もかつても素晴らしいミュージシャンを輩出している。

ミッチ・マリーンは伝説の “nuclear ポルカ” バンドの Brave Combo でドラムを叩いていた。マイク・デーンはNTSUの学生だった。僕たちは直ぐにお互いの音楽的基礎が共通で、60年代、70年代のロックにあること、同時にジャズやワールド・ミュージックに敬意と愛を抱いていることに気付いたよ。

僕たちの最初の出会いから程なくして、ロブ(彼は素晴らしいエレクトリック・バイオリニストであるだけでなく、尊敬されるレコーディング・エンジニアなんだ)から彼が働いているダラスのスタジオでレコーディングに誘われたんだ。Guitar Player 誌がちょうど最初の Soundpage レコーディングのコンペを発表したところで、読者がオリジナル曲の録音を送ると、候補作品に選ばれたらソノシートにして雑誌に付けて発売されるというものだった。

僕は急いで “It’s Getting Better” を書いて、ミッチとマイクをレコーディングに招いたんだ。そのレコーディングが最終的には Ear X-tacy のCDに入った。ところで、僕らの曲は Soundpage には選ばれなかったけれど、そのコンテストが与えてくれた励ましと刺激によってクリエイティブになれたことには永遠に感謝している。確かにそのおかげでマイク、ミッチ、ロブと僕はさらに道を進み、今日に至るまでの旅に乗り出したのだから。

このセッションから間もなくして、僕らはデントン近郊でギグを始めたんだ。主にヘンドリックス、Cream、サトリアーニ、ヴァイ、エリック・ジョンソンから Bubble Puppy (!) までカバー曲を演奏した。僕は遂に僕が弾きたいものを何でも本当にプレイできるバンドができてとても嬉しかった。ミッチとマイクは驚くほどにクリエイティブな演奏ができ、それにアレンジ面での貢献も素晴らしかった。

次のレコーディング・セッションでは新曲が2曲できた。インストゥルメンタル曲の “Innocence Lost” (これをこのアルバムのボーナストラックに入れた)とボーカル曲の “Wanted Man” (And-thology 1 & 2 に収録)だ。ダラスでは直ぐにファンがついたよ、何しろギターヒーロー時代のピークだったからね。

この頃、ニューヨーク出身のバンドで Epic と契約していた Danger Danger から僕にオファーがあった。決断には随分と迷ったけれど、これは僕がメジャーレーベルのバンドに加わる唯一のチャンスかも知れないと思ってオファーを受けた。当時はそれが究極の目標だと思っていたんだ。

ニューヨークに引っ越してバンドに加入した後も、可能な時はダラスに戻ってATBでプレイし、レコーディングもした。デモのレコーディングを続けていればいつか僕らのレコード契約がとれると思ったんだ。録音素材が十分にできてくると、僕はカセットに入れて友人に渡して感想を聞いていた。

1992年頃、僕の友人で素晴らしいギタリストのレブ・ビーチにカセットを渡したんだ。「これはただのデモなんだけど、レコード契約が取れたら全部再レコーディングしようと思って」と言うと、彼はこう言ったのさ。「何言ってるのさ?これはお前のレコードだろう!こいつは最高じゃないか!もう完成している!」

ギターソロのいくつかは急ごしらえのレコーディングだったし、Zoom から直接ミキシングボードに繋いだものもあったけれど(スクラッチ・トラックのつもりだったんだ)、これらには素晴らしいフィールと新鮮さがあって、再現させようと思ってもできないものだと僕は次第に気付いたんだ。それで Danger Danger が解散しつつあったとき、テキサスに引っ越して、“Electric Gypsy” “Farmer Sez” “Turn Away” をレコーディングしてアルバムを完成させた。

僕が今でも音楽を創り、生涯を通じて愛する楽器をプレイできることは途方もない幸せだと感じている。僕らへの長年のサポートと芸術の追求のために刺激を与えてくれている皆に永遠の感謝を。

ロブ、マイク、ミッチとダンへ:君らへの僕の感謝と愛は計り知れない。当時僕を信じてくれたことはとても重要だったし、今日ではその重要性は更に増しているよ。

― アンディ・ティモンズ 2018年6月24日

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Ear X-tacy リリースに至るいきさつについては、こちらの過去記事でもアンディが話していますのでどうぞ。