Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジョエル・ホークストラ Part 3 「 Joel Hoekstra’s 13 の2ndには良い曲が入るから、皆に気に入ってもらえるだろう」

Whitesnake のジョエル・ホークストラが自身のサイド・プロジェクトである Joel Hoekstra’s 13 について語った Part 3 です。ニューアルバムの制作状況、マイケル・スウィート(Stryper)とのプロジェクトについても語ってくれました。質問と和訳:Green

==========================================

Jh13_2017morc_mark ー あなたのサイド・プロジェクトである Joel Hoekstra’s 13 のセカンド・アルバムを制作中だそうですね。現在の状況を教えてください。

JH: 皆のスケジュールに合わせているので進みは遅いけれど制作しているよ。曲はもう書いたんだ。次に僕はスクラッチ・トラックをギターで録音した。メトロノームを掛けながら、僕が全曲をギターで弾いているものだ。そこに僕がガイド・ボーカルを入れてある。僕はそれを Cher とのオーストラリア・ツアーの間、ホテルの自室でやっていたんだ。だから僕の部屋の近くだった人には嫌われてると思うよ。(笑)

そしてヴィニー・アピスがドラム・トラックを仕上げ、トニー・フランクリンはベースを入れてくれた。後はラッセル・アレンで、彼の進め方次第だな。まあ、様子をみてみよう、彼には家族があって、早く仕事をするタイプじゃないんだ。僕は同じラインナップでセカンド・アルバムもレコーディングしたいのだけれど、ジェフ・スコット・ソートの歌う曲は少なくなるかも知れない。だって彼には Sons Of Apollo があるから。でも何曲かでは歌ってもらいたいし、理想としては(ファースト・アルバムと同様に)ラッセルのリードボーカル曲でジェフにコーラスを入れてもらいたい。まだ僕のギタートラックもこれからだし、これから忙しくなるから、時間が取れなくなる。とにかく皆が早く仕事をしてくれるとありがたいよ。できれば今年中にリリースできたらいいけど、今のところはわからないよ。

ー では、ラインナップは同じなのですね。

JH: それが理想だと思っている。Joel Hoekstra’s 13 はロック・プロジェクトのバンド名でアルバム・タイトルが Dying To Live だけど、皆はアルバム・タイトルが 13 だと勘違いしていたりする。セカンドを出したらこれがバンド名だってわかってもらえるかな。自分ではファーストよりもセカンド・アルバムの曲の方が気に入っているんだ。良い曲が入っているから、皆に気に入ってもらえるんじゃないかな。いいミュージシャンが揃っているし、後はプロダクションを頑張るつもりだ。僕はその辺りは完璧主義者なんだよ。本当に自分で納得いくものをリリースしたい。

(なお、インタビュー後にジョエルと話したところ、キーボードも前作同様にデレク・シュレニアンに頼みたいのだと語っていました)

ー 前作では曲について、最もヘヴィなものは DIO 、軽いもので Foreigner だと語っていました。それは同じになりそうですか?

JH: ボーナス・トラック(海外盤)にあった “Killer Or Be Killed” はスラッシュ・メタルに近いものがあった。今回はそこまでヘヴィな曲にはならない。多分、今回の最もヘヴィな曲は Queensrÿche か Black Sabbath ぽいヴァイブがあると思う。それから DIO っぽいサウンドの曲もあるし、前作の “Until I Left You” は殆どポップ・ソングだったけど、そういう感じからブルース・ロックまで。

大体の曲はそのどこか中間の感じだと思う。前作程ヘヴィにはならないよ、前回はどれくらいのレンジにするのか探っていたところもあるから。前作は本当にレンジが広かったよね、ヘヴィな “Killer Or Be Killed” から(爽やかな) “Start Again” まで。例えるなら Metallica から Styx までくらいの幅があった。でも僕はそれが気に入ってたんだ。僕は色んなバンドが好きで、それは同じようなバンドではなかった。

同じような曲でアルバムを創ったらそんなの退屈しちゃうよ。13曲も同じ曲なんて欲しくないだろう?あ、僕のアルバム、実際は12曲だったな。(笑) 毎回同じような曲、ヴァイブのアルバムを出すバンドなんて、そんなの意味あるかい?「Variety is the spice of life」(変化は人生のスパイスである)って諺があるだろ、僕はミュージシャンとしても多様性が好きだし、色々なスタイルのプレイをする。だって音楽とは感情表現なんだ。1日中「怒り」だけの感情や「悲しみ」だけ、「良い」だけに染まるのなんて誰も望まないだろう。人生とは様々な感情のミックスなんだから。アルバム制作っていうのは真に自分が何者であるかを反映したものになると思うんだ。だから様々な感情を表現したものになる。

 
インタビュー時撮影ビデオ。ブログではオリジナル・ほぼノーカットの内容で日本語訳を掲載のため、ビデオの内容は本ブログにてpart 3とpart 4に分けて掲載します。

ー デュエット曲はありますか?

JH: 次作にはないよ。書いてないし、アイデアが浮かばないし、誰をイメージするのかも。前回はジェフとクロエのボーカルが素晴らしかった。曲の中間部では素晴らしいマジックが起こっている。

ー 日本であの曲を聴いてクロエを発見し、彼女の素晴らしさに感嘆していた知人もいますよ。

JH: クロエは素晴らしい才能の持ち主だ。今は彼女自身の作品(4月19日発売のデビューアルバム The In-Between)に力を注いでいる。彼女とロック・アルバムを創れたらいいけど、必ずしもそれが彼女にマッチする訳ではない。できればクールだけどね。ロック界の女性シンガーでは(まだ今の時点では男性程には)競争は激しくない。Halestorm のリジー・ヘイルや Evanescenceエイミー・リーとの競争に勝てば名前が売れて有名になれるよ。この分野はますます面白くなるよ、レイチェル・ローレンも売れてくると思う。(デビュー・アルバム Worship The Unbroken が Frontiers から発売予定)彼女とアルバムで何曲か書いたけれど、彼女も素晴らしいしね。この分野には有望株の動きがあると思うよ。でもクロエは僕が思うに世界でもベストのシンガーの1人だ。もし彼女がロック・アルバムをやってくれたらとてもクールだね。

ー 2017年のMORCでは Joel Hoekstra’s 13 のライブが実現しました。今後の実現の見通しはありますか?ジェフもラッセルも超多忙な人たちですが。

JH: 2人のシンガーがいるというのは有難いものだよ。ジェフはファースト・アルバムで随分と力になってくれたんだ。彼は最初の半分の楽曲でバック・コーラスを歌ってくれた。リード・ボーカルはラッセルで、それは僕への厚意でやってくれたんだ。シンガーにはエゴがあって「俺がバック・コーラスなんて歌うもんか」て人もいる。

ジェフは素晴らしいシンガーだけど、とても心が広く、「お前の為だ、任しとけ!」って感じでやってくれた。ラッセルとジェフの声のミックスは素晴らしいものになったよ。ラッセルには当時スケジュール上の問題があり、Symphony X のアルバムがあって、僕のアルバムの方は待ってくれと言うんだ。僕は僕のアルバムの為に全て資金を出して、制作しているんだから、それはないよ、という感じだった。よし、そうならジェフに頼んでアルバムを仕上げてもらおう、と思ったのさ。聴き手にとっては少々混乱するかも知れないけれど、アルバムの曲が良いことが重要なんだ、それでいいと思ったよ。

ー 将来のツアーの可能性はありませんか?

JH: うーん、ラッセル次第だよ。Symphony X もあるし、いつもラッセルのスケジュールの問題なんだ。でも、もしかしたら、ラッセルと新しい形でバンドを始めるかも知れない。そんな話をしているんだ。Joel Hoekstra’s 13 ではなくて、今度はラッセルも作曲にきちんと関わり、コラボレートした形で。まだ全くの構想段階だけど、できれば今年中に一緒に作曲ができたらいいと思っている。Joel Hoekstra’s 13 とは異なるサウンド、スタイルのものにしたいと思うんだ。


Joel Hoekstra's 13 のアルバム Dying To Live からジェフ・スコット・ソートが歌う "Scream" のMV。アルバムではキーボード・ソロをデレク・シュレニアンが弾いていましたが、彼の都合が合わずビデオ撮影できなかったため、このMVではキーボード・ソロのパートをジョエルがエレクトリック・シタールで弾いています。 

ー それは楽しみです。Stryper のマイケル・スウィートとのプロジェクトもありましたよね?

JH: マイケルのソロ・アルバムがもうすぐ出るよ。彼のアルバムで2曲ほど共作したし、ギターも入れる。このクルーズが終わって家に帰ったらとりかかるよ。それでミックスは4月になるのかな、リリース日程はわからないけど。大抵は音源を提出してから、リリースは3~4ヶ月後だ。

ー 確かあなたはマイケルのソロ以外でも、彼とプロジェクトをする予定でしたよね?

JH: ああ、フル・アルバムをやろうって話だね。そういう話はあって、どんな契約ができるかと様子を見ていたんだ。レーベルから制作費を工面できないかと。でも僕はこのところとても忙しくなって、Whitesnake/ TSO /Cher のツアーでずっとプレイしている。もちろんマイケルとはとてもウマが合うし、ファンも喜ぶだろうし、彼ともやりたいねと話はしているよ。

マイケルと僕は仕事が早く、何でもやり遂げるタイプなんだ。この業界ではいつまでも仕事をやり遂げない人がいる一方で、何でも早くやり遂げる人がいるのさ。マイケルを見てごらんよ、いったい彼は何枚のアルバムを創ってきたことか。彼がいかに創造的で前向きな人物かが表れているよ。僕らは友人としてとても合うんだ。だから遅かれ早かれ、僕らはそのアルバムを創ると思うよ。どこかのレーベルが正当な制作費を用意してくれるだろう。ミュージシャンだけが資金を投じるだなんて、そんなのはフェアじゃない。

==========================================

Part 4 へ続く

【追記】

4月5日のツイートでマイケルさんがジョエルとのフル・アルバム制作プロジェクトについてコメントしています。

「(俺のソロアルバムで)ジョエルの2曲での作曲とギタートラックは優れた仕事だった!俺たちが一緒にフル・アルバムに取り組めばどんなことができるか、最高の事例になるだろう。(それは確実に近いうちに実現する!)皆に聴かせるのが待ちきれない!」

とのことですので、2人のプロジェクトは近い将来に実現しそうですね。