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ガスリー・ゴーヴァンが選ぶ、衝撃を受けた10人のギタリスト

6月28日にニューアルバム『You Know What…?』をリリースした The Aristocrats。日本盤は8月21日発売のようですが、通常盤の模様。海外で発売されているDVDの付いたデラックス盤は出ないのでしょうか。DVD予告映像(↓)によると、今回も彼らは3人がそれぞれ曲を書いて、それぞれが自身の曲のプロデューサーになっているようです。彼らは今月から北米ツアーを始めており、秋冬の欧州ツアーも発表されています。日本にも来てくれますように!

 

ガスリー・ゴーヴァンが自身のギタープレイに影響を与えた10人のギタリストについてこちらでコメントしていました。ガスリーが他のギタリストをどう見ているのか、見慣れた名前もありましたので、興味深かったその一部を和訳してみました。

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スティーブ・ヴァイ

さっきヘンドリックスについて言ったことの多くが初めてスティーブ・ヴァイを聴いたときにも当てはまるよ。80年代中頃のギター雑誌に付録で付いていたソノシートで "Blue Powder" の『Passion & Warfare』 以前のミックスを聴いたときの鮮明な記憶がある。

ティーブはロックギターの語彙を大幅に拡大したんだ。他のギタリストたちが使えないと見過ごしていた奇妙なノイズを取り入れ、それらに音楽的に有効な応用法を発見していたんだ。

80年代の多くのロックギター・ヒーローたちは熾烈でもはや不健全とも言える競争を楽器に対して行っていた一方で、ティーブのプレイは明らかな技術的卓越を備えながらも見事なユーモアのセンスを体現していると思った。

彼(と無論のこと、ジョー・サトリアーニ)はロック・プレイヤーでも難解な音楽理論に精通している者がいることを知らしめ、重要な衝撃を与えた。それまでは恐らくロックンロール業界はプレイしていることしか知らないのだ、という汚名を着せられていたと思う。

 

ロン・"バンブルフット"・サール

何年も前、ギター雑誌でマイク・バーニーのコラム『スポットライト』でロンのことを読んだ。本能的にこのプレイヤーの音を聴かなくてはならないと思って、彼に手紙を書き、どうにか彼とはお互いのデモテープを交換し合うようになった。

無論これは YouTube 時代よりもずっと前のことだ。だから僕にできたことはロンのプレイをとても注意深く聴いて、彼があのクレイジーなプレイをどうやっているのかを想像することだった。僕が確信を持てたのは、従来型のギターテクニックのレパートリーを遥かに超越したものが含まれているということだった。それに、高価で洒落たエフェクト処理に頼ることなくエレキギターで多くの斬新なことを引き出している人の音を聴くのは実に好奇心をそそられる。

ロンのプレイはとても個性的なんだ。彼の『Adventures of Bumblefoot』がリリースされたとき、当時のシュラプネル・レーベルから輩出された他の人たちとは全く違うと感じた。彼は完成されたヴィジョンを持ったミュージシャンで、その分野において起こっていたこと全てから完全に独立していたのが明らかだった。僕は彼の様なプレイヤーに驚かされるのは大好きなんだ。

 

アラン・ホールズワース

読者は皆、既に偉大なるアランのことはある程度知っていると思うけど、僕はまだ彼の音楽全般への貢献については犯罪レベルに過小評価されていると思う。思うに、彼の作品の全てはチャーリー・パーカージョン・コルトレーンらジャズの巨匠たちの作品同様に革新的なんだ。

彼は明らかにギターの技巧的可能性を再定義するだけに飽き足らず、殆ど全ての音楽理論を書き換えてしまったんだ。これまでに無かったようなあらゆるコード・ヴォイシングを発見し、それらを補完する全く新しいスケールを作り出した。

彼のトーンにもいつも魅了された。恐らくそれは彼がギターを理想的また選ばれし楽器として見なしておらず、解決しなくてはならないものと考えていたという事実に由来するユニークさからなのだと思う。

アランのプレイはいわゆる系譜的なものがない珍しいギタープレイヤーの事例と思える。多くのギタープレイヤーのプレイに耳を傾けると、何がしか初期に受けた影響の痕跡を聴きとれるだろう。しかしアランの場合、聴こえてくるものを最も理論的に説明したとして、この男は思いがけず突然やってきて、もし他の惑星からでなかったとしたら、少なくとも未来から来たのだろう!

 

フランク・ザッパ

地元の図書館からザッパのアルバム『Them Or Us』を借りてきたのをはっきりと覚えている。10代始めの頃で一度聴いてワクワクしながらも当惑したんだ。(訳者注:ヴァイ先生が参加している)

複数のパートはロックバンドが演奏可能とは思えないほど複雑でありながら、歌詞やアレンジには不敵なユーモアのセンスが満ちていた。それらが作曲面での高度な洗練と反目していて、僕は素晴らしいと感心した。

そしてもちろん、あのギタープレイだ。他のミュージシャンたちが「不可能」なパートを完璧に演奏していながら、フランクのソロは挑戦的で生々しく向こう見ずな何ががあった。彼は意図的に正確無比なバンド演奏の正反対を追求していたのではないかと思えたほどだ。

基本的なところでは、あの対比が僕の一番の印象だ。それからシンプルな伴奏パターンの上で同じことを繰り返すことなく、恐らく何分でも続けて即興演奏ができるフランクのプレイも。

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その他ガスリーが選んだ人は以下のとおり。

父親
ザル・クレミンソン
ジミ・ヘンドリックス
ジョン・スコフィールド
テッド・グリーン
デバシッシュ・バッタチャリヤ