スティーブ・ヴァイが8月21日、『 Slip of the Tongue 』発売30周年によせてコメントをSNSに投稿しました。ヴァイ先生のキャリアの中で、これまであまり発言してこなかった Whitesnake 時代をこれほど温かい言葉で振り返ったのは初めてかも。素敵なお言葉だったので、以下和訳してみました。
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11月18日は Whitesnake の『 Slip of the Tongue 』発売30周年の記念日で、これを記念して Rhino Records は10月4日に30周年リマスター・ボックスを発売する。
これは私にとって特別なアルバムだ。デヴィッド・カヴァーデイルとの共作は完璧なタイミングで実現した。私は世界有数の優れたロックシンガーの舵取りのもと(デヴィッド・カヴァーデイルは今も強力だ)素晴らしい人たちと世界をツアーし、1晩に何千人もの人々にギターをプレイした。荘厳な経験で、これは私が常々願ってきた夢の1つが叶ったのだった。
ルディ・サーゾ、エイドリアン・ヴァンデンヴァーグ、トミー・アルドリッジとデヴィッド・カヴァーデイルには心から感謝している。彼らは私の友人であるだけでなく、私の教師でもあったのだ。しかし私がこれに気付いたのは随分と後になってからだった。我々は他の優れた才能を持つ人々と共に集い、この素晴らしいアルバムを創り、ツアーした。この大きな節目に、当時のスネイクたち全てにお祝いを言おう。
それから、ちょっとしたギターのトリビアを教えよう。このアルバムはプロトタイプの7弦 Universe ギターでの初レコーディングで、当時の私はこれを Ibanez と共同開発していた。このアルバムではそのギターを文字通り全曲で使っている。実に優れた低音域の層が加えられ、それは当時ユニークだった。
同時に、故人となった素晴らしきハワード・カウフマンにも感謝を述べたい。ハワードは Whitesnake のマネージャーだった人物で、80年代の最大規模の公演をいくつも運営した。彼は至高の人で、顧客にも音楽コミュニティ全体からも深く愛された人だった。彼の知人か仕事をしたことのある人に尋ねれば、誰もが顔を笑顔で輝かせ、彼の温かく前向きなエネルギーについてお気に入りの思い出を語りだす。彼はそういう人物なのだ。
ハワード、君にも『Slip of the Tongue』30周年おめでとう!
スネーク・ヴァイ
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素晴らしいですねぇ。署名がスネーク・ヴァイになっている程、過去の仕事も思い出も先生の中でポジティブなものに昇華しているということ。
Whitesnake 時代のことを語ったインタビューでは過去記事の「あのバンドで問題があるとすれば、それは私だった」がおススメ。これを読んでから今回のメッセージを読むとヴァイ先生の心の旅路が伺えるようで、ジーンとします。
『 Slip of the Tongue 』20周年版とドニントン・ライブは持っているのですが、初出し音源が沢山あるようで、30周年7枚組ボックスセットも気になります…
また、ヴァイ先生は9月13日に既発のライブアルバム/DVD『Stillness In Motion』をブルーレイ2枚+CD2枚のパッケージで発売します。元の発売時にレーベルであるSonyがブルーレイを出さなかったので、先生が権利を買い戻して発売するそうです。
これは発売時にファンから要望が出ていたもので、DVDではステレオ音源で5.1サラウンドはディスク容量の関係で収録されませんでした。これがブルーレイでリリースされるなら嬉しい。
また、ヴァイ先生は現況についてSNSで以下のようにコメントしていました。
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現在、私は新たな交響曲の作曲に取り組みながら、既存の交響曲に手を加えている。それらは2020年にヨーロッパの様々なオーケストラとスタジオ・レコーディングされる予定だ。この作業をそれはもう大変に楽しんでいるよ。
それに2週間ほど前、嬉しいことに私の次のスタジオ・アルバムのコンセプト全体が精神的イメージとして私に降りてきたことを公表しよう。よって、交響曲の仕事が終わったら、それに取り組む予定だ。
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次のアルバム・コンセプトを「恒久の淵からダウンロードした」と表現している原文にヴァイ先生のアートなセンスを感じます。それにしても、ニューアルバムの方がまだまだ進んでいないようで、クラっときました。(涙)
17年の段階で次のニューアルバムは3枚組のトリオ編成のそぎ落としたヘヴィな作品になると構想を仰っていましたが、1枚でもいいから早く出来ますように。(詳細は過去記事のこちら参照)