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ライブネーション CEO「真にグローバルでのツアーを再開するにはまだしばらく時間がかかる」

主に北米でのライブ音楽イベント再開の記事を目にした2021年でした。国内でのライブ音楽イベントはまだ徐々に一部のイベントが再開という状況ですが、コロナ後の洋楽ライブ再開はどうなるのでしょうか?そんな疑問を抱えながら、最近の状況を振り返ってみようと思います。

その1)入国制限の緩和

アメリカや欧州の間では入国制限の緩和が進んでいるようで、アメリカのアーティストが欧州へツアーに出ていたり、欧州域内でのツアーなども再開しているようです。
日本では11月8日からやっとビジネス目的の渡航者の入国時隔離が3日に短縮されるそうで、海外アーティストの来日が増えるといいのですが。

その2)アーティストのコロナ感染

夏以降から北米で再開されているライブツアーの情報を見ていると、アーティスト又はスタッフの感染によってツアーのキャンセルや代役によるショウ続行など、多数のケースが散見されました。

多くのライブがワクチン接種か陰性証明を入場要件にしているようですが、オーディエンスはマスクしていないし、一緒に歌ってるし、酒飲んで騒いでるし、アーティストはかなりのリスクと隣り合わせなので、必然の結果だろうと思わずにはいられません。

アーティスト側は2年近くライブ収入の道を断たれていた訳で、リスクがあってもツアーに出ない選択は難しいのだろうと思います。そんな中にあって、慎重なアーティストが今年のツアーを全キャンセルして来年以降に持ち越すという決断をしている例もある程度みられました。

その3)大規模イベントの復活

今年の夏フェスティバル・シーズン、欧州では一部で復活するも、来年へ延期が多かったように思いますが、アメリカではやってましたねぇ。アメリカではほぼ国内アーティストが国内のオーディエンスを集めてやるイベントなので、域内で国境を超えるものがいろいろとある欧州よりも開催し易いのでしょうね。

しかし、ワクチン接種してもブレイクスルー感染がある中でほぼコロナ前のような状態のイベントができるアメリカって…

その4)クルーズの復活

万人規模の大規模フェスに対し、数千人規模のクルーズはイベントとして中規模ではありますが、5日ほどの間、限られた空間にアーティストとオーディエンスが滞在するものなので、コロナ後はどうなるのか注目していました。

10月末出航の Chris Jericho Cruise (プロレスとロックの合体型クルーズ、クリス・ジェリコ主催)も KISS Kruise も無事に開催されました。オフィシャルに投稿された写真などを見ると、コロナ前と変わらぬような様子に驚き。船内完全ノーマスク状態。マスク人は超レア!

burrn.online

そんな中、来年2月出航予定の Monsters of Rock Cruise のラインナップから Y&T が撤退しました。彼らは毎年MORCに乗船してきたバンドなので、かなりのサプライズです。理由は68歳のフロントマン、デイヴ・メニケッティ氏が船内の限られた空間で過ごすクルーズに安心感が得られないためというもの。

 Y&T は既に今年北米ツアーに出ていますので、これはやはりクルーズ特有のリスクに敏感なケースということでしょう。他にもご高齢のバンドはいるので、他のバンドの動向が気になります。来年メインアクトである、アリス・クーパーは73歳ともっとご高齢ですが、アリスともなれば、観客と同じ食堂で食べたり、一般通路を歩くこともないので大丈夫なのでしょうか?

 

ここからは、最近のコンサート関連の海外メディア記事から、世界最大のライブエンタメ企業、Live Nation Entertainment に関する情報をチェックしてみます。

www.theticketingbusiness.com

・LNが11月4日に発表した第3四半期決算発表によると収益は27億ドルで前年同期の1.8億ドルから大幅増
夏季のフェスティバルの需要は高くチケットが記録的速さで売切れ、コロナ前2019年対比で大規模フェスのチケット収益は1割増
・来期はライブエンタメの更なる伸長を確信
ワールドツアーを行うアーティストが真にグローバルでのツアーを再開するにはまだしばらく時間がかかる
   (マイケル・ラピーノ、ライブネーションCEO)

edition.cnn.com

・LNの発表によると、2022年のライブは2019年のコロナ前から2桁増を予定。
・主要アーティストの大規模ツアーは高水準の需要を満たすため、現在のツアーを23~24年まで延長。
・「LNによる Ticketmaster 買収は興行チケット販売における競争を阻害し、消費者に不利益を与えた」として市場独占、反トラスト法違反の訴えが複数の下院議員から出されている。

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市場を独占するLNに反トラスト法の鉄槌が落ちる日を心待ちにしています。在米の方の情報によると、人気アクトのコロナ後のコンサートでは、会場で営業しているフードトラックの売上からもLNは40%を奪っているらしい。(決済を全てタブレット端末でさせて、現金を使わせないからフードの売上を管理できる)だから会場の飲食物がすごい値段だそう。日本のフェス飯のレベルじゃない値段でした…

日本で海外アーティストのコンサートを心待ちにしている身にとっては、LNのCEOが語った「ワールドツアーを行うアーティストが真にグローバルでのツアーを再開するにはまだしばらく時間がかかる」の言葉は重く、来年もか…と気持ちが落込みました。

でも、King Crimson の来日ツアーが今月末からスタートするようなので、これが海外アーティストの来日公演の再開に結びつくといいなぁと思います。

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