ジョエルがUKのロックバンド Inglorious のリーダーでボーカルのネイサン・ジェイムズとギタリストのダニー・デラ・クルスとのライブチャットに参加しました。
Joel Hoekstra's 13 も Inglorious も Frontiers から2月12日にニューアルバムをリリースします。ジョエルは Inglorious のニューアルバム『We Will Ride』の楽曲 "Medusa" と "God of War" の作曲に参加しています。ジョエルとネイサンは2016年にTSOで出会っており、Inglorious の1stアルバムの曲 "You're Mine" を共作しました。
以下はチャットの概要和訳です。
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NJ (Nathan James):今日は参加してくれてありがとう。実は俺たちのニューアルバムからのシングル、 "Medusa" が Planet Rock のプレイリストに入ったんだ、これはUKではデカイことで、俺らみたいな若手バンドには重要だ。それで "Medusa" について君と話したいんだけど。
JH (Joel Hoekstra):君らの活動の一部に貢献できたことが嬉しい。君らは注目のバンドだし、君らを新進気鋭とは言いたくないな、既に確立したバンドだが、一方でまだこれから上昇するバンドだ。Whitesnake はもう40年も活動しているバンドだから、これから成功しようとしているバンドに貢献できるのは楽しいよ。
NJ:1stアルバムでも共作したんだった、もう5年も前だ。あのとき、デレク・ショウルマンがTSOで一緒にアメリカにいるんだから、ジョエルと書いてみろと言ったんだ。あれはオマハのホテルだったよね。(訳者注:TSOのリハーサルはオマハで行われる)
JH:ああ、ダブルツリー・ヒルトンだった!(笑)あのときに書いたリフ2つの内の1つが君のアルバムに入って、もう1つは自分のニューアルバムで使ったんだ。"Fantacy" って曲だよ。
NJ:一度一緒にパフォーマンスもしたよね?Monsters of Rock Cruise は最高に良かった!いつかまた乗りたいよ。
(ビデオ脚注:2017年のMORCライブから。アルバム収録された "You're Mine" (ジョエルは作曲のみ)とジョエルがライブ参加してギターを加えたバージョン(↑)をぜひ比較して聴いてもらいたい。ギター1本でこんなに曲がカッコ良くなるお手本。)
JH:ああ。僕はMORCが大好きで固定メンバーだ。毎年楽しんでるよ、僕のハングオーバーセット(訳者注:午前に行われるアコースティックライブ)ではオーディエンスにブラッディ・メアリーを配ってる。そんな風に僕はあそこで変わった慣習を作ってるんだ、最近ではあそこで乗客とバスケの試合をするんだ。とても楽しいよ。
NJ:あの年はTSOのジョディ(訳者注:ネイサンの彼女、Cher のバックシンガーでもあり、ジョエルにとっては Cherバンド仲間)と行ったし、TSO仲間のジェフ・スコット・ソートもラッセル・アレンもいた。
JH:(TSOの)クリス・カフリーもいて楽しい年だったよ。
NJ:TSOはもう何年やってるの?
JH:2010年が僕の最初のツアーだから、あの年に雇われてもう10年だなんて驚くね。この冬のツアーがなかったのは不思議な感じだけど、素晴らしいミュージシャンとビッグなプロダクションでアリーナでプレイできるのは素晴らしい経験だ。
NJ:俺にとっても素晴らしい経験だったけど、(1度の参加で辞めたのは)今はこのバンドに集中しなくてはだめだと思ったんだ。でもいつかまた参加したい。
DD(Danny Dela Cruz): "Medusa" のリフだけど、あれはどんなインスピレーションからきているの?音楽的に影響を受けたものは?
JH:ネイサンは古風な Whitesnake タイプだと思っているので、ブルースを考えた。どうしてスライドのリフにしたのかは覚えていないけど、Whitesnake の『Flesh & Blood』でもスライドを使った曲を書いたから。Joel Hoekstra's 13 では DIOっぽいヴァイブだからフィットしないんだ。だからスライドを使ういいチャンスだと思ったんだ。僕はスライドのプレイが好きだし。それでスライドのリフを思い付いた。
コーラスに思い付いたのはスライドに合わなかったのでそれはフレッテッドで弾くことにした。コーラスはメロディックで、リフはブルージーにしようと。そしてプリ・コーラスは Zeppelin ぽいヴァイブだ。リズムセクションのためにスペースも残した。そういうのがリズムセクションに喜ばれるからね。「やった!(ギタリストが)やっと一瞬プレイを止めた!これでハイハットかスネアの音が通る」って(笑)
とにかく、クールなリフとブルースベースのクラシック・ロックで君らに貢献しようと思ったんだ。あとは少しネイサンが手を入れる余地を残して。リスナーに気に入られて良かったよ。君は実に良いプレイをしていたね。
DD:それは嬉しいよ、肩の荷が下りた感じだ。あの曲は最後に残していたんだ、スライドプレイを覚えなくてはいけなかったから。
JH:君がリフプレイを説明するビデオを見たんだけど、ベテランのスライド・プレイヤーに見えたよ。すぐ覚えたね。君のプレイはどれも素晴らしいよ。
DD:ありがとう、凄く嬉しいよ。僕が教えているギター生徒はよくジョエルみたいになりたいと言うんだ。プレイスタイルが多様でどんなスタイルもプレイできる。そういう多様性はどう身に付けたんだい?
JH:必死だったのさ!(笑)80年代ってどんなヴァーチュオソになれるかってことがギタリストの関心だったろう?本当に上手いリズムギターが弾けるようになる前からファンシーなリックを弾こうとしていた。僕はある時点でこれに追いついたんだと思う。僕にとって良かったことはハリウッドのGITに行ったこと。初めて家を遠く離れてロスへ行き、有名になってやるって思ってた。でも僕にとって一番良かったことは僕がGITを出たところで Nirvana がブレイクしたこと。腕利きギタリストになるぞって夢は一瞬で地に堕ちて燃え尽きた。
DD:ギターソロも消えてしまったよね。
JH:でもそれが僕にとって実のある時期になったんだ。92年かな、そこから2008年に Night Ranger に参加するまではクールなソロを弾こうなんてことではないことを何でもやった。ミュージシャンとしての腕を鍛え、自分の価値を上げるため、どんな種類のギグでもやった。人生としては厳しい道のりだったけど、最終的には僕はずっと良いミュージシャンになれたと思う。何に対しても心を開いて、曲の為にプレイするということ。速弾きを競うようなことではなく、優れたミュージシャンになるということが重要だ。とにかく、生活費を稼ぐために必死でどんなスタイルのプレイも覚えた。
NJ:ダニーが参加して2年になるけど、俺の思い出は2019年のフェス出演だ。週末のショウで2度 Whitesnake と一緒だった。でも最初のは、俺たち自動車事故に遭って、その3時間後にステージに立ったんだ。
JH:ハハハ!笑ってごめん、でもこれぞロックンロールな体験だ、君の自伝本にとっておきなよ。
NJ:とにかく、スイスのフェスとベルギーのフェスで Whitesnake と一緒だったんだ。後者のは多分、このバンドでの最高のショウだった。メインステージであのラインナップの中でビッグなギグをやったんだから。それにデヴィッド・カヴァーデイルに会えたのは俺の人生で最高の日だから決して忘れない。俺は全くの Whitesnake ファンの1人だ。それにあの日ダニーは君の側でプレイを見ていたよ。KISS、 Def Leppard、 Whitesnake が一堂に会した日なんだ、決して忘れない。Whitesnake で忘れがたいショウというのはある?
JH:大きなショウは沢山やったから…僕はこの歴史あるバンドの僅かな一部になれてただ嬉しいんだ。僕は何も知らずにバンドに加わったけど、嬉しい驚きはデヴィッドだった。人として素晴らしいし、常にポジティブだ。トミーはレジェンドだし、レブは実に本当に優れたミュージシャンなんだ。レブも様々なセッション等で多くの経験を積んで学んだプレイヤーでいいシンガーだし、優れたリズムギタープレイヤーでもある。彼のフラッシーなタッピングが目を惹くと思うけど、彼は素晴らしいミュージシャンなんだよ。
ミケーレは歌が上手いし、彼のバンドではベースを弾いてる、マルチプレイヤーだ。マイケルは才能のあるプレイヤーだし、多様なプレイヤーが集まっている。トミーみたいなロックの殿堂級の人から僕とミケーレみたいに、ここにいられて光栄って新入りまで。バンドはとてもウマが合うし、僕らの共通点はユーモアかも。皆面白いんだ。ミュージシャンの人生は厳しいけど、僕らは面白い奴らになろうとしてるんだ。Whitesnake のツアーバスでは笑いが途絶えることはないのさ。
(Part 2 に続く)