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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Y&T ライブ@ MORC2020 人間国宝健在 & メニケッティ・ワイン ディナー

今年のMORCでの Y&T は2月7日前夜祭のヘッドライナーと2月9日14時からのプールステージの2ショウでした。

前夜祭は時差ボケとそこまでの強行スケジュールで睡魔に負けて彼らのライブ前に帰ってきてしまいました。(無念)9日はライブ前にはスクリーンで彼らのドキュメンタリー作品『Y&T: On With The Show - The Documentary』の映像30分程をスクリーンで観ることができました。

 

 

 

カリブ海上で眺めたこの映像に日本の景色や伊藤政則氏が登場して何とも不思議な気分でした。このドキュメンタリー観たいけれど、オフィシャルのサイトでのみ販売だそうです。船上のマーチストアで買えたらと思っていたのですが販売はありませんでした。

store.meniketti.com

 

そしてバンド登場。オープニングは "I'm Coming Home" で少し意外でしたが、相変わらずの驚異的なボーカルと手堅い演奏には毎度圧倒されます。2曲ほど歌ってからデイヴさんが話しました。

「昨夜はいろいろなバンドを観に行ったよ、そしたら多くのファンに会ってプレイして欲しい曲のリクエストを沢山もらったので、そのうちの1つを考えてみることにした。私たちは毎回同じ曲をプレイする訳じゃない、そんなのつまらない。次の曲はアメリカよりも海外で人気がある曲だ」

デイヴさんのコールとオーディエンスのレスポンスから始まった曲は "Don't Be Afraid of the Dark" 、渋い泣きの曲。アメリカで売れなかったそうだけれど、殆どのオーディエンスが歌っていたので、皆のお気に入りなのでは。

いろいろなバンドを観に行ったとのことですが、Y&T 御一行は初日の夜、Winger のライブを観に来ていました。キップはサウンドトラブルの無いライブを見せたかっただろうなぁ…(初日の Winger は酷いトラブルに見舞われました)

今回、Y&T を初めてステージ前方で観ることができたのですが、近くで見るとデイヴさんのLes Paulは歴戦の傷に覆われており、そこから紡ぎ出されるギターサウンドは正に歴史の証人のごとく重みがある。デイヴさんもギターも国宝級。

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"How Long" はライブで初めて聴きました。渋い。そこからの "Mean Streak" で一気に盛り上がる!続く "Rescue Me" 、"Blind Patriot" とこのバンドは曲がいい!デイヴさんの歌唱もギターも気高い!

カリブ海上の青い空の下のステージに相応しく "Summertime Girls" を聴くと、バケーション気分が盛り上がります。そして雰囲気は一転し、"Black Tiger" へ。メインリフはジョン・ナイマン氏が弾いて、デイヴさんがフィードバックを使った効果音を。うう、カッコイイ!

最後は定番の "Forever" 。楽曲ラストのコーラス隊には誰が参加するのかが毎度楽しみなのですが、エディ・トランクさん他でした。Y&T のライブはいつ観てもそのクオリティの高さに感激します。いつまでもお元気でご活躍ください!

 

2/9 セットリスト at Pool Stage 2:00pm

01. I'm Coming Home
02. Hard Times
03. Don't Be Afraid of the Dark
04. Don't Stop Runnin'
05. How Long
06. Mean Streak
07. Rescue Me
08. Blind Patriot
09. Surrender
10. Summertime Girls
11. Black Tiger
12. Forever

 

 


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メニケッティ・ワインディナー 2/10

 

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船上の有料イベントでワイン・ディナーがあります。通常はアーティストを囲んで食事してワインを頂くというものですが、メニケッティご夫妻のワイン・ディナーはご夫妻が創ったワインを頂きながら、ワイン創りのお話や音楽のお話を聞き、お食事をするというもの。

デイヴさんはご自身でワインおたくなんだと言っているくらい、ワイン好きが高じて自分のワインを創るようになった方なので、このイベントは生産者の声を聞きながら上質なメニケッティ・ワインが頂ける、とても貴重なディナー会です。しかも、過去のフェスティバルやツアーなど歴史のあるバンドならではの貴重な昔話や楽曲・ビデオ制作の裏話なども聞かせてもらえます。

私は昨年に続いて2回目の参加です。昨年はディナー後に数人のファンとメニケッティご夫妻とでワイン飲みが延々続いて、酒豪級のご夫妻についていけなくて途中退出したのでした。

さて、今年もウェイターさんに案内されるがままに席に着くのですが、あろうことかご夫妻の席の御向かい。マジか。お食事中は自席の周りの方々と会話を楽しむこともこの会の重要なポイントなので、黙って怪しいアジア人になって食べる訳にはいきませんので、これはどうしようかと震えました。

有難いことに、奥様のジルさんはとても気さくで優しい方でしたので、ちょっとした話題で会話ができました。多分デイヴさんともお話したと思いますが、緊張しすぎて記憶がありません。

さて、ここからは私もワイン好きの端くれなので、メニケッティ・ワインと食事について書きます。コース料理にそれぞれワインがペアリングされてサーブされる形式でした。メニケッティ・ワインにはそれぞれ Y&T 楽曲のタイトルが付けられているところもファンには嬉しいです。

2018 Shine On Sauvignon Blanc

ワイルド・マッシュルーム・スープ

最初のワインはソービニヨンブランで、デイヴさん曰く、サンフランシスコの著名なワイン品評会でシルバーメダルを取ったそうです。メニケッティ・ワインのブドウ畑は近年のカリフォルニア山火事の地域より北にあるので、畑は無事だったそう。デイヴさんは余り強いフルーティなソービニヨンにはしたくなかったとのことで、程よいミネラル感、酸を持ったワインに仕上げたとのことでした。

飲んでみると、その程良さが心地よく、フレッシュでフルーツ感も丁度良い感じ。これは美味しいソービニヨンブランです。残念だったのは料理とのマリアージュがイマイチだったこと。スープは生クリームを使ったコクのある強い味のスープでした。このワインに合わせるならハーブや果物を使ったサラダ辺りが良かったのでは。

2017 Contagious Chardonnay

シーザーサラダ

デイヴさん自信作のシャルドネもまた、ワイン品評会でシルバーメダルを取得しています。カリフォルニアのシャルドネにありがちな、むせ返る程の樽臭がするようなものではなく、マイルドな樽臭で、果実味もミネラル感もあるバランスのいいシャルドネ。フランスのものとは違うカリフォルニアらしさはありつつ、クオリティ高いです。

このシャルドネに合わせるのがシーザーサラダというのが忍びない。しかもロメインレタスとチーズしかない。レタスの上のパルミジャーノで何とかワインを受け止めるしかない。このレストランにはソムリエはいないのだろうか… チキンとクリームソースを使った料理とか合いそうなのに。

2017 Forever Pinot Noir

グリルド・アトランティック・サーモン

チキンやアンガス牛の選択肢もあり、そちらの方がワインに合いそうな気がしましたが、ここのレストランはメイン料理の量がやたら多く、食べきれない&肉は固めで切るのが大変という前回の教訓から食べ易そうなサーモンを選びました。選んだ料理にかかわらず、サイドにマッシュルームやアスパラガスのグリル、ホウレン草のクリームソース煮、ポテトフライ(!)が大皿で登場してテーブルでシェアする形式に、何てアメリカンなのだろうと驚きました。サーモンは美味しかったのですが、ピノとの相性はいま一歩。

このピノノワールはワイン品評会でゴールドメダルを取得しています。カリフォルニアの上質なピノの味!しっかりとしたダークチェリーの果実味でタンニンは弱く、酸のバランス良し。香りも上品で実に優れたカリフォルニアのピノでした。近年カリフォルニアの上質なピノは値上がりしていますが、こちらは抑えめの$48。デイヴさんは良い品質のワインを低価格で提供したいという思いがあるそうで、メニケッティ・ワインの値付けには他のワイン生産者から(安すぎて)クレイジーと言われているそうです。

2018 Black Tiger Syrah

ニューヨーク・チーズケーキ

シラーに合わせるのがチーズケーキという謎。ここ絶対にソムリエ居ない。(汗)

このシラーもワイン品評会でゴールドメダルを取得しています。私のイメージするシラーは土臭くスパイシーな感じでしたが、こちらは果実味、タンニン、酸のバランスが良く、スムースに飲みやすいワインでした。

今回ご夫妻が持って来てくださったワインはどれもメダル受賞の上質なワインでした。ワインは米国内ではネット販売がありますが、海外では販売されていません。関税コスト、輸送コストを加えるとクレイジーな価格になってしまうそうです。

なるほど、それに良いワインであればある程、輸送/店頭販売時の温度/湿度管理が必要です。近年は日本でも一部著名ロック・アーティストのワインが入手可能になっていますが、店頭での温度/湿度管理はされているのかしら。

menikettiwines.com

ロック・ミュージシャンのラベルの付いたお酒はいろいろと販売されていますが、単にラベルに名前を書いて高値で売るビジネスが横行している(デイヴさん談)中で、ブドウの選定、収穫や樽、熟成期間など全てに自ら関わって上質のワインを適正な価格で販売しているメニケッティご夫妻のワイン事業には感心するばかりです。

現在は日本でメニケッティ・ワインは入手できませんが、カリフォルニアへ旅行の際はぜひ。デイヴさんはワインのテイスティング施設を今年のオープンを目指して準備中だそう。アコースティックのライブ会場も併設して、キップ・ウィンガーやエリック・マーティンを呼びたいと話していました。

私、あろうことかワイン会終盤には酔っ払いまして、終盤の記憶がありません。翌日スマホを見るとメニケッティご夫妻とぎゅっとハグのスリーショットがありました。ご夫妻の笑顔からして問題は起こしていない、と思いたい。(大汗)