人生初の武道館公演を BEAT で体験できるだなんて感無量です。
武道館に向かう道も日本風情があって、月光の下にあの独特の屋根のフォルムを見ると俄然気分が上がりました。
会場内部はこれまでに見た数々のライブ映像から想像していたよりもコンパクトで、そう大きくはない空間にぐっと濃縮されたコンサートホールという感じでした。
さて、今回の席は幸運なことに最前列だったのですが、トニーさん側のステージ端より外だったので、ヴァイ先生の立ち位置からは遠く、演者が動き回らない演出では、先生のプレイする姿をじっくり味わうにはなかなかに厳しかったです。(涙目)
それでも、このスペシャルな公演を日本で観られるのはプライスレスな歓びでした。
会場ではもちろん King Crimson のTシャツを着た人を沢山見かけました。私はこの伝説的バンドのことを何も語れないので、自分の狭い視点のままライブの記憶をまとめてみました。

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ほぼ定刻に登場するメンバー達。会場は高まる期待の拍手で迎えます。
エイドリアンは白いスーツ、トニーは黒い上下に白ジャケット、ヴァイ先生はグレーのビッグスーツで、エイドリアンと先生が帽子姿なのは海外のライブ映像そのままです。
(その後2人はインターミッション中に別のスーツに着替えて登場しました)
全員が楽器を奏で始める最初の1音から、初老の紳士たちとは思えないほどにパワフルでカラフルな音の波が鮮やかに会場を満たしていきます。
エイドリアンは中央で自在にサウンドの波を乗りこなし、涼しい顔で離れ業を決めていく。チャップマン・スティックと一体化したトニーさんの変態度の高さよ。ヴァイ先生が遠くて動きが見辛いけど、紛れもないヴァイ・サウンドはしかと聴こえます。
武道館の音響とベースのモニターが近いことで音を少し心配していましたが、杞憂でした。良い音で聴けて嬉しい。(ファンとしては先生のギターはもっと大きな音で聴きたかったけど、自分の会場立ち位置による聴こえ方によるものかも…)
観客の入りも心配だったのですが、ざっと7割くらいに見えました。大入りとはいかなかったけれど、海外アーティストの来日ラッシュ時期で、下期初日の月曜日という社会人泣かせの日取りや高額なチケットを考えれば健闘したのでは。
ライブの方は先月末に世界先行発売されたライブアルバム&ブルーレイ同様に進行されていきます。
「来てくれてありがとう。このような最も神聖な会場で私たちが共に演奏できることがどんな栄誉か、想像もできないだろうね」
とエイドリアン。やはり武道館でのライブは彼らにとって神聖なものなのでしょうか。1公演のみですが、この体験を楽しんでもらいたいです。
個人的には "Frame by Frame" "Elephant Talk" が楽しかったです。極められた演奏力による摩訶不思議なリズム世界へのトリップ。ヴァイ先生のギターの見せ場もたっぷりで、弾き姿をじっくり見たかった!
ずっと着座で聴いていたのですが、終盤にエイドリアンに促されて会場の皆が立ち上がりました。オーディエンスの興奮度が物足りなかったのカシラ?この難解な音楽をロックコンサートのようなノリで聴くのは難しいので、最後だけというのは丁度良いバランスでした。
ライブは前半が50分弱、後半が1時間弱で、ライブアルバムと比較すると "Red" がありませんでした。セットリストにはあった様子なので、時間の関係でスキップしたのでしょう。
「君たちが大好きだ。早く戻って来られるのを祈っている。あと1曲しかやる時間が残っていないんだ。時間制限があるからね。愛しているよ、また会おう」
最後の "Thela Hun Ginjeet" は立ち上がったオーディエンスとバンドがクリムゾン世界の音楽体験を思い切り楽しんで終わりました。
ミュージシャンシップを極めた素晴らしいものを見せてもらえました。後は先生が逆サイドにも来てくれていたら演奏する姿をもっと見れたのだけどなぁ…
本日のセットリスト
01. Neurotica
02. Neal And Jack And Me
03. Heartbeat
04. Sartori in Tangier
05. Model Man
06. Dig Me
07. Man with an Open Heart
08. Industry
09. Larks' Tongues in Aspic Part Ⅲ
(intermission)
10. Waiting Man
11. The Sheltering Sky
12. Sleepless
13. Frame by Frame
14. Matte Kudasai
15. Elephant Talk
16. Three of a Perfect Pair
17. Indiscipline
18. Thela Hun Ginjeet