Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジョー・サトリアーニ ギタリストへ10の最重要アドバイス

パンデミック後初めてのコンサート・ツアーを9月21日から開始したサッチ。2020年以降にリリースしたニューアルバム2枚を携えてのライブは豪華拡大版のショウになっている模様です。どうかどうか来日公演がありますように!

さて、今週は Guitar Player 誌のインタビューに掲載されたサッチのギタリストへのアドバイスを以下に和訳してみました。基本のアドバイスながら、どれも重要そうなものばかりです。

www.guitarplayer.com

=============

1.まずはチューニング

ギタープレイでこれがおろそかにされているのは可笑しいよ。多くの場合、インスピレーションが湧いて人はギターを手に取りプレイする。そうしてレコーディングされたアルバムさえある。ギタリストはインスピレーションの流れを阻害されるのを嫌がり、その素晴らしいパートをチューニングの外れたギターで弾いてしまうんだ。

ギターの音程が的確か、きちんと確認して指板を弾くときには常に音程を正確にすること。チューニングの合った演奏を積み重ねることで、それが自分のシグネチャー・サウンドの一部になる。

(訳者ひとりごと:アンディ・ティモンズが常に完璧なチューニングのギタリストとしてサッチの名前を挙げていました。正にそれがサッチのシグネチャー・サウンドの一部なんだろうなぁ)

staytogether.hateblo.jp

2.様々なところでピッキングしてみる

昔、ヘンドリックスのビデオをを観ていて、彼のピッキングする手が一箇所に留まっていないのに気付いた。彼は時にブリッジ付近でピッキングし、また時にはネックへ向けて手を動かす。彼のプレイのカギとなる要素だ。キース・リチャードもそう。

私もそれを試してみた。そうしたら、豊かなトーンの世界が開けたよ。

ピッキングする手を動かすことを学ぶんだ。そうすることで、フレーズ毎・個々の音のトーンを整えられる。それから、ピッキングの角度や使用するピックの箇所を変えてみること。トーンに多くのバリエーションが得られることに驚くだろう。

3.ベンディング時には正確な音程を出す練習を

ベンディングした音は原因と結果だ。どんな結果を望むかを決めるにあたって、どのように特定の音を意図して得るかを学ばねばならない。恐ろしいギターサウンドになるかも知れないし、美しいサウンドになるかも知れない。その結果を得るには、達成する方法を知らねばならない。

2弦上の音を押さえて、そこから2フレット下をベンドして最初の音を出す。1~3弦を使って、様々な指板上の位置でこれを繰り返す。

半音ベンド、全音ベンドとやってみる。ここでもチューニングを保つプレイを積み重ねるんだ。

4.スケール練習は音楽の上で

スケールのパターンを覚えるのは重要だが、ずっと練習だけをしてすごすと、直ぐに君のプレイはスケール・パターンのように聴こえるだろう。そんなもの聴きたい人はいないだろう?

音楽に合わせてプレイするのは、スケール・トーン、コード、コード進行について学んだことを実践するのに良い方法だ。

例えば、1つのモードで2コード・パターンの音楽をセットして、その上でジャムしてみる。しっかり聴きながらプレイすること。オーディエンスが聴くのはそれだ。

5.ルーティン練習を多彩に

私がギターを学んでいたとき、いくつかの練習に捕らわれてしまい、それを何度も繰り返した。私が理解していなかったのは、反復練習が逆効果だったこと。私のプレイが固くて音楽的でないものになっていた。

そんな習慣を破ろう。リラックスして日々のウォーウアップ練習を変えよう。バリエーション要素を増やそう。

音楽的でない、難しい速弾きをする日があれば、翌日はアルペジオに集中し、また翌日はスケールという具合に。

6.練習セッションを長引かせるな

スケール練習を延々とやることはできるが、ある程度やったら、止めて次に進む必要がある。

フィンガー練習ではコンサート会場をソールドアウトすることも、10億ストリーミング再生を得ることもできない。そういうルーティンは限定しよう。短くて生産的な練習にして、ただの練習に過ぎないのだと肝に銘じること。それはオーディエンスが聴きたい実際の音楽ではないんだ。

限られた貴重な時間を音楽を学び、プレイすることに使うこと。自分にとっても楽しめて、ずっと速く上達するだろう。

7.計画的反復練習によって新たなものを習得する

未知だったり、自分にとって自然でないものを習得する癖をつけよう。計画的反復練習によって習得するんだ。つまり、正しい方法でプレイを学ぶこと、誤った方法で延々とプレイするのではなく。

これはレニー・トリスターノ(サッチを教えたジャズ・ピアニスト)から学んだ。私が誤った音を出すと彼は言ったのさ「なぜそれを?次の音に自信が持てなければプレイするな」

私の悪い癖が自分のスタイルの一部になっていた。

悪いところを強化して悪い癖に捕らわれないよう気を付けよう。ゆっくりと注意深く、正しくプレイする時間を増やせば増やすほど、常に正しくプレイできる可能性が上がる。

8.パフォーマンス直前にストレッチはするな

ショウの前にストレッチするのは当然だとずっと思っていた。だがあるとき、ベーシストのマット・ビゾネットはショウの直前にいつも楽屋でリラックスしているのに気付いた。

同じ頃、アスリートがイベント直前にストレッチするのはむしろパフォーマンスに差し支えると言っていた記事を読んだ。それでルーティンを変えてみると、とても上手くいった。

直前でなく、パフォーマンスの何時間も前にウォームアップをしてみた。そうすると私のステージでのパフォーマンスが向上したように感じた。リラックスして、エネルギーの貯えを十分に感じたよ、やってみてくれ。

9.練習時の音量は控え目に

クレイジーな項目だ。人の耳が特定の音を異なる音量で聴く能力のことだ。高音は音量が大きいほどより高音に認識されるのに対し、低音は音量が大きいほどより低音に認識される。

この心理音響効果は強力に調査されてきた。音量を60から90デシベルに増加すると、元は6kHzの音程が30セント上昇して認識された。

なぜこの話をしているのか?君が適切に君の音楽を聴くためだ。

練習中は音量レベルを絞ろう。君がプレイしているもののトーンと音程を正確に認識できるように。君の耳にも良いし、君のご近所さんも感謝するだろう。

10.弦をキレイに保つ

弦がキレイで良い状態なら、より良い音程で弾けて、全てがクリアで美しく聴こえ、弦の持ちも良いだろう。

私は以前、イソプロピルアルコールを使っていて、それは効果があったのだが、弦がもろくなってしまった。今では Big Bends Guitar string wipes を使っていて、とてもいいよ。

いつも弦を換えるのが嫌なら、こういうクリーナーは弦をキレイにしてくれる。