Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジョー・サトリアーニ 「エディ・ヴァン・ヘイレンの真似と本物との違いは、あのリズムを再現できないこと」

先週に引き続き、エディ・ヴァン・ヘイレンの訃報を受けてのRolling Stone誌記事の和訳です。

www.rollingstone.com


サッチのインタビューには先週のヴァイ先生の話のように個人的関係の話題はありませんが、同世代のサッチがギタリストとしてどうエディを評価していたか、何が Van Halen を偉大にしたのか、その辺りのお話は興味深いです。

========================

初めてラジオから "Eruption" を聴いたとき、私はカリフォルニアのバークレーにある小さなアパートに住んでいた。手にギターを持ちながら私は完全に釘付けにされた。子供の頃にヘンドリックスを初めて聴いたときみたいだったよ。違うのは私がもう大人で既にミュージシャンになっていたことだ。

君たちはきっと何人にもインタビューして、彼が革新をもたらしたあれやこれやその他について延々と聞かされてきたことだろう。実際にそうだ。しかしもう1つ重要なことは、彼が自分よりも前の時代の先駆者のやった全てをとても美しく又楽しく統合したことだ。これは私が彼と同世代だから経験からわかるんだ。私は彼より1歳年下だ。

私はいつも彼は私世代のプレイヤーの中で最も偉大な人物だと思っていたよ。偉大なプレイヤー:ヘンドリックス、ペイジ、ベック、クラプトンらの直後の世代が私たちだ。しかも彼は笑顔でそれをやってのけたんだ。当時においてそれはとても重要なことだ。なぜなら多くのギタリストはしかめっ面でうなってる、気取った奴だったから。複雑化していたんだ。

何年かの間、ギターが不人気になって奇妙な方向へ向かっていると感じていた。ところが突然、救世主がラジオから現れて私に直接語りかけたんだ。彼のギタープレイを聞く度にあの興奮を忘れることはない。いつだって気持ちのレベルを上げて、自然に笑顔になるんだ。誰かがあれをやってくれたことがただ嬉しい。彼のプレイには1音1音に歓びが込められている。彼の微笑みが全て楽しくてやっていると教えてくれるのさ。けれど同時に、ミュージシャンたちは自分が彼には決して及ばないと知っていた。

彼のリズムは完璧で夢中にさせる、それに彼の音の選択は笑ってしまうほど、可笑しくて大胆だ。素晴らしい曲を書き、何時間ものつまらないシロモノで飽きさせることはない。いつだってロックン・ロールさ。自信たっぷりで、完璧なリズムが全曲をつき動かしていた。

偉大なプレイヤーを愛情を持ってトリビュートしようとする人、また彼らの真似をしようとする人と本物との違いは、あのリズムを再現できないことさ。ヴァン・ヘイレン兄弟、エディとアレックスの2人はとてつもないビート・アタックをする。彼らのリズム・ポケットのセンスはとても強烈だ。一聴すれば彼らとわかる。そのリズムセンスが世界中の聴衆を掴んだのさ。

アルバム『1984』に見逃されている曲 "House of Pain" が入っている。これを聴けば、彼らがあのリズムをどう叩き出しているのかわかる。私は2人を分けたくないんだ。エディのギターを聴くときはいつもアレックスのドラムも聴いているんだ。素晴らしいことだよ、共にプレイする兄弟の歓び、そこにある紛れもない愛。

 

 

==========================

サッチは『The Extremist』の制作時にアンディ・ジョンズ(当時 Van Halen 『For Unlawful Carnal Knowledge』を制作していた)をプロデューサーに迎え入れます。最初に2人のミーティングが行われたのはエディの自宅スタジオでした。この時(91年)サッチはエディと会っていますが、サッチとエディの初対面はいつだったのでしょう?89年にヴァイ先生とエディが連れ立っていた頃にヴァイ先生がサッチを紹介していたのかな?

f:id:ribbon_bear:20201016101525j:plain