Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

スティーブ・ヴァイ&アル・ディ・メオラ 少年ジョー・サトリアーニに送ったファンレターの返事

先月のジョー・ボナマッサとの対談で「来月アルにディナーをご馳走になる」というお宅訪問予定を語っていたヴァイ先生ですが、予定は変更され、西海岸ツアーをしていたディメオラさんがヴァイ先生宅を訪問することになったようです。

そして何とヴァイ先生のスタジオでディメオラさんの配信番組を撮影してストリーミングするというスペシャルが実現しました!何とまあ豪華で強力な巨匠対談!

雑談で始まった対談ですが、お題がありまして、各自が相手に聴かせたいお気に入りの音楽リストを作成して互いに聴かせ合い、音楽について雑談するというもの。彼らがどんな曲を選ぶのかも興味津々です。

2時間越えの対談から概要をざっくりまとめました。

 

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1曲目

ヴァイ選曲:ジェイコブ・コリアー楽曲

SV「こういう(際立った才能の)若者たちは新種の人類のようだ」

ディメオラ選曲:"Splendido Sundance"『Saturday Night in San Francisco』6月発売予定

ADM「2ヵ月のツアーの最後の地がサン・フランシスコで2晩やった。インタープレイが多かった。最後の2つのショウがベストだったと思う。2020年に土曜日のテープを発見したんだが、早く処理しなければテープは劣化して分解してしまいそうだと急いて編集に送った。十分な量の録音があったが、LPやCDの収録量に合わせてかなり編集してサイズを落とさなければならなかった。ダブル・アルバムになる」

SV「つまり、1980年に君とジョンとパコがツアーした最終2日の録音のうち1つが『Friday Night in San Francisco』で、あれはモノリスだよ。ところがそれには土曜の録音もあって、それが40年も経ってから見つかったということだね!?

ADM「あのとき、私たちは始終笑っていたんだ。私は23歳だったかな?ミキシングのときに、あれを直したいとか思ったが、これはこういうものだったんだと思うことにしたよ」

SV「3人ともマシンガンのようなクリアな音符をプレイする、そしてリズムとの特定の繋がりがあるんだ」

ADM「ああ、パコと私のリズムはとてもウマが合ったんだ。私のバンドはインタープレイも多かったが、私はきっちり作曲するタイプで、レコーディング時には大量の譜面を書いていき、メンバーを怒らせたよ」

SV「私がやった Generation Axe みたいだね。あれはジャムしていたのではなく、パートを全員に渡してあったんだ」

(訳者注:パンデミック初めの頃、ディメオラさんは Instagram でご自宅スタジオ大公開のライブストリーミングをやっていたことがあり、ロックダウン中にスタジオを片付けていたら『Saturday Night in San Francisco』のテープが見つかったこと、そのアルバムを出すことを話していました)

 

2曲目

ヴァイ選曲:"Barbarian @ the Gate" Niacin 

SV「ビリー・シーンのメタルやポップスという面とは違う活動のバンドだ。フランク・ザッパのカバー "King Kong" もやってた。フランクは君をジャムに招待したよね、その3日前に彼は曲を書いていた」

ADM「ああ、ジャムに行ったら譜面を渡された。君とそこで初めて会ったね、君はとても静かだった」

SV「私は君の大大ファンだったんだ、緊張して言葉も出なかったよ。君は歩いてきて、シールドをフランクの Marshall に直で繋いだ。プレイの正確さと言ったら、もうマシンガンだったよ」

ADM「当時の私のセッティングはプレゼンスを落としてベースとトレブルを最大にしていた。ラリー・ディマジオに信じられないと言われたことがあるよ、レスリー・ウェスト(Mountain)と同じだって

ディメオラ選曲:"Entertain Me" オンラインで見つけたアルメニアの音楽家、ティグラン・ハマシアンの楽曲、鬼変拍子プログ超絶系

(訳者注:鑑賞中のディメオラさん、ノリノリ。ロックダウンでLAで身動きできなくなっていたティグランと連絡を取ったディメオラさんは将来のコラボを考えているそう)

SV「知的な音楽というのは、知識があって計算に強ければそういった曲は書ける。だがこの曲のように複雑でありながら聴き手に繋がり、アピールする音楽というのは稀だ。君にはトシン・アバシも聴かせたかったよ」

ADM「トシンは知らないが、ジョン・ペトルーシからギターキャンプの話は聞いているよ(笑)」

 

3曲目

ヴァイ選曲:"Lilac Wine" ジェフ・バックリィ

巨匠の会話は進み、「ギタリストはTab譜でなく楽譜を読め」というディメオラ指導が入りました。

ディメオラ選曲:自身の曲、『Kiss My Axe』より

 

4曲目

ヴァイ選曲:"Faceless" ジョー・サトリアーニ新曲

SV「この曲を選んだ理由は、ギターのフレージングが私を捉えたんだ。とても美しい。何て表現力だ

ディメオラ選曲:"Overtime" Knower (LA発の超絶エレクトロバンド)

(訳者注:ノリノリのディメオラさん、こういうジャンルの音楽をお聞きになるとはびっくり!)

ADM「凄いバンドだろう?ビデオでは別バージョンが聴けるから聴いてみて」

SV「クールだね。私も Dirty Loops を紹介したら良かったよ」

 

5曲目

ヴァイ選曲:"Teeth of the Hydra" 演奏ビデオ

SV「まだ Hydra での演奏ビデオは半分ほどしかできていないのだけど、見せるよ」

ADM「これで(多楽器ソロ演奏の)ジェイコブ・コリアーをちょっとやってみた訳だな!(笑)」

ディメオラ選曲:自身の新曲

ADM「次のソロアルバムで中核となる曲だ。3パートから成る曲で1つ目をかけよう。パート1は10分半、2が8分、3が10分の曲だ。3はまだレコーディングしていない」

SV「ライブでプレイした曲だね?素晴らしいよ」

 

おまけ(1時間21分あたり、4曲目を掛ける前フリ)

チャリティ・オークションのために倉庫を整理していたら古いギターケースの中に子供の頃に受けたサッチのレッスン記録を大量に発見したと、先日ジョー・ボナマッサに話していたヴァイ先生ですが、かなり貴重なものも発見したようです。

(詳しくは下のブログ過去記事でどうぞ)

staytogether.hateblo.jp

こんなものがあったんだ、とヴァイ先生がディメオラさんに見せたのは何と、ディメオラさんが少年ジョー・サトリアーニに送ったファンレターの返事でした。その手紙を受け取ったサッチ少年はそれをヴァイ先生にあげていたそうな!

ディメオラさんがサッチに送った自分の手書きメッセージを読み上げています。1974年のことで、Return To Forever のファン・メーリングリストを作るために多くの手紙に返信していたそう。

「親愛なるジョー、私がミュージシャンに勧めている1つはスケール練習をドラマーとすることです。ドラマーと長時間練習することでピッキング技術が上達します。同時にスケールでのプレイ上達や発見があることでしょう。スピードを落とさずにね。練習の成果を教えてくれ。それから私のソロアルバムを聴いた感想も教えて欲しい」

ディメオラさんは若かった自分の文章やスペルミスを大笑いしています。手紙は Return To Forever の印刷されたファンへの手紙なのですが、その下部余白と裏面にかけて、ディメオラさんの直筆メッセージが書かれています。

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ディメオラさんの音楽チョイスがとてもクールでした。そしてとても楽しそうに音楽鑑賞していて微笑ましい!

両ご家族で食事会もあった模様です。

 
 
 
 
 
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