Part 2ではヴァイ先生の社会的少数者や精神的苦悩を持つ方々へのアドバイスが語られており、普遍的説法とも感じられました。深い示唆に富んだ言葉に、訳しながら感動して涙してしまいました。
先週末のNAMMでヴァイ先生の新シグネチャーギター、PIAが発表されましたが、新しくなったグリップのデザインは花びらがモチーフであると同時に、陰陽(yin-yang)の太極図を象徴しているようです。ヴァイ先生は陰陽思想にも造詣があるのでしょうね。
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あなたが以前クリニックで語ったことに感銘を受けたので、ここで読者に向けて語っていただきたいのです。私たちは自分が人と違うことで自分には弱点ばかりがあるように思えても、実は強みがあることを伝えたいのです。
驚いたな、ありがとう。最初に言っておくが私の言うことは全て私的見解に基づくものだ。その上で心理的苦悩で自殺や鬱を招きかねない思考を感じている人に1つのことを伝えたい。それはこうだ。君がそう感じている唯一の理由は、君が他人の意見に囚われ、自分自身に犠牲者心理を植え付けたからだ。それは不要だ。全く不要な心理だ。
この世には2種類の苦悩がある。1つは身体的苦痛で、我々は皆これが何かを知っている。もう1つは心理的苦痛だ。これは地獄だ。なぜならそれこそが地獄だからだ:精神的苦痛。
自分の内面に精神的苦痛を創り出すことができるのは君自身だけだ。もしその苦痛の原因が外界にあると責めるのなら、とんでもない言いがかりだ。君が君自身の本当の自由を認知していないということだからだ。
君が自分自身に対してもつ信条の自由を損なうことは間接的にでさえできないことは明々白々だ。だから、君が外の世界の言葉、他人の意見を聞いて、君がすべきこと、君があるべき姿、君がすべき振る舞い、君がすべきでなかったこと、君がしなければならないこと、を聞いたならば、それは他人の恐れを聞いているのだと思い出さねばならない。君は他人の恐れを植え込まれているのだ。君がそれを受け入れてしまえば、苦悩が待っている。それは不要なものだ。
これは途方もなくて信じられないかも知れない。でも、人は皆ありのままで完璧なんだよ。我々の内面には独自の本能や衝動があり、それは表現されねばならない。我々が存在するのは自分の独自性、多様性、創造性を表現するためだ。これら3つはこの世で君が持つ強力な道具だ。
君の独自性と創造性の才能、それは君が自分にとって正しく快適に感じる性別が何であってもいい、そんなことは全くどうでもいいのだ。君にはそれがあるし、誰もが持っている。君にはそれらが見えないのかも知れない、他者に条件付けられた怖れによって自分自身の心で創造した痛みに覆われていて。
しかし、一片の疑いもなく、君にはっきりと伝えよう。君はユニークだ。君には独自の創造力があり、君はこれらを喜びを持ってさらに大きく表現するため、君と共感する他者と共同して取り組むために存在するのだ。なぜなら、我々は独りでは何もできないからだ。それが君の人生の役割であり、目的なんだ。君の人生の目的は言い訳無く、君自身であることだ。それは他人の意見を受け入れないということなんだ。
私がそう言ったものの、もちろん人には意見があり、特定の創造的事柄においては役に立つのかも知れない。しかし、自分の自由な感覚に妥協が生じたときには自覚するだろう。誰でもこれはわかっている。そしていいかい?その妥協は上手くいかないし、過去にいったこともないし、未来永劫、上手くいくことは無いだろう。人間は自由の感覚を妥協した途端に、道を外れてしまうのだ。
単純な論争においても、家族の争いにおいても、友好な論争においても、この世は残酷にもそうできている。つまり、「私のやり方が正しい」という認識だ。こうも付け加えておこう、「君のやり方は正しい、君にとっては」そして他の人々にとって正しいやり方は創造的レベルにおいて一緒に協力するときには君にも役に立つ。
さあ、君はもう自由で、大胆で創造的、独自性がある。君がその独自性を享受するとき、他人が君のことをどう言葉にし、感じるのかなど一切構わないのだ、何と美味なことか。これこそが自由だ。君が生まれ持った権利だ。君がそれに気付き、享受したなら、自分自身であることがとても快適だろう。そうすれば創造性が湧くのだ、それが喜びだ。
あなたは他のインタビューで22歳のときに深い鬱を経験したことを語っています。
もちろん、他人の恐れを受け入れ、信じてしまうからだ。そうすると頭の中にある人格ができるのだ。こう言っているのが聞こえるだろう。「子供の頃にこれが起こったから傷ついた。だから私にはこれもあれもできないし、私には能力もない。いや、できるかも。いい考えがあるからこれをやってみよう。でもきっと失敗する。何だって上手くいかないのだから」これらは君が信じ込んでいるただの思考で、真実ではないことを理解しなくてはならない。
その思考を信じれば、それが君にとっての現実になり、それが君の目を通した世界に反映されるのだ。常に打ちひしがれ、負け犬のように感じ、80歳になったら鏡を見て「人生はいつになったら始まるんだ?」と問いかける。やめておけ。今すぐに始めるんだ。
独立心を得て今すぐに人生を生きるのだ。君にもできる。未来を待つ必要はない。未来には起こりっこない、なぜなら君が常に未来に期待するならば、未来など決してやってこないのだ。だから今それを得ることが開放なのだ。なぜなら、ありのままの自分であることに勝る快適さなどないし、君にはその価値があるのだ。
必要なのは君の自分自身に対する思考の質を見つめ、それらが真実ではないことを理解することだ。君のエゴが騙しているのだよ。「私は傷ついている」と。それは嘘なんだ。
誰かがこんなことを言うかも知れない。「スティーブ、何を言っているんだ?人生で辛い目にあっている人がいるじゃないか?もしそれが自分だったらどう思うんだ?」ああ、そういったことは人生に起こり得るし、それによって人は心の檻に囚われてしまう。
しかし多くの場合、今起きたことではないんだ。だから、過去に起きたことによって自分が何者かという心理的認知に悩む人は、自分自身の現在のアイデンティティを制限している。
恐ろしいことは起こるし、それは酷く、痛ましい記憶になる。そのような痛みや精神的苦痛の元になった出来事によって、君は自分自身には何も価値が無いと考えてしまう。愛や人との繋がり、慰め、人生を楽しむ価値も無いのだと。
この値しないという考えはやがて余りにも重圧で苦痛になるため、そこには自ら崩壊する仕組みが組み込まれている。それはある時点で「もう苦悩は十分だ、終わりだ。もうこれ以上耐えられない、人生を取り戻す」と言うか、余りの重圧のため自殺するまで続けるのかだ。
君の過去に起こったことはそれとして、その上に立ち上がる可能性を君が秘めていると気付くことが重要なのだよ。それは今すぐにできる。なぜなら、今このときにはその出来事は起こっていないのだから。今この瞬間、君は独り立ちし、君の人生のいかなることでも決断を下せるのだ。
そして私が「君」と言うとき、それは全ての苦難を抱える人々に語っているのだ。彼らは自分が他者と違っていることが間違いだと思っているからだ。自分の生まれついた身体が自分に合っていないと思う人、環境が全くそぐわないと思う人、一般的ではないスタイルの服を着たい人、普通とは考えられない様々な事柄に惹かれる人、私はそんな人々に語りかけている。
君たちはありのままの自分でいていいのだ。ありのままの君がこの世で創造するために必要なのだ。世の人々全てが君独自の創造性によって恩恵を受け、それが他の全ての人の創造性に貢献するのだ。しかし、君が誤った認識に溺れ、自分が他者と違う、悪い、自分に問題があると思っていては手にすることはできない。そんなことは嘘っぱちなんだ!
さて、これを読んだ誰かがこう言うだろう。「私がどんな気持ちかわからないだろう」、「私がどんなことに耐えてきたか知らないだろう」、「皆が私に何をするか知らないだろう」とね。もちろん分かるよ。しかし私が言いたいことは、君が考える世の中が君に何をしているかは全く重要では無いのだ。
重要なことは、君が自分独自の創造性に明確に繋がることだ。それが重要なんだよ。そのために必要なことは、ありのままの自分を受け入れることだ、それがどんなであろうとも。いいかい、それが必要なんだ!君が創造的になり、ありのままの自分であることが必要なんだ。なぜならそうすることで君は世界を変えるのだ。
(Part 3 へ続く)