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スティーブ・ヴァイ 「彼は誇りを持ってこの仕事をしている」

ヴァイ先生が昨年のBEATツアー終了後、今年に入ってから最新のインタビューを受けました。

Inviolate の日本ツアーでもお馴染みになった新しいギターテクのダグが話題に上がっていてとても興味深いです。

(来日時の写真、ダグさんは熱心なファンの細かな機材質問に丁寧に答えてくれたナイスガイでした)

長いインタビューは様々な話題に及びますが、今週はその一部の概要をまとめました。

 

open.spotify.com

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著名ギタリストの多くは優れた欠かせないギターテクと長く歩んできました。あなたとトーマス・ノルディックもそうですね。

ああ、彼のお陰で私のステージライフは支えられてきた。何か予想外のことが起こっても彼らは直観で素早く直してくれるんだ。

トーマスは20年以上私のテクを務めてくれた。彼はとても興味深い男で、真のソルジャーでもある。トーマスが(自分の後任として)ダグ(現在のギターテク、ダグラス・マッカーサー)を見つけてくれたんだ。

トーマスはもう78歳なんだ、彼は私がロングアイランドで Vai Academy をやっていたときにダグを見つけてくれた。ダグは私のファンで優れたギタービルダーなんだ。彼はボストンから5時間運転してギターキャンプに来ていた。

彼はネックで機器を使ってフレットを計測し調整することができた。彼が私のギターでやらせて欲しいというのだが、私が持ち込んだギターは4本で全てを使っていた。それで彼は1本ずつ3日間毎日ボストンを往復してそれをやったんだ。驚いたよ。

それに彼のプレイを聴いてみたら、信じられないくらいに良い腕前だった。彼のプレイには明らかに私の影響があったが、素晴らしいジェフ・ベックのプレイもあった。でも彼はプロのミュージシャンになりたいのではなく、ギターの作り手になりたいのだった。

だから、ダグをツアーに呼ぶのは少々難しかった。でもトーマスの助言もあってダグを欧州 Inviolate tour に誘ったんだよ。あれは厳しいツアーだった。

数日経った頃にダグが私の所にやってきて言うんだ。

「あなたのことは大好きですが、僕はこのツアーを続けられません」

それで、「君が無理だと言うなら構わない、無理だと言う人は多いんだ。君を家に帰そう。でも、私も初めてのツアーで同じように感じた。生計の為とはいえ、こんなのは無理だとね。

でも人生の他の事と同様に自分でグルーヴと居場所を見つけるんだ。いつ食べていつ寝るのか、グルーヴなんだよ。キャンプみたいなものでね、何人もが遠く家から離れて、長時間の仕事に没頭している。

それに、君は世界を見る機会があるんだ、世界にはその土地土地の豊かな文化がある。それを体験できるんだ。私もそうしたことを受け入れ、喜べるまでに時間がかかったが、今ではツアーが大好きだ」

と言ったんだ。

すると彼は「わかりました。一度やってみます」と。

彼はツアーに馴染んでいき、今ではボスのようさ。ダグは私にとっては本当に神の恵みのようさ、「どうやってトーマスの後任を探せばいいんだ?」と思っていたのだから。彼はトーマスの若返りのようで、私たちよりもずっと賢いんだ。

自分よりずっと若くて熱意があり、才能ある人物と仕事をするのは全く違っている。あのツアーではトーマスがずっと彼を指導していた。

忘れられないことがある。私は全てギターテクの仕事は彼らに任せているんだ。

あるショウ、プラハだったと思うが、ギターテクのブースの大きさが1人分しかなかった。トーマスが「1人しか入れないから、今夜どちらに入って欲しいか?」と訊くんだ。私は選ばずに彼らに決めさせた。

その夜、ステージに上がるときに私にギターを手渡したのはダグだった。彼らは移行を果たしたんだよ。

トーマスは仲良しのドラムテクのクリス・ハーバーと座っていた。そのときのトーマスの顔が忘れられないよ。難しい決断だったが、彼の決断だ。トーマスはこれまで常に私のそばにいた。

ダグはすっかりクルーの一員になった。私は常に完璧にチューニングされたギターをわたされ、何か問題があれば彼らが直ぐに直してくれる、とても幸運だ。

北米のツアーからは Hydra を帯同したのだが、あれを海外に持ち出すには大変な輸送コストがかかる。とても費用を賄いきれない。そこでダグがアイデアを思い付いた。彼は毎晩 Hydra を分解し、ネックとボディを別のケースに収納した。それによって特別の輸送を不要にしたんだ。

しかしこの方法では、ダグは毎晩 Hydra の分解と組立をせねばならない。ダグは上達して分解に5分半、組立に21分の最高記録を打ち立てたよ。これには弦の張替えも含まれるのだから驚異的だ。

F1のピットでタイヤを替える早業のようですね。

そうさ、彼は誇りを持ってこの仕事をしている。彼が選ばないようなことをすると怒られるんだ。アンプのセッティングやペダルなんかの単純なことさ、順番とか。「こうやって下さい!」って。

ハハ、彼はプレイヤーでもありますから、ショウの前にあなたのリグを全てチェックしてくれますし。BEATのリグについて彼と話しましたが実に素晴らしいです。

ああ、素晴らしいね。私は毎回リグの前に立って素晴らしさに感心するんだ。

BEATのリグはヘヴィだね。シンセサイザーに、スプリット・アンプやモジュール、複数のアンプやら。彼はそのすべてを装備した。ペダルボードなんかは実に芸術品だよ。

BEATではプログラムの変更がとても大変なんだ、1曲で何度もプログラム変更があったりする。しかしダグがリモート・ペダルボードで全てをやってくれるんだ。彼は他のこともやりながら、変拍子での切り替えなどもスムーズにやってくれる。私は何も考えずにプレイできる。ありがたいよ。

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プラハで先生のメイン・ギターテクのポジションをダグに委ねたトーマス、きっと清々しい笑顔でヴァイ先生を見ていたのではないでしょうか。良い話でした。