昨年11月頃から、あるギター工房の投稿で緑色の「レッドスペシャル」が制作され、ヴァイ先生に贈呈されることを知りましたが、遂に先生の手にギターが届いた模様です。
ブライアン・メイへの感謝の気持ち溢れる先生の長文訳は以下のとおり。
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1970年代、私がカールプレイスの地で子供だった頃、音程を保ってプレイする方法を模索していたとき、ブライアン・メイは私の絶対的なヒーローの一人だった。
彼の音色とタッチからはロックンロールの気品がにじみ出ていて、彼が書いた曲や選んだ音は私の心の奥深くに刻まれ、将来の自分の姿を空想にふける元となった。
しかし、彼のレッドスペシャルは私にとってただのギターではなく、神話的な存在、若き天才とその父親が作った錬金術の杖のようなものだった。
私は見つけられる限りの写真や噂を熱心に収集した。あのギターによって、いつか自分の手で自分のギターを作れるかもしれないという思いが芽生えたものの、専門知識の欠如により、幸運にも実現することはなかった。
時は流れ、1980年。私は20歳でロサンゼルスに移り、フェアファックス通りとサンセット通りの交差点の小さなアパートに棲み、フランク・ザッパと仕事を始めた。
そしてある夜、レインボー・バー&グリルに入ると、ブライアンその人がただそこに立っているのが見えた。一人で、まるで普通の人間のように。私は幻覚でも見ているのかと思った。
ブライアンはこの見知らぬ少年に信じられないほど親切で、考えられないことをしてくれた。
彼は私を Queen のリハーサルに招待したのだ。バンド全員と同じ部屋に座っているだけでも十分非現実的だったのに、レッドスペシャルが目に入った。私が指差して「これが?」と聞くと、ブライアンは「ああ。試してみるか?」と答えた。
その時、まぎれもなく時がスローモーションになったことを証言しよう。
青春時代ずっと憧れていたあのギターを手にすると、衝撃が走った。
「これだ!ついにブライアン・メイの音が出せるんだ!」と思った。でも、残念ながら、そうはいかず、結局は自分の音だった。
08ゲージの弦、超低弦高、そして小さな木ほどもあるネックのため、まるでローラースケートを履いた子キリンのようなプレイになった。それでも、まさに天国のような体験だった。
数年後、『Passion and Warfare』がリリースされた後、スペインのセビリアで行われた Guitar Legends のコンサートに出演することになり、そこではブライアンが音楽監督を務めていた。
ブライアンは、かつてリハーサルでギターを弾かせてやった若いギタリストの話をしてくれた。その少年はザッパとの仕事で来ていて、驚くほど上手にプレイしたと。
私は彼の話が終わるのを待ってから、「ブライアン、あれは私だったんだ」と告げた。
これは宇宙が私に与えてくれた最も満足のいく、まさに奇跡的な出来事の一つだ。
それ以来、私は幸運にもブライアンと知り合い、何度もジャムセッションをし、さらには一緒に仕事をする機会に恵まれた。
常に計り知れない程の喜びと光栄な機会で、彼はいつでもボスのごとくキメてくれた。しかし、私にとって最も価値あるものは彼との友情だ。
さて、ここで私はまた瞬きしたり、笑ったり、信じられない気持ちで首を振ったりしてしまうことに遭遇した。
言葉にできないほど光栄なことに、彼は私のために特別なギターを製作し、贈ってくれた。「グリーン」レッドスペシャル!言葉では言い表せない、本当に光栄だ。
ここで、私はまた、素晴らしい弦楽器製作者であるアンドリュー・ガイトンに、心からの大きな賛美を送らねばならない。
アンドリュー、あなたの作品は美を超えている。このギターは単なる構造ではなく、情熱が形になったものだ。
バーズアイメイプル、マホガニーネック、ジャンボEVOゴールドフレット、陰陽インレイ指板、驚異的なトーンレンジ、優雅なトレモロ、そして手に馴染むネック。あらゆるディテールが、深い配慮、想像力、そして熟練の技を物語っている。
レッドスペシャルの精神を体現しながらも、このギターに身を委ねると、まるで自宅にいるかのように心地よく感じられる。きっとこの色のおかげかも。
私は多くのギターを所有しているが、このギターは唯一無二だ。これには魂と歴史が刻まれ、惜しみない愛情が込もっている。生涯大切にし、墓場まで持っていくつもりさ。
ブライアン、インスピレーション、寛大さ、友情、そしてあなたの創造的な DNA の一部を私に託してくれたことに感謝している。
半世紀以上にわたって、あなたは独創的な音楽とギターサウンドを世界に贈ってくれた。
そして今、ファンである私は心からの感謝の気持ちで満たされ、私の新しいギターで「Tie Your Mother Down」をジャムしながら信じられない思いで笑っている。
感謝と無限の愛を
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以下が制作者のアンドリュー・ガイトンさんの投稿
これによると、
木材の指定や電気系統、スケールサイズやオリジナルのレッドスペシャルと少し違うところは先生が決めたそうです。ネックサイズは JEM/PIA に近づけたそう。
先生とギターテクのダグが届いたギターを箱から取り出す動画を撮影したようなので、近いうちに公開されるといいですね。
ガイトン・ギターのインスタグラムには詳細のスペックと多数の写真が掲載されており、グリーン「レッドスペシャル」の細かな細工がしっかり見れます!
