12月1日、遂に待ちに待ったヴァイ先生のニューアルバムの発売日とアルバムカバーが公表されました!
スタジオ・アルバムのリリースは2016年の『Modern Primitive』以来6年ぶりになりますが、『Modern Primitive』は過去に作曲した未発表曲をレコーディングしたものなので、新たに作曲した作品という意味では2012年の『The Story Of Light』以来10年ぶりです!
ああ、長かった!待ち続けましたよ、先生の新作を!(感涙)
2022年1月からスタートする北米ツアーに間に合わせようとニューアルバムを制作中なのは知っていましたが、本当に間に合うかどうかはわからなかったので心配していましたが、良かった~!(Generation Axe のライブアルバムがツアーに間に合わなくなったという前科がある先生…)
さて、公開されたアルバムカバーによると、トラックリストは全部で9曲。(日本盤はボートラ入りで全10曲)以前の先生コメントでは10曲以上のフルアルバムになりそうでしたが、数曲はお蔵入りした模様です。
トラックリスト
1. Teeth Of The Hydra
2. Zeus In Chains
3. Little Pretty
4. Candlepower
5. Apollo In Color
6. Avalancha
7. Greenish Blues
8. Knappsack
9. Sandman Cloud Mist
10.Swamp Fairies (Japan bonus track)
4,8,9 の3曲はロックダウン期間に公表済。2,5 の2曲は今年の誕生日ビデオで作曲中であることを楽譜を見せて話していました。
そして12月3日には新曲 "Little Pretty" が公表されました!
Guitar World 誌によると、この曲では珍しくヴァイ先生が Gretsch のホロウボディで弾いているそう。
「このギターは他のギターと共にずっと壁に掛かっており、いつも見る度に「いつか弾いてやるからな」と思っていたんだよ」
またこの曲のベースは現在ジョー・サトリアーニのツアー・ベーシストでもあり、かつてのヴァイ・バンドメンバーでもあったブライアン・ベラーが参加しています。7月30日に先生のスタジオでベーストラックを録音した模様。ブライアンが先生のレコーディングに参加するのは "Ultra Zone" 以来22年ぶりだそう。
多分、ブライアンとヴァイ先生の間に見えるギターがこの曲のレコーディングに使用した Gretsch のホロウボディではないでしょうか?
VAI OH MY: Last time I tracked for a @stevevai studio album was 22 years ago, for “The Ultra Zone”...until yesterday, when I joined Sir Vai for cutting a dense, difficult, epic & rewarding tune for his next album in progress. (There’s no session like a Steve Vai session!) [1/2] pic.twitter.com/Odi3pYrBCw
— Bryan Beller (@bryanbeller) 2021年7月29日
ニューアルバムの詳細については日本盤のレーベルであるソニーミュージックが詳しく報じています。
参加ミュージシャン:テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタ、ジェレミー・コルソン、ビリー・シーン、ブライアン・ベラー、フィリップ・バイノー他
このラインナップ見ただけでワクワクします!
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今回のニューアルバムは構想段階からの紆余曲折が激しかったです。(汗)そこで、過去記事をたどって、ニューアルバムの構想がいつどうなって、どう変化してきたかを時系列で確認してみたいと思います。
2017年
【初期構想トリプルアルバム】
「次のアルバムで私が考えているのは全曲をトリオで演奏するということだ。アルバムは3枚になる。1枚目はクリーントーン、2枚目は私の通常のディストーションサウンド。そして3枚目はとてつもなくヘヴィで、チューンダウンした、ハードで、とにかく私がやれる限りヘヴィなものになる。
次のアルバムで使おうと思っているギターをIbanezとデザインしたんだ。私がデザインしたそのギターのことを、彼らは今のところ Steampunkギターと呼んでいるんだが、信じられないくらいクレイジーなんだ!トリプルネックで共鳴弦が張ってあって、凄いんだ!スモークの噴射口もあって、とにかくクレイジーなんだよ!」
それどんなギターですか?(汗)と思っていたら、何と写真が公開されました!名前は Hydra になったようで、強烈なシロモノです!しかも1曲目の "Teeth Of The Hydra" で実際に弾いた模様!
My new record “Inviolate” drops January 28th, 2022. It’s the culmination of 61 years worth of inspiration and training. It oozes delicious melodies and fierce pyrotechnics. Pre-order it here: https://t.co/5lGojF85dx pic.twitter.com/xdheS6stw8
— Steve Vai (@stevevai) 2021年12月2日
2019年
【最高のギターアルバム構想】
「(1月から)私が成し得る最高のギターアルバムを制作するつもりだ。私のアルバムの多くは濃密で、構造的だが、ギターで出来る私の最高のプレイに集中するつもりだ」
【そぎ落としたギターアルバム構想】
今は私に弾けないものを弾こうとしている。昨日は4時間やっていた。ずっとやっているんだ。私のニューアルバムに入れる "Candle Tower" (仮)という曲だ。実に奇妙なリフを考えついて、ずっとそれを弾こうと練習しているんだ。ある弦をベンディングしながら別の弦を押さえなくちゃならない。とても複雑でメロディックなんだ。
今は次のアルバム制作にかかっている。私の過去の作品のいくつかはとても濃厚で構造的、プログレッシブだけれど、これは Alien Love Secret のようなそぎ落としたギターアルバムになるだろう。
2020年
【Candle Power 公開】
【複数プロジェクト構想】
≪その1≫
私の元々の計画はトリオのインストゥルメンタルのギターアルバムをオーバーダブ無しでレコーディングすることだった。1枚はクリーンのギタートーンで、2枚目は私のいつも通りのディストーショントーン、3枚目はチューンダウンした8弦もののような私が思う限り最上にヘヴィなもの。これが私が計画したプロジェクトの1つだ。でも他の事が立ちはだかった。
≪その2≫
Real Illusions のトリロジーもあるんだ。既に2枚はアルバムが出ているので、3枚目を創らねばと思ったのだ。それをまとめ始めたところだよ。
≪その3≫
アコースティック・アルバムを創る。ソロのアコースティック・ギターとボーカル曲だ。
2021年
【ヴァイ先生、手と肩の手術。Knappsack 発表】
【アコースティック・アルバム進捗】
(アコースティック・アルバムの)曲はできており、レコーディングもほぼ済ませた。アコースティックの演奏は自分が思ったよりも難しかったよ。別にテクニカルなプレイはないのだが、アルバムのプレイで手をやってしまった。
【アコースティック・アルバム中断】
アコースティック・アルバムはひとまず中断することにした。私はツアーに出たいんだ。そのためにはアルバムが必要だ。今取り組んでいる曲は7弦で弾く曲だ。7弦ドロップAチューニングしたもので、リッチなディストーションのかかったコードが持ち味だ。
【ソロアルバム制作進捗】
ツアーに出たいので、ソロアルバムの制作に入っている。"Candle Power" や "Knappsack" など何曲かはもうある。あと10曲ほどのアイデアはあるので、アルバムを出してツアーに出たい。
9月『INVIOLATE』北米ツアー発表
12月『INVIOLATE』アルバム2022年1月28日世界発売予定
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まとめると、
トリプルアルバム構想
↓
そぎ落としたギターアルバム構想
↓
歌ものアコースティック・アルバム構想
↓
手と肩の手術
↓
エレクトリック・ギターアルバムに方向転換
↓
完成
という2017年からの様々な構想変更と制作過程を経て遂に完成となったようです。
先生の発言を殆ど記録してるから追えちゃうんだよね。(笑)
とにかく完成して良かったです。(安堵)