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スティーブ・ヴァイ ツアー機材を解説 Part 1 ギターコレクション

現在欧州ツアー中のヴァイ先生がドイツのニュンベルグでメディアの取材に応えて、ツアー用ギター機材を解説しました。取材は先生のギターテクのトーマスとダグも交えて行われました。

 

今週は前半のギター紹介から。

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ギターテクのダグにツアー使用ギターを見せてもらいます。

ダグ:これがEVO、皆が一目でわかり、興奮するスティーブ長年の相棒ギターだ。良くセットアップについて訊かれるのだけど、とても一般的だよ、弦のゲージは .009-.042、弦高は、僕は1/32"(訳者注:アメリカ人が使うインチの分数単位)を単位に測るのだけど、12フレットで3.2、1弦で3くらいだ。スティーブは弦高が低いのは好きじゃなくて、この方が音を掴めるんだ。

ミリ単位を使ってる人向けに言うと、僕のギターならここ(6弦)は2mmで、こっちは(1弦)1.8㎜くらいだ。

それが一般的なセッティングだろうね。でもスティーブはもう少し高いのが好きなんだ。ヘヴィにグリップするからね。

ちなみに僕らは数か月前にトーマスとビデオを撮影したんだ。スティーブのセットアップを解説しているから、そっちの動画もチェックしてね。

(こちらの動画です)

 

(訳者注:トーマスが弦高を測っている上の動画ではEVOのセッティングで、12フレット1弦で1㎜、6弦で1.25㎜と低めの弦高を言っているので、上でダグが言っている高めの弦高と話が食い違っているため、実際のところが良く分かりません。トーマスの動画ではEVOのヘッド側ロックナットが手でロック/アンロックできる部品に換えられていますが、今回のツアー仕様のEVOも搭載済?)

ダグ:これは "Little Pretty" 用の Ibanez ジョン・スコフィールドのモデルだ。素晴らしいサウンドのギターでスティーブのお気に入りだよ。これは少々弦がヘヴィで .009-.046だ。チューニングはスタンダードだよ。

これはオリジナルのFLO。ネックは新しくて、Ibanez のストックのままで、軽くスキャロップしてある。彼の好みだよ。フレットは EVO gold fret wire でジャンボサイズだけど、大きすぎることも小さすぎることもない。クラシックなヴァイ仕様のギターだ。

こっちは過去12年程でスティーブのメインギターになっているFLOⅢサステイナーは Fernandes だ。フレットは EVO gold fret。トーマスがこのギターにはチューナーを付けたんだ。

トーマス:Graph Tech Ratio Tuner だよ。私個人は Steinberger のが好きなんだ、指2本でできて凄く簡単だからね。でもこれには(ヘッド裏に磁石も設置してあるので)あれを付けたよ。

(訳者注:以前こちらでヴァイ先生が Graph Tech Ratio Tuner の話をしていました)

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ダグ:これが新しいPIA。(ONIX)スティーブはとても気に入っている。ステンレス・スチールのフレットでこれなら摩耗しない。ヴィブラートにはとてもグラッシーなフィールがあるよ。スキャロップしてあって、Sustainiac を搭載している。まだ色々試している段階だ。スティーブは Fernandes をもう20年以上使っているね。"Giant Balls of Gold" で使っている。

これが "Avalancha" で使っているギター(BO)ドロップCにチューニングされてる。それに合わせてゲージも変えるんだ。今は .010-.046だけど、時々変えて実験しているんだ。

トーマス:UKのマーティン・シムズが初めてネックにLEDを搭載するアイデアを思い付いたんだ。1999年にオリジナルのネックにそれをやったのが彼だ。

ダグ:これはBOの姉妹みたいなギター、PIAのENVYだ。LEDが搭載してあって、"Bad Horsie" で使う。トーマス発案のスライドをマジックテープでネック裏に止める仕様だ。これも Sustainiac を搭載している。ヘッド裏にはネオジム磁石があってレンチを収納できる。高価な磁石だよね。

トーマス:2インチで$50くらいするんだ。

ダグ:ENVYのスキャロップはもう少し深くなっていて、これも EVO gold fret だ。

トーマス:このLEDもマークが作ったんだが、明るすぎるとスティーブに言われて(光量を落とす)遮光素材を入れたんだ。

ダグ:これが7弦の BRUNO 、"For The Love Of God" のビデオでお馴染みだ。"Zeus In Chains" で使用する。ゲージは .009-.042でドロップAにチューニングしてある。ほぼストックの状態で、スキャロップもない。

このギター(Glissando)はまだ調整中で、あまり出番がないのだけど、Whitesnake 時代を思い出させる。Universe モデルで、"Deeper The Love" のMVで使っている。ドニントン・ライブの "For The Love Of God" 演奏でも。

実はまだここ(左側ホーンの先)にフックが残っているんだよ、演奏の最後で上空に釣り上げたときのものだ。とても重いギターでボディはモザイク状の鏡で覆われている。北米ツアーではもっと使うかもしれないね。今僕らはもう少し温かいサウンドになるよう取り組んでいるんだ。オーディエンスは観るのを楽しみにしてるよね。

ティーブがセミホロウを弾くのには驚いたよ。

ダグ:リハーサルで何本かのホロウボディを試したんだ。MVで使っている Ibanez のブルー・ホロウボディを何とか使おうと思ったけれど、上手くいかなかったので、

トーマス:スティーブは彼の Gretsch を使うと言い出した。

ダグ:Ibanez がリハーサルにこのギターを持って来てくれて、それが素晴らしいサウンドだったんだ。ジョン・スコフィールドのモデルのストックそのままで使っているよ。

(次週 Part 2:ペダルボードとラック機材の説明に続く)