Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

スティーブ・ヴァイ 「自分がやりたいと思うことをやらないなんてことにはしたくない」

スティーブ・ヴァイが今年の4月に音楽学校を開設しているロブさんのオンライン・インタビューに応えました。

 

インタビューの約8割はヴァイ説法のセッションとなっており、内容としては、「恐れ」の正体がエゴであること、「今に在る」状態になることによって自分の創り出す疑似現実を認識することができる、といった 100% VAI説法 ではお馴染みのスピーチが聞けます。

詳しい内容はこちらの過去記事でどうぞ。

staytogether.hateblo.jp

インタビューの終盤では軽い選択クイズと音楽学生たちに向けた有難いアドバイスが聞けます。今週はこの部分を和訳して以下にまとめてみました。

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それでは二者択一質問です。ハムバッカー or シングルコイル?

ハムバッカー

トレモロ or …あなたにこれを訊く必要はないですね。

22フレット or 24フレット?

24

ピックは 薄い or ミディアム or 厚い?

厚いの

(弦のゲージ)009 or 010 or 011?

009

フレットボードは ローズウッド or メイプル?

場合によるな、ローズウッド。

アコースティックなら Tayler or Martin?

Tayler

アンプをもっと鳴らすなら、ゲインを上げるかペダルを使うか?

両方

真空管)6L6管 or EL34管?

EL34

アンプは100W or 25W?

100W

ペダルでは ディレイ or リヴァーブ?

ディレイ

同じく、ファズ or オーバードライブ?

違いは何だい?

ファズ・フェイス か チューブ・スクリーマーかという感じ。

多分、オーバードライブ

フェイザー or コーラス?

いい質問だね!(少し考えてから)コーラス

ワウ・ペダル or ワーミー・ペダル?

難しいこと訊くね!多分、ワウ。

ここからはバンド関連です。The Beatles or The Rolling Stones

The Beatles

ジョン or ポール?

ジョン

デヴィッド・ボウイ or ボブ・ディラン

これは難しい。(少し迷って)ボウイ。

Led Zeppelin or Pink Floyd

Zeppelin! (大声)

Pink Floyd のアルバムを1枚選ぶなら、『The Dark Side Of The Moon』or 『The Wall』?

『The Dark Side Of The Moon』でも私は Pink Floyd 派じゃないんだ。

そうですね、Zeppelin には全てに通じる何かが彼らの作品にあります。

ああ、私は成長期に Pink Floyd を聴いたけど、ファンという程じゃないんだ。今では好きだけど、あの頃はロックしたかったから。

近況を教えてください。

今は Patreon に時間を注いでいる。私がレコード会社を創ったとき、ミュージシャン向けに全てを網羅した総合的な巨大ウェブサイトを創りたいと思っていたんだ。いまだに存在していないのだが、1千万ドルもかかりそうだった。それは無理だと思い、プラットフォームができるのを待っていたんだ。

ミュージシャンにとって自身の創造的世界を創り、そこにファンが集い、物を得たりできるところだ。そこで私のチームが様々な媒体をチェックしたところ、Patreon が私に最も合ったプラットフォームだとわかったんだ。とても気に入っているよ。今は月額5ドルなんだ。

www.patreon.com

知っています。多くの価値あるコンテンツがあります。

金のためにやっているのではないんだ、(サブスク料金は)運営資金程度にしかならない。けれど、様々なコンテンツを1箇所に集めるというアイデアがとても気に入っているんだ。多くの時間をかけているよ。

それから、ツアーに出たいので、ソロアルバムの制作に入っている。"Candle Power" や "Knappsack" など何曲かはもうある。あと10曲ほどのアイデアはあるので、アルバムを出してツアーに出たい。

あの2曲はとても衝撃的でした。あなたは常に新たなチャレンジをしていて、とても刺激をもらえます。それにあなたのアコースティックなボーカル曲も好きですよ。『Ultra Zone』の "I'll Be Around" とか。

ありがとう。自分の歌声は好きだが、声が限られるんだ。自分のアコースティック・アルバムで歌うぐらいは大丈夫だが。まあそれは、私のハードコアなファン向けのものだ。創造ということで言うと、自分がやりたいと思うことをやらないなんてことにはしたくない。

多くの時間を使ってなぜ今 Patreon をやるのかと人に訊かれるが、私が今やりたいことだからだ。自分の創造的欲求に導かれるのだよ。

最後に、君の音楽学校の生徒たちにこの言葉を伝えたいと思う。

同じミュージシャン志望の仲間と肩を並べて学ぶ環境にいることは特権だ。特別な時間なんだ。私も経験者だから知っている。後になって振り返るとわかるのだ。君は今、生涯の友人を作っているのだ。やがて音楽ビジネスや他で生涯連絡を取り合うだろう。ここにちょっとした為になる対処法を教えよう。

自分の周りのミュージシャンを支援しよう。ただ親切に親しく接すればいい。これはとても強力だ。そうされることでどんな気持ちになるのか君にはわかるだろう。

特に自分の腕が立つのかそうでないのか、不安になっているとき、人の支えがあるということはどんなに良いか。支えを感じることはとても重要なことだ。これは何かの見返りを得る為ではなく、君がそうすることで君自身が良い気持ちになれるのだ。

誰かが必死で努力して挑戦しているとき、君には2つの選択肢がある。1つは競争本能をむき出しにして、相手を批判すること。もう1つは親しく支援する方だ。自分をなだめて偽るのではなく、誠実でなくてはならない。自分を相手の立場に置いて考えるのだ。

これができれば、君の音楽学校における全ての経験は学びもプレイも人との交流も、また生涯の絆を創る友人も、全てが強力になるだろう。

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終盤のお言葉はまるで Vai Academy の生徒に校長先生が入学の祝辞をお話になっているようです。音楽学校だけでなく、全ての人間関係に応用できそうですね。ヴァイ校長に感謝。

最新の情報ではヴァイ先生のニューアルバムのレコーディングが進んでいることがわかりました。最近、ベーストラックとドラムトラックのレコーディングをしているようです。また、このインタビューから、10曲以上のフルレングスのインスト・ソロアルバムだということが確認できました。完成が楽しみです!