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Whitesnake Part 2 ディノ・ジュルーシック「そのビデオをデヴィッド・カヴァーデイルが観たんだ」

 先週に引き続き、Whitesnake 加入が発表された、注目のディノ・ジュルーシックの最新インタビュー和訳です。

 彼が全米興行収入トップ5に入るTSOに参加したいきさつや、ディノがカヴァ様の目にとまったきっかけとなるビデオなど、興味深いお話でした。

 

 

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2016年ツアーから参加したTSOについて、いきさつを教えてくれる?

2016年2月に父が部屋にやってきて、「Trans-Siberian Orchestra
って知ってるか?」と言うんだ。「もちろん、ラッセル・アレン、ジェフ・スコット・ソート、アル・ペトレリだろ、何で?」と訊くと、新しいシンガーを探していて、オーディションに呼ばれているとのことだった。即座に「絶対合格してみせる!」と言ったよ。

課題曲は Savatage の "Handful of Rain" だった。最高のオーディション曲だ。彼らが送ってきたのはピアノバージョンで、バンドのつもりで歌ってくれとの指示だった。ビデオを送っても2週間返事がなくて、失敗したかと思っていたら、ポール・オニールからのメッセージがきたんだ。

「8曲送るから、対面でオーディションするまでに覚えてくれ」というもので、準備してフロリダに飛んだ。1曲目は "Good King Joy" で低音から始まるんだ。それを聴いて選考者が「低音も出るのね?高音のためにオーディションに来てもらったけど、低音も歌えるのね。あなた多分合格よ」と言われたんだ。数日リハーサルしていたら、ポール・オニールが来て彼と何曲かやった。デヴィッド・カヴァーデイルと並んで最も生粋の本物さ。

ポールとは "Hey Can You Hear Me Now" もやった。彼はスティーブン・タイラーやレイ・ギランなど何人ものシンガーでこの曲を試してきたけど、彼の思い通りのシンガーをみつけていなかったんだ。低音のパートから高音へと持ち上げていかなくちゃならない。

僕は両方できるから、彼は僕で満足したようだった。この曲をレコーディングするためにタンパへ向かう日だったよ、彼の訃報を知ったのは。実際に2018年にはバンドバージョンであの曲をレコーディングしたんだ。ツアーではあの曲をアル・ペトレリとやった。コロナで全てが止まっているから、あのレコーディングがどうなったのか、知りたいと思っている。

 

今年の冬はTSOのツアーがあるのではないかと思うけど、まだ何も連絡はないので、家で待っているところさ。TSOは僕のキャリアに扉を開いてくれた。多くの人と知り合ったし、最初のツアーでポール・ロジャースと共演したんだ。クレイジーだよ。TSOは神に与えられたチャンスで、メンバーはまるで家族のようだ。

SNSによると君はこの数年で50曲以上書いたそうだけど、今後それらをレコーディングしてリリースする予定はある? Whitesnake もあるので、その辺りは調整がいるのかな?

今はリリースの予定はない。法的なステップを踏んでいるところだから。多くの曲はプログレッシブな一方でキャッチーなもので、歌詞もリスナーが共感できるものだ。凄くテクニカルな曲でもOKさ。

コロナ後にやってみたことがある。複雑なインストゥルメンタル曲を取り上げて、そこにボーカルを加えてみたんだ。ヴァージル・ドナティ、キコ・ルーレイロ、Liquid Tension Experiment の曲でやってみた。

 

結果は素晴らしいものになったよ、誰もそれらがボーカル曲になるなんて思わなかったものだ。マイク・ポートノイもジョーダン・ルーデスも気に入ってくれた。実際にそのビデオをデヴィッド・カヴァーデイルが観たんだよ、そう聞いた。(訳者注:上のビデオ参照)

来年5月から Whitesnake のツアーだそうだけど、それ以外に君のソロやプロジェクトなどの活動予定はあるの?

法的問題が片付くまでは難しいんだ。長らく計画していたアルバムもあるんだけど、それまでは棚上げだ。素晴らしいオファーも、参加できなかったアルバムの話もあった。クールなギグの話もあるんだ。ゲスト参加したアルバムでメロディと歌詞を書いたけど、それはもうすぐリリースだ。ジェフ・スコット・ソートのデュエット・アルバムも、もうすぐ出ると思う。彼とミュージック・ビデオも撮る予定だったけど、レーベルに拒否されたんだ。

音楽以外のことでも、時間があればやりたいことはある?

譜面を書いて作曲をやりたいね。シンガーとしての影響とは違って、ギターで作曲するとリフ主体になるけど、キーボードではフュージョンプログレッシブの要素が強まるんだ。音楽でやりたいことは沢山あって、ロックに固執してはいない。

音楽以外では、卓球に時間を使っている。それに大のテニスファンでテニス観戦に音楽よりも時間を使っているかも。大のロジャー・フェデラーのファンなんだ。

オリンピック・テニスは観てる?

もちろん。多分、ジョコビッチが世界制覇するだろうね。彼はセルビア人だから、(僕と)ほとんど同じ言語を話すんだ。こう言うと(セルビア人との紛争の過去があるから)クロアチア人に怒られるだろうけど。構わないよ、国籍よりも人間自体が重要なんだ。好きな選手のテニスの試合があるときは誰にも邪魔されず一人静かにテレビ観戦したいよ。

テニスはプレイするの?

するよ、父がテニスのコーチだった。でも卓球の方がずっと多くプレイする。前のTSOツアーではラッセル・アレンを卓球で酷く打ち負かしたから、聞いてみて。(笑)今年TSOのツアーがあったら、インスタグラムでラッセルとの卓球戦を中継するから見てよ。ラッセルは凄く面白いよ。一方で彼は最高のシンガーの1人だ。

(インタビュー終わり)

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ディノ君の Whitesnake 入りには驚きました。バンド側の発表にも、今回のディノ本人のインタビューにも彼がバンドで何をするのかは一切触れられていません。

カヴァ様とボーカルを分け合って、もうカヴァ様が出せない高音を担当するということ?そして将来的には、KISSで検討されているのと同様に、カヴァ様のツアー引退後もバンドはディノがボーカルでツアーを続けるのでしょうか?

それからもう1つ興味深いのは、Frontiers がディノとの訴訟に入り、ディノを排除しようとする動きがある最中にカヴァ様がディノをリクルートしたということ。

ディノとしては活動が停滞する中、来年の収入が確保され、名前も売れるありがたいギグに違いありませんけど、カヴァ様は Frontiers と仲が良いはず。レーベルが排除にかかっている若手アーティストを救ったのはなぜなのか気になります。彼の才能にほれ込んでのこと?

ところで、ディノ君がテニスファンで、その上私と同じロジャー・フェデラーの大ファンと知って、好感度爆上がりしています。(笑)

 

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