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ジョー・サトリアーニ 「音楽とは、より意味のある人生を生きるための真実である」

サッチがこの夏の Satch/Vai 欧州ツアーに向けてセルヴィアの音楽メディアによるインタビューに応えました。

balkanrock.com

先日にはヴァイ先生と一緒に Guitar Player 誌のインタビューも受けています。

 

 

 

そこでは、Satch/Vai ツアーのバンド編成について、ケニー・アロノフの参加がベースにあったこと、ギター/鍵盤/コーラスをG3ツアーで担当していたレイの都合がつかず、知人の提案によりマルコ・メンドーサが素晴らしい声を持っていることに思い至ったこと、

そして凄腕ギタリスト、ピート・ソーンを迎えてバンドが決まったことを話しています。サッチもヴァイ先生もピートの演奏力(タイム・インテンション・トーン)だけでなく、音楽センスや創造性を高く評価していました。

なお、今年の夏頃かと思われていた Satch/Vai アルバムの発売は来年の1~3月期の見込みとサッチが言っています。

来年にアルバム発売でその後に拡大版の Satch/Vai ツアーが行われるのではと期待しています。どうか日本にも来てください! 

以下はセルヴィアの音楽メディアによるインタビューのまとめです。

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今年の Satch/Vai ツアーでは、あなたの教え子であり、生涯の友人でもある伝説のミュージシャン、スティーヴ・ヴァイとの共演ですね。あなたをロールモデルとして尊敬してきた彼と長年の親交を経てステージに立つのは、どんな気持ちですか?

私たちが共にいるとまるで時の魔法でタイムトリップしたように、私の幼少期の家に戻るのさ。2人のティーンエイジャーがギターを弾きながら、ロックスターになることを夢見ていた頃のね!

私たちは言葉には出さない音楽言語を共有していて、それがこの終わりのない音楽的コラボレーションを生み出しているんだ。彼と一緒に曲作りするのも演奏もするのも大好きさ。彼は唯一無二の、類まれなミュージシャン。そして、素晴らしい人間性も持ち合わせている。

音楽シーンが大きく変化し、それがミュージシャンにどれほど大きく影響を与えているかは周知の事実です。あなたは今でも世界中をツアーし、生きがいとしている音楽を演奏できているのは幸運だと思いますか?

若い頃に家族から受けた支援には、心から感謝しているよ。今と同じように危険に満ちた時代に育ったものの、夢を追いかけるよう励まされたのだと思う。友人や学校の教師たち、皆が私を諦めずに支えてくれたおかげだ。

私が長きにわたって成功を収められたのは、ファンのおかげだ。彼らがいなければ、今の私のキャリアはあり得ない。もちろん、私は常に懸命に努力し決して諦めなかったが、人生とはお互いの支え合いだ。周りの助けや励ましなしに成功を収めることはできない。

あなたは50年近く音楽活動を続け、独自の方法で足跡を残してきました。これまでソロアーティストとして活動してきた中で、新しい曲作りのインスピレーションや、活動を進める情熱の源、原動力となっているものは何ですか?

私は人生そのものから常にインスピレーションを受けている。人生は美しく、混沌としていて、圧倒的で、恐ろしく、そして常に予測不能だ。書きたいことは尽きないよ!

ピカソはかつて「芸術とは、真実を悟らせるための嘘である」と言ったけれど、私は「音楽とは、より意味のある人生を生きるための真実である」と付け加えたいね。

あなたはこれまで様々なミュージシャンやバンドと数多くのコラボレーションを行ってきましたが、もう一度やりたいものや、機会を逃して後悔しているものはありますか?

ミック・ジャガーDeep Purple と演奏していた時は、一枚もオリジナルのアルバムを共に作らなかったから、完全ではなかったと思うことがあるね。

ブライアン・イーノからモス・デフまで、いろんなアーティストとコラボレーションできたら最高だなっていつも思っていた。どんなにクレイジーなことか想像できるかい?こういうコラボレーションをする時間なんて、いつも足りないものだ。時はあっという間さ。

かつてのソロ・ギター・アーティストと今のそれとの主な違いは何でしょうか?今の時代には新しい名手や革新者が不足していると思いますか?

現代は歴史上かつてないほど多くのギター名手が活躍している。若いプレーヤーたちが、これまでに行われた演奏をはるかに超えることを楽器で披露する姿を見るのは、とても興奮するよ。

私が彼らに追いつくことは決してできないと分かっているけど、彼らが生み出す音楽と革新的なテクニックには胸が躍る。

今の社会や音楽業界が、こうした新しいギタープレーヤーたちの努力を支援し、報いてくれるのを願うよ。しかし今のところ、人々は「思考を変えた」ようで、芸術的な卓越性よりも、有名人への注目が高まっているようだね。

グラミー賞に15回ノミネートされ、インストゥルメンタル・ロックのギタリストとして最も売れているという、数々の成功を収めているにもかかわらず、あなたは決して過剰なエゴを発することはありませんでした。楽器と音楽そのものへの深い愛情は、エゴの充足よりもはるかに重要な要素なのでしょうか?

スポットライトを浴びたいなど思わないよ、これまで一度も。でも、音楽ビジネスには欠かせない要素だとわかったんだ。「ショー」ビジネスと呼ばれるのも当然さ! とにかく人前に出て、人に見られなければならない。

パフォーマーの中には、常に誰よりも前に立って、最高の存在だと思われたいという欲求を持つ人もいるが、私は違う。私は音楽、ギター演奏、そしてあらゆるタイプのギタリストが大好きなんだ。

私たちギタープレイヤー・コミュニティの全員が、自分たちの音楽を聴いてもらう方法、そしてもっと簡単にコラボレーションできる方法があればいいのにと思うよ。

あなたは Ibanez のギターを弾くことで広く知られています。多くの人が憧れるシグネチャーモデルもありますね。Ibanezを初めて手に取って弾いた時、その魅力に気づきましたか?また、すぐに Ibanez と相性を感じましたか?

ティーブが私に最初の Ibanezを送って、試させてくれた。その表現力豊かでバランスの取れた音色には本当に感銘を受けたよ。Edgeのトレモロユニットには驚かされた。当時の Floyd Rose の構造をはるかに超える、作りもチューニングの安定性も抜群だった。自分のモデルを手に入れられたのは、私にも私の演奏にとっても、まさに天の恵みだった。

あなたのパフォーマンスで最も強烈で鮮やかな要素の一つは、まさに Floyd Rose/ワミー・バーを使った恍惚のプレイです。あなたとワミー・バーの間には、強い繋がり、まるで相思相愛のようなものを感じませんか?

ワミー・バーは確かにギターの音色をよりボーカルらしくする助けになるけど、同時に独自の言語も持つのさ。優しく甘い音から、とんでもなくクレイジーな音まで、一瞬で変化し、通常の音楽技法を超越する。

ジミ・ヘンドリックスは、その可能性と楽曲や即興ソロにおける活用方法を大きく革新した。彼のワミー・バーの見事な使い方は、今も昔も私の最大のインスピレーションだよ。

史上最も影響力のあるギタリストの一人として、昨今さまざまな困難に直面している中で、あなたの後を継いで自分のやりたいことをやりたいと考えている人たちに、どんなメッセージを送りますか?

今は私が音楽業界に進出してきた頃とは時代が違って、求められる戦略も違う。でも、自分の仕事に秀でていることに勝るものはない。怠惰は決して報われない。だから、努力を怠ったり、諦めたりする罠にはまらないようにして欲しい。

最後に、ジョー・サトリアーニの今後の展望についてお聞かせください。次のアルバムやツアー、あるいはまた何か面白いコラボレーションの計画はありますか?それとも、流れに身を任せていくつもりですか?

ティーブと私は共作アルバムの作曲とレコーディングを終わらせないといけないので、今はそれが最優先事項だ。

それから、年末にアメリカで開催するアートショーに向けて、今年中に新しい絵をたくさん描かなければならない。こういう芸術活動に時間を費やせることに本当に感謝しているよ、全てファンのおかげだ。