Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Satch/Vai アルバム完成、今年後半リリース予定!

5月末まで SatchVai Band での北米ツアー中の2人がインタビューに応えていた記事から注目した内容をまとめてみました。

長らく制作にかかっていた SatchVai のアルバムは10曲が完成し、リリース準備に入っているようです。仕事の早いサッチがいながら、レーベル側の締め切りを2回延期しているようなので、ヴァイ先生の引っ張りが強かったのでしょうか。(笑)

 

アルバムが北米ツアーに間に合わなかったものの、アルバムからの3rd シングルが公開されています。

 

コミカルなMVはやはり、サッチの息子ZZが制作しています。

 

この曲は80年代初頭にヴァイ先生がイタリア人シンガーのパオロ・コンテの同名曲をみつけ、他のギタープレイヤーとプレイするアイデアを温めていたそう。

ヴァイ:ジョーにこの曲を送って、「クレイジーなアイデアがあるんだ。この曲のホーンを全てギタートラックにして、アレンジを追加したいんだ」と言ったんだ。彼には「気は確かか?これはそもそもロックでもないだろ」なんて言われるかと思ったのに、彼は「これでどんなプレイをするかはわからないけど、スティーブのクレイジーな発想を信じる」と言ってくれたので、実現したんだ。

サッチはこの曲が斬新だったので気に入ったよう。ギターとギターアレンジでスティーブの奇抜なアイデアが形になり、「天才スティーブを垣間見る曲」なのだと。

サッチ:これまでで最もクレイジーなスティーブのアイデアだと思った。でも曲が形になったとき、純粋な楽しみに満ちたものとなり、私はギターを手に取って、「スティーブ・ヴァイのギタートラックが18もあるこの曲で、一体何を演奏すればいいんだ?」って考えていた。

アルバムのリリースは秋ごろでしょうか?

ヴァイ:アルバムを聴くとファンは「この曲はジョーだな、これはスティーブだな」と確信する曲もあるだろうけれど、中にはコードやリフのアイデアが最初にあっただけで、2人でやり取りをしながら作り上げた曲もある。私は通常全ての音符を決定するから、こういうコラボレーションは余りしない。こんなクリエイティブな環境に身を置けたのは素晴らしかったよ。

 

6月からサッチは Sammy Hagar & The Best of All Worlds Band のツアーが9月まで、ヴァイ先生は BEAT の欧州ツアーが6~7月とあります。

 

アルバムの発売後、10月以降くらいに来日してくれないものでしょうか…

とにかく、アルバムの発売が待ち遠しいですね。



ジャック・ガーディナー ライブ@名古屋 Club Upset 2026/04/16 名古屋愛を弾く

ジャック・ガーディナーのことは数年前からyoutube等で見かけて時折チェックしていました。ヴァイ先生にも影響を受けているUKのギタリストで、Ibanez のエンドーサー。近年はAZを弾いているぽい。

ニューアルバム『金継ぎ』にはツアーにも参加したヘンリク・リンダーの他にも、コリー・ウォン、マテオ・マンクーソ、アンディ・ティモンズまで参加ということで、モダン・ギターヒーロー揃ってるわ、これは要チェック!と思っていたら、来日決まってまさかの名古屋公演まである!

この会場は2017年に Cosmosquad を観て以来でした!こんな小さな箱で凄腕ギターインストを再び鑑賞できるとは感慨深い。

最初に登場したのは鍵盤のロブ、大きな体の髭顔で「くまもん」のヘアバンドをしている時点で、その愛嬌に好感度爆上がり。ドラムのポーターは西海岸出身の元気そうな若者。

今日のお目当ての一人のヘンリクは24年に観た Choppers Revolution 以来です。ピンク色ボディのでかい6弦ベースを手に彼らしいストリートファッションで登場。以前に見かけた「ハードオフ」ストラップではなかった。(笑)

最後に登場したジャックは小柄で細身のお兄さんでした。笑顔からの弾き倒し。

爽やかでクリアなギタートーンがとても心地よい。今時らしいアンプを使わないシンプルな足元で、ジャックの音は艶やかでいい感じ。

ベースはもちろんのこと、バンドそれぞれが高いミュージシャンシップでワクワクする演奏。

2曲ほどプレイすると、翻訳してもらった日本語の挨拶をスマホを横目で見ながらスピーチしてくれました。名古屋愛まで語ってくれるのだから、相当な親日派。

そう言えば、この前見たリック・ビアトさんとジャックの対談番組で「いつか日本に移住するのが夢」って言ってたなぁ。

ジャックの話声は低音でとても良い響き。将来は歌うか、オーディオブックを読んで欲しい。

"Sunglass" はいい曲でアルバムの中でも気に入っています。

アンディ・ティモンズがソロを弾くパートはヘンリクが弾くとのことで、ベースでどんな風に調理するのだろうと期待。

ところがそのパートでヘンリクが弾き始めるとハウリングが起きて彼が顔をしかめていました。ジャズテイストのソロだったけど、ちょっと音が聞こえにくくて残念。ライブだから色々あるよねぇ。

こちらがアンディが登場する曲のMV

 

 

"Eightfold Fence" は名古屋の能楽堂で撮影したMVだそうで、それに協力してくれた方にジャックがステージから感謝していました。その撮影で名古屋のこと好きになって、興行的には厳しそうなのに名古屋ライブしてくれたのかな。ぜひまた来てください。

 

 

 

ヘンリク以外のバンドは退場して、鍵盤のロブの時間。彼も日本に6回来ていて、かなりの親日家の様子。自分で先日アルバム『仲間』も出しているそうで、一緒にツアーしようと誘ってくれたジャックに感謝していました。エレピで彼の曲を弾き始めたのですが、"Chiba" だそうで、千葉県?演奏は静かで美しいピアノ曲でした。

ニューアルバムの曲をメインに演奏が進んでいましたが、ライブでは数回ほどジャズ・フュージョンのジャムセッションのようになるシーンがあり、ライブこそのお楽しみでした。

上原ひろみちゃんのカバーをギターで聴くというのも新鮮。ひたすらメロディックで情感たっぷり。

ジャックはテクニカルなプレイもするし、リズム系プレイでベースと呼応するし、メロディックにギターを歌わせることもするし、守備範囲広い。

"Mugen" も名古屋でMV録ったそうな。清須城と能楽堂らしいよ。もう名古屋に住んじゃいなよ。戦国時代好きにはたまらん地域でしょw

 

 

 

アンコール含め約100分の上質なギター・フュージョンをたっぷり楽しめる時間でした。Caciopeaのカバーも聴けちゃったよ。良いライブでした。マタネ!


本日のセットリスト (多分)


01. Shibuya Meltdown
02. Taxman
03. Moon Over Mango
04. Matterhorn
05. Sunglass
06. Glitter
07. Eightfold Fence 
08. Action Boyz
09. Chiba (Rob Araujo song)
10. The Snow Job
11. First Train Home
12. Place To Be (Hiromi Uehara cover)
13. Iki
14. Mugen
15. U.T.F.F.
16. Mata Ne
encore
17. Fan Boy
18. Asayake (Caciopea cover)
19. Spark It

 

 

スティーブ・ヴァイ 「新しいスタジオを創っている」

スティーブ・ヴァイがアーメット・ザッパのトークショウに出演しました。アーメットが子供の頃からザッパ家で長らく顔を合わせていた2人の会話は親しみと思い出に溢れた楽しく深いものになりました。

 

 

他の対談ではなかなかこのような会話にはなりませんので、とても貴重な対談となりそうです。

長い会話の中から興味深かった話の概要を以下にまとめてみました。

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あなたのAIに対する見解を聞かせて。フランクならAIで何をしたと思う?

彼はこの革新の最前線に立ち、作曲に利用しただろうね。今その考えが欠けていると思うんだ。作曲プログラムとしてのAI活用だ。フランクはきっと、まあこれは私の作曲家としての本能がそう想像するのだけど、フランクはその10倍を行く人だろう?

AIに対し「これこれを満たすフレーズを書け、音はこの幅で使用せよ」とか、どんな指示にせよ彼の思うようにする。そして「それを使って反転し、俺の発想どおりにコードを生成しろ」などと、彼なら全く異なる方法で作曲してみせるだろう。

言葉で示してAIが生成し、それを聞いて変更を加える。例えばすべてのE♭をこれに変えてアクセントをつけろ、そしてハープで演奏可能なものに調整し、ペダリングを加えろ、と言うようにね。

フランクは新たなプログラムや道具を手にするといつでもそれをとことん利用しようとするんだ。そのポテンシャルを見極め、またその限界を理解する。

そして彼はその機器のメーカーに手紙を書いてプログラミング変更を依頼するんだ。シンクラヴィア (Synclavier)を創ったニューイングランドデジタル社の人たちは参っていたよ。

多くの人がこういう新たな機器で遊ぶのと違って、フランクはそれらがいかに彼の創作活動に貢献できるかを突き詰めるんだ。

父はまだ世間で認識がなかった頃から音響空間の実験をしまくっていたよ。サウンドライブラリーを作って作曲に使うために。Atmos(立体音響システム)の出る何十年も前から彼はその実験をしていたんだ。君は Atmos は好み?

実は今、新しいスタジオを創っているんだが、Atmos を入れようと思っている。私はまだ体験していないんだけどね。

フランクが自宅でドラマーのオーディションをしたことがあったけど、フランクの厳しさは凄かったね。

ああ。私は全ての音符を正確に弾くことに誇りを持っていた。"RDNZL" という曲ではフランクが私に全てのメロディを任せてくれたんだ。当時私はストラトを弾いていたので、フレットは少ない。E♭を弾くのにDまでしかないんだ。ベンドして弾いていたけど

それって指の肉が削れる感じだよね?

そうさ、数回に1度は上手く弾けた。イタリアでのショウのとき、幼いドゥイージル(ザッパ)がいた。それであの曲を演奏した、あのパートがやってくる。何とか弾いたけれど、ミリでいくつかの音符を外してしまった。それ以外の何千という音符は正確だったんだ。

指揮をしていたフランクにドゥイージルが「スティーブは凄いね、あのメロディを全部弾いたよ」と言っていた。するとフランクが「ああそうだな。彼が今夜ミスしたのは3音とスケール半の間違いがあっただけだ」と。私はごまかしたつもりだったがバレていたよ。(笑)

フランクとのツアーがどんなものか教えて

それは厳しいものだった。

(詳細については過去記事で最難関曲 "Moggio" を演奏した当時のコメントをどうぞ)

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フランクは14歳の頃にエドガー・ヴァレーズの "Ionisation" に夢中になり、15ドルのレコードをポケットの1ドルで売って欲しいと店に何度も頼み込んだんだ。遂にレコードを手に入れ、家にあったプレイヤーで何度も掛けた。間もなくやってきた15歳の誕生日に両親が5ドル使って良いと言うと、彼は長距離電話を掛けたいという。父に頼んでアルバムの裏面に書いてある電話番号に掛けてもらった。彼のヒーローと話すために。残念ながら電話は繋がらなかった。

私が初めてフランクと電話で話した頃は常に宝物のような時間だった。彼の機嫌が良いときは良い会話ができる。しかし彼の機嫌が悪いときは、君にはどんなかわかるだろう?「イエス」「ノー」しか返答がない。

ある時こう言ったんだ「あなたが15歳の時、エドガー・ヴァレーズと話せたら良かったのにと心から思うよ、そうすれば今の僕の気持ちがわかると思う」すると雰囲気がガラリと変わって、とても良い会話をすることができたよ。

わお!実はエドガー・ヴァレーズは折り返してくれてフランクは会話できたんだよ。

(エドガー・ヴァレーズについては、こちらの過去記事でもヴァイ先生が話していますので、どうぞ)

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アーメットとの会話では、他にもエイミー・マン("No More Amsterdam"で共演)がバークリーでピアさんの友達だったこと、デイヴ・リー・ロスが実は厳しいビジネス・マンでリハーサル時刻の15分前にはスタジオ入りすること、ザッパ家の人々との心温まる交流やザッパ夫人のゲイルさんへの思いなど興味深い話が聞けます。

あと、こちらにも対談で出たギターの話がまとめられています。

amass.jp

会話に出てきた先生の新スタジオも気になりますね。

 



Boone's Farm ライブ@ Billboard Live Osaka 2026.01.12 ギターヒーロー共演に感激

スティーヴ・ルカサーが豪華腕利きミュージシャンを連れて来日してくれました!

2017年の Nervebundle での来日を思い出します。仲良しジャムバンドでの公演。

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今回は大阪で2日、東京で4日、横浜で1日と全てビルボードで1日2公演という濃密スケジュールです。

メンバーはマイケル・ランドウ(G)、キース・カーロック(Dr)、ジェフ・バブコ(Key)、ティム・ルフェーブル(B)。前回の公演でジェフを、キースはTOTOで、ランドウさんはスティーヴ・ガッドのバンドで観たことがあります。ティムさんはテデスキ・トラックス・バンドに在籍していたそうなので、その頃に来日していたら観ているかも。

私は初日の大阪1stステージに参加しました。長旅の疲れが残り、リハもほとんどないでしょうから、ぶっつけ本番ぽい感じもあるでしょうが、腕利き揃いなのできっとサクッと決めてしまうのだろうなと想像。

意外にも定刻にバンドは登場。ルークはタイトなブラックジーンズにシャツとジャケット姿。白髪のルークにも慣れてきました。ランドウさんはジーンズにアディダスジャージでした。家からコンビニに出かける風情。

1曲目は "Freedom"! オープニングはロックできたな。ランドウさんもコーラスを担当していて驚きました。でもコーラスの一体感がイマイチで、リハもほとんどなさそうだから、そこはご愛敬かな。ルークのロックギター久しぶりに聴けた。

「コンバンハ、オオサカ!ここに来れて嬉しいよ。俺とマイクは12歳からの知り合いだ、信じられるか?俺の人生の歓びだ」

2曲目はランドウさんの絶妙なるボリュームコントロールによる美しいトーンで始まる。中盤では結構がっつり弾いてくれて嬉しい。以前にスティーヴ・ガッドのバンドで観たときは、サイドマンに徹してて、余り主張していなかった印象だったので。それにしても、心地よいサウンドに巧みさが溢れてる。

ルークがランドウさんの方に来て、2人が寄り添って弾くシーンがあったのだけど、目の前で観れたのは感激。写真に収めたいシーンだったなぁ。

「次はマイクが歌う」と始まったのはどっぷりブルース。ランドウさんってボーカルも取るんだ。2人がブルースをどう料理するのか、絡みも含めてスリリングに楽しめました。ここではジェフの鍵盤も堪能。

次の曲ではキースのドラム・ソロをたっぷり挟んで。彼はさすが、ライブを通じてジャズ系からパワフルなドラミングまで、腕利きぶりを発揮し続けてた。

"Bridge Of Signs" はルークのボーカルでした。これは歌いだしの歌詞がカンペになってルークの足元に貼ってあった。たっぷりギターサウンドが味わえる曲。

「どうだい、俺らキメてる?なんせ1ヵ月も前からリハしてっからさ」(自虐ウソのため、観客から笑い)

「マイルスの曲をやるぜ」、と始まったのは "Tutu"。ソロが回されていく演奏がどれもかっこいいし、至高だなぁ。そう言えば、2015年に Larry & Luke でも演奏していたよね。

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次に始まった聴きなれたイントロはギタージャムの定番 "Crossroads"! 2人のギター掛け合いがたまらなく楽しい!

そしてキメとばかりに始まったのは "The Pump" これも Larry & Luke で演奏していたから、ルークには外せない曲なんだろうなぁ。

ロックなギターヒーローのルークと大人の匠ギターなランドウさんが楽しそうに弾き合うステージは大満足でした。

大きな拍手に包まれながら、バンドメンバーを紹介するルーク。最後にはランドウさんとがっつり肩を組みながら退出していきました。

アンコールがあるのだろうと思っていたのですが、無かったのは残念。さっきの曲をラストと思って聴いていなかったよ…(涙)

それでも80分ほどのライブは良いもの観て聴いた感激で一杯、年初から最高のスタートを切れました。

 

本日のセットリスト(多分)

01. Freedom (Jimi Hendrix cover)
02. I'm Buzzed (Landau)
03. Worried Life Blues (Big Maceo Merriweather cover)
04. Crosswind (Billy Cobham cover)
05. Bridge Of Signs (Robin Trower cover) 
~ Third Stone from the Sun (Jimi Hendrix cover)
06. Tutu (Miles Davis cover)
07. Crossroads (Cream cover)
08. The Pump (Jeff Beck cover)

SONY 公式によるライブレポートはこちら

rollingstonejapan.com

Boone's Farm の意味はきっとルークのことだから、Nervebundle 同様にちょっとアレなバンド名なのかしらと思っていたところ、上のリンク先の記事を読んでみたら、ギターを弾く少年たちが丘の上に腰掛けながら、安物ワインを飲みつつ、将来の夢を語っているときに飲んでいた安物ワインの名前だったのね!

そこでピンと連想きました!

ロサンゼルスではルークとランドウ少年が夢を語っていたのですが、ニューヨークではサッチとヴァイ少年が学校側の空き地で同じことをしていたのです。その空き地は少年たちに "The Sea of Emotions" と呼ばれ、昨年リリースされたサッチ/ヴァイの曲名になりました。

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西海岸の少年たちも東海岸の少年たちもやがて世界を代表するギターヒーローに成長するのです。いい話だなぁ。



スティーブ・ヴァイ 緑色の「レッドスペシャル」に感激!

昨年11月頃から、あるギター工房の投稿で緑色の「レッドスペシャル」が制作され、ヴァイ先生に贈呈されることを知りましたが、遂に先生の手にギターが届いた模様です。

 

 

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ブライアン・メイへの感謝の気持ち溢れる先生の長文訳は以下のとおり。

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1970年代、私がカールプレイスの地で子供だった頃、音程を保ってプレイする方法を模索していたとき、ブライアン・メイは私の絶対的なヒーローの一人だった。

彼の音色とタッチからはロックンロールの気品がにじみ出ていて、彼が書いた曲や選んだ音は私の心の奥深くに刻まれ、将来の自分の姿を空想にふける元となった。

しかし、彼のレッドスペシャルは私にとってただのギターではなく、神話的な存在、若き天才とその父親が作った錬金術の杖のようなものだった。

私は見つけられる限りの写真や噂を熱心に収集した。あのギターによって、いつか自分の手で自分のギターを作れるかもしれないという思いが芽生えたものの、専門知識の欠如により、幸運にも実現することはなかった。

時は流れ、1980年。私は20歳でロサンゼルスに移り、フェアファックス通りとサンセット通りの交差点の小さなアパートに棲み、フランク・ザッパと仕事を始めた。

そしてある夜、レインボー・バー&グリルに入ると、ブライアンその人がただそこに立っているのが見えた。一人で、まるで普通の人間のように。私は幻覚でも見ているのかと思った。

ブライアンはこの見知らぬ少年に信じられないほど親切で、考えられないことをしてくれた。

彼は私を Queen のリハーサルに招待したのだ。バンド全員と同じ部屋に座っているだけでも十分非現実的だったのに、レッドスペシャルが目に入った。私が指差して「これが?」と聞くと、ブライアンは「ああ。試してみるか?」と答えた。

その時、まぎれもなく時がスローモーションになったことを証言しよう。

青春時代ずっと憧れていたあのギターを手にすると、衝撃が走った。

「これだ!ついにブライアン・メイの音が出せるんだ!」と思った。でも、残念ながら、そうはいかず、結局は自分の音だった。

08ゲージの弦、超低弦高、そして小さな木ほどもあるネックのため、まるでローラースケートを履いた子キリンのようなプレイになった。それでも、まさに天国のような体験だった。

数年後、『Passion and Warfare』がリリースされた後、スペインのセビリアで行われた Guitar Legends のコンサートに出演することになり、そこではブライアンが音楽監督を務めていた。

ブライアンは、かつてリハーサルでギターを弾かせてやった若いギタリストの話をしてくれた。その少年はザッパとの仕事で来ていて、驚くほど上手にプレイしたと。

私は彼の話が終わるのを待ってから、「ブライアン、あれは私だったんだ」と告げた。

これは宇宙が私に与えてくれた最も満足のいく、まさに奇跡的な出来事の一つだ。

それ以来、私は幸運にもブライアンと知り合い、何度もジャムセッションをし、さらには一緒に仕事をする機会に恵まれた。

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常に計り知れない程の喜びと光栄な機会で、彼はいつでもボスのごとくキメてくれた。しかし、私にとって最も価値あるものは彼との友情だ。

さて、ここで私はまた瞬きしたり、笑ったり、信じられない気持ちで首を振ったりしてしまうことに遭遇した。

言葉にできないほど光栄なことに、彼は私のために特別なギターを製作し、贈ってくれた。「グリーン」レッドスペシャル!言葉では言い表せない、本当に光栄だ。

ここで、私はまた、素晴らしい弦楽器製作者であるアンドリュー・ガイトンに、心からの大きな賛美を送らねばならない。

アンドリュー、あなたの作品は美を超えている。このギターは単なる構造ではなく、情熱が形になったものだ。

バーズアイメイプル、マホガニーネック、ジャンボEVOゴールドフレット、陰陽インレイ指板、驚異的なトーンレンジ、優雅なトレモロ、そして手に馴染むネック。あらゆるディテールが、深い配慮、想像力、そして熟練の技を物語っている。

レッドスペシャルの精神を体現しながらも、このギターに身を委ねると、まるで自宅にいるかのように心地よく感じられる。きっとこの色のおかげかも。

私は多くのギターを所有しているが、このギターは唯一無二だ。これには魂と歴史が刻まれ、惜しみない愛情が込もっている。生涯大切にし、墓場まで持っていくつもりさ。

ブライアン、インスピレーション、寛大さ、友情、そしてあなたの創造的な DNA の一部を私に託してくれたことに感謝している。

半世紀以上にわたって、あなたは独創的な音楽とギターサウンドを世界に贈ってくれた。

そして今、ファンである私は心からの感謝の気持ちで満たされ、私の新しいギターで「Tie Your Mother Down」をジャムしながら信じられない思いで笑っている。

 

感謝と無限の愛を

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以下が制作者のアンドリュー・ガイトンさんの投稿

これによると、

木材の指定や電気系統、スケールサイズやオリジナルのレッドスペシャルと少し違うところは先生が決めたそうです。ネックサイズは JEM/PIA に近づけたそう。
先生とギターテクのダグが届いたギターを箱から取り出す動画を撮影したようなので、近いうちに公開されるといいですね。

ガイトン・ギターのインスタグラムには詳細のスペックと多数の写真が掲載されており、グリーン「レッドスペシャル」の細かな細工がしっかり見れます!

 

 

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2025年のライブを振り返る

今年も当ブログをご訪問頂きまして、ありがとうございました。

今年の大きな変化は13年くらい続けてきた毎週末の更新を止めたことです。

単純に書きたいと思うネタが減ったことが原因で、毎週末の更新を必須とせずに、書きたくなったら更新するスタイルに変えました。

時折ご訪問いただくなか、更新がないことでご心配頂いた方々には申し訳ありません。

ライブレポも書くのが難しいと感じたときには手が止まることが多くなりました。歳のせいかしら。(汗)

まあ、のんびりとやっておりますので、よろしければまた来年も引き続きよろしくお願いいたします。

 

今年を振り返ると、自分の好きなバンドである Whitesnake と Winger がライブ活動に終止符を打ったことが大きな出来事でした。

何度もライブを観に行った興奮の体験が遠い記憶になっていく、なんだか寂しい気持ちです。

ミュージシャンも歳をとっていくので、もうその人のライブが観れなくなるというのは今後どんどん増えていくのでしょうね。

特に Whitesnake は2度の来日キャンセルがあって、結局2016年の来日が最後の機会になってしまいました。

いつが最後になるのか、本当にわかりませんね。


2025年 参加ライブ

01月 Memory of Beck & Jimi 
03月 Aristocrats, Andy Timmons, Winger
05月 Hans Zimmer 
06月 Cory Wong
08月 Uli Jon Roth
09月 Beat
12月 Hiromi Uehara Sonic Wonder, Marcin, Greg Howe

 

ライブに参加した回数がぐっと減って11回、色々と重なって厳選していたらこうなりました。

1月の Memory of Beck & Jimi は、山本恭司(g)・安達久美(g)・Rie a.k.a. Suzaku(g)・須藤満(b)・川口千里(ds)の錚々たるメンバーによるJeff BeckJimi Hendrixのカバー曲他を演奏するライブで、たっぷりギターを堪能できた、濃厚なライブでした。コスパ高かったなぁ。

コロナ禍を挟んで久しぶりにアンディ・ティモンズのライブが観れたのは嬉しかった。アンディ・ファンの皆様にお会いできたのも久しぶりで嬉しい時間でした。

Winger のライブも最後の見納めとなってしまいました。もちろん素晴らしい見納めだったのですが、私の中では2014年の川崎での "Witness" や2020年のMORCで『Ⅳ』からのレア曲祭りを超えることはなかったなぁ…

昨年に続いてコリー・ウォンとマーシンが来日して、まさかの名古屋に来てくれたのは嬉しかった。ギターインストのアーティストが名古屋でこんなに集客できるのかと驚きまくり。

上原ひろみのライブは同じメンバーで観るのが2度目。腕利きミュージシャンによる茶目っ気たっぷりの楽しいジャズライブを楽しめました。

ソロでは初めてのグレッグ・ハウはまさかの年末来日。久しぶりに超絶プレイを聴かせてくれました。ニューアルバムは必ず出すとのことなので、次作を楽しみに。

 

2025年 ベストライブ

No.3 Hans Zimmer

名古屋に新しくできたIGアリーナの初音楽公演が何とハンス・ジマー!好評を博しながら世界ツアーを行っている映画音楽の第一人者の公演が観れるということで行ってきました。Aristocrats のガスリー・ゴーヴァンが参加しているのも嬉しいポイント。

オーケストラとバンド、シンガー総勢数十名による躍動感に溢れたサウンド、美しい照明の演出の中で数々の名作映画音楽を味わえるという、なかなかできない体験は感動ものでした。

 

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No.2 Uli Jon Roth

約6年ぶりの来日公演は、スコーピオンズやエレクトリック・サンの楽曲をはじめ、ソロ・アルバム、Sky of Avalon の楽曲からも演奏するというもので、前後半で内容が分けられていました。

TCM Sky Orchestra の名称でヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ2人に加えてヴァイオリンのソリストが加わるという初の試みとなっており、前半はこの弦楽隊をフィーチャーしたウリさんの楽曲を味わう、クラシカルな内容。

美しい演奏はバックに映し出されたウリさんのアート作品と相まって、壮大でスピリチュアルな音楽世界を表現していました。

ウリさんバンドにはお馴染みのニクラスさん(B)、デヴィッドくん(G)に加え、ドラム、鍵盤に加えて女性のソプラノ・ボーカルも参加していました。(豪華!)馴染みのある顔ぶれの演奏を聴けたのも嬉しい。

後半はロック編ということで、ウリさんファンに馴染み深いロック曲にオーディエンスは盛り上がっていました。

ウリさんの志す理想の音楽表現に向けて、色々と大変だったでしょうに、これだけのミュージシャンを手配し、日本でこの公演を行ってくれたことにひたすら感謝です。良い音楽体験ができました。


No.1 BEAT

人生初の武道館公演をBEATで体験できた喜びは今年のハイライトです。

先生の立ち位置は自分の席から遠くて、演奏する姿は余り見えなかったのですが、変態揃いの凄腕ミュージシャンたちの演奏を堪能できたのは嬉しい。

BEATは来年6~7月に欧州ツアーの予定。アジアで観れたのは日本だけですから、1日だけの幸運でした。

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来年も素晴らしいライブミュージックとの出会いがありますように。

 

MARCIN ライブ@ Bottom Line Nagoya 2025.12.13  「アジアのインスト音楽愛は世界で1番」

昨年5月の初来日公演から1年半余りでMARCINが再来日してくれました。しかも今度は名古屋公演もありです!嬉しい。

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昨年の梅田クアトロでは初来日公演でソールドアウトをやってのけた青年は、今年の大阪公演はクラブ規模からシアター規模に会場を拡大させ、洋楽ライブには集客厳しい名古屋の地を初訪問で満員近くの集客を果たしました。恐るべき成長力。

これは同世代の Polyphia の日本デビュー時を上回っているような…彼らはクラブ規模の名古屋公演を1回で終えて、もう東阪公演しかやらなくなりましたよね。MARCINはまた来てくれるかな。

前回の公演ではベースとドラムを加えたバンド形式でしたが、今回は全てそぎ落としてのソロ公演。ステージには彼のロゴのバックドロップを背景に3本のギターが並ぶのみ。

アコギのソロ公演を成立させるのってなかなかチャレンジングな気がするのですが、期待しかない!

「コンバンハ、ナゴヤ!レッツゴー!」

定刻に登場した彼は昨年と変わらず爽やか青年。黒いシャツには何やら日本語が書かれています。

本人曰く、ひらがなやカタカナは少し読めるけど(それだけでもスゴイ!)漢字は全くダメだそう。

このシャツを選んだ経緯が気になりますが、プレゼントでしょうか?日本人のチョイスじゃなさそうなベタな日本語(「平和と団結」とか)満載のシャツ… とはいえ、彼の愛と平和主義が伝わります。

そしてスタートからの驚異的な演奏。いや本当に凄いわ。ギターが身体の一部のようです。アコギでこんな風に弾けるって左手の握力強いのだろうな、人差し指と小指のストレッチ長いし、小指でハンマリングとか。

「これが僕の初めての名古屋公演、来てくれて皆ありがとう!アーティストが初めての街でショウをするって、何かテストのようなものだよ。どんな人たちが来てくれるのか。今日は良いエネルギーを保ち、また何度も来たいよ」

挨拶に続いたのは "Smooth Operator" 。懐かしの名曲をアコギのアレンジで聴くのは新鮮。スムースでパンチもあってナイス。 

新曲の "How Music Works" では彼の奏法を解説しながら、その驚異的なパーカッションとリズムベース、ハーモニー、メロディを重ねていく様を実演してくれます。いやぁ、凄いわ。

次の曲ではエレキを演奏。エレキは白い Ibanez RGぽいギターでした。彼がエレキを弾くとどうなるのかと思っていましたが、オケをバックに結構メタルなサウンド

彼があと使用したのは Polyphia のティム・ヘンソンのシグネチャー。黒いボディにインレイがティムのツリー・オブ・デスで印象的なアコギ。これ気に入っているのだろうね。

「今回のアジアツアーはかなり大きな規模で、とてもナーバスになっていたんだ。香港、韓国、台湾でプレイして、昨日は大阪。去年プレイした会場よりも大きくなってた。でもここはとても小さい会場で、もし僕が熱くなれなかったらどうしようかと思ったんだ。でも正反対で、最高に楽しい、まるで友達に弾いているみたいだ!」

名古屋小さい発言にドキッとしましたが、良かった。

「ショウを進めよう!ここまで僕の新曲などオリジナルを中心にやってきたけど、ここからはカバーを沢山やるよ。僕が子供のときにラジオでずっと聴いていた曲で、ポップスのベストソングだと思った。余りにも僕が聴くから家族は飽きちゃったけど」

去年も演奏した "Cry Me a River" は彼の定番曲なんだろうね。 

「今日は悪いことが起きた記念日なんだ。僕が生まれるよりずっと前、故郷ポーランドでは問題があった。共産主義の時代で自由がなかった。政府が戒厳令を出したんだ。これを日本語で何と言うのかわからないけれど、ある時刻以降は外出できなくなって、自由はなく、戦争が始まろうとしていた。この日に合わせて、故郷の作曲家ショパンを弾こう。そして皆で自由を大切に維持しよう、互いに思いやりを持とう。ヤサシク」

彼がアコギで弾いたショパンは、せつなく、壊してはいけない美しさが1音毎に詰まっているようで、会場はその美しい音色を聴き逃すまいと静寂に包まれました。

弾き終えた彼はしばし感極まって、背中を向けて涙をぬぐっている様子でした。彼も私たち同様に戦争を知らない世代だと思うけれど、祖国の歴史に思うところは大きいのかも知れない。

「次は僕にとって最初の大きな世界的反響になった曲。フィンガースタイルのアレンジをするプレイヤーはいるけど、ポップスやビートルズが多くて、どうして誰も交響曲のアレンジをやらないのかと不思議だった。今僕がここで演奏できるに至った数多くのステップの中で最初になったのがこれだ。最初の音で曲のタイトルはわかるよ」

ベートーベンの運命アレンジに感銘。パワフルな演奏だから、体力使うよねぇ、ソロだから休憩する暇がないし。

大阪では Ichika がゲストだったのに名古屋申し訳ないと、次は彼がアコギの奏法を解説してくれました。去年は東京のみ Ichika 参加で、今年は東阪のみの模様。 Ichika 観たかった(涙)

「これは昨日も感じたのだけど、アジアのインスト音楽への愛は世界で最もビッグだよ。とても嬉しい、サポートをありがとう!故郷のポーランドよりもスゴイよ。僕の初めての海外公演は去年の日本だったからね。可能だとは思わなかったよ、こんな何万キロも遠い世界の人が僕の音楽をただ熱心に聴いてくれるとは。ありがとう!」

"Carmen" は彼の演奏の素晴らしさが味わえる名曲だねぇ。

アンコールは "Kashmir" で盛り上がりました。去年に続き良いライブだった。

来年もまた来て欲しい。頭の良い彼はきっと日本語をもっと話すようになっているのだろうな。

公式のセトリ発表を待っているのだけど、まだ無いのでセトリは不明です。