Satch/Vai Band の欧州ツアーが終了しました。最新のヴァイ先生の発言によると、来年初めにリリース予定の Satch/Vai オリジナル・アルバムを出してから北米ツアーに出るようなので、その後日本にも来てくれるかもしれません。(希望)
大盛況に終わった Satch Vai Band 欧州ツアーでの機材解説を先生のギターテクのダグがしてくれました。機材ごとにダグの説明概要をまとめました。
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Guitars
FLO
これはオリジナル。実は僕がスティーブの仕事を始めた頃、これは半ば引退したギターだった。スティーブがこれのネックに特にこだわりがなかったので、JEMのストックからネックを選んで付けた。
EVO Gold でフレットを付け替えてある。軽くスキャロップしてあり、ネックは少し薄い。しばらくスタジオに置いてあったのだけど、FLOⅢに替えてこれがメインギターだ。
Fernandes のサステイナーやバイパスフィルター付き。通常のEVO PUに替えてEVO2が載っている。アウトプット時のサウンドを考慮してBEATツアーからEVO2に移行しているんだ。
これは信頼できるロックギターだから、またツアーに出せて嬉しいよ。バスウッドで軽いんだ。
ZIVA (Green PIA)
"I Wanna Play My Guitar" のビデオでスティーブが弾いたものだ。BEATのツアー中に緑で黒いハードウェアのギターを彼に弾いて欲しいと思ったんだ。これはFLOのバックアップ・ギターだよ。
ネックが薄くて、アルダー材だから(FLOと)サウンドが違うんだ。でもスペックはほぼ同じで、スキャロップは無い。スティーブの手はあんなに大きいのに、薄いネックが好きなんだよ。
REVO
これが新しいEVO。BEATツアー中に決めたんだけど、EVOはツアーから引退させたんだ。それで僕はレプリカのEVOボディを持ち込んで時間のある時にEVOの基本的な特徴を反映させた。特にボディの黄色化とかね、そしてオリジナルのEVOそっくりになったんだ。ネックはかつてFLOのネックだったものだ。
(多分 Gold Cream)
これは初ツアー使用。おそらく、彼が "Sex And Religion" をレコーディングしていた頃に届いたものだ。とても良いギターで沢山のレコーディングに使われている。これはREVOのバックアップ・ギターだ。古いギターを持ち出して光を当てるのは楽しいよね。
Little Pretty
"Little Pretty" で使用の Ibanez ジョン・スコフィールド・モデル。
Bonvillain Design Studio が美しいペイントを施した。
Bluesheen
"Zeus in Chains" で使用。このツアー直前に新しいPUに替えた。ピックガードが金属なので、高音域を反射してしまうんだ、それで少しサウンドの明るさを落とした。カスタムのPUだ。
名称不明
これは Universe 初期モデルの1つで、スティーブはロングアイランドの母親宅に置いていたんだ。スティーブが自宅に置いている Bodhi と同じモデルだ。古いギターにツアーで光を当てるのは楽しいよ。Bluesheen のバックアップ・ギターだ。
ペダルボード&キャビネット
ペダルボード
BEATツアーでは King Crimson にちなんで赤を使っていたけれど、Satch/Vaiではヴァイに戻る訳だから(彼の好きな)グリーンにした。ペダル用のマジックテープが多色展開で販売されているんだ。(ボード全体にマジックテープが貼られており、ペダルを固定している模様)
新顔のお気に入りペダルはBEATツアーから使い始めたこの EP Booster でクリーンなブーストが得られる。
僕はペダルボードを組むのが好きなんだよ。
(この後、ラックのアンプ等についての説明がありますが、以下過去記事にもありますので割愛します)
ラックの中のペダル
Satch/Vaiツアーのリハーサルをロスで行っていたときに、ジョーが BOSS-NS2 を使っていたのを見て、ノイズ・サプレッサーあるといいなと思い、10種類ほどをスタジオでテストしてみたところ、やはり BOSS-NS2 が良かったので、Synergy から Fractal に入る信号に入れている秘密兵器だ。
キャビネット
ずっと Carvin を使っていたけれど、ある日ジョーが来て「スティーブ、3rd Power キャビネットを使ってみたら」と言ったんだ。それで注文してみたところ素晴らしかった。(3rd Power は現在サッチも使用中)
グリル・クロスはスティーブのアート・ディレクターであるマイケル・メスカーが手掛けたフローラル・パターンだよ。
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EVO が遂にツアーから引退したのですね、ファンにとっては感慨深いものがあります。2023年の来日でEVOを間近で見て触れたのが最後だったのだなぁと。見れて良かった。
