この秋の BEATツアー、King Crimson のメンバーについて、ヴァイ先生がインタビューで語ったことのまとめ続きです。
先生がトニーやロバートについて、またツアーの今後について語っています。先生からは King Crimson の音楽に向き合う興奮や喜びが始終伝わってきますね。
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ところで、ちょっとしたトリビアですが、トニー・レヴィンが初めて有給でオーケストラ演奏したのはイゴール・ストラヴィンンスキーとなんですよ。
それは凄いな。彼の音楽を最初に耳にしたとき、感心はしたものの、詳しくチェックはしていなかった。しかし、以前実は彼から一緒にツアーに出ないかとオファーがあったんだ。その時は別のツアーのただ中でできなかった。でも彼は本物の演奏家で音楽を愛する者だとわかっていたよ。
今回、彼のプレイをじっくり聴いてみて、彼の脳はポリメトリックに出来ているのだと思った。彼は何でもできる。彼のパートはオーケストレーションが構築されており、彼の出す音は全て曲の中で重要な機能を持っている。
スコアを手にしながら、じっと彼の演奏を聴いてみると余りに感嘆したので、彼に手紙を書いたよ。彼の曲への貢献に圧倒されたし、完璧で見事なまでに音楽的、熟練していながら楽しいのだ。時に抽象的で機転が利いているし、刺激的だ。これは本当に稀なことだよ。
そうですね、実は彼は写真家でもあって素晴らしい写真を撮ります。ロバートは彼をベースプレーヤーの前に芸術家と評していますね。
ロバ―トについては、彼の持つ包括的なレベルというのはミュージシャンにとっての全世界に及ぶと思う。強力なプレーヤーとしての要素を全て持っているんだ。
ロバートの持つ個性というのは、彼独自の演奏法により、効果的かつ徹底的な鍛錬による技術は至高の域だ。このような特異の人物が編み出す音楽はユニークで美しいものさ。
ロバートの研究には一生かかるだろう。彼以外には誰も成し得ない彼独自の創造性の領域がある。これほどユニークな創造性を追求するということは、多くの人は自らブロックしてしまうのでできないのだが、ロバートはフランクと同様に決して止まることなく尽きることのない自分のアイデアを追求する。
ロバートのプレイの特徴として、タイムが完璧なことがある。彼のピッキングテクニックは大抵ダウン・アップ・ダウンとなるが、音符が正確に均質化していて、パーカッション的なフィールを音楽に与えている。
トニーが言ったと思うが、ロバートは人間メトロノームのようだ。誰もロバートのようなプレイはできない。
すまないが私はレガートプレイのタイム的には揺らぎのあるタイプだ。だが、ダニーが代わりにきっちりとビートをキープしてくれると保証しよう。
ロバートと連絡を取り合っているそうですが、何かシェアできる話はありますか?
彼のコードソロについて、解説をお願いしたんだ。"Neurotica" のライブ版を聴いていて、彼が弾いた素晴らしいコードが知りたかった。彼はオルタード・スケールを書いて説明してくれた。実際には彼は動画に撮って説明してくれたのさ。
特定のスケール上において有効な様々なコード構成音について。私たちは音楽理論について語ったのだが、私は理論を理解するが深く語り合ったのは久しぶりでね、おかげで実験してみたいテクニック、聴いたことのないコードのアイデアをもらった。
もちろんロバートとは違うものになるが、King Crimson の音楽には適したものになるよ。
このツアーはチケットの売れ行きが激しく、ファンから追加ツアーの希望も聞こえてきます。今後の予定はどうですか?
はは、先のことはまだ何も決まっていない。今のところ、このツアーにはいい反響がある。私たちはもっとツアーしたいんだ。だが、機材等の運搬や未確定部分も多い。皆それぞれの仕事もあって、ダニーには TOOL がある。
私はジョー・サトリアーニとアルバムを作っているし、ツアーもあるだろう。だから2025年のことは何も決まっていないんだ。でもBEATのツアーがもっとできればいいね。
(おわり)
動画45分以降辺りのお話は以下の記事にまとめられていますので、ご参照ください。
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先生の終盤のコメントを聞いていて思うのですが、BEAT は2025年以降も続きそうな予感ですし、エイドリアンの他インタビューでの会話でも来日ありそうな感じでしたので、これは来るなと。
Satch/Vai は共作のアルバムリリース後、すなわち2025年以降でワールドツアーがありそうな予感。
ということで、私は BEAT も Satch/Vai も来日ありと期待します。
今週はサッチがサミー・ヘイガーと夏からツアーするVHトリビュートが9月に来日公演決定のニュースがありましたし、(これが一番日本では観れないと思っていました。今のところ北米と日本でだけ観れるツアーです!)ここ数年で観たいツアーが全部観れるという幸運が日本に居ながらにして得られそうです!(歓喜)