ヴァイ先生の来日まであと1ヶ月となりました!楽しみ過ぎる!
さて、今年の北米ツアー時のヴァイ先生使用機材の解説動画が今週公開されました。
ヴァイ先生のギターテクを務めるダグが解説しています。2022年の欧州ツアー時にも同じ内容の動画が公開されていますので、今回は当時と異なる部分を中心に、以下で概要を箇条書きにまとめてみました。
2022年時のツアー機材解説を未読の方はまずこちらからどうぞ。
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Hydra
- シグナルは全て1本のイーサネットに入り、そこからブレイン(スプリッター)へ
- 各ネックにボリュームコントロール、PUセレクター
- ハープはピエゾPU
- ボリュームは常に10
- Ibanez はブレインを3種制作した。MVに登場する初代機、ツアー用の2代機、それを改良した小型3代機とそのバックアップ機
- 7弦のシグナルは Synergy を通って通常出力される
- その他のネックのシグナルは Fractal に入り、ここではモデリング・アンプを使う
- Hydra 演奏曲では全てがプログラムされている
- トルコのライブではプログラムを走らせるシステムが故障し、切り替えをフットペダルや手動で全てやる必要が出たが、無事にやり遂げた
- 14kg近くある
- Hydra スタンドはダグ制作。軍隊使用レベルの強化プラスチックを Hydra に合わせてカットして組み立て。
- Hydra は湿度温度の変化に強い安定した楽器。 Ibanez の仕事ブラボー
- 下のホーンにあるツマミを押すと、Hydra MVのイントロが流れる(最初のツアーでダンテがショウ途中で誤って押してしまったことがある)
Hydra についてはこちらの過去記事でも詳しい話があります。
EVO
- 当時、ラリー・ディマジオとシグネチャーPUの開発をしていた先生は4本の白JEMに試作中の異なるPUを載せ、それらを識別するため、Harley-Davidson (先生がバイクに夢中であった背景)のエンジンモデルの名前をギターに書いていた。Evolution を略した EVO が現在までのお気に入りとなる
- 下側のホーンにある大きな傷は先生がケーブルに足を引っかけて倒れたときにできた
- その傷は星野楽器でエポキシ樹脂を使って埋められ修繕された
- チューニングがずれない安定したギター
- ボディにレス・ポールのサインがある
- 現在のネックは6~7個目、今のネックは完コピEVOの個体から
- Lo-Pro cosmo black tremolo 搭載
- DiMarzio の500k ボリュームポット搭載で、プルアップでハイパスフィルター ("Tender Surrender" ではボトムエンドをカットしクリーンなサウンドに)
- ネックのPUはブリッジの Evolution を逆配列にしたものでストラト風サウンドに
- トーンノブはワイヤ付けされていない(使わない)
- ダグ参加当初、EVO はオリジナル Edge 搭載だった。こちらはサウンドがクラシックな中音域のフロイド的だが、Lo-Pro は(徐々に音を上げる)スクープしたサウンドで、低音域が少し厚い。だからEVOは Lo-Pro を使っている。先生のお気に入り
Bluesheen
- "Zeus in Chains" で使用
- ショウで使う7弦は、当初の欧州ツアーでは Whitesnake 時代のミラータイプ Glissando を使おうとしたが、今回から換えた
- 星野90周年記念のプロトタイプ、制作された7弦は1本のみ
- ハイパスフィルターを搭載
- DiMarzio Blaze PU
- バックプレートはファン・メイドのもの
Little Pretty
- "Little Pretty" で使用の Ibanez ジョン・スコフィールド・モデル
- Bonvillain Design Studio が美しいペイントを施した
- 弦は10-46
弦
- EVO と FLOⅢ は Ernie Ball 9-42 Super Slinky (pink pack)
- EMY (緑ストラトJEM)は 9-46 Hybrid Slinky
ピック
- Dunlop 1.14mm
- Hydra 演奏時はベース用に 1.5mm
ラック機材
- 3つのセクションから成る(移動時は分割して小さく梱包)
- シグナルパス:Dunlop wah 95 → Jemini → DigiTech Whammy DT → Synergy
- Synergy モジュール:VAIモジュール(デイヴ・フリードマン作、クリーンとディストーション)と Bassman モジュール
- Fractal AXE-FW Ⅲ:通常はエフェクターとして使用、デレイ・リバーヴ・コーラス等、Hydra 使用時のみモデリング・アンプ
- Fryette LXⅡ パワーアンプ (ステレオ使用時でもボリュームコントロールは1つが良い)
- ラック中間部は Hydra 用ブレインとパワーコンディショナー
- アンプからの信号は Carvin 4X12 キャビネットへ、Vintage 30 がお気に入り
- Shure SM57 でキャビからマイキング
ペダルボード
- 2つのパートから成る(移動時は分割して小さく梱包)
- CIOKS DC7 Power Supply でノイズレスに
- Mastermind LT foot switch でプリアンプの切り替え
- Fractal フットコントローラー FC-12 (パッチプログラム操作)
- ノイズゲートは使わない(曲のニュアンスが出せなくなる)
その他
- 先生のステージ用シールドは全て DiMarzio で長さ60フィート(18.2m)
- 南米で Hydra を持込めなかったときに "Velorum" を演奏したことあり
- 先生がモデリング・アンプを使う日はこないだろう
- 先生はインイヤー・モニターも使うが、コットンを耳に詰めて、Wedge モニター (2台ステレオで配置)の音を聴いている
- ギターテクとして、曲間にギターのセットアップとプリセットの変更とシールドさばきをするときは本当に忙しい
ライブでこの Hydra を間近で観る日が楽しみです!