レブ・ビーチが今年のDownload Festival(6月15日)公演後のインタビューに答えました。相変わらずのド直球な返答に会話が続かず悩むインタビュアーの顔が目に浮かんできそう。(笑)
そんなレブ節全開のインタビューはキップ愛に満ち溢れており、11月の再来日についてはイギリスのメディアに対して日本愛を宣言してくれるという内容。お世辞を言えない人だから、彼の日本愛はホンモノですね!レブのド直球トークを和訳してみました♪
WINGERの来日公演に行かれる方も迷っている方も、こちらでぜひ米国在住のロック・ジャーナリスト、Echoさんがキップ・ウィンガーに行ったインタビューもチェックしてください。キップが来日公演について語っていますので、必読です!
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フェスに参加して興奮していますか?
どうかなぁ・・・いや、すごく楽しいよ。もう出番は終わったけどね。俺にとっては4回目のフェス出演だ。規模のデカいライブは好きだよ、楽しいし。でも一番嬉しいのは長らく会ってなかった友達に会えることかな。
例えば、誰?
さっき、スティーブン・タイラーの楽屋に行ったんだけど、衣装担当の女性やエアロスミスのクルーは皆がいい友達なんだ。ほとんどの人はホワイトスネイク、デフ・レパードのツアーで一緒だった人で、去年ツアーしたから、会えてうれしいよ。
WINGERの出番は昼で、そんなに人出は多くなかった。雨が降ってて、ステージは滑るから、あんまり動けなかったし、ギアは自分たちのじゃないし。とにかくステージに上がってショウをやるって類のギグだったね。
ステージが滑った以外にショウはどうだった?
俺は観客があんなにも遠いのには耐えられないんだよ。俺はオーディエンスのエネルギーを感じていたい。今回みたいにステージ中央や両サイドにでかい機材があって観客が遠いのは好きじゃない。ただ出番に出て行ってプレイするってだけだ。
小さなクラブの方が好きってこと?
ああ。
そしてオーディエンスと交流するってことね?
もちろん!俺はいつもオーディエンスの熱気をもらうんだ。彼らがギグに引き込まれる瞬間が分かるのさ。今日は出番が早かったし、昼に演奏するなんて俺は好きじゃないし、観客は遠かったし、こういうのは好きじゃない。
あら・・・
こういうことインタビューで言うべきじゃないんだろうな。だから俺は普通はインタビューは受けないんだ。本当のこと言っちまうから。
正直っていいと思うわ。多分あなたの母親がそう教育したのね。
多分ね。
音楽業界の地図はこの10年で劇的に変わったけれど、WINGERが再びスポットライトを浴びているのは何が原動力だったのかしら?
俺たちがバンドをやり続けたから。
でも解散して再結成したでしょう?
いつだよ?
WINGERは今、話題のバンドよね。
俺たちは解散なんてしてない。
でも、活動してなかった時期があるでしょう?
ああ、でも2005年に再始動したから、たったの5年動いてなかっただけだ。POISONのツアーをやったとき、再始動したようなもんなんだ。でも俺たちは解散したことはない。俺たちはずっといい友達だった。俺たちの再結成なんてのがあったかは知らないね。それってWARRANTやSLAUGHTERみたいな俺たちと同じフェスに出るバンドにもあったかい?どうだか。
クラシックなロックを演奏する新しいバンドも次々登場していますね。
ああ、そういうこと。俺たちとは全く違うけど。
自分たちの音楽はそういったジャンルではないということ?
もちろんだ、とんでもない!
では、どんな音楽なんでしょう?
まぁ、こう言っておく。俺たちのドラマーはバークリーでもう11年も教鞭をとってる。キップ・ウィンガーは76ピースのオーケストラ曲をアレンジするし、アコースティック・ギターを演奏し、今でも昔と変わらずとんでもないヴォーカルを聞かせる。
俺はDOKKEN、WHITESNAKE、NIGHT RANGER、ALICE COOPERで演奏してきた。リストはもっと続けられる。俺たちは確かなキャリアを達成してきたミュージシャンであって、俺たちとセットでステージに立ってるバンドとは違う。
どんなバンドとはセットになるのが嫌なの?
そんなことは絶対に言わないよ。
では、どんなバンドと一緒にやりたい?
そういうバンドとはラインナップされることはないんだ。皆は分かってくれないんだよ。 "Seventeen"をプレイしてるバンドを見かけるといつも間違ったプレイをしてるんだ。皆は俺たちをクラシックなグラム・メタル・バンドだって思ってるけど、違うんだよ。俺たちのヒット曲はそう思われるかも知れないが、それはレコードを売らなくちゃならなかったからだ。俺たちがプレイしたい曲とは違うんだよ。
俺たちの曲には複雑で、クールなアレンジや作曲法があって、それはミュージシャン仲間には分かってるけど、皆はWINGERをそういう風には見てくれない。POISONと同じように見てるのさ。
もっとテクニカルなバンド、例えばDREAM THEATERと並びたいってこと?
いや。彼らは素晴らしいよ。俺なんかより優れたミュージシャンだと思う。俺たちはあれよりもっとポップな音楽をやりたいんだ。
あなたがヘア・メタル・バンドにグルーピングされたくないというのはもっともです。
でもそれって、マジで偉そうな言い草だよな。だってこれを読んだら「こいつら、自分らがそんなに凄いと思ってるのかよ」って皆は思うだろ?だから80年代に俺たちをバカにしてた風潮はおかしくてたまらいのさ。俺たちは職人的ミュージシャンだったから。
B&BがPOISONじゃなくて俺たちをバカにしたのは、俺たちが自分たちのことを凄いだろって言ってて、俺たちのビデオが軟弱だったからさ。俺たちルックスも良かったし。だからそういう風に見られるのは理解できる。俺は1stアルバムが2百万枚売れて、Guitar Worldの表紙になったことに満足してる。そんなことはもう起こらないけどね。
私たちはPOISONが好きですが、POISONをバカにする人はいますし、いつでもそういう嫌悪派というのは存在します。
俺はPOISONが好きだよ。彼らとは山ほどツアーをやったし、何度も一緒にプレイした。楽しいやつらだし、ブレット・マイケルは最高のパフォーマーだよ。
音楽制作は今でも好きですか?
もちろん!俺の大好きなこと、最高のことさ。それに、俺はパフォーマーでもある。子供の頃からステージに立ってたし、あそこに上がってプレイするのが大好きなんだよ。それで生計を立ててるってのは嬉しいね、俺にとっては自然なことだから。
オーディエンスの前に立つのが大好きだし、俺はただビール飲んでロックをプレイするってのが一番得意なんだよ。俺は新しい音楽とかは聴かないんだ。
どうして?
大抵はくだらないから。俺は自分の音楽を聴いて、自分の音楽を書いてる。俺が音楽を聴くときは、クラシック・ロックを聴く。俺が自宅で音楽を聴くときは自分の音楽を聴きながら、自分の音楽を書こうとしてるときだ。それに、すげぇって思える音楽なんて聞いたことないな。新しいバンドではほとんどない。ただ聞いたことがないってことなのかも知れないけどな。分からない。
だって、次のVAN HALENなんてどこにいる?VAN HALEN以外に彼らみたいなのは聞いたことないだろ?絶対にない!それに俺はギター・プレイヤーだ。だから、とんでもないギターソロを聞かせて、メロディも最高で、ラジオでもヒットしそうなのじゃなければ、俺が感心することはない。大抵はどっかがダメで、いつでもクソみたいなプロデュースされてるんだよ。
WINGERのレコードを聞いてみればいい、音楽的に釣り合わないだろ、話は終わりだ。80年代の好きなバンドや新しいバンドを選んでその音をWINGERと比べてみればいい。同じレベルのものがある訳がない。だって、俺たちのはキップ・ウィンガーがやってるんだ。あいつはとんでもない天才なのに誰もそのことがわかっちゃいないんだよ!皆はあいつのことを弱っちい、ビッグ・ヘアのロック・スターだと思ってる。でも全然違うんだ、あいつはとてつもない才能のあるヤツなんだよ。
あなたは明らかに音楽への情熱があって、自分の音楽に誇りを持っているけど、自分のことを完璧主義者だと思う?
人にはそう言われる。
多くのバンドは今ではそうじゃなくて、レコーディングをさっと終わらせてしまうわよね?
WINGERのレコードを1枚でも聞いてみてくれ。一音のミスもない。アレンジは全部完璧だ。他のバンドのレコード聞いてみろよ、仕事が雑だから。
現在のWINGERはどんな活動を?
今年一杯はツアーに出てる。ニュー・アルバムを出したから、今年一杯はツアーだ。
では、ニュー・アルバムについて教えて。
ニュー・アルバムは前作とは違うものになった。俺たちはいつも新しいことをやろうとするから。同じようなレコードは作りたくないから、前とは違うことをするのさ。俺は今作の製作にずっとはついていられなかったから、キップの影響が強く出てる。キップは作曲家タイプで、あいつの仕事をした。
前作は全部俺とキップで書いた。俺はギター・リフを書く80年代の人間さ、それが俺がやることの全て、ビールを飲んでギターをプレイする。
キップは作曲家タイプだ。あいつは俺のアイデアを使って曲に仕上げるんだ。あいつは「よし、Aで別のリフを作ってくれ」って感じでさ、俺はそれに5秒で応えることができる。前作はそうやって10日でアルバム全曲を書いた。
でもニュー・アルバムでは俺がずっとはいなかったから、前作のKARMAにキップのワイルドでクールで驚くような作曲技法が詰め込まれた感じになった。アルバムの前半の曲は俺がいたときのものだから、頭にバンとくるような、"Rat Race"や "Midnight Driver Of A Love Machine" なんかがある。アルバム後半はキップがあいつらしい才能を発揮したから、俺なんかが書けないような曲がある、キップの曲だ。
あなたとキップは本当に仲が良いみたいですね。
あいつは俺の親友だ。俺はあいつがいないとどんな決断もできない。あいつは俺のマネージャーか何かみたいなもんさ。
じゃぁ、キップはあなた一人でインタビューを受けるのには安心してる?
多分、本当はいいと思ってないと思う。俺はインタビュー苦手なんだ、本当のこと言っちまうから。
今年はずっとツアーだそうだけど、どこに行くの?
アメリカだけ。君が「WINGERが今、話題になってる」って言ったとき、俺はそうは思わなかった。だって俺たちはここ(英国)では4つしかショウの予定がないし、他のオファーはクズだったんだ。こっちでは誰も大して俺たちに興味がなかったってことだ。だから、俺たちはアメリカに帰ってショウをやる。アメリカでは結構うまく行ってる。あと南アメリカにも行く予定だ。
日本では最高だった。俺たちはもう一度日本へ行くけど、そんなこと普通は起こらないことなんだ。1回行っただけじゃなくて、もう1回行くんだぜ。最高にエキサイティングだよ!俺は日本大好きだから!俺のお気に入りの国なんだ。
とにかく、キップはソロ・ショウでここ(英国)で上手くやってるから、WINGERでも上手く行くと思った。ここでも俺たちのことは知られてるって思うから、プロモーターがいないだけかも。
ヨーロッパではアメリカなんかより格段とミュージシャン・シップが好まれる。それってWINGERがやってきたことだろ。フックのある曲で、演奏力の生きるパートがあって、俺たちにしか演奏できない俺たちの音だ。聞いたらWINGERのサウンドだってすぐ分かる。
つまり、俺のギターとキップの声さ、それがWINGERだ。でもキップのソロ・アルバムを聞いたらそうは思わないだろうな。WINGERのサウンドとは違うから。
何かまだ達成してないことはありますか?
ああ、沢山ある。全部俺個人のプロジェクトだ。インストのソロ・アルバムをリリースしたい。2003年にソロ・アルバムを出したけど、自分でプロデュースして、全曲書いて、自分で歌ったもので、いい作品になった。ちょっとダークな作品だったけど、まぁ、そういう時だったんだ。
で、今はインストのソロ・アルバムを製作してて、これはずっとやりたかったことなんだ。バンドを組んで歌のことなんか気にせず俺はただギターを弾けばいい、みたいにさ。歌うって大変なんだ。俺は一日中でもプレイしていられる。これが俺のずっとやりたかったことなんだから。そういう音楽のファンなんだよ。