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サッチ/ヴァイ 「今が完璧なタイミングだ」

現在2人でツアー中のサッチ/ヴァイが揃ってインタビュー動画に登場しました。くつろいで楽しそうな雰囲気の2人の会話のうち、興味深かった部分をまとめてみました。

 

 

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―長いキャリアで多くのことを成し得た今、プレイすることでどう楽しみや閃きを得ていますか?

ジョー:その瞬間に集中して共にプレイしている相手を感じる。私たちはバンドとステージにいるのだからね。私たちはバンドとのプレイを感じながら、互いのプレイがその日に何を引き起こすのかを楽しんでいる。

―長年の関係がある中で、音楽的に何かテレパシーのように互いを感じることはありますか?

ティーブ:ああ、でも私たちのつながり方は奇妙なんだよ。私たちには確かに似た傾向がある。だがジョーとのプレイは全く予想がつかないんだ。相手のプレイを聴き、応えるという全くつかみどころのない時間なんだ。

もちろん、彼を見て聴いて、ジョーの弾いているのがコードものだと分かれば、どう応えようかが浮かぶのだけど、彼が次に何をするのかは全く予想がつかないんだ。そこはとても挑戦し甲斐があり、お楽しみでもある。

ジョー:毎回私たちの即興ジャムを終えると、互いの顔を見てワォと思うんだ。毎回、なんとかジャムをコントロールして楽しいものにしようとする。相手が次に何をプレイするのかはわからないからね。

―今夜も相手に驚かされそうですね。

ティーブ:ああ、毎晩驚かされるよ。私たちは同じ地域で育ち、同じものを食べて育った。イタリア系のロングアイランドの子供だから同じような騒ぎを起こして。ジョーは年上だったから別のグループとつるんでいたけどね。

それでも、言葉にするのは難しいのだが、私たちが(演奏中に)ある種の心理的空間に入り込むと、相手が次に何をするのかわかるかと言うと、イエスでありノーでもある。生まれ育った地域を自然と感じるんだ。私はジョー以外に同郷のプレイヤーと弾いたことがないから、そう感じるのかも知れないけれど。

―あなた方のプレイにはある程度の類似点を感じるものの、別の部分では全く異なっています。ところで、この写真で思い出すものは?(Guitar Legends Sevilla 1991 の写真)

ジョー:素晴らしいイベントだった。私たちは先にロンドンで3日間リハーサルをしてから会場に入ったんだ。ブライアン・メイ音楽監督で誰と誰がプレイするとか、途中で誰が加わるといった采配をしていた。ああゆう構成のイベントは初めてだったよ。

ティーブ:その写真は私とジョーとブライアンで "Liberty" を弾いているところだよ。3人でのハーモニーがあったからね。私は彼が大好きだから、あの曲は Queen の影響を受けている。

―こちらの写真は昔のNAMMショウのときのようですが(若いサッチ夫妻と先生&ピアさんが一緒に写っている)

ジョー:これは多分81年かな。私の髪が短いだろう?これはシンガポールで披露宴をする為に散髪したからだと思う。当時あの国では男の長髪は問題だった。(訳者注:サッチの妻、ルビーナさんのご親戚はシンガポールにいる)

―これは2人が表紙の1990年 Guitar World ですね。

ティーブ:おお、それ!最近その引用記事を見たのだけど、2人がいつ共作するかについて「今はそれぞれ忙しいけれど、いつかやるよ」と言っていた。

それで、ジョーが "The Sea of Emotion" Part 1&2 になる曲を送ってきたときに、私がそう名付けようと言ったんだ。あそこには私たちの共に過ごした青春があるからね。

―その曲は大反響ですね、 Part 2&3 の状況はどうですか?

ジョー:レコーディングは終わっているんだ。まだミックスは終えていない。恐らく、来年の共作アルバムのリリースよりも前に順次公開していくと思う。アルバムはその3曲だけじゃないよ、Part 10 とかまである訳じゃない(笑)。他の曲も制作を始めているんだ、でもどんなアルバムになるのかは想像がつかない。

あの曲は私たち2人が共通して持つ思い出の場所からスタートした。その時には考えていなかったけれど、アルバムにするというのは素晴らしいアイデアだと思う。今が完璧なタイミングだ。あの場所の思い出から始めたというのはとても大切なことだったんだ。

―今から名前を挙げる若手をどう思いますか?トシン・アバシ、ラリ・バシリオ、コリー・ウォン。

ジョー:素晴らしいプレイヤーだ。彼らの生演奏を観るべきだよ。コリー・ウォンのライブは彼のショウマンシップとミュージシャンシップが合わさっている。彼のギタープレイヤーとしての力量だけでなく、プロデューサーそしてライターとしての才能に触れるためにライブを観るべきだ。SNSで動画だけを見て彼のしていることを推量してはだめだ。

ラリについても同じだよ。彼女がしていることは美しい、目の前で彼女を観るべきだよ。以前、私たちはチャリティーのライブをやったのだけど、そこに Animals As Leaders も来てくれた。トシンがプレイしているもの、本物の感情を音楽で味わうにはライブを見るべきだ。催眠のように魅了し、張り詰め攻撃的でありながら、美しいんだ。

ティーブ:この3人はとても異なっていて多様性がある。今のギター界で起きているこの大変革を見るのはとても嬉しいよ。コリーは新鮮な空気のようだ。ジョーが言ったように、彼の才能はとても幅広い。そしてトシンとは一緒にツアーをした。彼らは特定のことにフォーカスしている。実際に観て感じるべきだ。

―自分のトーンとギアの関係をどう考えますか?

ティーブ:G3ツアーの最初で私のアンプがダウンしてしまって、急遽ジャム用の機材でプレイしなくてはならなかった。それでプレイはできるのだが、私たちギタープレイヤーには快適なゾーンというものがある。

自分の好みのものが必要なんだ。もちろん、それ以外の機材でもショウをやり遂げることはできる。自分の欲する通りのトーンでない状況でプレイする上での心理的インパクトはあるんだ。

ジョー:G3で面白いことがあったよ。最後の公演を終えて、ドキュメンタリーを撮影していたからインタビューやらを撮り終えた後で、皆が私のリグ( Marshall ハーフスタック)を使って弾いたんだ。

ティーブとエリックの音を私のリグを通して聴くのはとても興味深かった。全く私の音とは違うからね。私のリグは撮影用に私のセッティングがされていて、ノブを調整したりもしていないのに、スティーブはスティーブの音がするし、エリックは正にエリックだった。