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アンディ・ティモンズ ライブ@ Cotton Club 2016.11.20 ニューアルバム全曲演奏、極上のギターサウンド

ニューアルバムを引っ提げてのアンディ ライブ、イン トーキョーに行ってきました!今回の来日は金曜から月曜の4日間、同一会場のライブで、各日とも1stと2ndのショウがあり、1stはニューアルバムからの選曲、2ndは過去アルバムからのベスト選曲という内容です。

私が参加したのは、日&月曜で両日とも全てのショウ。日曜はかなりの集客でした。最終日の物販ではニューアルバムが売り切れてしまっていたようです。よし!

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開演時刻の午後5時にバンドは登場し、オーディエンスの拍手に応えました。セットアップしながらアンディのトーク

「ちょっとロックするには早い時間かな?そうじゃないといいんだけど(笑)Cotton Clubで3日目の夜だ、ここに来られて嬉しいよ、素晴らしい会場さ。今日は天気も良くて東京タワーの傍をたくさん散歩したんだ。寺院も美しかったな。まずはちょっとジャムして僕らの指を暖めて、君達の耳も慣れてもらおう」

そうだよね、午後5時からクラブで演奏するなんて海外ではまずないだろうし、慣れないかも(笑)始まったオープニングのジャムはジャムどころか、アンディ的泣きのメロディ満載の美しい小曲。ところどころに過去作品の片鱗が詰まっている感じ。

そのまま始まったニューアルバムの1曲目"Ascension"は明るい朝の日差しとエネルギーを感じさせるリフやメロディが大好きな曲です。続けて"Winterland"を終えてからバンド紹介。どうやらニューアルバムはトラックリストの通りに全曲演奏するよう。

70年代へのオマージュというタイトル・トラックの "Theme From A Perfect World" はアンディのルーツを垣間見るようなロックプレイが展開されるメロディックな楽曲にシビレます。ギター1本で唄ってくれるのよ、アンディは。そしてサラサラの金髪を揺らしながら、上下に身体を揺らしながら弾くアンディの姿に胸キュン

"Sanctuary" に続いてはニューアルバムの中で1番好きな泣き曲 "The Next Voice You Hear" です。昨年の夏に初めてこの曲をライブで聞いたときの感動が蘇ります。とことん切なく美しいメロディーに載せて時折ギターが慟哭するのだけど、やがて明るい世界へ曲は昇華していく、そんなドラマチックな展開は活き活きとしたロブ・アヴシャリアンのドラミングで一気に陽の当たる世界へ。ラストを締めるアンディのギタートーンときたらもう、美しくて涙が出そう

"That Day Came" も美しい泣きの曲。イントロのギタートーンの美しさと切なさにもう胸が一杯。この美しいメロディをここまで表現しているのはアンディの圧倒的なギターコントロールテクニック。常にアンディが言っているように、曲のためにテクニックはあるのであって、その逆ではないということ。

「ありがとう、次の曲は僕の兄、ジョンに捧げた曲だ。楽しんで」 

"Welcome Home" をそう紹介したアンディは淡々と弾き始めました。作曲時の感情というのは演奏し続けるうちに昇華しているものなのでしょうか。躍動的でアンディらしいロックテイストの曲はジョンさん(近年没)との楽しい思い出を曲にしたものかも知れません。

本編の最後はこれまたアンディのトーンを楽しめる美しいバラード曲 "On Your Way Sweet Soul" 。

アンコールには驚きの日本スペシャル・サービスが待っていました。

「最近、とても古い曲を覚えたんだ。僕も歳をとったけど、僕と同い歳の曲だ。その曲は1963年にアメリカでリリースされて、とても珍しいことにアメリカのポップチャートでナンバー1を取った、多分日本語の歌詞の付いている唯一の曲なんじゃないかな。キュウ・サカモトの曲、スキヤキだ。僕の日本への愛を込めて、その文化にも人々にも」

わお!アンディたら、日本スペシャルでスキヤキをやってくれるなんて!ポール・スタンレーか!演奏が始まると、そこはさすがアンディ、美しいハーモニクスで始まるアレンジといい、演奏が素晴らしいのなんのって。しかもさわりだけじゃなくて1曲丸ごと唄ってる!歌詞のカンペはあるみたいだけど、あまり見ていない様子。凄い、練習してきてくれたんだ!

日本に来る前に台湾、韓国、中国を周ってきたアンディだけど、多分こんなスペシャルは日本のみで、他国でその国の曲を何かやったということはないと思う。日本との関係が長いだけに、スペシャルを用意してきてくれたのかと思うと、ますます胸が一杯!

ブレイクを挟んでセカンド・ショウの始まり。

「ありがとう、これからオールディーズをやるよ!」

オーディエンスの拍手に応えて始まったのはオープニングにふさわしいロック曲 "Deiver Us" 続いて "Super 70's" "Pink Champagne Sparkle"とアンディのロックテクニックの詰まった速弾きもある楽曲でディストーションサウンドをたっぷり。

バンド紹介の後、アルバム That Was Then This Is Now からもう1つ "Beautiful Strange" 若い頃の曲は今の曲とは違ったパッションがあって、ロックな盛り上がり。

「もうずっとプレイしていない曲をやるよ。アルバム Resoution 最後の曲だ」

そうして始まったのは "The Prayer/The Answer" 、わお、これが今日のレア曲ね。さっきまでのロック曲とはうって変わって切なく悲しいイントロのメロディは、ギタートーンが切なく美しくオーディエンスの心に絡みつくよう。

アンディの最近の口癖は「僕のギタープレイはまだ感情の扉の表面を引っ掻いているにすぎない」という謙虚過ぎる言葉だけど、これは違う。もっとずっと深くまで到達しているよ。

ここからはアルバム Sgt.Pepper からの選曲です。

「ジョンが書いた曲で、ジュリアンが学校で描いたルーシーと空の絵を見て書いた曲さ。多くの人はLSDドラッグの曲だなんて思っているけど、そんなことない、子供の絵を歌ったのさ。では、Lucy」

アンディの Sgt.Pepper アルバムは大好き。アンディのギタープレイやアレンジの素晴らしさを堪能できる。"She's Leaving Home" のイントロはやはり生で聴くと感動の音作り、"Being For The Benefit Of Mr.Kite" であのパイプオルガンの奇妙な音をギターで再現してしまうアンディのサウンドマジックはやはり凄い。

次はセットリストには無かった "Strawberry Fieds Forever" 。この曲は Sgt.Pepper からの選曲には外せない曲だから追加なのかも。

アンディがステージ端に下がって、アンディのライブで初めてベースソロに遭遇。トリオの通常セットだとあるのかな。マイク・デーンのベースをソロでじっくり聴くのは初めて。ステージに用意された椅子に腰掛け足を組んだ彼のソロは私の想像したようなベースソロとは全く違って、繊細で美しいメロディ。

わお、そうかアンディのメロディアスな楽曲を支えてニュアンスを加えていたのは彼だった。ベースでこんな繊細な音が出せるとは。彼の前にあるペダルは小ぶりの2つだけ。マイクのペダル写真撮ってくれば良かった。

アンディが戻って代表曲 "Electric Gypsy" 。この曲はアンディのメロディセンスが詰まっていて心地よい。そして締めはもちろん "Cry For You" 。これを聴かなきゃ帰れません!泣きの名曲。最後のギターの叫びを終えて深く頭を下げるアンディとマイク。静寂の後に拍手が大きくなります。

アンコールはアンディの持ちネタ "Little Wing"。ブルージーなイントロに続いてアンディの歌声。1日に2曲もアンディの歌声を聞けて得した気分です。ソロはマイクから入る展開で、彼のメロディアスなベースソロに続いて、アンディのソロ。クリーンな音色はまたしても美しさと哀愁に満ちていて、アンディの表現力に感動するばかり。こんなに美しい"Little Wing" はめったに聞けない。

この曲をアンディがプレイするのは、海外で2度見ましたが、今回が一番素晴らしかった。やはりイベント等の即席メンバーでプレイするのとは違って、マイクとは長年のチームワークが出来ているし、ドラムのロブとも長く、何度も米国や欧州ツアーをしている仲だから息が合っている。ロブのドラムは歯切れよく、心地よく、出過ぎないけれど巧さを感じる。3ピースはリズム隊が巧くないとこうはいかないよね。

2つのショウを合わせると2時間20分くらいのロングショウ。アンディのギターサウンドをじっくり味わい、レア曲や日本スペシャルもあって大満足でした。

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本日のセットリスト

1st show

01. opening jam
02. Ascension
03. Winterland
04. Theme From A Perfect World
05. Sanctuary
06. The Next Voice You Hear
07. Lift Us Up (Something Wicked This Way Comes)
08. That Day Came
09. Firenze
10. Welcome Home
11. On Your Way Sweet Soul
encore
12. Sukiyaki (Kyu Sakamoto Cover)

2nd show

01. Deiver Us
02. Super 70's
03. Pink Champagne Sparkle
04. Beautiful Strange
05. The Prayer/The Answer
06. Lucy In The Sky With Diamonds
07. She's Leaving Home
08. Being For The Benefit Of Mr.Kite
09. Strawberry Fieds Forever
10. bass solo
11. Electric Gypsy
12. Cry For You
encore
13. Little Wing (Jimi Hendrix cover)