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20人のギターヒーローがジョー・サトリアーニの凄さと好きな曲を語る

ニューアルバム『The Elephants of Mars』の発売を記念して、Guitar Techniques 誌が20人の凄腕ギタリストに

1.サトリアーニはなぜユニークで優れているのか
2.お気に入りの曲

をアンケートした結果を掲載しました。

今週はこの20人の回答のうち15人分を和訳してみました。ギターヒーローたちのリスペクト溢れる回答に何度も頷いて、彼らの選んだサッチ曲を聴き返したくなります!

www.guitarworld.com

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スティーブ・ヴァイ

1.ジョーは内なる刺激的なメロディに繋がっており、音楽的耳とテクニックを備え、効果的かつ強力にそれを形にできる。

2."Cryin'" 非の打ち所の無いイントネーション、完璧に卓越したフレージング、そしてフィンガー・トーン。メロディは神の言葉が人を介して語られているかのようだ。


スティーヴ・モーズ

1.ジョーは優れたメロディ感覚と栄えるサウンドの刺激的直感を組み合わせるんだ、例えば右手のハンマリング、軽々と繰り出すハーモニクスやアーム技など。

2."Satch Boogie" あのテンポとフィールが好きなんだが、彼は素晴らしい仕事で曲を興味深く、延々と変化させている。半ばのブレイクダウンのパートを加えたのは、ラジオ局には(曲が長くなるので)好まれないものの、更なるお楽しみの追加だ。

 

スティーヴ・ルカサー

1.ジョーは楽器を手にした者の中で最も優れたギタープレイヤーだ。彼には非の打ち所がない。光栄にも俺は何度も隣でプレイする機会に恵まれたが、彼は決してミスをしないし、つまらないものなど弾かない。彼のプレイは常に世界トップクラスで楽しくて興味深いし、呆気にとられるようなテクは常にテイストを伴って繰り出される。

2.難しい質問だ。初めて "Surfing With The Alien" を聴いたときは圧倒された。実際にその同日にNAMMで彼に会った。友人になる運命だったんだ。"Ice 9" に "Summer Song" にいくらでも挙げられる、素晴らしい曲が大量にある。

彼は常に進化し、実験し、熱い楽曲に合う完璧なメロディを書く。彼が史上最も愛され、尊敬されるギタープレイヤーであることは疑う余地が無い、そして俺の親友でもある。

 

エリック・ジョンソン

1.ジョーは不変で尽きることのない熟達者でユニークなんだ。常に質の高いライブをやる。それに彼は燃え滾るプレイとソフトな時を上手く混ぜるんだ。

2."Always With Me, Always With You" あの曲はただただ美しい。

 

マーティ・フリードマン

1.ジョーは素晴らしいギタリストというだけでなく、とらえ難いアルゴリズムの達人でもある。彼のプレイは熟練したプロに感銘を与えるだけでなく、ギターを弾いたことのない人々にも刺激的で興奮させる。

2."Always With Me, Always With You" 僕のエモーショナルなバラードが好きなオーディエンスに向けた曲のようだけど、もっとずっと多くのオーディエンスの心に届く。ジョーは、無意識のうちにオーディエンスが優れたギタープレイを理解し渇望するように育てる、質の高いギタープレイをする方法を心得ている。

 

ポール・ギルバート

1.ジョーにはとびきりデカいサウンドがある。どうやったらあんなにデカくなるのかわからないよ、素晴らしい!それに、それがオーディエンスを感動させるんだ。僕もあんなデカイのが欲しいんだけど、僕のサウンドは小さくなってきてる。ジョーとツアーできた後、僕のサウンドも少し大きくなったんだ。もっとジョーと一緒にすごさないといけないな。

2.初めて聴いたのは "Satch Boogie" だ。それはもう、「車を停めて聴かなくちゃ」って瞬間だった。この曲は今も僕のお気に入りだ。なぜって、そもそも僕はブギーが好きだ。2つ目に、ジョーはプレイで物語を伝えてくれる。パートは巧みに作曲されていて、その一方で大方のプレイヤーがインスピレーションに満ちたときにのみ繰り出せる即興の炎を灯し続けるんだ。

 

レブ・ビーチ

1.スティーブ・ヴァイを教えた男がヴィレッジでプレイしてるって知ったとき、俺は Atlantic Records のセッションプレイヤーだった。俺は何も期待せずにそのライブに行った。2つの点でぶっ飛ばされたよ。とんでもなく正確なプレイと、テクの知識が半端ないってことでさ。教則本に書いてあるあらゆるテクを使ってた、レガートなんてもう最高だ!完璧なんだよ、しかもロックしてるんだ!

2."Lords of Karma" だ。リディアンは俺のお気に入りのスケールだ。でもリディアン・スケールのロック曲なんて聴いたことなかった!ライブで際立ってたよ、オーディエンスは狂喜してた。とてもユニークでクールなんだ、その上ソロは魔法がかってる。

 

アンディ・ティモンズ

1.ジョーが他者より抜きんでているのは、優れた作曲能力によるものだ。彼はもちろん、信じがたい程のテクニックでプレイし、正確さと自由奔放さとの絶妙なバランスを保つことができる。更にそれをとてつもなくキャッチーなリフとメロディで共に包むことができるのさ。僕が最大の影響を受けたプレイヤーの1人だ。

2.好きな曲なんてあり過ぎて選べないよ!でも全てを備えているってことで "Unstoppable Momentum" を挙げよう。至高のメロディ、巧な変調、ユニークなトーン、素晴らしいサウンド、それに僕は大のヴィニー・カリウタ(本曲のドラマー)ファンだからね!

 

ジョエル・ホークストラ

1.ジョーは素晴らしいメロディと曲を書く。テクニックを見せびらかすだけとは違う。

2."Midnight" とても音楽的で個性的なタッピング演奏の曲だ。

 

ジェフ・コールマン

1.彼の曲は常にキャッチーで歌詞なんて不要なんだ。ギターメロディがボーカルだ。そしてインストゥルメンタルのギター・シングルがラジオで掛かることなんてめったにない。

2.ライブ盤の『Dreaming #11』の "Hordes of Locusts" だ。生々しいライブの3ピース・バンドのサウンドと太いグルーヴが好きだ。更にハーモニー的には少々複雑だ。

 

マティアス・エルクンド

1.彼のトーンはとてつもなく特徴的で、一瞬で彼だとわかる。でもそれにも増して彼のメロディ・センスは紛れもない。多くのプレイヤーは思い切りクレイジーに速弾きすることはできる。けれど、ジョーがするように至高の美しいメロディを書いて演奏できる者は稀だ。

2.初期のアルバムはほぼ全て聴きこんでいて、心の中に特別の場所がある。でも最もお気に入りのアルバムを挙げるとしたら、1995年のセルフ・タイトル・アルバムで、曲は "Cool #9" だ。グリン・ジョンズはプロデューサーとして素晴らしい仕事をした。的を得ていてとても自然で、大好きだ。

 

ガス G.

1.彼のフレージング、メロディ、トーン。最初の1音を聴けば彼だとわかるギタリストだ。そして彼の作曲技術ときたら、それ自体が独自の教材だ。ジョーは一般大衆にアピールするインストゥルメンタル音楽を書ける。それができるプレイヤーは僅かしかいない。

2.沢山好きで1つを選べない。"Ice 9" "The Crush Of Love" "War" "Flying In A Blue Dream" 挙げればきりがないんだ。

 

ニック・ジョンストン

1.ジョーのレコードを沢山聴きながら成長したんだ。常に際立っているのがメロディとハーモニーを重視していることだ。『Engines of Creation』にしろ、 Chickenfoot にしろ、アコースティック楽器やボーカル使いで、彼が多くの実験的音楽を発表しているのも好きなんだ。彼は常に彼の芸術世界を拡大しようとしている。

僕は彼の足跡に習って芸術性を第一にし、オーディエンスが期待するものを後ろ回しにしてきた。彼の自制心を尊敬している。ジョーは激しいプレイができるけれど、しばしばフレーズやラインを楽曲を引き立てるためにプレイする、ギタリストのリスナー向けにではなく。

2.好きな曲はよく変わるけれど、大抵は『The Extremist』の "Friends" に立ち戻る。メロディ、アレンジ、ギタートーン、パフォーマンスもプロダクションも完璧だ。このアルバム全体が彼の傑作だと思う。

メロディをギターでオクターブ高く作曲し、曲に上手くフィットするだけでなく、アイコニックかつ一瞬でその曲だと認識させるのは人々が考えるよりもずっと難しい。

 

ブレット・ガースト

1.ジョーの異世界レベルの演奏技術を別にして、彼を他者から突出させるものは作曲力だ。彼がポップ・ロックのフォーマットを高度なインストゥルメンタル音楽に当てはめるやり方が大好きだ。彼の曲はいつも信じがたい程に強力なフックがある、例え彼がエキゾチックなスケールを使っているときでもね。

2.初めて聴いたジョーの曲 "Not Of This Earth" だ。イントロのコードがダークなサウンドとムードだったから、曲は C#m だと思ったら、ベースがEで入って来てひっくり返すんだ。直ぐにファンになった。こういう予想外の展開が偉大な作曲家を定義するのだと思う。ジョーの曲は全てそうだ。


カール・ヴァーヘイエン

1.ロック・ギターのプレイ技術と近代の技がとてつもない一方で、ブルースとの深い繋がりがある。現代の速弾きプレイヤーの多くに欠けている要素だ。

2.Chickenfoot のファンなんだ。ジョーのリズムはとても確かでドラマーのチャド・スミスとの演奏を聴くのは大好きだ。ロックした8分音符を1日中プレイできるのが彼らで、それを聴ければハッピーだ。ライブ版の "Highway Star" を聴いてみるといい。