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ジョエル・ホークストラ Part 3 「 Joel Hoekstra’s 13 の2ndには良い曲が入るから、皆に気に入ってもらえるだろう」

Whitesnake のジョエル・ホークストラが自身のサイド・プロジェクトである Joel Hoekstra’s 13 について語った Part 3 です。ニューアルバムの制作状況、マイケル・スウィート(Stryper)とのプロジェクトについても語ってくれました。質問と和訳:Green

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Jh13_2017morc_mark ー あなたのサイド・プロジェクトである Joel Hoekstra’s 13 のセカンド・アルバムを制作中だそうですね。現在の状況を教えてください。

JH: 皆のスケジュールに合わせているので進みは遅いけれど制作しているよ。曲はもう書いたんだ。次に僕はスクラッチ・トラックをギターで録音した。メトロノームを掛けながら、僕が全曲をギターで弾いているものだ。そこに僕がガイド・ボーカルを入れてある。僕はそれを Cher とのオーストラリア・ツアーの間、ホテルの自室でやっていたんだ。だから僕の部屋の近くだった人には嫌われてると思うよ。(笑)

そしてヴィニー・アピスがドラム・トラックを仕上げ、トニー・フランクリンはベースを入れてくれた。後はラッセル・アレンで、彼の進め方次第だな。まあ、様子をみてみよう、彼には家族があって、早く仕事をするタイプじゃないんだ。僕は同じラインナップでセカンド・アルバムもレコーディングしたいのだけれど、ジェフ・スコット・ソートの歌う曲は少なくなるかも知れない。だって彼には Sons Of Apollo があるから。でも何曲かでは歌ってもらいたいし、理想としては(ファースト・アルバムと同様に)ラッセルのリードボーカル曲でジェフにコーラスを入れてもらいたい。まだ僕のギタートラックもこれからだし、これから忙しくなるから、時間が取れなくなる。とにかく皆が早く仕事をしてくれるとありがたいよ。できれば今年中にリリースできたらいいけど、今のところはわからないよ。

ー では、ラインナップは同じなのですね。

JH: それが理想だと思っている。Joel Hoekstra’s 13 はロック・プロジェクトのバンド名でアルバム・タイトルが Dying To Live だけど、皆はアルバム・タイトルが 13 だと勘違いしていたりする。セカンドを出したらこれがバンド名だってわかってもらえるかな。自分ではファーストよりもセカンド・アルバムの曲の方が気に入っているんだ。良い曲が入っているから、皆に気に入ってもらえるんじゃないかな。いいミュージシャンが揃っているし、後はプロダクションを頑張るつもりだ。僕はその辺りは完璧主義者なんだよ。本当に自分で納得いくものをリリースしたい。

(なお、インタビュー後にジョエルと話したところ、キーボードも前作同様にデレク・シュレニアンに頼みたいのだと語っていました)

ー 前作では曲について、最もヘヴィなものは DIO 、軽いもので Foreigner だと語っていました。それは同じになりそうですか?

JH: ボーナス・トラック(海外盤)にあった “Killer Or Be Killed” はスラッシュ・メタルに近いものがあった。今回はそこまでヘヴィな曲にはならない。多分、今回の最もヘヴィな曲は Queensrÿche か Black Sabbath ぽいヴァイブがあると思う。それから DIO っぽいサウンドの曲もあるし、前作の “Until I Left You” は殆どポップ・ソングだったけど、そういう感じからブルース・ロックまで。

大体の曲はそのどこか中間の感じだと思う。前作程ヘヴィにはならないよ、前回はどれくらいのレンジにするのか探っていたところもあるから。前作は本当にレンジが広かったよね、ヘヴィな “Killer Or Be Killed” から(爽やかな) “Start Again” まで。例えるなら Metallica から Styx までくらいの幅があった。でも僕はそれが気に入ってたんだ。僕は色んなバンドが好きで、それは同じようなバンドではなかった。

同じような曲でアルバムを創ったらそんなの退屈しちゃうよ。13曲も同じ曲なんて欲しくないだろう?あ、僕のアルバム、実際は12曲だったな。(笑) 毎回同じような曲、ヴァイブのアルバムを出すバンドなんて、そんなの意味あるかい?「Variety is the spice of life」(変化は人生のスパイスである)って諺があるだろ、僕はミュージシャンとしても多様性が好きだし、色々なスタイルのプレイをする。だって音楽とは感情表現なんだ。1日中「怒り」だけの感情や「悲しみ」だけ、「良い」だけに染まるのなんて誰も望まないだろう。人生とは様々な感情のミックスなんだから。アルバム制作っていうのは真に自分が何者であるかを反映したものになると思うんだ。だから様々な感情を表現したものになる。

 
インタビュー時撮影ビデオ。ブログではオリジナル・ほぼノーカットの内容で日本語訳を掲載のため、ビデオの内容は本ブログにてpart 3とpart 4に分けて掲載します。

ー デュエット曲はありますか?

JH: 次作にはないよ。書いてないし、アイデアが浮かばないし、誰をイメージするのかも。前回はジェフとクロエのボーカルが素晴らしかった。曲の中間部では素晴らしいマジックが起こっている。

ー 日本であの曲を聴いてクロエを発見し、彼女の素晴らしさに感嘆していた知人もいますよ。

JH: クロエは素晴らしい才能の持ち主だ。今は彼女自身の作品(4月19日発売のデビューアルバム The In-Between)に力を注いでいる。彼女とロック・アルバムを創れたらいいけど、必ずしもそれが彼女にマッチする訳ではない。できればクールだけどね。ロック界の女性シンガーでは(まだ今の時点では男性程には)競争は激しくない。Halestorm のリジー・ヘイルや Evanescenceエイミー・リーとの競争に勝てば名前が売れて有名になれるよ。この分野はますます面白くなるよ、レイチェル・ローレンも売れてくると思う。(デビュー・アルバム Worship The Unbroken が Frontiers から発売予定)彼女とアルバムで何曲か書いたけれど、彼女も素晴らしいしね。この分野には有望株の動きがあると思うよ。でもクロエは僕が思うに世界でもベストのシンガーの1人だ。もし彼女がロック・アルバムをやってくれたらとてもクールだね。

ー 2017年のMORCでは Joel Hoekstra’s 13 のライブが実現しました。今後の実現の見通しはありますか?ジェフもラッセルも超多忙な人たちですが。

JH: 2人のシンガーがいるというのは有難いものだよ。ジェフはファースト・アルバムで随分と力になってくれたんだ。彼は最初の半分の楽曲でバック・コーラスを歌ってくれた。リード・ボーカルはラッセルで、それは僕への厚意でやってくれたんだ。シンガーにはエゴがあって「俺がバック・コーラスなんて歌うもんか」て人もいる。

ジェフは素晴らしいシンガーだけど、とても心が広く、「お前の為だ、任しとけ!」って感じでやってくれた。ラッセルとジェフの声のミックスは素晴らしいものになったよ。ラッセルには当時スケジュール上の問題があり、Symphony X のアルバムがあって、僕のアルバムの方は待ってくれと言うんだ。僕は僕のアルバムの為に全て資金を出して、制作しているんだから、それはないよ、という感じだった。よし、そうならジェフに頼んでアルバムを仕上げてもらおう、と思ったのさ。聴き手にとっては少々混乱するかも知れないけれど、アルバムの曲が良いことが重要なんだ、それでいいと思ったよ。

ー 将来のツアーの可能性はありませんか?

JH: うーん、ラッセル次第だよ。Symphony X もあるし、いつもラッセルのスケジュールの問題なんだ。でも、もしかしたら、ラッセルと新しい形でバンドを始めるかも知れない。そんな話をしているんだ。Joel Hoekstra’s 13 ではなくて、今度はラッセルも作曲にきちんと関わり、コラボレートした形で。まだ全くの構想段階だけど、できれば今年中に一緒に作曲ができたらいいと思っている。Joel Hoekstra’s 13 とは異なるサウンド、スタイルのものにしたいと思うんだ。


Joel Hoekstra's 13 のアルバム Dying To Live からジェフ・スコット・ソートが歌う "Scream" のMV。アルバムではキーボード・ソロをデレク・シュレニアンが弾いていましたが、彼の都合が合わずビデオ撮影できなかったため、このMVではキーボード・ソロのパートをジョエルがエレクトリック・シタールで弾いています。 

ー それは楽しみです。Stryper のマイケル・スウィートとのプロジェクトもありましたよね?

JH: マイケルのソロ・アルバムがもうすぐ出るよ。彼のアルバムで2曲ほど共作したし、ギターも入れる。このクルーズが終わって家に帰ったらとりかかるよ。それでミックスは4月になるのかな、リリース日程はわからないけど。大抵は音源を提出してから、リリースは3~4ヶ月後だ。

ー 確かあなたはマイケルのソロ以外でも、彼とプロジェクトをする予定でしたよね?

JH: ああ、フル・アルバムをやろうって話だね。そういう話はあって、どんな契約ができるかと様子を見ていたんだ。レーベルから制作費を工面できないかと。でも僕はこのところとても忙しくなって、Whitesnake/ TSO /Cher のツアーでずっとプレイしている。もちろんマイケルとはとてもウマが合うし、ファンも喜ぶだろうし、彼ともやりたいねと話はしているよ。

マイケルと僕は仕事が早く、何でもやり遂げるタイプなんだ。この業界ではいつまでも仕事をやり遂げない人がいる一方で、何でも早くやり遂げる人がいるのさ。マイケルを見てごらんよ、いったい彼は何枚のアルバムを創ってきたことか。彼がいかに創造的で前向きな人物かが表れているよ。僕らは友人としてとても合うんだ。だから遅かれ早かれ、僕らはそのアルバムを創ると思うよ。どこかのレーベルが正当な制作費を用意してくれるだろう。ミュージシャンだけが資金を投じるだなんて、そんなのはフェアじゃない。

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Part 4 へ続く

【追記】

4月5日のツイートでマイケルさんがジョエルとのフル・アルバム制作プロジェクトについてコメントしています。

「(俺のソロアルバムで)ジョエルの2曲での作曲とギタートラックは優れた仕事だった!俺たちが一緒にフル・アルバムに取り組めばどんなことができるか、最高の事例になるだろう。(それは確実に近いうちに実現する!)皆に聴かせるのが待ちきれない!」

とのことですので、2人のプロジェクトは近い将来に実現しそうですね。

アンディ・ティモンズ ライブ@ Cotton Club Tokyo 2019.04.05. 生 "Bohemian Rhapsody" 遂に!

Ear X-tacy Remastered の発売に伴うアンディ・ティモンズのアジア・ツアーが日本を皮切りに始まりました。今回も前回と同じく Cotton Club での3夜連続公演(前回は4連続でした)で、1st showでは Ear X-tacy Remastered の曲を、2nd showでは Andy Timmons Band の人気曲をプレイするという内容でした。今回もお得な2公演セットチケットの販売があって嬉しい限り。

私は4日と5日の2日間参加し、両日とも素晴らしいプレイが聴けました。今回のレポートは最終日のライブから書きます。ちなみに、4日は RINGO STARR And His All Starr Band で来日ツアー中だったアンディのギターヒーロースティーヴ・ルカサーが1st showの途中から聴いていたようで、1st show終演後の休憩時間に楽屋訪問があり、翌日アンディのSNSツーショット写真が掲載されていました。そっか、この日に1st showのアンコールがなかったのはそういうこと?(笑)両者のファンとしては是非ともルークの飛び入りが観たかったなぁ。

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Img_2418 1st show

定刻に登場したアンディとバンドは短い挨拶の後、オープニングのジャムを始めました。ブルージーなミッドテンポのプレイは時折エモーショナルなアンディ節の効いた曲でした。

私の目を惹いたのはアンディの深い青紫色の柄シャツ姿。おおっ!ちょっとドレッシーなシャツ姿珍しい!昨夜は定番の黒いジャケット姿だったのよね。

ドライブ感溢れる"Carpe Diem"、"Turn Away"、に続いてアンディの地元、ダラスのギターヒーローを称えた "I Remember Steveie" と近年のライブでの演奏機会の少ない曲が聴けるのが今回のショウのいいところ。

「次の曲はトリオで演奏するのは初めてなんだ。アルバムではマイクと僕とでプレイしたほぼアコースティック曲で、Ear X-tacy ではアルバムの最後に収録した。"There Are No Words" 」

この曲をライブで聴くのは初めて!アルバムではアコースティックとクリーンのエレクトリックとベースでのとてもオーガニックな美しいバラードです。この曲については以前アンディがこう語っていました。(過去記事はこちら

「僕は大学の頃、お金がなくて家族にプレゼントが買えなかったから、音楽を小さなカセットに録音して贈っていたんだ。アルバム "Ear X-Tacy" に収録された "There Are No Words" という曲は家族へのクリスマスプレゼントだったんだ。このクレイジーな音楽ビジネスの世界でミュージシャンになろうともがいている自分を愛し、支えてくれた家族のことを考えながら書いたものだよ」

そんな話を思い出しながら聴くと、美しいメロディと粒やかで透明感のある温かいギターサウンドがそれはもう全身を包みこむようでした。この繊細な表現力の豊かさ、この点においてアンディに敵うギタープレイヤーは殆どいないと思うのです。

「次の曲はチキンピッキングを使った "Farmer Sez" だから、曲中に好きなだけ歓声を上げて、テキサスっぽくやって!」

この曲は以前のライブでも次第にbpmを上げていって、ドラマーさんとどこまでいけるか競争していたなぁ。今回もbpmを上げる度にオーディエンスから歓声が上がり、楽しい雰囲気に。新しいアンディのシグナチャーギターのATZはこの曲の定番のようです。

"No More Goodbyes" では中盤にドラムのロブ・アヴシャリアンの見せ場があり、続いてベース、マイク・デーンのソロタイムありと、バンドにもしっかりスポットが当たります。マイクのベースソロ曲は前回もそうでしたが、美しいバラード曲でベーストーンによる表現力が味わえます。ベースプレイヤーのソロタイムってプレイ技術や激しいリズムをショウケースする人が多い気がするのですが、こうして曲や表現力を前面に出す方って珍しいと思う。そして彼のトーンは美しい。

"Electric Gypsy" が始まると待ってました!とばかりの拍手が。アンディを代表する人気曲だものね。そして1st showを〆るのは定番の "Cry For You"。この曲はアンディの代名詞にして生演奏ではその日のアンディが表れる曲なのですが、今夜は凄かった!ギターと一体になって慟哭をあげるようなプレイは何度も観てきたアンディのプレイでも更に次元を上げたもの。その証拠にノッてきたアンディが見せる、プレイしながらの2cm程のジャンプも飛び出しました。やった!アンディが飛んだ!(歓喜

前日の終盤からアンディのプレイ中のピックアップの選択を観察していたのですが、今更ながらに興味深かった。曲中のクリーンもしくは歪ませても音粒の表現を際立たせるフロントPU、ドライブ感溢れるサウンドを紡ぎ出すブリッジPUと切り替えながら、更にボリュームノブとアームの繊細なコントロールであの驚異的にエモーショナルで表現力に富んだサウンドを生んでいるのね。センターPUを使ったところは見なかったと思うのだけど、アンディはどんな時に使うのだろう。

2nd show

ショウのスタートにぴったりの "Deliver Us"、そしてドラムイントロからの "Helipad" と流れは完璧。

「99年リリースのアルバム The Spoken And The Unspoken からドラムのロブをフィーチュアした "Duende"」

今回のセット1つ目のサプライズだったのが、"Duende" です。この曲の存在を忘れていました。(汗)このアルバムからライブでプレイするのってとても珍しい!ナイロン弦のスパニッシュなギタープレイがアルバム収録バージョンでしたが、今回のライブではギターソロが聴かせどころになっており、原曲よりパワフルで異国情緒あふれる味わいに。それにロブのドラムソロを挟んだパートは緊張感があってとてもクールでした。

「まだリリースしていない新曲をプレイしよう。まだきちんとレコーディングはしていないけれど、近いうちにするよ。僕の家族へ捧げる、僕の生まれ故郷 "Arizona"」

おお!新曲を書いているという発言は以前から聞いていましたが、ライブで1曲プレイしてくれるとは嬉しいサプライズ!とても優しくて温かい曲調はアリゾナの自然の中に沈みゆく夕陽を連想させます。ニューアルバムは少し先かも知れませんが、今からとても楽しみです。

アンディへ近寄り何かささやくマイク。テーブルから眼鏡を取って足元のセットリストを見るアンディ。

「おっと、順番を1つ飛ばしちゃったな。セットリストを見てないとね。(笑)次の曲はとても厳しい身体状況に置かれたギタリスト、タケシのことを想って書いた曲。"Next Voice You Hear"」

前アルバムに収録された泣きの名曲を今回も聴けて嬉しい。この曲もアルバムリリース前からライブでプレイしていた曲で、それを次の新曲 "Arizona" に続けて聴けるとは、何とも感慨深い。

「11月にビデオを公開した Queen の曲をやろう」

今回の目玉の1つ、"Bohemian Rhapsody" が遂に!クリーントーンのギター1本で始まった美しいメロディ。やがてバンドが合流し、ギター史に残るあの名ギターソロへ。素晴らしいよ、アンディ!オペラパートももちろんギター1本で表現、ロックパートへと力強く流れ込み、ラストパートへ。その美しいことと言ったら、生で聴けて感激!演奏後の拍手もひときわ大きくなっていました。

もう1つ。演奏中にマイクが2cm程ジャンプしたのです!決して大きなアクションを見せる人ではありません。常に寡黙でクールに弾いているマイクが飛んだ!初めて観た!それくらいバンドもノっているということだよね!

見事な "Strawberry Fields Forever" でセットを〆た後、日本公演最後のアンコールは、何をやろう?とマイクと話したアンディ、

「よし、ロックをやろう!」

と "Super 70's" でした。ノリの良いアンディらしいロック曲で日本公演は幕を下ろしました。3日ともセットリストはほぼ同じでしたが、初日のみ前回の来日でもプレイした坂本九さんのカバー "Sukiyaki" をやったようです。

今回は、Ear X-tacy 25周年でアルバムからの名曲+レア曲が聴けて、2nd show でもレア曲や新曲、Youtube に投稿され話題になった "Bohemian Rhapsody" が聴けるという満足感一杯のライブでした。アンディ、ありがとう!また来てね!


本日のセットリスト

1st show

01. Carpe Diem
02. Turn Away
03. I Remember Steveie
04. There Are No Words
05. Hiroshima (Pray For Peace)
06. Farmer Sez
07. No More Goodbyes
08. Bass solo
09. Electric Gypsy
10. Cry For You
encore
11. Groove Or Die

2nd show

01. Deliver Us
02. Helipad
03. Winterland
04. Gone
05. Ascension
06. Duende
07. Arizona
08. Next Voice You Hear
09. Bohemian Rhapsody
10. Strawberry Fields Forever
encore
11. Super 70's

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【追記】

終演後のサイン会で、アンディにニューアルバムについて訊いてみました。

―新曲 "Arizona" はとても美しい曲でしたが、ニューアルバムはいつ頃になりそうですか?

AT: どうかな、まだわからないのだけど、早ければ来年くらいかな。

―他のインタビュー(関連記事はこちら)で読みましたが、ボーカル曲をレコーディングしているとの話でしたが、次のアルバムは歌モノとインスト曲のアルバムですか?

AT: いいや、それは別々のプロジェクトなんだよ。(にっこり)

ということで、もっともっと深堀して訊きたくなりましたが、あまりゆっくりお話できる状況ではなかったので、ここまで。アンディの抱えているレコーディング・プロジェクトは、過去のインタビュー記事から推察するとサーフ・アルバムとジャズ・アルバムもありますので、今後がますます楽しみです。

最後に、素晴らしいアンディのサウンドを支える為にその裏側で貢献されたKさん、この上ないライブを体験できたオーディエンスの1人としてその熱い献身に心からお礼を申し上げます。

なお、アンディのサウンドを支えるアンプについて詳しい資料がありましたので、リンクをこちらに。(記事終盤をチェック!)アンディは市販のアンプに1つ手を加えて使っているそうです。また2日目のライブ前に撮影されたビデオでも少々話しています。

 

ロン・"バンブルフット"・サール ライブ@ Musicland Key 心斎橋 2019.03.23 臭いジャケット物語

Img_2289_1 昨年は Sons Of Apollo で来日してくれたロンさんが早々とソロで再来日してくれました。前回のソロ来日もとても楽しかったので、(前回のレポートはこちら)もちろんロンさんに会いに行かなくては!ロンさんのソロショウには少し早めに行くことがポイント。今回も開場時間少し前に行くと、開場時刻前には入場が始まりました。(やっぱり)ファンの為に演奏をしに来たのだから、開演まで待たせることはないよ、というロンさん哲学には本当に頭が下がります。

大阪は楽器店のイベントスペースのこじんまりとした会場でした。アコースティック・ギターは前回と同じく Cort で、Line6 Helix LT に接続し、そのままPAアウトしていたそう。足元には Morley のスティーブ・ヴァイシグネチャー・ワウペダルがありました。ワウも多用していて、アコギの音じゃないみたい。さらにルーパーを多用しての楽しい演奏。アコギにワウを使うって珍しいよね。私の好みを言えば、アコースティックには独自の温かいサウンドがあって、それを聴くのも良かった。特にあの小さな会場なら生音でも全員が聴けると思う。

日本に着いてから時差ボケが治らないそうで、ロンさんは前夜は一睡もできなかったのだとか。確かに顔色が少し悪いなぁ。開場から口数の多かったロンさん、今日はおしゃべりモード全開の様子。午後7時の開演まではまだ随分と時間があるというので、面白いツアー話をリクエストしてみた。

「よし、じゃあ、Sons Of Apollo ツアーでの、僕の臭いジャケットの話をしよう。今着ているこのJKは大変なトラブルを招いたんだ」

【ロン・サールの臭いジャケット物語:Sons Of Apollo ツアー編 】

Sons Of Apollo は去年ワールド・ツアーをやったけど、長くツアーに出ていると、僕らは少しずつ(人間から)猿人になってしまうのさ。これは誰だってそうだよ、少数の人間が狭い空間でずっと一緒に過ごすと、とてもゆっくりだけど、やがて原始人に退化してしまうのさ。

それで、去年の日本から始まって欧州や中東を周った7週間ほどのツアーでは、終盤に近付く頃には僕らは少々壊れていたんだ。マイクはイタリアで窓を割ったし、デレクは「俺はマエストロだ!もっとスポットライトとスモークを!」がもっと激しくなった。ジェフは違う方向に行ったな。「ツアー予算をこうしたらどうだろう?」「こういう出費をまとめてこうしたらどう?」とか彼は賢くなったんだ。ビリーは僕たち全員を殺してしまいそうだったよ。僕はずっと(ツアーバスの)寝台ですごすようになった。睡眠不足が続いておかしくなっていた。

ツアーに出ると、ショウの後に汗だくの洗濯物ができるだろう?でもそれはショウの後ですぐ洗濯する訳ではないんだ。臭い衣類はバッグに詰め込んで、ただツアーバスに乗るんだよ。そして次の会場に行って、そこやホテルにランドリー設備がないか探す。僕はクルーたちに洗濯の順番を譲るんだ。だって彼らは朝から夜まで懸命に働いているんだからね。それから洗濯したいバンド仲間に順番を譲っていると、時間がなくなってしまい、「まぁ、明日やろう」となるのさ。

そうしているうちに、洗濯をしなくなってしまって、「うわ、このジャケット、臭うな」となってしまった。「まぁいいさ、だってこれは(ショウの間の)2時間だけ着ればいいんだから」と思っていた。僕だって洗濯はするんだよ。でもあまり優先事項にしなかったのはマズかったのかも。

それに自分が臭いときって、自分では気にならないものなんだ。僕なんてときには「いい匂いじゃん」って思えてしまった。自分にとっては「興味深い」匂いでも、他の人にとってはそれはもう気分の悪くなるような臭いなんだ。それで、楽屋のカウチに座ったときに、ジャケットを丸めてカウチの裏に置いていたら、ビリーは別の部屋に行って何時間も戻らないんだ。後で知ったけど、彼の鼻はとても繊細みたいなんだ。デレクは鼻をクンクンして訝しんでいたよ。どうやら皆はジャケットの臭いが不快だったんだ。それなのに誰も教えてくれなかった。

どうやら僕が「クソ最低な生ごみの臭いがする」ってことは皆の共通認識でバンドの中での大問題で、僕には秘密だったようだ。ツアーが終わってから、バンドの電話会議をしたら、ビジネスの話の後で僕のジャケットの話題になった。僕はそんなに臭い大問題だとは夢にも思わなかったから、大変なショックだったよ。ビリーには「90%のバンドの問題はあのジャケットだ。あれは臭い!」って言われた。僕は「どうして教えてくれなかったんだよ!」って。「何で教えなくちゃいけないんだ?」「だって、僕は臭いなんて思わなかったよ、興味深い臭いだと思ってた」「あれは生ゴミの山の最悪な匂いだ!ツアーでは誰か臭い奴がいることもあるからな」って具合だった。僕は臭い人間じゃないんだ!そんなことこれまでに1度もない!「いい匂いがするね」って言われたことだってあるんだ!

余りにショックだったから、僕は知っている人全員にメールを送ったんだ。「僕が臭かったことある?」って。「そんなことないよ。むしろいい匂いだった」って返事が来たんだ。それでむしろ混乱してしまった。自分でももう分からない。それで今度はSOAのツアークルーたちにメールしたんだ。「ツアーで僕は臭かった?」って。そうしたら誰も返事をくれなかった。後日、その1人に会ったときにもう一度訊いてみたら、「いや。あれはジョークだと思っていたよ」と言われた。それ以来僕にとって匂いは個人的な大問題として残った。

それで店に行ってフレグランスのコーナーで1時間くらいずっと試していたら、(名前がいいから)AXE の Apollo っていうボディスプレーを見つけたんだ。これで毎日スプレーするようになった。もう僕は臭わないぞ!

それで、今年3月4日から6日まで、ビリーの昔のバンド Talas がNYの著名なジャズクラブ Iridium でプレイすることになって、彼が電話をくれたんだ。「ライブに来て何曲かプレイしないかい?」って。「もちろん、3日とも行くよ!」って答えた。これは僕がビリーに「臭わない男」だって証明するチャンスだ。でも3月2日と3日は僕自身のソロの仕事が入っていた。3日のショウの後、5時間ドライブすれば家に帰れるからしっかりシャワーしてたっぷりスプレーしてビリーに会いに行くつもりだった。

ところが、3日は大きな雪嵐に見舞われて、大雪になった。「こんな天候で車の運転をしちゃいけない、危険過ぎる」って言われたけれど、僕はシャワーを浴びようと家に向かって車を走らせたんだ。だって「ビリーの匂いテスト」に合格しなくちゃならない!ハイウェイは大雪で、他の車は走っていなかった。吹雪で数メートルも視界がない状態で、除雪作業の車もまだ出ていなかった。僕の時速は30kmくらい。ここで道から外れたらもう誰にも見つけてもらえないだろう。失敗したなと思ったよ。この調子では家に辿り着くには12時間かかるかも知れない。それで近くに住んでいる友人に電話して泊めてもらうことにした。

ようやく友人の家に着くと朝の5時だった。車を停めて大雪をかき分けて家に入って眠った。数時間後に友人から、「悪いけど、君の車を動かさないといけない」と言われて、雪の中、シャベルで雪をどけて車を動かせるように作業したんだ。寒かったのでこのジャケットの上にもう1枚着て1時間ほど必死で雪かきをしたら、もう2日シャワーを浴びていない上に大汗をかいてしまった。シャワーを浴びなくちゃと思っていたら、ビリーから連絡が入ったんだ。「やあ、午後2時に来れるかい?」うわ、5時って話だったのに!これじゃシャワーを浴びられない!

これはもう僕の宿命なんだよ。この臭いジャケットを着てビリーに会わなくちゃならないんだ!(泣)それで会場でビリーと再会して挨拶して握手したりハグするのも短くして、なるべくビリーに近づかないようにした。楽屋の食事では玉ネギがあったらそれを出して玉ネギの匂いが広がるようにしたり。とにかく、ギグはやり終えたし、ビリーの様子だと問題なかったようだ。なんとか「ビリーの匂いテスト」に合格したんだと思う。家に帰ったら最初にジャケットを洗濯したよ。

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その後もロンさんは開演時間までしゃべり続け、「逮捕された話&逮捕されるに違いない番組を制作しようとした話」、「ウリ・ジョン・ロートとのツアー、そこで再会した女性」、「チキン・レズビアン・オニオン!の言葉遊び」等でオーディエンスをゲラゲラ笑わせてくれました。

その言葉遊びを Sons Of Apollo が活動する来年続けちゃおうかな、でもそうしたら彼らに解雇されるかな?でもトニー・マカパインは歌える?なんてブツブツ言ってるロンさん、トニーのことは頭にあるのかしら?(笑)

開演時間を過ぎてやっとプレイを始めたロンさんですが、この日は言葉遊びが止められないようで、シリアスなアコースティック・ライブとはなりません。(笑)いつになったら真面目に歌ってくれるのかな?そうこうしていると、Police のカバーが始まりました。ルーパーを使って、ソロではワウも多用しての「それアコギですか?」な演奏と見事なボーカル。真面目にやってくれたら素晴らしいのよ。(笑)

"Somebody To Love" でのオーディエンス合唱、"Oh, Darling" でのブルージーなソロも良かったけれど、"One More Try" が始まったのには驚きました。これまでに数回ロンさんのソロライブを観てきて、だいたいの持ちネタは聴いてきたかなと思っていたので、この曲を聴かせてもらえるとは予想していませんでした。この切なく悲しい曲、ジョージ・マイケルの歌は素晴らしかったけど、ロンさんの歌はまた格別の味わい!鳥肌くる!さっきまで「チキン・レズビアン・オニオン!」とかやってた人とは思えません!プラグを全て外してから、最後にもう1曲とプロモーターさんに促されて、アコギ生音でプレイしてくれた "Don't Know Who To Pray To Anymore" はぐっとくる音色でした。 

楽しい時間をありがとう、また来てね!

本日のセットリスト(ほぼフルコーラスを演奏したものだけ)

01. Every Little Thing She Does Is Magic (The Police cover)
02. Dazed and Confused (Led Zeppelin cover)
03. Somebody To Love (Queen cover)
04. Oh, Darling (The Beatles cover)
05. One More Try (George Michael cover)
06. Used To Love Her (Guns N' Roses cover)
07. Wasted Years (Iron Maiden cover)
08. Sweet Child O' Mine (Guns N' Roses cover)
09. Don't Know Who To Pray To Anymore

【News! ロンさんが Asia のリードギター/リードボーカルに!】

4月3日に発表されたニュースには驚かされましたね!今年の6月からの7週間ほどの Yes と Asia の北米ツアーで、ロンさんが Asia のリードギター/リードボーカルを務めると発表されました!今後さらにツアー日程が追加されるようなので、来日があると嬉しい。

実は3月24日の名古屋ギタークリニック/コンサートの開演待ち時間中にロンさんはこの大ニュースを口止めしつつ、皆に話していました。(笑)

・このバンドのボーカルを務めるにあたり、発声方法、歌い方をまるきり変えなくてはならない。別のキャラクターになって演じるように歌う。
・ギターパートとボーカルラインが全く違うので、弾きながら歌うのはとても難しい。

とのことでしたが、自分はチャレンジすることが好きだから楽しみだとのこと。ロンさんのパフォーマンスが今から楽しみです。

Asia201906

 

ジョエル・ホークストラ Part 2 「レブとはお互いのアイデアを出して助け合った」

ジョエル・ホークストラが Whitesnake のニューアルバム Flesh & Blood について語った Part 2 です。レブとの仕事について、各曲に対するコメントも語ってくれました。質問と和訳:Green

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ー アルバム制作において、あなたにとっての最大のチャレンジは何でしたか?

JH: うーん、そうだな。これはデヴィッドのバンドだから、彼はキッチンに多くの調理人を置かないんだ。だから、基本的にはデヴィッドと音楽監督、今のラインナップではレブがいて、仕事をしている。だから、僕は全ての制作過程を見聞きすることはできないかも知れない。だって、デヴィッドはいちいち5分ごとの進捗状況を説明したりなんかしないだろう。で、それは僕にとっては少々難しいことだった。なぜなら僕自身はコントロール・フリークで完璧主義者なんだ。ほんのちょっとした事が間違っていないかと気にしてしまう。(笑)

それで、終わりの頃にデヴィッドがくれた電話の内容を忘れてしまったんだけど、とにかく制作の過程を乗り切り、最終的には僕も共同プロデューサーに迎えられたんだ。僕に多く情報を与えることで、彼らは僕のアルバムへの考えを理解し、結果としてアルバムでの僕のソロの音量を上げることになった。それは全体像を見て、僕が曲の為に、アルバムのサウンドとして、何が良いかを考え、良きチームの一員になろうとしたからだった。その結果、僕も共同プロデューサーに迎えられたんだ。ミキシングのプロセスにも参加してメモを取った。この状況はとても嬉しいよ。

Purple Album のときは、僕はそういう貢献ができなくて難しかった。あれはデヴィッドとレブとマイケル・マッキンタイヤの作品だった。今回は僕も制作陣に迎え入れられ、ライティングにも参加した。デヴィッドが僕のことを単なるギタープレイヤーではないと認知し始めてくれたからだと思う。

僕は自分のことをミュージシャンだと思っているし、チームの誰もが輝いて欲しい。レブにも、トミーにも、マイケルにも。今のラインナップ全員で素晴らしい Whitesnake だと認められることが僕にとっては大切なことだ。Whitesnake は常に過去のラインナップと比較されていろいろ言われる。それ自体は仕方のないことだと思うよ。僕は人々に失望されるラインナップではありたくない。だからアルバムやプロダクションに関して、僕は全体を見て良い作品に資すると思う意見を言わずにはいられないんだ。

ー ニューアルバムであなた自身が最も誇りに思っている曲はありますか?

JH: 特にこれというのは無いんだ。僕は彼らと仕事できたことを誇りに思っている。以前僕が彼らに対する尊敬の念を語ったインタビュー記事があるのだけど、あれを読むといかにも僕は青二才で、(状況に興奮して)目を見開いている子犬のように感じる。

畏敬の念を抱いているというのではなく、今はデヴィッドやトミーやレブを尊敬しているんだ。彼らは何百万枚ものアルバムを売った経験がある。僕にはない。僕は80年代のロック全盛期を逃してしまった。僕は彼らに値する尊敬の念を持っているんだ。だって、デヴィッド・カヴァーデイルはロック界の王族で何千万枚ものアルバムを売ったんだ。ロックの殿堂入りも果たしている。彼と仕事をできることが誇らしいし、彼から学ぼうとしている。彼の助手として役立とうとしているし、このバンドにいる機会の全てを活かしたい。

レブ・ビーチについても同じさ。僕は子供の頃、レブ・ビーチをMTVで観ていたんだ。だからといって今彼を見て「うわぁ!」なんてことにはならない。彼は僕の友人だ。もちろん彼にはきちんとした尊敬の念を持ち接している。彼らがキャリアにおいて成し得たことには大きな尊敬を抱いている。トミー・アルドリッジについてももちろん同じさ。

ー レブとの作曲はどう進むのですか?

JH: 凄く簡単に進む。殆どの曲では既にデヴィッドがリフや冒頭のアイデアを持っているんだ。レブと僕がそれを発展させて、デヴィッドに戻す。レブと僕がそれぞれ違うアイデアを持っていることもある。”Hey You” では彼にはコーラスとヴァースのリフ・アイデアがあった。僕にはコーラス部がどうなるか、コンセプトがあった。ここでももちろん、「これがギターソロだ!」なんてことにはならないよ。お互いのライティングやアレンジのアイデアを出して、助け合うんだ。

アルバム1曲目の “Good To See You Again” では僕が全部リフを書いたのだけど、レブがそれにひねりを加えた。あれでは彼が僕を手伝ってくれた。そうやって互いに助け合っているんだ。僕は彼のことをとても尊敬しているんだ。彼が何か僕に言ったら、それは彼がそこで何かを頭の中で聞いているということだ。だから僕は「僕のやり方の方が早い」なんてエゴ丸出しのことは決して言わないよ。僕は常に挑戦したいからね。ミュージシャンは何かに強く固執して狭く考えてしまって、妥協できず、「俺の頭ではこう聞こえる」って言う人もいるのだけど、1年後に曲を聴き返したら、そんなことは大したことじゃないってわかるはずさ。

ー レブは優れたリフ・ライターですよね。

JH: ああ、その通り。皆は彼のことをとても優れたタッピングのプレイヤーで、リード・ギタープレイヤー、アーム使いも凄いと思っているだろうけれど、レブは歌も上手くて、それは Whitesnake で大切なことだ。皆が思っているよりずっといい声の持ち主だよ。バンド仲間としても素晴らしいし面白い。それに彼のリズム・ギターは実に優れている。とてもタイトなんだ。Winger のアルバムを聴いてみるといい、ギターは全て彼によってダブルにされているし、正に完璧だ。そこが実はレブとプレイする上でお気に入りのところさ。僕らはお互い、リズム・ギターのプレイをとても楽しんでいるし、とてもタイトにやれる。Whitesnake のリフというのは全く素晴らしいものばかりだ。レブとプレイするのは楽しいよ。

ー あなたたちはとてもタイトですよね。”Always & Forever” でのギターハーモニーも好きです。

JH: ありがとう。あの曲は全てデヴィッドが書いたものだ。彼はあの曲のコード進行をアコースティック・ギターで書いて、「A - F#m - A - F#m - A - F#m - D - D - E」とかだったんだ。僕はそれを少しドレス・アップして、多分頭の中にサイクスのイメージがあったのだと思う。1987アルバムでジョン・サイクスが何をしたかって、ちょっとしたコードの変化とか。僕は少しばかり Whitesnake 色を出したかったんだ。デヴィッドには基本的なメロディのアイデアがあり、ギターハーモニーのアイデアもあった。コンセプトをブレイクダウン部に入れるとかアレンジなどちょっとした僕の貢献もあるけど、あれは歌詞もメロディも全てデヴィッドの書いた曲。ちょっと Thin Lizzy のテイストがあるよ。

ー “After All” というアコースティック曲もありますね。

JH: あれは “Unzipped” に向けてデヴィッドとプレイした頃にできた曲で、実はこのアルバム用に書いたものではないんだ。彼には基本的な曲のアイデアがあって、フィンガーピッキングで弾いてくれた。Beatles 風のAセクションで、そこからどう進もうか、というものだった。それで僕はBセクションを考えて、それからちょっとしたイントロも思い付いた。それからインストゥルメンタル部分と、アウトロの部分も。そうして出来たんだ。ギターは全て僕が弾いている。レブはアコースティックを弾くのが好きじゃないんだよ。スタジオではアコースティックは僕が弾くんだ。僕はアコースティック大好きだから。中間部のスライド・ギターも僕が弾いてるから、あの曲のギターは全部僕だ。レブは面倒くさがりなんだよ。(笑)

ー あの曲では私にも少し Beatles が聴こえました。

JH: もちろんだよ!デヴィッドは Beatles が大好きだし、彼はもの凄い音楽研究家だ。彼はあらゆる音楽を聴くし、スタジオでは1日中音楽がながれているんだ。ディナーに行くときも必ず何か聴いている。その音楽は決して80年代のハード・ロックじゃない。皆が予想しないような音楽さ、モダン・ロックバンドのリミックスだったり、シナトラだったり。クラシック・ロックのマッシュアップ・ミックスだったりね。

とにかく Beatles の影響は僕というよりも彼からきたものだ。でも曲の最後のマイナー4thのコードとかコーラス部のコードとかは僕が書いた。僕も Beatles の影響は受けているけれど、少しなんだ。もちろん Beatles は好きだし、この上ない才能だと思うけれど、僕は80年代のハード・ロックの影響を受けて育ったから。

Whitesnake のニューアルバムについて、何か追加したいことはありますか?

JH: そうだね、シングルを聴いて直ぐに判断を下さないで欲しいということ。アルバムの各曲はあらゆる年代の Whitesnake の影響が感じられる。例えば、“Always & Forever” は Good To Be Bad や Forevermore 時代の影響がある。デヴィッドとレブが書いた “Sands Of Time” は Slip Of The Tongue の “Judgement Day” を思わせる。

“Shut Up & Kiss Me” はパーティ・ロックだよね、“Trouble Is Your Middle Name” はブルースで実にヘヴィなロックだ。“Good To See You Again” は The Rolling Stones のようでさえある。“Can’t Do Right For Doing Wrong” も Slip Of The Tongue のフィールだ。これはデヴィッドとレブが書いた曲でストレートなブルースで、ブルース色が濃く、まるでR&Bのようだ。

とにかく皆にはデラックス・エディションを手に入れて欲しい。ここは強調しなくちゃ。とにかくバラエティに富んだ楽曲だ。“After All” は Beatles の影響が感じられるアコースティックの曲で、これは Whitesnake にとって新たな領域だろう。これを書いていたときには Whitesnake のアルバムに入るとは思わなかった。きっといつか別の何かになるんだろうなと思っていたんだ。デヴィッドも決めていなかった。でも楽しかったし、彼がそれを気に入ったんだよ。

あらゆる年代の Whitesnake のテイストが反映されているし、“After All” のように新たな領域の曲もある。だってああいう曲は Whitesnake にはなかっただろう?バッキング・ボーカルはまるで Crosby, Stills, Nash & Young のようでさえある。とても多様性に富んだ楽曲なんだ。ミュージシャンもそれぞれ良い仕事が反映されたし、ミックスのクリス・コリアー(注1)も素晴らしい。デヴィッドはとても頭のいい人だよ。アルバムには僕自身もとても満足している。

(注1) ジョエルのサイド・プロジェクト、Joel Hoekstra's 13 のアルバム Dying To Live でミックスとマスターを担当した。その腕がデヴィカバ様に気に入られ、Whitesnake のニュー・アルバム Flesh & Blood 及び Slide It In: The Ultimate Edition (2019 Remaster) に参加している。

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Part 3 へ続く

Whitesnake のニュー・アルバム Flesh & Blood は5月10日発売!ジョエル強力おススメのボーナストラック入り限定版を購入してね!

 

ジョエル・ホークストラ Part 1 「Whitesnake のサウンドには幅広い多様性がある」

MORC2019ではなんと、Whitesnake のジョエル・ホークストラにお話を聞くことができました!内容が多岐にわたり、大変長いため、数回に分けて掲載します。今回は Whitesnake のニューアルバムについて Part 1です。

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ー 遂に Whitesnake のニューアルバムが発売されます。ほぼ1年お蔵入りしていました。

JH: 遂にだよ!確かにリリースは遅れた、ツアーとの兼ね合いもあるし、デヴィッドが病気になったこともあるし、回復には数週間以上かかったよ。"Shut Up & Kiss Me" のビデオ撮影では個別のクローズショットを撮影してからバンドのグループ撮影のために再度集まったんだ。

デヴィッドが回復してからはスタジオの問題が発生した。ハードドライブに問題が起きてしまったんだ。文字通り、クラッシュが起きてセッションを取り出せなくなってしまった。リリースのタイミングとしては去年の Foreigner とのツアー時も考えられていたけれど、結果として今年のツアーでのタイミングになった。良かったよ、遂にリリースできるんだ。

世間では「曲の出来が悪かったんだろう」なんて憶測を言う人もいたけれど、そんなの戯言さ、レーベルの Frontiers なんて、もう最初から曲の良さに興奮していたんだから。遂にリリースが決まって嬉しいよ、とてもエキサイティングなアルバムだからね。

ー "Shut Up & Kiss Me" はとても明るくノリのいいロック曲ですね。

JH: ああ、前の Purple ツアーでは凄くダークな "Burn" のビデオでプロモーションしていたから、デヴィッドが明るい曲にしようと決めたんだ。Whitesnakeサウンドにはとても幅広い多様性がある。"Shut Up & Kiss Me" はデヴィッドの言う「明るいスネイク」であり、ただ楽しい音楽なんだ。でもこの曲だけでアルバムを判断するのは早計だ。"Shut Up & Kiss Me" には "Slip Of The Tongue" との類似が感じられるけれど、各時代の Whitesnake からの影響が感じられるアルバムなんだ。

ぜひデラックス・エディションを手に入れて欲しいね。なぜなら、ブルース曲がボーナストラックになって入っているからだよ。初期からのイギリスのファン、ミッキー・ムーディーやバーニー・マーズデンが好きな人には、デヴィッドがブルースを歌っている曲があるから気に入ってもらえるだろう。

ー あなたが作曲に参加した曲が6曲あるんですよね?

JH: いや、ボーナストラックも入れると8曲だと思うよ。(誰が作曲に参加するとか)そういうエゴはないんだ。全てはデヴィッドが書いているんだ。僕がやったのは、リフを提供すること。いくつかの曲では僕が全てリフを書いたものもある。でももちろん、全ての曲のメロディと歌詞を書いているのはデヴィッドなんだ。時には僕とレブがほんの少し貢献したこともあるけどね。デヴィッドから「ここは何と言おう?」と訊かれて。とは言え、全てはデヴィッドの専門分野だ。僕がやったのはリフを書くこと。中には昔デヴィッドが完成させなかった曲を僕が仕上げたものもあるけれど。レブが仕上げたものも、僕ら3人が座って書いた曲もある。

スタジオにはデヴィッドのオフィスがあって、彼がナイロン弦のクラシック・ギターを手に弾きながら、「これが曲だ。コード進行はこうだ。ここからどうする?」という風に訊かれる。レブと僕が答えると、「よし、それだ。次に進もう」という感じだ。それでレブと僕が階下のスタジオに入って公式なデモを創る。曲のレコーディングの前に僕らはデモを創るのさ。Whitesnake は昔ながらのやり方で制作するんだよ。昔は皆がそうやっていたけれど、Whitesnake ではまだそのやり方でやるんだ。

Jh25_promo ー ギタープレイヤーにとって Whitesnake で曲を書くというのは夢ですよね。

JH: ああ、そうだね。デヴィッドは作曲の分野でとても寛大な人なんだよ。僕らはクリエイティブな貢献をする機会をもらえるんだ。彼は40年以上もこの美しいブランドを築いてきた人だ。Whitesnakeサウンドをね。デヴィッドは僕やレブからベストの力を引き出し、常に Whitesnakeサウンドを創るのにとても長けた人なんだよ。

時々「Whitesnake ぽくない」なんて(曲を聴いて)言う人もいるけど、違うよ。だってデヴィッド・カヴァーデイルなんだ、そのサウンドWhitesnake なのさ。彼は常にそうする。クールなのは、彼が多様性を楽しんでいるってことさ。Whitesnakeサウンドには40数年に渡って培われた幅広い多様性がある。その大きな Whitesnake ブランドの傘下に収まるものであれば、そのサウンドは上手く行くんだ。

常に僕らはそこについて同じ考えを共有している。僕らのやることをデヴィッドが聴いて、「いや、それは違う」ということは稀なんだ。レブと僕も同じだよ。一緒のスタジオ作業はとても早い。僕らのどちらも「このパートは俺のだ」なんてことは言わない。僕らは大局的にとらていて、皆が満足いくように雰囲気の良いバンドにしたい。そういうエゴが勃発するようなことはないんだ。

ー レブとのギターチームはとても上手く行っていますね。

JH: そう思うよ。レブはとてもクールなバンド仲間だ。ギターソロを巡って争うなんてことは無い。エゴなんてないんだ。デヴィッドが僕に望み、バンドがそれを望むなら、僕は喜んでサポート役を引き受けるよ。僕は良い音楽を良い人たちと高いレベルで演奏したい。ギターヒーローになる必要なんてないのさ。

要は考え方ということだよ、そもそも僕はミュージシャンであるということ。僕はデヴィッドにも、レブにも満足して欲しい。皆にとって良いバンド仲間でありたい。今のラインナップはとても上手く行っている。僕らは一緒に音楽を創り、デヴィッドはこのままツアーを続けたいと思っている。彼は Purple Album の後、引退を考えていたというのにね。このラインナップでのツアーをデヴィッドが楽しんだ。僕らには仲間意識がある。

デヴィッドは超ビッグスターなのに、バンドの一員であることが好きなんだ。彼は毎日バンドの連絡ツールに投稿して、ジョークやら何やらで笑いが溢れ、皆で楽しんでいるのさ。デヴィッドはネガティブな感情を嫌う人で、いつもポジティブなエネルギーに溢れている。僕もそういうタイプの人間さ。現実の世界では全ての仕事には困難もあるし、失望もある。けれどそういう嫌な気分は自分の中で治めようとしている。いつだって良いところを見つけようとしているんだ。

ー デヴィッドが一時は引退を考えていたのに、今のラインナップで続けようと思ってくれたのは素晴らしいことです。

JH: 僕とミケーレが入ってからはメンバーも変わっていないので、バンドとしての一貫性があること、仲が良いこともあるね。誰かビッグスターがいるというのではなくて、そういう人が悪い雰囲気の方向へ持っていくということもない。僕らはとてもウマが合うのさ。だって、もしデヴィッドの年齢で、もう人生に十分なお金があるのだったら、ただ良い仲間と楽しく過ごしたいと思うだろう。僕らの仕事は彼が続けたいと思えるよう、刺激することさ。

ー 日本でも Whitesnake というとジョン・サイクスのあのサウンド・イメージが多くの人にあると思いますが、ニューアルバム制作の上で、あの大ヒットアルバムはプレッシャーにはなりませんでしたか?

JH: そんなことは全くないよ。デヴィッドは僕らのどちらにもジョン・サイクスを真似て欲しいとは思っていない。どこかでコメントを書かれたのを覚えているんだけど、「デヴィッドは長髪ブロンドヘアのギタープレイヤーが欲しかったんだ」とか。彼はそんなことは意図してなかったと言った。もし長髪のブロンドということでミュージシャンを雇うのであれば、それは単なるロックのイメージだよね、彼はそんなことで僕を雇っていないし、彼が望むサウンドであれば黒髪のプレイヤーでも構わなかっただろう。

それに僕のプレイはジョン・サイクスとは違っているし、僕らはそれぞれ多くの人の影響を受けている。スキルを確認すれば、デヴィッドには何が Whitesnake に合うか、バンドとして機能するか分かるんだ。あとは人間として性格が良いか、仕事仲間として問題ないかということ。デヴィッドは67歳、当然のことだけど、くだらないことに付き合う忍耐なんてもう持ち合わせていないよ。ギタリストがソロを取り合ったりとかね。そんなことは起きない。今のバンドは皆がおおらかで、仲が良く、いつも笑い合っている。

デヴィッドはこの年齢で素晴らしい歌声を聴かせている。彼はスクリームして25歳のように歌ったりはしない、今の彼の音域で歌っている。アルバムではオートチューンなんてのは使っていない。そういうフェイクのプロダクションはしていない。デヴィッドの声は生々しく聴こえるよ。素晴らしいシンガーでカリスマなんだ。ただデヴィッド・カヴァーデイルの歌声なんだ。彼のアルバムでのパフォーマンスを聴いたら、皆は嬉しい驚きを覚えるだろうね。

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Part 2 へ続く

Whitesnake のニュー・アルバム Flesh & Blood は5月10日発売!ジョエル強力おススメのボーナストラック入り限定版を購入してね!

キップ・ウィンガー ライブ @ MORC 2019 円熟のパフォーマンスとミュージカルから新曲披露

Monsters of Rock Cruise から帰ってきました。今年も大いに楽しみました!ブログ更新を2週間お休みしていましたが、これよりライブレポの投稿に入ります。

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キップのライブは出航初日24日の夜、バーラウンジのステージで行われました。ライブ開始時刻の30分程前からその場でキップによるサウンドチェックが行われており、既に会場は大入り。

同時間帯にフルバンドのロックライブが船上の比較的大きなステージで複数行われているというのに、小規模のアコースティック・ライブ会場を数百人のオーディエンスで満員にしてしまうキップの集客力の底知れなさ。これは本当に凄いと思います。

船上では常に同時間帯に複数のライブやイベントがあり、オーディエンスには選択肢があります。アーティストの集客力が如実に表れる、船上は厳しい競争の世界でもあるのです。

客席がほぼ満席なのを見て、定刻よりも少々早くキップがライブを始めました。オープニングは定番の "Cross" 。今回もキップはパーカッションにベン・ハインズを帯同しており、ベンさんのセットアップは進化していました。2年前はジャンベのみだったと思うのですが、今回はシンバルも叩き、カホンもあります。しかもカホンにはキック・ペダルも使用していました。それゆえ、パーカッションのパワー、存在感や彩りが増していました。

この夜のハイライトはミュージカル Get Jack からの "Requiem For Nothing" 。これは是非とも生で聴きたかったので、嬉しかった!力強く響き渡るキップの歌声は鳥肌もの!

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キップ2回目のライブは27日にハイチのラバディ島で行われました。正午過ぎ、こんな早い時間にライブなんかやったことない、とぼやいていたキップでしたが、確か以前の Download Festival でこれくらいの出番あったよねぇ?

この日は12弦ギターのペグの1つが緩むらしく、チューニングが狂うそうで、キップが何度も直していたのですが、「言い訳をしたら1ポイントマイナスだったな(笑)」と言ってオーディエンスに受けていました。

前日にあったギターコンテストで超辛口審査員をやっていたキップは挑戦者が何かギタープレイの言い訳をすると、問答無用で得点からマイナスポイントしていたのです。このイベントは本当に面白かった。

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↑審査員ちゅうのキップ。隣はジョエル・ホークストラ。キップはさながらサイモン・カウばりの辛口コメントで会場を沸かせる役まわり。ジョエルはポーラ・アブドゥル的な優しい審査員役。

ライブの話に戻ります。いつもの様にキップがリクエストを募ると沢山の声が掛かるのですが、珍しく "Little Dirty Blonde" の声にキップが反応していました。

「その曲はライブでプレイするのは不可能なんだよ。2014年に日本でセカンド・アルバムの全曲再現をやったのだけど、ベースは人に弾いてもらって、俺はデイヴ・リー・ロスを演じたんだ」

確かに、2014年にその曲ではベースをジョンに弾いてもらっていました。弾きながら歌うのは不可能な曲ということだそう。

"Blue Suede Shoes" ではオーディエンスにいる退役軍人の皆さんを1人ずつ名前で呼んで、彼らの貢献に感謝を捧げ、美しく切ないあの曲を歌いあげていました。

いつもは "Seventeen" で締めなのですが、この日はステージのサウンド担当さんに何とかもう1曲できないかと頼んで、"How Far Will We Go" をやってくれました。この美しい曲を聴けるのはやっぱり幸せ。

2/24 セットリスト at Star Lounge 10:45pm

01. Cross
02. Easy Come Easy Go
03. Who's The One
04. Can't Get Enuff
05. Hungry
06. Ever Wonder
07. Free
08. Miles Away
09. Requiem For Nothing
10. Rainbow In The Rose
11. The Lucky One
12. Spell I'm Under
13. Headed For A Heartbreake
14. Down Incognito
15. Madalaine
16. Seventeen

2/27 セットリスト at Island Stage 12:30pm

01. Cross
02. Easy Come Easy Go
03. Who's The One
04. Can't Get Enuff
05. Hungry
06. Free
07. California
08. Miles Away
09. Blue Suede Shoes
10. Blind Revolution Mad
11. Rainbow In The Rose
12. Headed For A Heartbreake
13. Down Incognito
14. Madalaine
15. Seventeen
16. How Far Will We Go

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初日のライブ終演後に、私のインタビュー記事を掲載した FOLLOW-UP 誌をキップに手渡すことができました。お疲れのところ、撮影に応じて頂き、ありがとうございました!誌面の写真を気に入っているそうです。

Monsters Of Rock Cruise 2019 今年の見どころ

Img_178280年代のHRバンドを集めた Monsters Of Rock Cruise が2/24からフロリダのマイアミ港から出航します。今年は単独のヘッドライナーではなくて、メインの4バンドを筆頭に多種多彩なバンドが沢山乗船予定です!

個人的にはキップ・ウィンガー、ジョエル・ホークストラ、SOTO は外せないのですが、他にもリッチー・コッツェントニー・マカパイン、ニール・ザザ、Extreme、Queensryche、Y&T、Vixen、Kings X、Gus G、Eclipse、ジョン・コラビなど観たいアーティスト多数。

他にも船上でのイベントが複数あるのですが、今年参加したいのは Y&T デイヴ・メニケッティご夫妻が主催するワイン・ディナー。ご夫妻はワイン好きが高じて、友人のワイナリーと組んでメニケッティ・ワインを販売しています。シャルドネピノ・ノワールを主にリリースしているようなのですが、なかなか日本では手に入らず、気になっていたのです。(メニケッティ・ワイン情報はこちら

船上での食事会は、メニケッティ・ワインを頂きながら、シェフの創るコース・ディナーを味わうというもの。もちろん、メニケッティご夫妻が同席していろいろとお話を聞かせてくれることでしょう。こういうイベントは他にもあって、ジョン・コラビご夫妻が主催する食事会もあります。こちらはテキーラを楽しむ模様。

それから、クルーズでのお楽しみといえば、通常のライブでは見られないような特別企画ものステージや仲の良いアーティスト同士の飛び入り共演なのですが、今年はどんなショウが飛び出すのか、とても楽しみです。

乗船前日と前々日にプレパーティという名のコンサート・イベントもあるのですが、今年のプレパーティの目玉は前々日のライブに出演するイングヴェイ・マルムスティーン。前日のパーティではジェフ・スコット・ソートが盟友ジェイソン・ビーラーと共演します。このラインナップを見ると、イングヴェイのステージにジェフが飛び入りなんてことは起こらないかしら?と少々期待してしまいます。万が一実現したら、これは大ニュースになりそう。

今年はMORCだけでは終わりません。

Img_07833月3日からは Experience Hendrix ツアーが始まります!これは多数のアーティストが集い、ジミ・ヘンドリックスの楽曲をプレイしてジミの功績を称える音楽イベントです。今年のツアー参加アーティストが凄いのです。(オフィシャル・サイトはこちら

ジョー・サトリアーニ、デイヴ・ムスティン、ザック・ワイルド、ドゥイージル・ザッパ、エリック・ジョンソンなどなど、豪華!サッチのバックバンドを務めるのはケニー・アロノフとダグ・ピニックです!

昨年参加した Generation Axe 公演でお話したギターファン複数の方から、Experience Hendrix ツアーは良いと評判を聞いているので、今からもの凄く楽しみです。

ということで、これから2016、2017年に続き、自身3回目のMORCに参加してきます。旅先のため、次週はブログの更新をお休みします。ツイッターでは現地からいろいろと投稿しようと思っていますので、ご興味のある方は覗いてみてください。