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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

EX. ホワイトスネイクのギタリスト

天下のオレ様ことデヴィ・カバ様と上手くやっていくのはとても大変らしく、長くは続かないのがホワイト・スネイクのバンド・メンバー。中でもギタリストは、クリエイティブな面でもショウの面でもバンドには重要な存在になる訳で、歴代のギタリストの中で数人をピックアップして好きなこと書いてみました。

ジョン・サイクス John Sykes

アルバムのクレジットは"Slide It In"から入ってますけど、このアルバムの製作と録音はミッキー・ムーディだったそうです。彼の脱退後にギターパートをサイクスのプレイに差し替えたとか。
サイクスの貢献は何と言っても、ホワイトスネイク史上最高傑作の"WHITESNAKE 1987"を製作したところにあるわけですが、アルバムのリリースを待たずに脱退というのが非常に惜しいです。"Is This Love"、"Still Of The Night"は未来永劫バンドの看板ソングですもん。
"WHITESNAKE 1987"の大成功を目の当たりにして、脱退してしまったことを後悔することはなかったんでしょうか。ソングライターとしてもギタリストとしても才能を見せつけたサイクスが、その後華々しい成功を必ずしも収めてない(失礼!)ところが残念。暴言いっちゃうと、サイクスは自分で歌ってしまったことがいけないんじゃなかろーか。歌も上手い人だけど、シンガーの域ではないでしょう、そうでしょう。

エイドリアン・ヴァンデンバーグ Adrian Vandenberg

ジョン・サイクスの脱退後に加入。"WHITESNAKE 1987"をリリースするところで、このバンドのリード・ギタリストになるのって、物凄い「棚からボタ餅」ではないでしょうか。(反面すごいプレッシャーも?)プレイでジョン・サイクスのようなパワーや情感を出せたかと言えば疑問ですけど。
でもエイドリアンの特筆すべきことは、デヴィ・カバ様とケンカ別れせず、彼の右腕的存在になったこと。"Slip Of The Tongue"のレコーディングの段になって腱鞘炎でギターが弾けなくなったエイドリアンをデヴィ・カバ様は「回復するまで待つ」なんて思っていたそうなので、凄い。結局はアルバム完成のためにどうしてもギタリストが必要になり、デヴィ・カバ様がスティーブ・ヴァイ口説き落として連れてくると、エイドリアンはリード・ギタリストの座を降りて、セカンド・ギタリストに甘んずることなるわけで、仕方ないとはいえ、彼の中では葛藤もあったのでは。
"Slip Of The Tongue"以降もデヴィ・カバ様の右腕だったエイドリアンですが、病のため、オランダに帰り、その後は画家(これホント)になっています。ホワイトスネイクがオランダ近辺でショウをやるときは、特別ゲストとして登場するそうなので、デヴィ・カバ様とずっと友好関係を持つ稀有な存在の人ですね。

スティーブ・ヴァイ Steve Vai

ヴァイ先生がホワイトスネイクに参加したのは、デヴィ・カバ様に口説き落とされたというよりは、ヴァイ先生2作目のギター・インスト・アルバム"Passion & Warfare"のプロモーションのためだったに違いないと思っています。ギター・インストはやっぱりセールスが難しいですから、"WHITESNAKE 1987"で大成功を収めたモンスター・バンドでギターを弾くことは物凄いプロモーション効果だと思います。当初の契約がアルバム・レコーディングだけだったのかツアーも含んでいたのかは知りませんが、ツアーでのギター・ソロでは"Passion & Warfare"から2曲演奏してるし、デヴィ・カバ様が自分のコンサートでギター・ソロの前にギタリストがソロでリリースしたアルバムのタイトルを紹介するなんて、バンド史上2度と起こらないことだと思います。
"Slip Of The Tongue"のツアー終了でバンドは一旦解散しますので、ヴァイ先生の在籍はそこまで。でも、ヴァイ先生の狙いはしっかり叶いました。もともと長く在籍するつもりはなかったでしょうしね。
この時代のホワイトスネイクの音楽に対して、後にデヴィ・カバ様は否定的なコメントをしていましたが、彼が嗜好する音楽性とは異なるヴァイ先生がギター弾いてたんですから、しょうがないんじゃなかろーか。ヴァイ先生はブルース派ギターリストという訳じゃないし。あと、ヴァイ先生が目立っていたことがデヴィ・カバ様には気に入らなかったでしょうに。ドニントン・ライブの映像見ると、デヴィ・カバ様よりも派手な衣装でしかも一人だけ衣装換えまでしてたもん、ヴァイ先生。そりゃ、デヴィ・カバ様が怒るでしょう、そうでしょう。

ダグ・アルドリッチ Doug Aldrich

現役のホワイトスネイク・リード・ギタリスト。2003年のライブ・ツアーからの参加で、まだデヴィ・カバ様と一緒にやってるところが凄い。もはや前人未到の領域。
当初はライブだけのはずが、デヴィ・カバ様の音楽制作のインスピレーションの源となり、ソング・ライティングの右腕となっているところが凄い。ブルージーかつ、ロックでパワフルな楽曲とプレイはダグのおかげです。ありがとう、ホワイトスネイクを生き返らせてくれて。

なぜデヴィ・カバ様とこんなに長く上手くやっていけるのか。私が思うに、ギタリストにありがちな「俺が、俺が」的なところがあまりないところではないでしょうか。ライブで、曲の中ではパワフルにソロ・パートも聴かせてくれるダグですが、あくまでも曲の構成の中で聴かせてくれていて、曲よりもギターを押し出して・・・というところがないのよね。ギター・ソロの時には曲は関係ないから思い切り弾きまくっていいと思うんだけど、そこでも自我を押し出したりしない。そういう控えめで大人なところでしょうか、デヴィ・カバ様とうまくやれるコツは。(デヴィ・カバ様の顔色うかがうのも楽じゃないと思うけど。)