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Whitesnake Live At Donington 1990 30周年同窓会 エイドリア~~~ン!

8月18日(日本時間19日)、1990年のドニントンライブ30周年を記念して当時の Whitesnake バンドメンバーがオンラインで集うイベントが行われました。カヴァ様、ヴァイ先生、エイドリアン、ルディ、トミーが集うのはあれ以来初、歴史的事件をライブストリーミングで目撃しました。

イベントはイギリス時間午後7時半からのプレショウ(オンライン同窓会)と午後8時半(30年前のドニントンライブ開始時刻)から始まるライブビデオ配信の2部制で、プレショウはファンから募った質問にまずカヴァ様が答え、バンドメンバーがログインしてから、カヴァ様の司会でメンバー向けの質問に回答していくという形式でした。

残念ながら、エイドリアンはログインしてもフリーズを繰り返し、繋がった短い時間も音声が聞こえない状況だったようで、全員揃っての会話は聞けませんでした。後日のInstagram投稿でエイドリアンが、事前のテストでは通信に問題がなかったのに、本番で問題が発生したことを悔しがっていました。「まるで窓の外からパーティを眺めているようだった」の言葉に悔しさがにじんでいます。

プレショウの後半、カヴァ様(DC)、ヴァイ先生(SV)、ルディ(RS)、トミー(TA)の会話の中の一部をざっくりまとめて和訳してみました。

 

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DC:スティーブンへの質問だ。「WSでプレイする決断は簡単でしたか?WSとプレイすることはあなたの他のバンドでプレイするのと比べてどう違いましたか?」

SV:まずWSは既に確立されたバンドだったということが良かった。それにジョン・サイクスと君が創ったアルバムは好きだったよ、とてもパワフルで真摯だった。いい曲だし、WSには優れた品位がある。だからオファーがあったとき、「これはどういうことか」と考えた。Dave Lee Roth とのツアーが終わった直後だったから、上手くいくだろうかと。私にとって良かったのは、アルバムは文字通り制作が完了していたことだ。私がやることはギターパートを入れることだけだった。問題なかった。それで私にとっての違いとしては、私はフランク・ザッパ、Alcatrazz、DLRとやってきたから、DLRというのは非常に統制されているんだ。そこで私のエゴが動き出したのだが。

DC:私はそれでいいと思う。好きにやってくれ。

SV:正に新世界だったよ、WSでは自由があった。恐らく私はその寛大さに付け込んでしまったのだろうね。

DC:そんなことはない。

SV:とにかく、全く違う気分だった。私は違うところから来てバンドに合流したのだが、皆が素晴らしかった。いい人ばかりで、全てが揃っていたんだ。完璧に御膳立てされた状態で差し出されたんだよ。

DC:私はこのメンバーでバンドとして究極のところまでWSを持って行けたのだと思っている。妥協なく、シンフォニー面にしても、全員の腕は熱く燃えていた。コンサートを観ればそこに現れている。毎晩一貫していいライブをやってた。オーディエンスの反応は驚くほどだった。

ポルトガルの街でのことを覚えているかな?我々の機材がスペインとの国境で止まってしまって、警察が私たちの泊まったホテルの周りで大勢を宿泊させていたんだ。翌日がコンサートだったけれど、Beatles の狂乱のようだった。それがまた翌日のパフォーマンスを刺激していた。

トミーが寝てしまう前に質問しよう。「70年代~現代まで音楽シーンの変化についてどう思う?」最初はどこにいたんだった?

TA: Black Oak Arkansas でプレイしてた。 California Jam で初めてデヴィッドに会ったんだったな。40年以上か、振り返るのが怖い位だ。(音楽シーンは)発展したんだと思うよ、昔はバンドはレコード会社と契約しなきゃ音楽を出せなかったけど、そういうのは全て去った。今はオーディエンスに直接届けられる、最高だよ。その結果原石のままの新鮮な音楽が出てきている。机の後ろに座った太った葉巻を吸って音楽に興味もない奴らが仕切ってた(レコード会社)時代は去った、こいつは最高だと思うね。

DC:全く賛成だ。ルディ、ファンから君への質問は、「多くのロック・ロイアルティとプレイしていますが、このような凄いキャリアを予想していましたか?」

RS:まさか!数々のバンドとプレイできたのは恵みで、もちろんWSがそうだ。73年に友達の家に行って山積みのレコードに Deep Purple の『Burn』を見つけたんだ。衝撃だったよ、私はそこで『Burn』を聴いたときからデヴィッド、君のファンなんだ。

SV:私も同じだ。

RS:私のキャリアというのは共に仕事をした仲間と共にある。達成したことは楽ではなかった。ドニントンでのライブ、あの時デヴィッド、君は感情的に多くを抱えていたけれど、君がステージで成し遂げた勝利、あれはそれ以前のどこでも見たことはなかった!

SV:ああ、あれはずば抜けていた。とても強力な一夜だった。

DC:あの時、マネージャーが手元にあったVHS-MONOで、ステージサイドのスクリーン映像を録画していたんだ。良かったよ。

SV:当時はきちんとライブ撮影されたショウが少ないというのは不思議だね。

DC:(今のスマホと違って)当時のオーディエンスの手にはライトがあった。

SV:DLRの時にはオーディエンス撮影は禁止だったよ。

DC:当時カメラが入ってライブを撮影したのは日本だった。彼らは驚くほど熱烈な音楽ファンだから、特定のミュージシャンの特定のショウの全てを記録に留めたいんだ。
さて、「ドニントンのライブでの思い出は何か」これは全員への質問だ。

TA:"Judgement Day" で違う動きをイメージしていたせいで違うパートを叩いちゃったんだけど、上手くいったこと。(笑)

SV:だと思ってたよ!(笑)

DC:去年のツアーでも凄かったけれど、あの夜のトミーは最高だった。ルディは?

RS:ステージサイドにいて、スペシャル・ゲストを見ていたこと。 Aerosmith だ。そこにジミー・ペイジが飛び入りしたのを見て、よし、WSはこの上を行くんだと気合が入った。それが実現したんだ、映像に残っているとおり。

DC:スティーブン、君とエイドリアンのギターソロの配分は半々でとても互いを尊重していたね。私たちには素晴らしい仲間意識があって、誰かの足を引っ張るようなことがなかった。当時のバンドはどこもエゴの争いで酷いものだったけれど。

SV:ライブ映像を観て記憶が蘇ってきたよ。その時の私は自分のプレイがこれでいいのかどうか頭の中で葛藤していたんだ。でも何年も後になってこのビデオを観て、私たちは何て凄いことをやり遂げたのだろうかと思った。あのエネルギーは強烈だった。

もう1つ、このライブの私的思い出は、初めてジミー・ペイジに楽屋で会ったことだ。私には大事件だよ。

DC:彼が来ていたことを知らなかったよ。彼と親しくなったのは Coverdale-Page の頃だったから。とにかくあの夜の私たちは素晴らしかった。個々のミュージシャンとしてもバンドとしても。そしてオーディエンスのエネルギーを受けて、更に上のパフォーマンスを返した。

あと覚えているのは、強風で喉が渇いたことだ。あの風ではシナトラのような呼吸が必要だった。それに私にはホーム・ギグだったから力が入ったよ。

SV:どうやらエイドリアンは回線が繋がらないようなので、言っておきたい。私たちがいかにお互いをインスパイアしていたか。彼と仕事をするのは実に堅実で安定している。彼のギタートーンは常にファットでリッチだ。彼のヴィブラート、音の選択、イントネーションも素晴らしい。"Kittens Got Claws" には沢山の変わったサウンドがある。いつも彼のプレイを聴いていたよ。彼は常に私のインスピレーションだったし、成熟した芸術的人物だ。

(訳者注:この後、エイドリアンが復帰して、カヴァ様が急いで彼宛の質問を読み上げるも直ぐにまたフリーズして、一同大笑いになるシーンが…)

DC:私は幸運にもまだトミーと世界をツアーしているけれど、こういうロック・フェスティバルというのはコミュニティの集まりでもある。残念ながらコロナウィルスで今はツアーも出来ないが、皆は家にとどまり安全でいて欲しい。自分も他人も尊重することでこの状況が打開されるだろう。

SV:ライブミュージックを観たいという要望は感じるし、やがて戻ると思う。

RS:さっきデヴィッドがホームタウン・ギグと言っていたけれど、ドニントンで WSとしてヘッドライナーを務めるのは特別なことだったよ。

DC:一度スネイクに加入した者はずっとスネイクなんだよ。ユナイテッド・ネイション・オブ・スネイクだ。

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同窓会の冒頭で、カヴァ様がヴァイ先生に、「この前話していたギター5本の "Burn" はできたのか?早くその髭を剃って仕上げてくれ!」と言っていましたが、「ああ、あれならもうできたから送るよ」と先生が答えていました。恐らく Generation Axe のライブアルバム2作目のミックスは順調に進んでいるようです。

カヴァ様やエイドリアンに気を遣うヴァイ先生、仲良しバンドの思い出を辿るメンバーの会話に、30年の年月が良い思い出だけを残して苦い思い出は消し去ってくれたのかと同窓会をしみじみと見守りました。

 

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