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Whitesnake ライブ@名古屋市公会堂 2015.10.22 40年後の紫の炎再演

The Purple Album をリリースしたWhitesnake の名古屋公演に行ってきました。新メンバーでのライブはこのツアーが初♪
デヴィカバ様は1975年にこの会場で Deep Purple としてライブを行っており、"Burn" や "Stormbringer" などを歌っているということで、40年の時を経て、今夜この同じ会場で新たな解釈を加えられた名曲をデヴィカバ様が再び歌うという、感動的な夜となりました。

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地響きをあげるかのようなギターサウンドの嵐の中、「ナゴヤー!」のシャウトと共に "Burn"でスタート。盛り上がる客席をさらに煽るデヴィカバ様、バンドメンバー。日本公演ではデヴィカバ様のシャツが Made In Japan のジャケット アートワーク プリントです。

帽子姿で表情の見えないレブは黒い塗装の剥げかかったSuhr classic を弾いています。これはこのツアーから導入されたもので、主に Deep Purple曲のヘヴィなものを演奏時に使用しているようでした。今やバンドリーダーとなった彼はステージ上手におり、この姿を見て感無量となる人も多いのでは。

白いレスポールに黒いラインで描かれた蛇、ボディにはめ込まれたWSのメダリオンが目をひく新しいギター(ページ下の写真を参照)を下手で弾いているのは新加入のジョエル。長身で華やかなウェーブの金髪はエイドリアン・ヴァンデンバーグ在籍時を思い出させるきらびやかな雰囲気。

ちなみに、エイドリアンがオランダ人であるように、ジョエルもオランダ系で、ホークストラという苗字はオランダではよくあるそうですが、アメリカでは珍しいため、彼はいつもスペルの説明をするハメに陥っています。

"Burn"のソロはオリジナルに新たなパートを加えた形になっており、曲の聴き所の1つ。ステージ中央でスピード感あふれる華麗なソロを弾き上げたレブに続いて、下手のジョエルはワウを使った導入からの速弾き、加えてジョエルのダイナミックなパフォーマンスが目を引き付けます。

続いてキーボードソロは今回のツアーにサポートメンバーとして参加しているミケーレ。こちらはオリジナルに忠実なソロ。残念ながら私の席からはあまりミケーレは見えません。

米国ツアーではやっていなかった "Fool For Your Lovin'" が2曲目で登場。前回の来日では後半の登場曲だったので、意外な展開でした。この曲のギターソロはレブから入って、ジョエルだったので、ダグ時代と同じ組み立てです。

"Love Ain't No Stranger" は、やはり観客の歌声が大きくなる曲。ジョエルのギターソロ。

"The Gypsy" のギターソロでレブが下手へやってきたので、やっと彼をしっかり見ることができました。2人のギターサウンドが印象的なこの曲、ソロ導入部はツインギターで、ワウとボトルネックを使うジョエルとレブのギターがメロディをハモります。やはり、2人のギタリストが並んで弾く姿は華があってWhitesnake の見せ場!

「次の曲は1975年にこの同じ会場でDeep Purple と、トミー・ボーリンのいたときに演奏したんだよ。だから今夜の演奏は特別な記憶を思い出す。これは私のソウル・ブラザー、グレン・ヒューズと書いた曲だ」

デヴィカバ様のコメントでこの古びた小ぶりの会場がなんだか貴重な文化遺産のように思えて、特別な夜のミラクルを予感しました。

"You Keep On Moving" では黒いストラトに持ち替えたジョエルがアルペジオ担当。音の粒が大きくなって輪郭が際立ったのはストラトのせい?普段はレスポールのジョエルですが、ここではアーム使ってるところも見れます。レブはグレン・ヒューズの歌ったパートを歌っており、歌えるギタリストであることを証明。ギターソロもブルージーにキメてくれます。

後半はベースのマイケルがデヴィカバ様と掛け合いで歌うシーンもありました。セカンド・シンガーとしてかなりの量のコーラスをしなくてはならないレブとコーラスは一部担当のみのジョエルでギターの分担ができている様子。

「次はWhitesnake の歴史を遡って、最初にレコーディングされた曲のひとつをやろう」

それを聞いたレブが血相変えて舞台袖にダッシュしようとする姿を見たデヴィカバ様が、どうした?と止めると、次が"Mistreated" だったらギターを変えないといけないと訴えるレブ。2人でセットリストを覗き込んで、「それは後だろう、次はこれじゃないか」と指摘されたレブは舞台袖に戻ってから帰ってきました。(ギターはKOAトップSuhrのままだったので、何をしてきたのでしょう?)

「これが我がバンド・リーダー、レブ・ビーチだ」

と言われ笑いをとるハメになったレブ。彼のマジであわてた姿、表情はなかなかの見ものでありました。(笑)

"Ain't No Love" は日本ツアーから演奏された曲。この曲のソロをレブが弾いているのを見るのはなかなかに感慨深いものがあります。またデヴィカバ様のアカペラで聞くラストは感涙もの。

そしてギターソロタイムはレブから始まります。一昨日の大阪公演とは違う導入から始まり、パワーアップしている印象。タッピングパートの音の美しさはやはりレブ。ハーモニクス、ラストのノイズと展開はいつもどおり。去年の川崎で聞いたソロは神がかっていたので、それには及ばない印象でしたが、一昨日の大阪よりも良かった。

2番手に登場したジョエルのソロにはミケーレのキーボードがつきます。ボディ全体がスワロフスキーのパープルラインストーンで覆われたレスポール・タイプのギターはスポットライトを浴びてまばゆく輝き、ジョエルの姿と共に美しいこと!8フィンガーは見せ場ですが、他にも様々なプレイを織り交ぜ、速弾きのピッキングも正確で美しい。彼がこちらでソロの構成について語っていますので、ぜひこれを見て彼のソロを聞いてみてください。

「次は私とリッチー・ブラックモアがその昔書いた曲だ」

曲紹介に続くのはレブが俺の曲という程に魂を込めた"Mistreated" (詳しくはこちら)レブのギターは冒頭と同じ塗装の剥げたSuhr classicに、ジョエルは白いストラトこの曲のソロは間違いなく今日のショウのハイライトの1つなのですが、残念ながらレブが遠くてあまり見れませんでした。

マイケルのハーモニカで始まる "You Fool No One" はリフとツインギターのハモりが主役で好きな曲。レブ、マイケル、ミケーレのぶ厚いコーラス隊が今回のバンド編成の強みでもあります。ツインギターソロは圧巻!

レブのシャウト「トミー!!」で始まるドラムソロ。65歳とは全く思えないトミー・アルドリッジのソロは20年以上経っても変わらないパワーで感銘を受けました。

アコースティックに持ち替えたジョエルをステージ中央に呼んだデヴィカバ様

「次は私にとって特別な曲をやろう」

ライブで聞きたかった"Soldier Of Fortune" !!デヴィカバ様のヴォーカルは鳥肌が立つほどにエモーショナル。ジョエルのアコースティックは哀愁が漂って、音色が美しい。ハーモニクスもきれいで、そのバックにミケーレのキーボード。いい仕事してるなぁ。

"Is This Love" のソロは黒いレスポールに替えたジョエルです。彼のソロは演奏だけでなく、魅せるパフォーマンスが特徴。彼はブロードウェイやTSOといったショウの要素が強く求められる舞台を長年経験しているだけに、弾き姿を大きく、派手に美しく見せる方法を心得てる。

以前、どうしてあんなに頭を振りながら演奏できるの?と聞いたことがあるのですが、「はは!沢山練習するんだよ!」と至極まっとうな答えが返ってきました。

"Stormbringer" ではレブ、マイケル、ジョエルの髪振りがリフに合わせて一気にヒートアップ。それに呼応して、嵐に襲われたような熱狂が会場を包みます。レブのソロかっこいい!続いて、短いソロをマイケル、それからジョエルに振るというアレンジが施してあって、ライブらしさが出ていて凄く良かったです。

"Here I Go Again" はWhitesnakeにとって必須の曲だけれど、アンコール直前にもってくることは珍しい。本編の締めくくりには曲の終わりがちょっと大人しいということか、マイケルのベースソロにジョエル、レブとギターが加わってジャムする形のアレンジが入っていました。

アンコールはもちろん鉄壁の"Still Of The Night"
曲冒頭のギターのうなりをダグ以外のギターで聞くのは何とも複雑な気持ち。
さぁ、どう来る?と待っていたところ、ジョエルはアンプの前で客席に背を向けてポーズ。見せ場やん、どうしてぇ?よく見ると彼がフレットボードに手を置いて、トミーの動きを凝視しているのが分かりました。

不思議だったので後で彼に聞いてみたところ、ああすることでトミーと自分のプレイがやりやすくなるのだそう。ライブの間もジョエルがドラム前でトミーを見ながらプレイする姿をよく見かけるのですが、これが過去のバンド経験から身体に染み込んだ彼にとってプレイしやすいスタイルなのだとか。(Night Ranger ではドラムが遠かったからあまり見かけなかったけど)

"Still Of The Night"ギターソロはジョエル。ステージ中央でのゴージャスなパフォーマンス。ソロを聞いているとダグの音との違いがくっきり見えてきました。クリーンなサウンド同じレスポール使いといえども、違うなぁ。

歓喜の内にライブは修了しました。Whitesnakeで100分越えのライブ。デヴィカバ様は間違いなくパワーモードに入っているし、このツアーを楽しみ、満足していると思う。観客の満足度も相当に高いに違いない。

ところで、新入りのジョエルがライブで多くのソロを担当しているのに驚いたのですが、それについてはこういう話をジョエルがしていました。

「レブはバンドリーダーだから、僕に「お前の弾くソロはないよ」って言うことも出来る。でもかわりに彼は、僕のギターサウンドの方が合うだろうという曲を僕に任せてくれたんだ。彼は素晴らしいよ」

バンドリーダーとして采配をふるうレブの姿を見るのも今回のライブの見所の1つかも知れません。

本日のセットリスト

01. Burn
02. Fool For Your Lovin'
03. Love Ain't No Stranger
04. The Gypsy
05. Give Me All Your Love
06. You Keep On Moving
07. Ain't No Love In The Heart Of The City
08. Guitar solos
09. Mistreated
10. You Fool No One
11. Drum Solo
12. Soldier Of Fortune
13. Is This Love
14. Stormbringer
15. Here I Go Again
encore
16. Still Of The Night

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レブのツアー機材を本人が解説した動画が公開されました。この白いギターは見かけなかったなぁ。

ライブでジョエルのギターに注目した方も多いのでは?これが彼のツアー用ギターです。ギターのボディにWSメダリオンを入れるというのは彼のアイデア。このギター、どう思いました?

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