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ジョエル・ホークストラ vol.1 「 Lady Double Dealer がWhitesnake オーディションだった」

Whitesnake のジョエル・ホークストラが The Purple Album について、自身のキャリアについて、インタビューに答えました。オーディションの様子、アルバム製作過程なども話しており、ギタリストがどう準備しレコーディングに臨むか、といったことがとても興味深いです。長いインタビューでしたので、2回に分けて掲載します。以下、和訳してみました。

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The Purple Album について話してくれますか?

僕はこのプロジェクトに参加できたことがとにかく光栄だし、とても興奮しているよ。これはかつての名曲をただ再録したものなんかではなくて、僕たち全員のクリエイティビティを結集したものなんだ。デヴィッドは僕ら全員に自分らしくプレイするよう励ましてくれた。彼は新しい絵の具で色付けして「スネイク・アップ」しようって言ったのさ。僕ら皆で出来る限りのアイデアを詰め込んだ作品だから、やっと発売されるのがたまらなく嬉しいよ。

これはあなたにとって Whitesnake デビューであった訳で、Deep Purple の作品に対し、Whitesnake の印を付けるだけでなく、ジョエル・ホークストラの印も付けなくてはならない。スタジオ入りの時にはどれくらい不安に思いましたか?

僕はただプロ・ギター・プレイヤーとして考え、そのアプローチを取ることにしたのが良かった。あれこれ考え悩むような時間がなかったのも良かったよ。実際、僕が参加した時点で基本的なプレ・プロダクションは終わっていたんだ。だから、僕はオリジナルを良く聞き込んで全てをコピーし、基本的には全部を忘れてしまうって作業をやったんだ。

そしてスタジオに入ってただ自分らしくプレイした。僕はできる限り多くのアイデアを用意してデヴィッドが何を気に入るか見たんだ。彼は信じられないほど思いやり深く僕ら全員が自分らしくプレイするよう励ましてくれた。彼がこんなに心の広い人だとは知らなかったよ。

彼は素晴らしいミュージシャンで、アルバム製作の大部分について同じ考えを持っていたんだ。そして、とにかく楽しかったよ。最高だった。僕らは既に存在する曲を再構築した訳だけど、創作のアイデアで溢れていたんだ。オリジナルと全く異なるアレンジが生まれていたし、オリジナルを知らない人たちにも、名曲を聴いてもらえる機会になると思う。オリジナルを知る人たちには新鮮なひねりを聞いてもらえると思うよ。

ギター・プレイヤーとして、キター・キッズに戻った気持ちでレコーディングに狂喜した曲はどれでしょう?

それについては答えないよ。でもそういう風に一番クールだと感じたのは、2つあるんだ。Whitesnake のオーディションに行ったとき、"Lady Double Dealer" のプレ・プロダクションを聞かされて、ソロを弾くよう言われたんだ。これぞWhitesnake のオーディションだ、最高にクールな瞬間だよ。「うわぉ、今こそ、その瞬間だ。よし、何か思いつかなくちゃ!」それでソロをプレイしてからハーモニー・ソロを作ったんだ。これは実際のレコーディングで僕がほぼそのまま再現した。オーディションでプレイしたとおりさ。

もう1つは "Soldier of Fortune" のレコーディングで、僕のアコースティック・ギターとデヴィッドのボーカルをライブで撮ったんだ。ほぼそこで彼が歌ったとおりにレコードに入ってるよ。「うわぉ、何てクールなんだ。こんな有名な曲をデヴィッドとスタジオで演奏してるなんて!」もうとにかく最高の経験さ!

私は The Purple Album を繰り返し聞いていますが、Deep Purple の名曲が Whitesnake のものとなったというだけでなく、プレイヤー全員の個性が生きています。2人のギタリスト、ドラマー、ベーシスト、全員のです。

ありがとう。とても嬉しいよ。言ったとおり、多くのクリエイティブな仕事がなされたんだ。僕の場合、単にリフを覚えるのではなくて、もう既にリフは決まっているのだから、バンドとしてはギター2人で、オリジナルのようにキーボードの比重を多くする必要がないのなら、誰かがこの曲を僕にプレイするよう持ってきて、それがDeep Purple の曲じゃなかったとしたら、Deep Purple という偉大な遺産に怖気づく必要がなければ僕はどうプレイするだろう?それで僕はいくつものパートを考えて、デヴィッドとレブがアイデアを膨らませることができるように渡したんだ。その多くはレコードに採用されたよ。

あなたとレブの仕事はどうだったのでしょう?

僕はTSOではクリス・カフリーと、Night Ranger ではブラッド・ギルスとのツイン・ギターだったから、そういうプレイには馴染んでいるんだ。それに僕は全部ソロが欲しいってタイプじゃない。そんなことは一度もなかったし、これからも決してない。僕はバンドとして良いサウンドに貢献して、皆をハッピーにしたい、そう思ってる。

レブも僕と同じ考えで、レブは僕との共通点が多いと思うんだ。彼も全部ソロが欲しいってタイプじゃない。僕らは結果的にアルバムでのプレイは半々くらいになったと思う。僕にとってはバンドとしてプロジェクトが上手く行くことが大切なんだ。ギター・プレイヤーとしても人間としてもバンドに馴染むってのはそういうことだと思う。「ベストな作品にするために自分が何をすべきか」これを自問自答しながらやっていくのさ。

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レブが前2作のWhitesnake アルバムであまり(というか殆ど)演奏していないことから考えると、驚くほどジョエルのプレイやアイデアが採用されているThe Purple Album を聞いてにわかに信じがたいものがありました。

ジョエルはラッキーよ~、こんなに弾けて。ツイン・ギター・ハーモニーのパートも予想以上に多かったです。これは2人のアイデアや得意なプレイがデヴィカバ様に受け入れられたってことなんでしょうね。当然ながらWSサウンド全体がギター・サウンドで変わりました。各曲のギター・ソロのクレジットがされているので、2人のギタリストのプレイを聞き分けると楽しいです。

レブのソロ・パートでは彼らしいフレーズが数多く聞けて、また彼がコーラスだけでなくデヴィカバ様とのツインボーカルを聞かせる場面も多く、感慨深いです。ライブではミケーレという強力ボーカルもいるので、どんなことになるのかワクワクします。