明けましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いします。今年最初の投稿は、最近増えているライブでのミート アンド グリートについて。
大好きなバンドだと、彼らに会いたいという想いが勝って高額でもVIPチケットを買ったという方は多いのでは。私も金額的には限度はありますが、納得できる価格のものであれば買って参加してきました。
海外で今や一般的となった有料ミート アンド グリートについて、デヴィン・タウンゼントがラジオインタビューで語ったという内容がこちらに要約されており、他のアーティストの意見も合わせて掲載されていました。とても興味深い内容でしたので、概要の1部をまとめて和訳してみました。皆さんはどう思われますか?
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今日では有料のミート アンド グリートはライブツアーの必需品となっており、生き残るための必要悪だとみなすアーティストもいる。一方でミーグリは裕福なファンを貧しいファンより優遇することだと異議を唱えるアーティストもいる。
同時にバンドがミーグリを有料でやるのは全くの搾取だと考える人たちもいる。なぜなら通常バンドは若い熱心なファンがお気に入りのバンドに会うためなら幾らでも払うことを知っており、子供達は時に親の金で高額な料金を払っているからだ。
デヴィン・タウンゼント
俺は有料のミーグリについては2つの相反する考えがあって、やりきれない思いなんだ。
音楽業界でやっていくのは本当に大変だ。やっていくためだけでも月に4,000ドル必要だ。一年中ツアーをするって訳じゃないから、俺は月4,000ドルの手当てを考えなくちゃならない。そしてツアーに出るとこれがまた金がかかる。バンクーバーから安い席のアエチケットでも1人につき1,000ドルはかかる。
多くの場合、ファンは俺たちがただミーグリをやるだけで稼いでるってからかうけど、これをやらないと俺たちは立ち行かないんだよ。ミーグリをやってツアーの最後に俺たちがボーナスをもらうっていうのとは違うんだ。
一方で、バンドをやっているとオーディエンスの発するエネルギーにとても敏感になる。俺もそうだ。ミーグリはそれを奪っちまうんだよ。人に会うのが嫌いだってことじゃない。きちんとミーグリをやろうとするってことは、しっかりその場に集中してファンと会話するようにしなくちゃいけない。そして時には大げさな褒め言葉や批判を受け入れなくちゃいけない。それに感情的な回復力も必要なんだ。
つまり、ファンはその瞬間の為に金を払っているんだ、だからきちんとそれに応えなくちゃいけない。それってツアー中にはとてもキツイことなんだ。ミーグリなんてそもそもバカバカしいと思うなら、そんなこと考えもしないだろうけど。
バンドによっては「(ミーグリなんて)くだらねぇ、バーで声を掛けてくれ」って感じだろうけど、俺はバーには行かないし、もしバーにいたとしても声を掛けて欲しくない。俺は友達とすごすためにいるんだから。
俺たちのVIPパッケージについては最善を尽くしている。それでもそれについて批判的な人ってのはいるもんさ。
デイヴ・メニケッティ(Y&T)
ミーグリを有料にするバンドや特別なタイプのミーグリを有料にするバンドがあるけれど、俺は有料のミーグリはしたくない。そんなのはファンからむさぼる行為だ。暴利をむさぼろうとする行き過ぎた行為だよ。俺はそういうのは好きじゃない。
俺にとってファンは宝だ。彼らがいるから俺たちがやっていけるんだ。音楽を愛する人たちなんだよ。
なぜファンに会うのに金を取らなくちゃならない?俺にとってはそんなの考えられないし、あまりに日和見主義だ。ファンはチケットを買って、俺たちのライブを見に来てくれるんだ。そのお陰で俺たちはバンドをやっていられるんだ。Tシャツを買ってくれるのはいい、でも俺に会うために金を払うのはよしてくれ。
むしろ俺の方がファンに払う側なんだよ。俺はファンと喜んで握手するし、写真も撮るし、彼らの話も聞く。嬉しいっていう以上なんだよ。俺たちはこれでファンとの繋がりを感じて、いい気持ちになれるんだ。
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アーティストの性格や収入等にも左右される見解だと思いますが、根底にあるのは音楽で稼げない時代背景なのでしょうね・・・