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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ジェフ・スコット・ソート 「彼は究極の子供の心を持った大人で、最高のミュージシャン、そして友人だった」

7月14日、ツアー移動中に高速道路を走行していた Adrenaline Mob のメンバー及びクルーを乗せた車が事故に遭い、1名死亡、6名が病院に運ばれるという痛ましい事故がありました。死亡が確認されたのはバンドのベーシスト、David Z で、ラッセル・アレン(Vo)、マイク・オーランド(G)、ジョーダン・カナタ(D)は軽症でしたが、バンドのツアー・マネージャーが依然重症、ドライバーやサウンドエンジニアも負傷のようです。デヴィッドのご冥福と負傷者の方々の回復をお祈りします。

あまりにも突然で辛いニュースにデヴィッドと親交のあった多くのアーティストがコメントを出していますが、彼の在籍するもう1つのバンド、SOTO のジェフ・スコット・ソートFB長文には涙しました。以下に和訳を掲載します。

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Img_2387ああ、まただ。とてつもない感情の重荷を胸から下ろすために、俺はブログを書いている。自分のこととなると、どう別れを言えばいいのか分からない。人間関係というのはそれぞれ違うのだから、喪失の感情なんて知る由もないんだ。単純なものもあれば、込み入ったものもある、けれどその痛みは同じだ。

俺はデヴィッドと2007年に会ったのだが、よく覚えていない。彼は兄のポールとZO2というバンドをやっていた。俺はアメリカでソロ公演をやって、今後の(米国)活動の見込みをテストしていた。ロードアイランドでのライブでZO2は俺たちのサポートバンドだった。

彼らのライブを見て「何か」を感じたが、それは後日、彼らが自分のTVショウを始めたときにさらに強く感じたし、2009年(11月)にTSOのリハーサルで彼に再会してさらに強く確信した。

俺たちは直ぐに打ち解けて、彼の兄ポールも含め、よく出かけるようになった。ユーモア、子供っぽい行動や皮肉なんかが俺と相性ぴったりだったのさ。多分、同じブルックリン出身だったからだろう。

デヴィッドが上手いベースプレイヤーでチャレンジを厭わないってことは知っていたから、俺は彼を試すことにした。Talisman の "Tears In The Sky" の間奏部から当時亡くなって間もなかった俺のブラザー、マルセル・ヤコブ(2009年7月21日死亡)のプレイを聞かせたのさ、デヴィッドはこれを弾くのに要するスキルの高さに興奮すると分かっていたから。

彼はとても気に入って、この曲を覚えて弾くと言ったんだ。
「いいさ、でもマルセルはこの曲のスピードと滑らかさを出すためにピックを使っていた。デヴィッドは指弾きだもんな」と俺は心の中で思って、がんばれよと見送ったのさ。

ところが、翌日のリハーサルの合間に彼は俺を脇に連れて行って、あの曲を弾いたのさ!一音も間違えず、しかも指弾きで!

この時に俺は近いうちに彼を俺の音楽の道に引き込まなくてはと思った。その機会は2012年にやってきた。俺は2013年の初頭に欧州でのツアー予定があったのだが、当時のベーシストには他の仕事があった。

俺が彼に打診すると彼は1つ返事で応じた。彼はただプレイするのに興奮していて、金や名声のためじゃない。ZO2が解散して、彼はTSOや Rubix Kube (80's トリビュートバンド)に加える活動がしたかったのさ。

デヴィッドは俺のバンドに加入した初日から馴染んでいた。彼に会った人は誰もが彼を大好きになった。彼は音楽でもプライベートでも俺の失っていた絆になった。それは俺自身の兄弟としか経験のないものだった。

俺が共にプレイしてきた素晴らしいミュージシャンは多くが外国人だったから、彼らとは子供の頃の生活の話やポップカルチャーを共有できなかった。でも遂にデヴィッドとはそれができたんだ。俺たちは同じシリアルを食べて成長したし、Captain Caveman (アニメ番組)も見てた!

俺がJSSバンドを発展させSOTOを作ったとき、デヴィッドが参加したいと言ってくれて興奮したよ。これで彼は俺と共にバンドとして創作活動ができるんだ。彼はZO2の解散からそれに飢えていたんだから。

デヴィッドはハッピーでポジティブな奴で自分の手で周りの人たちをいつも笑わせようとしていた。ベースプレイヤーとしては、俺が共にプレイしてきた中でも抜群の腕があり、この業界で「偉大」と称されるプレイヤーと並ぶほどの腕前だった。

彼は歌えて、踊れて、作曲でき、映像監督もできた。俺たちのツアーで作ったパロディビデオは彼の作品だ。彼と知合ったこの地球上の人間は1人残らず彼を好きになり、誰も彼の悪口を言うことはなかった。彼は究極の子供の心を持った大人で、最高のミュージシャン、そして友人だった。

彼は人と、またファンとの会話を楽しむ奴だった。ミート&グリート、人との交流が好きだったんだ。彼はどんな人にも大切にされているといつも思わせたし、いつも満面の笑顔をしていた。彼は最悪で不便な状況に見舞われても決して不平を言わなかったし、常に人生の良い面を見ていた。

いつだってカッコよさを犠牲にして笑いをとる奴で、いつどんな状況でも1000%の全力を注いだ。Noとは決して言わないんだ。あらゆる意味において、自分という作品を大切にする奴だった。俺の知る限り、真にかけがえの無い人物だ。SOTOでデヴィッドの後任になる者が誰であれ、(ハードルは高い)幸運を祈る。

Adorenaline Mob に誘われた時、彼は電話してきて、俺が反対しないことを願っていた。俺の反応は真逆で、大喜びだったんだ。俺はあのバンドが大好きだし、デイヴが俺たちにとってと同様に彼らにとっても重要になると思った。彼が加入して彼らは次の次元に進化した。

結局のところ、俺は再び親しい者を亡くしたようだ。このリストは実のところ、とても短いものだ。俺の人生でかけがえの無い人、彼と過ごした時間、共にパフォーマンスした時間の思い出は俺の人生の思い出の中でも突出している。

俺たちが過ごした素晴らしい時間、山ほどの笑い、共にやったクレイジーなショウの数々…マルセルの命日のたった1週間前に、俺のキャリアを共にすごした2人の最も素晴らしいミュージシャンが俺の人生、そしてキャリアからいなくなってしまった。

今夜、そして暫くはお前のために泣くだろう。そうしたら俺はお前の人生を称えよう。デヴィッド Z、愛している。お前は俺の友人で、俺のベーシストで、俺の兄弟だ。どうぞ安らかに。

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David Z の思い出  --Green

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私は幸運にもデヴィッドを昨年と今年2月のMORCで見ることができました。

彼を初めて見たのは、SOTOのライブ。クールなベースライン、6弦ベースでのタッピングプレイ、ステージプレゼンスに目を奪われ、一目で私の要チェック ミュージシャンのリスト入りしたのです。

彼はTSOでジョエル・ホークストラのバンドメイトでもあったので、昨年も今年もジョエルのアコースティック ライブにゲスト出演していました。今年のMORCでは、ジョエルのJH13初ライブでもベーシストを務めていました。(これらのライブレポートは過去記事をご参照ください。2016年SOTO2017年SOTO2017年JH13)

昨年のSOTOライブ終演後、アルバムにサインをもらい、写真を撮り、SOTOで日本へ来て!と伝えると「日本ではまだHR/HMミュージックが人気あるんだってね、行きたいな!」と飛び切りの笑顔で応えてくれました。

その後 Gus G ライブを見終わったSOTOメンバーに遭遇し、再びデヴィッドに写真をお願いしようとした時のこと。デヴィッドの手が空くのを待っていたら、酔っているのか、勢いのいいおば様が横から彼と写真を撮ろうとしたのです。

「いや、ちょっと待って。彼女が待っていたんだから彼女が先だよ」と彼は優しく冷静に順序を正そうとしたのです。私はおば様の勢いに押されてしまったので、構わないと言って彼女を先にしてもらいました。そんな私をとても気遣ってくれた彼の優しさが今でも思い出されます。ちょうどジョエルが横にいたので3人一緒に撮った写真の彼の笑顔ときたら!

今年のSOTOライブではステージも大きくなり、ますますデヴィッドのパフォーマンスにも磨きがかかっていました。ジョエルのアコースティックライブに彼がゲスト登場した時には、自然にジョエルとTSOの話題になり、今年冬のTSOツアーで Christmas Jazz をやろうと2人が笑いあっていたのが悲しく思い出されます。

Joel Hoekstra's 13 でもデヴィッドはベースとコーラスで大活躍。彼と終演後に遭遇したので、一緒にいたSOTOメンバーのBJ(key/G/Vo)とエドゥ(D)と一緒に写真を撮りました。「僕、日本に行くんだ」と言っていたデヴィッド。詳細を聞く時間がなかったのですが、3月末ごろにチャリティ活動とプライベートを兼ねて初来日を果たしたようでした。

SOTOで彼が果たしていた音楽面とパフォーマンス面での役割は大きく、ジェフが言うとおり、後任は大きな穴を埋めなくてはならないでしょう。

ステージで光る才能を見せてくれたデヴィッド。TSOの彼も、Adrenaline Mob の彼も見たいと思っていたのに、あまりに早すぎる。もう一度ライブで会いたかった。安らかに、David Z 。

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