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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Generation Axe @ Palace Theatre Albany NY 2018.11.29 ギター祭り4時間の驚演(後編)

先週に続いて Generation Axe のライブレポです。ザックの後にヴァイ先生が登場したところから。

Ga2018v_3Marshall の壁に取り付けられた赤いカンテラが光り、サイレンが鳴り響く中、登場したヴァイ先生。さっきザック&ヌーノと弾いたときと同じブルーのシャツ、同じ色合いのプリントシャツ姿でギターは指板のLEDを青く点灯させたBOです。

挨拶代わりに地を這うようなギターの唸り声を会場中に轟かせ、会場を見渡すヴァイ先生。キターーーーー!あー、カッコイイったら。"There's A Fire In The House" は Fire Garden ツアー以来久しぶりのライブ演奏で、私が生で聴くのは初。

速弾きに加えて、先生らしいフレージング、絶妙な外し方、アーム使い、さらに顔で弾くとはこのこと!という百面相も加わって、ギター自体も生きているんじゃないかと思えてくる。去年の4月に Generation Axe を観てから19ヶ月、あぁ、これが観たかった、聴きたかった!(感涙)

2曲目は "The Animal"。ヴァイ・バンドとのパフォーマンスでは冒頭にデイヴとのジャムがありますが、今日はドラムビートからさくっと本編にイン。"Dark Matter" のMVで被っていたグレーのシルクハットを被って独自のステップも見せてくれます。ギターは多分EVO。

3曲目は前回の日本公演でやってくれなくて涙をのんだ "For The Love Of God"。2年9ヶ月ぶりにやっと聴けた。帽子を脱いでギターをFLOⅢに持ち替えた先生があのメロディを弾き始めると、会場内は拍手と歓喜の声に包まれました。(感涙)今回のツアー、初めの頃はここで "Whispering A Prayer" をプレイしていたようですが、北米でより人気の高い "For The Love Of God" に変更したのかも。

曲の最後の恒例インプロ・セクション。今回はこの曲で初めて聴くエフェクト使いの奏法がありました。動画参照)Real Illusions: Reflections 収録の "Yai Yai" を思わせるエフェクト使い!今このエフェクトがお気に入りなんだろうか?

「皆楽しんでるか?私たちもだよ。よし、お楽しみに移ろう。ヌーノ、ザック、トシン、どこだ?出てこい」

舞台袖から再びザック、ヌーノ、トシンが登場。4人が揃って始まったのはギターの雄たけび大合唱に続き "Frankenstein"。前回のツアーでも聴きましたが、ソロまわしがたっぷりで楽しいジャムアレンジです。ヴァイ先生がヌーノと二人羽織でソロを弾いてる!(ヴァイ先生がヌーノの後ろに回って弾く) ヌーノがパーカッションで楽しませてくれるパートも存続。ラストに全員が集まって互いの指板を触り合ったりして楽しくエンド。(トニー・マカパインビリー・シーンがヴァイ・バンドにいた頃にやってたアレが始まるのかと期待してドキドキしましたw)

Ga_yjm「皆に1つ質問がある。イングヴェイって誰だ?(オーディエンスと一緒に)イングヴェイ・Fッキング・マルムスティーン!」

ヴァイ先生の声に応え全員でイングヴェイの名前をコールすると、満を持しての貴族登場です。ステージを覆う大量のスモーク、赤いライトの中、冒頭からこれでもかと光速プレイに足蹴りでピックを撒く!日本公演ではサウンドトラブルもあって、ご機嫌斜めだったイングヴェイのプレイに対して良い印象は無いのですが、今夜は違いました。キレッキレ!

トラブル無し、音は良いし、オーディエンスも盛り上がっている。キーボーディストとのコンビも良し、ギターテクの失敗も無し。ご機嫌なイングヴェイはモニターを超えてステージ最先端までやってきては、オーディエンスを楽しませています。客席を隔てる手すりも無いため、最前列のオーディエンスはステージに手をついて間近でイングヴェイのプレイを眺めることができます。最前列は日本円で5万円くらい(ミーグリ含む)だったけど、その価値があるのかも。

途中、米国国歌を弾いちゃうシーンもあって、オーディエンスが更にヒートアップ。野球の開会式で弾くビデオは観たことあるけど、生で聴けて嬉しい!終盤ではお約束のギター破壊もステージ先端で披露。ギター背面投げでは、ギターテクさんナイスキャッチ。日本ではイングヴェイの逆鱗に触れてたあのギターテクさん、"Yngwie Who" ってTシャツ姿で、まだ解雇されずに頑張っていました。

前半で劇場内温度を上げたのはザックでしたが、後半では見事なショウマンぶりを発揮したイングヴェイが場内をアツくしていました。実は凄いんじゃん!

クラシックギターによる速弾きと美旋律を奏でた後は、"Black Star" の前奏と共に、ヴァイ先生がJAVAを抱えて再登場。またこれが聴ける~!(感涙)この2人が寄り添ってメイン・フレーズをハモるシーンは鳥肌が立つね!ロングトーン対決は面白いし、ぐっとボリュームを落としての呼応シーンもまた美しい。それぞれがソロを取るパートはもちろんゾクゾクするほど刺激的で、ギターシュレッドの頂点を目撃するとはこのこと。

「80年代、イングヴェイがシーンに登場した時、私たちは衝撃を受けた。彼は私たち全員に対し、高い競争の基準を設定したんだ。ありがとう、イングヴェイ!」

そう語るヴァイ先生とがっつり肩を組むイングヴェイ、ヴァイ先生のことマイ・ブラザーって呼んでたよ。

「サプライズの用意はいいかい?ザック、ヌーノ、トシン出てこい!」

再びステージに勢ぞろいした5人がヴァイ先生の合図で始めたのは、"Bohemian Rhapsody"!これは2016年のMORC乗船中のヴァイ先生が Generation Axe のために船室でアレンジを始めたもので、「ぜひ演奏したいが、リハーサルする時間が十分に取れない」との理由で今までお蔵に入っていたもの。フレディ・マーキュリーの命日である11月24日に Generation Axe で初演され、それ以降はセットリストに入っている模様です。

うおー、これが聴けるとは感激!(涙)ここで更に幸運が!私の前列の男性は身長190オーバーだったため、ここまで人の隙間からステージを観ていたのです。通路には怖そうなセキュリティのおじさんが陣取り、スマホを構えて通路をステージに向かってくる輩を厳しく押し戻してくれていたのですが(彼の仕事が無かったら、通路は完全にカオスになっていました)、ライブ終盤だからか、おじさんが私を手招きして通路上の最前列へ立たせてくれました!ありがとう!(嬉し涙)

5本のギターが静かに合奏する "Bohemian Rhapsody" のイントロ、完璧なアレンジが美しいギターハーモニーを生んでいます!フレディの歌パートを弾いたのは、Queen の大ファンでもあるヌーノ。次は歌パートをヴァイ先生が。ブライアンのギターパートはヴァイ先生とイングヴェイのハモリで、オペラパートの歌パートはヌーノが。合唱パートで5本のギターが厚いコーラスを聴かせ、ラストのロックパートへなだれ込む!最後のフレディ歌パートをヴァイ先生とイングヴェイが分け合いつつ、美しいエンディングへ。イングヴェイがいい笑顔してヴァイ先生に寄り添ってる。演奏を終えてお互いを労う5人の姿に、この演奏がとてもチャレンジングだったことが伺えます。素晴らしい名曲のギターアレンジと演奏にオーディエンスが惜しみない拍手を贈ります!

「もう1曲行こう!イングヴェイ!」

ヴァイ先生の掛け声で、"Burn" のイントロが始まり、イングヴェイがマイクを取ります。ヴァース、コーラス、ソロと進んでからは各自のソロタイムに。(そしてこの時間帯はイングヴェイ一旦退く)トシンの番になるとトシンを皆で囲んでサムピング・プレイを観察するシーンがあって、皆の楽しんでいる雰囲気が笑顔を誘います。イングヴェイがソロを弾きながら戻ると曲へ復帰。終盤ではザック、ヴァイ先生、イングヴェイが入れ替わりにステージ先端まで来てソロを弾き、熱狂したオーディエンスに応えます。ラストのギターハーモニーをキメてフィナーレとなりました。

午後8時の開演からこの時点で午後11時50分程、凄すぎる、ほぼ4時間のノンストップ・ギターショウ!オーディエンスの拍手や「サンキュー!」の叫びが劇場内一杯になっていました。凄かった!日本で観た Generation Axe から更に強力パワーアップ!"Bohemian Rhapsody" 凄すぎた!

「俺のインスタグラム用に写真撮るよ~!」

ヌーノが声を掛け、スマホで客席をパノラマ撮影していました。ありがとうヴァイ先生、こんなに凄いライブを体験できて幸せです。生涯忘れません。

なお、この4時間のギター祭りを通してバックバンドを務めたのはドラマーがJP・ブーヴェット、ベーシストがピート・グリフィン、キーボーディストがニック・マリノビッチでした。ピートさんは昨年の Generation Axe 日本公演でも、今年のトニー・マカパイン & ヴィニー・ムーアの日本公演でも来日しましたね!ニックさんは現在イングヴェイ・バンドで弾いているそうです。

ライブではバックバンド全員にしっかりとスポットライトが当たる時間があり、その辺りもこのツアー全体のクオリティに貢献していたと思います。

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本日のセットリスト(先週の続き)

Steve
13. There's A Fire In The House
14. The Animal
15. For The Love Of God
16. Frankenstein  (w/all artist exc Yngwie The Edgar Winter Group cover)
Yngwie
17. Big E
18. Top Down, Foot Down - No Rest For The Wicked
19. Valhalla - Baroque & Roll
20. 1,000 cuts / Arpeggios From Hell
21. Badiniere Doube B
22. Paganini's 4th/Adagio
23. Far Beyond The Sun
24. Trilogy / Fugue / Echo
25. Acoustic
26. Black Star (w/Steve)
finale
27. Bohemian Rhapsody (w/all artist Queen cover)
28. Burn (w/all artist Deep Purple cover)