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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Generation Axe @ Zepp Nagoya 2019.11.28 帰ってきたギターの狂宴

2017年4月の日本初上陸からまさか2年半余りで Generation Axe が帰ってきてくれるとは、誰が想像したでしょうか!?このツアーは2016年の北米ツアーから始まり、2017年にアジアツアー、2018年に再度北米ツアーだったので、欧州と南米のファンは熱烈に待っていたと思うのですが、まさかのアジアツアーが再度実現しました。今回は、ソウル1回、日本では福岡、大阪、名古屋、東京の4都市、上海1回です。


私は大阪公演と名古屋公演に参加してきました。どちらもヴァイ先生の面前で神々のギター祭りを堪能してきました。今回の内容は2018年の北米ツアーに準じたものでしたので、本投稿では印象に残ったことを項目別に記録に残すにとどめました。

セトリやライブの詳細は、2018年の Generation Axe 北米ツアーライブレポを是非ご一読ください。

staytogether.hateblo.jp

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2017年の日本ツアーは公演時間3時間程でしたが、今回は3時間半弱。北米公演は4時間やっていましたが、日本の会場ではそれは難しいでしょうから、短縮するだろうとは思っていましたが、意外に長くやってくれました!


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オープニング
開演時刻の午後7時きっちり、もしくはフライングぎみにライブが始まるのですが、名古屋では面白いことが。ステージ両サイドでスタンバイするギターグレイツたちが確認の音出しを軽くするのですが、それが次第にリックの掛け合いになっていました。それぞれ個性的なギタリストたちだから姿が見えなくても音で誰かわかるのが刺激的で、そんな短い時間も楽しかった。そういう遊びにノリノリだったのはヌーノとヴァイ先生です。


オープニングで5人が揃う "Hocus Pocus" はリフのハーモニーも厚くて、各自のソロ部の激しさ、カッコよさとオーケストレイション部分の揃った美しさを楽しめて、最初からオーディエンスを期待度MAXにさせます。

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トシン・アバシ
アンプヘッドとキャビネット1台の恐ろしくシンプルなトシンのギアが、後方でフロアを占領している Marshall の壁と対照的でした。北米では稼動型に組んだアンプ、ラック、キャビネットが2セットあったのだけど、日本では潔い程のシンプルさ。


セットリストは北米時と変更なし。ヌーノとの"Physical Eduation"では珍しくステージ中央付近に出てきて、楽しそうな姿が見れました。このときに使用したギターが驚愕の外見だったので、ぜひ Young Guitar 誌辺りに解説していただきたい。


ヌーノ・ベッテンコート
Generation Axe メンバーでトークがあるのは彼くらいなのですが、北米時と同じネタで量を減らしていましたので、詳しくは昨年のライブレポを参照ください。セトリも同じです。それでもオーディエンスと話しながらクールなギターで魅了し、バンドとの掛け合いもあり、一級のエンターテイナーだなぁと。


名古屋では、2曲弾いて暑くなったヌーノがベストを脱いでスタッフに渡そうとしたところで、袖にいたザックが受け取りに走るなど笑いのシーンがあり、「俺のワードローブ係、ザック・ワイルドと紹介していました。(笑)

バンド紹介の後には「彼らはギャラの割りに大変な仕事してるからな」と3時間超のライブでずっと演奏し続けるバンドを労っていました。

ザックとの"Sideways"でのヌーノのボーカルにはシビれました。ザックボイスとのハーモニーも美しい。この曲はこのショウ全体で実に良いアクセントになっていると思います。


ザック・ワイルド
名古屋では1曲目にジミヘンの "Purple Haze" がきて、ザックが大阪とはセトリを変えてきたのがわかりました。前日の28日にジミヘンの誕生日祝いツイートをザックがしていたので、これはザックのお祝いかも。


ひとしきりステージで弾くとザックは客席に向かうので、いってらっしゃい!と見送って後ろを眺めるのですが、スタンディングの会場ではホール後方にザックが現れても姿は見えず。スポットライトの先にいるらしいとだけ。


今回のザックは客席に降りる時間とステージ演奏の時間が半々くらいあって、意外にステージに長居してくれました。2階席に現れると姿も見えるし、周りのオーディエンスの熱狂ぶりも見えるので楽しかった。これだけ歩き回って背面弾きしても一音一音の安定感と力強さ、途切れなさには毎回感銘を受けます。また脚台に乗るザックのデカさと迫力よ。


そしてお楽しみの "Still Got The Blues" ! 袖でスタンバイしているハズのヌーノの登場が少々遅く、名古屋では客席への移動シーンからヌーノが参加。やはり2人の姿は全く見えず、PAから登場するヴァイ先生の姿も見えずでした。それでもギターの音に耳を澄ませば、誰が弾いているかよく分かるので、この熱い共演を楽しみました。メインリフを奏でる3本のギターサウンドの美しいことといったら!


スティーブ・ヴァイ
ヴァイ先生の使用ギターは曲毎に次のとおりでした。日本初登場の新作 Hills をもっと見たかったのですが、"Still Got The Blues" だけでの使用で、しかもステージで弾いてくれる時間が短くよく見えなかった。こうして見ると実戦器としてはJAVAとFLOⅢの時代になったのかも。

 

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Hocus Pocus = JAVA

Still Got The Blues = Hills

There's A Fire In The House = BO

The Animal = EVO

Tender Surrender = FLOⅢ

For The Love Of God = FLOⅢ

Black Star = JAVA

Frankenstein = FLOⅢ

Bohemian Rhapsody = FLOⅢ

Burn = JAVA


ヴァイ先生のアンプが Synergy に変わってからは初来日なので、ギアの詳細は YG誌辺りが後日特集してくれると思いますが、Synergy のラック上に Legacy Drive がありました。キャビネットはMESA。とりあえず Marshall 以外をご要望で選択肢の中から選んだのでしょうか。


"There's A Fire In The House" は "Fire Garden" ツアー以来の演奏になるので、感激したファンも多かったのでは。イントロのサイレンに合わせて多数のカンテラが回って光る演出!カンテラは北米ツアー時よりも大量に増えていました。聴いていてBOのトーンに若干の違和感を覚えたのですが、私だけでしょうか。ギターを換えたら違和感はなくなりました。


"The Animal" では余裕のエンターテイナーぶりを魅せてくれた先生。しかし私は聴き逃しませんでした。後半リードプレイからリフプレイに戻るとき、エフェクトペダル踏み忘れてました。すぐペダル踏んでましたが、先生でもそういうのあるんですね。先生も人間だった。(ほっ)


3曲目に大阪では "Tender Surrender" 、名古屋では "For The Love Of God" が聴けたので私の両日参加は幸運でした。

"Tender Surrender" ではお約束となったギター交換時、ギターテクのトーマスいじめ(なかなかギターを換えさせない)が観れるし、曲終盤ではギターでのオーディエンスとのコール&レスポンスがあるのです。先生のギターコールに応えるのって大切なヴァイライブのお楽しみ。

そしてやはりヴァイ先生の代表曲 "For The Love Of God" を生で聴けるのは至福です。しかも今回はザックの脚台に上っても弾いてる!おお!


ステージ衣装に凝るヴァイ先生、今回の衣裳も素敵でした。オープニングでは黒のロングコート(ディテールのデザインがカッコイイ!)に黒の革パンツにサングラス姿はロックギター界の帝王の御姿そのままです。(感激)
黒地に花柄のシャツにベスト、黒いパンツは日替わりでシンプルなものと、右サイドにツリーオブライフのフレットボード(何故か4弦)のデザインが入り、裾のファスナーを開くとVAIロゴが現れる特注パンツがありました。更にシューズはシャツとお揃いの花柄生地でした。何とオシャレな!これは先生しか似合いません。

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それにしてもヴァイ先生のセットは短い。2017年ツアー時でも短いと感じたのに、曲数が4曲から3曲に減っている。ああ、単独公演が観たいよ~。(涙)


イングヴェイ・マルムスティーン
前回の日本ツアーでとんでもなく機嫌が悪かった王者ですが、今回は全く違う姿を見せてくれました。名古屋で少しギターテクさんに苛立つ箇所や、照明さんに怒りを表すシーンがあったものの、全体的にはご機嫌麗しかったので別人のようでした。ピックの多数撒きぶりに1曲目のイントロ中からギターテクさんが追いピックに走ってくるのには思わず笑ってしまった。


スウィープの大洪水とピックの足蹴り技を振りまきつつ、イングヴェイはステージの左へ右へと動いてオーディエンスを煽り、ショウマンぶりを見せつけてくれました。まさか笑顔で目を合わせてもらっても困るんだけど。(汗)


そして待望の "Black Star" が始まり、ヴァイ先生がステージに戻ってきました!この曲はライブアルバムにも収録され、何度も愛聴していますが、やはり生の音はいい!2人のハモリの美しいことよ。これは何度でも観て聴きたい。熱演を終えた2人が互いを称え合います。以下ヴァイ先生のお言葉。


「私が初めて "Black Star" を聴いたとき、これまでで最も美しいギターインストゥルメンタル・メロディであり、演奏だと思ったことを覚えているよ。イングヴェイありがとう」


フィナーレ
"Frankenstein" でトシン、ヌーノ、ザックがイングヴェイと入れ替わりで戻りました。このときの4人は本当に楽しそうで、ヌーノがヴァイ先生のアームで遊んだり、2人でギター版2人羽織をやってくれたり。ヌーノのパーカッションも定番になっていました。

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"Bohemian Rhapsody" は今回ツアーの目玉。5本のギターで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。北米ツアー時よりも安定感が増していたように思います。正に圧巻のパフォーマンス。この曲は記憶に焼き付けたくて、写真も撮らず集中して聴きました。誰がどこを弾いているのか、全部知りたいので、5本分のTAB譜をYG誌あたりに掲載して欲しいなぁ。


シメはイングヴェイのボーカルで"Burn" 。イントロはアレンジしたパートを付けて。曲半ばのソロ回しではイングヴェイが一旦退くのは前回同様です。ソロ回しで各ギタリストの個性をたっぷり楽しめるのがこのライブのいいところ。イングヴェイがピック蹴りをしたところ、それがヌーノを直撃。ヌーノがイングヴェイにピックを投げて逆襲するも、狙いを外す。この騒ぎに便乗したヴァイ先生がピック蹴りをやってみるも失敗してほとんど飛ばず、というお腹抱えて笑えるコントがステージで繰り広げられました。なんと楽しい大団円。ギターって最高!