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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

Trans Siberian Orchestra (East) @ Union Center Albany NY 2018.11.28 光と音のスペクタクルなクリスマス・ショウ!

1993年にバンドが結成されてから25年にもなるそうで、アメリカではクリスマスの季節は家族で観に行くような恒例行事化しているコンサートに初めて行ってきました。

普通のロックコンサートとの違いや特徴を挙げてみると

・同じバンド名で西チームと東チームがあり、アメリカ大陸を東西の担当に分けて11月から12月の2ヵ月間強烈なスケジュールでツアーしている。
・シンガーが男女合わせて10人ほどいる
・ミュージシャンは固定のバンドメンバーに加え、公演する地域のストリングスを中心としたクラシックのミュージシャンを7名程雇用する
・前座はない
・会場はアリーナ
・本編は物語仕立てになっており、ストーリー・テラーが登場する(牧師さん風)
・第二部があり、そちらはミュージシャンのみで人気曲を演奏
・映像、ライト、パイロ、花火、リフトを使った派手な舞台演出
・チケット代金のうち、1枚につき1ドルが公演地のチャリティ活動に寄付される

となります。ライブの主役はミュージシャンというよりも、この舞台演出なのです。テーマパークのアトラクションやシルク・ド・ソレイユのショウをイメージしてもらうと近いです。

Tso1観客層は年齢層広くファミリー中心だろうと思っていたのですが、想像よりも子供が少なかったです。中高年とその家族で来るケースが多いみたい。アリーナ公演でこれだけの人を金属探知機に通して場内に入れるのは大変だろうと思っていたのですが、割とあっさりチェックも進み、会場に入れました。

ほぼ定刻にステージの幕が開き、エレキピアノの演奏とスクリーンに映し出される映像と整列したシンガーたちの合唱が静かに厳粛な雰囲気で始まりました。

そしてミュージシャンの登場がド派手。天井から吊り下げられた小型の足場に乗って、ギター、エレクトリック・バイオリン、ベースが演奏しながら登場。ステージ上にいたドラム、キーボード2人、ギターに合流しました。楽器隊は基本はこの構成で、シンガーの中の2人が時折ギターで参加していました。

プロダクションに大金が掛かっているとこんなにゴージャスなステージになるのね!アリーナのライブなんてほんの数回しか体験したことないけど、大スターなしでこれ程大がかりで派手な演出ができるとは。ビッグスクリーンの映像はとても手が込んでいるし、舞台照明にレーザー光線がまばゆいばかり。音響も良く、各楽器の音がクリアに聴こえました。

それにしても普段はメタルなライブ衣装のロッカーたちがお揃いの黒いジャケット姿なのは興味深い。制服風ですが、少しずつ自分らしくアクセサリー等で着崩しているのね。女性シンガーはお揃いのノースリーブ・ワンピース姿でした。

そして遂にラッセル・アレン登場!パワフルな歌声は健在で、元気そうな姿が見れて嬉しい。ギターパートはクリス・カフリーとジョエル・ホークストラが分け合っていますが、2人でハモっての弾きまくりなパートもあります。

私はステージ上手の通路側の席だったのですが、曲間にクリスが会場後方へ猛烈ダッシュをかけていて何事かと思ったら、アリーナ後方に設置してある舞台装置があったのです。2人が別々のリフトに乗るとスモークが焚かれる中10mくらい上昇しつつ演奏するという見せ場。しかも2台のリフトの間にはTSOのロゴマークがあって、燃え盛っています。凄いなぁ、シルク・ド・ソレイユのショウみたい。

女性シンガーもそれぞれソロの見せ場があります。彼女たちは恐ろしく歌が上手く、そしてパワフルな声の持ち主。著名アーティストのバックボーカルを務めている方だったりするようですが、これほどの才能の持ち主でしかも若くて美しい人が何人も。アメリカのショウビジネスの競争レベルの高さと厳しさを垣間見たような気がします。

でもショウを観ていて気になったことが一つ。男性シンガーは20代から40代くらいの幅があり、それぞれが個性的な風貌のロック・シンガーなのですが、女性シンガーは20代から30代くらいで、全員が若く美しくてスタイルも良く、髪はロングヘア。男性シンガーは歌だけを求められているのに対して、女性シンガーは歌だけではなく時にはダンスも求められている。まー、才能があるから発揮して頂こうということかな。

演奏の途中でジョエルが通路に降りてきてギターを弾きながら歩くシーンがありました。お、こっちの通路を歩いてくるじゃない!スマホで写真を撮ろうとしていたら気付いて止まってくれ、ここはセルフィー撮るんだよ!と促されました。こんなサービスも通路のあちこちでしてくれるんだ。(びっくり)

第一部の最終曲 "This Christmas Day" では再びラッセル・アレンが登場。サングラスを外してこの締め曲を高らかに歌い上げます。ラッセルの出番が多くて嬉しいな!

第一部の The Ghosts Of Christmas を終えてクリスがキャスト/スタッフを紹介し、幕間に退役軍人さんの招待客を紹介したり、本日の公演による公演地への寄付金を発表しました。こういうところ、アメリカっぽいなぁ。ミュージック・ディレクターはキーボードのデレク・ウェイランドさんですが、MCは全てクリスのよう。

Tso2第二部の The Best Of TSO ではミュージシャンが一部衣装チェンジして再登場。ジョエルとバイオリンのロディはノースリーブのシャツとベストだ。女性シンガー陣もノースリーブのベストとパンツ姿に。

実はもう1人楽しみにしていたシンガーがいました。アメリカン・アイドル優勝者で今年初めてTSOに参加したカレブ・ジョンソンです!"The Three Kings" でやっと登場。その歌声はパワフル、ソウルフル&エモーショナルでいきなり圧倒されました。彼は凄い!ジェフ・スコット・ソートが彼のことをイチオシしていましたが、なるほど納得です。

バンドのベーシストは昨年自動車事故で亡くなったデヴィットZに代わったトニー・ディッキンソン。若くて爽やか、背格好も髪型もデヴィットに似ている。そして軽快な指弾きスタイルも。彼はデヴィットZが欠けたSOTO(ジェフ・スコット・ソートのバンド)の新ベーシストでもあります。バンドのライブで彼のパフォーマンスを観るのが楽しみです。

主要ミュージシャン4人がアリーナ前方と後方のリフトに乗って、レーザー光線の嵐の中を浮かびながら演奏するシーンはド派手で圧巻!これはもうテーマパークのアトラクションでしょ!アリーナ後方のTSOロゴは音楽に合わせてパイロが噴き出すし!

アコースティックでしっとりと聴かせる "Someday" ではスマホで点けたライトがアリーナ中で揺れてとても美しかったし、シンガーの女性はもの凄くパワフルな歌声の持ち主。

フィナーレに向かって、ステージ上でもミュージシャンが乗った位置がリフトされていったり、パイロが噴き出したり、天井の照明にはスクリーンも付いてるし、照明とレーザーで実にゴージャスなショウの演出。遂に花火も人工雪もきた!2時間半程のショウでしたが、家族皆で、音楽ファンでなくとも楽しめるショウでした。毎年家族で観に行きたくなる気持ちも分かります。

本日のセットリスト (動画リストより書き起こし)

01. Night Enchanted
02. Winter Palace
03. The Lost Christmas Eve
04. O Come All Ye Faithful/ O Holy Night

The Ghosts Of Christmas
05. Good King Joy
06. Christmas Dreams
07. Christmas Eve (Sarajevo 12/24)
08. Christmas Canon Rock
09. What Child Is This
10. Music Box Blues
11. First Snow
12. Promise To Keep
13. This Christmas Day

The Best Of TSO
14. Wish Liszt/ Christmas Jam
15. A Mad Russian's Christmas
16. Hark! The Herald Angels Sing / The Three Kings
17. Wizards In Winter
18. Tracers (with Pink Floyd's "Shine On Crazy Diamond" intro)
19. Carmina Burana
20. Someday
21. Chance
22. Madness Of Men
23. Find Our Way Home
24. Requiem (The Fifth)
25. Christmas Eve (Sarajevo 12/24) reprise

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