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ジョー・サトリアーニ&オリアンティ Part 2 「1音弾き始めたとたんにプランは消えて、ただ起こることに身を任せる」

ジョー・サトリアーニ&オリアンティのインタビュー続きです。

アルバムの曲順の決め方、ドキュメンタリー制作、シグネチャー・モデルにまつわる話、画家としての活動や料理番組の制作まで、興味深い話題は広範囲に及びました。今週は後半の概要まとめです。

 

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アルバムでの曲順はどれ位重要ですか?

Joe Satriani:私はクレイジーな程に固執しているんだ。そこにボードがあるのだけど、アルバム制作中は表になっていて、キー・テンポ・平均律・ソロの長さ(それが曲の全体的なサウンドに影響するから)、が項目立てしてある。私は秘密のクレイジーな手法を採用していて、それで曲順を決めるんだ。誰か気付いた人がいるかな?

とにかく私には正しい曲順が重要なんだ。次の曲が合わないキーやテンポで聴こえてきたら、とても気になるんだ。だから何度も聴きこむ。

アルバム制作中は幾つも(曲名を書いた)メモを用意して、テーブルに貼るんだ。そしてミュージシャンに好きなように位置を変えてもらう。人の意見を訊くのが好きなんだ、シングルだと思う曲、ディープな曲だと思うもの、嫌いな曲といった具合にね。でも最終的には私がキー・テンポ・平均律に基づいて決断を下すよ。

Orianthi:その通り。自分が正しいと思う感覚に任せる感じ。自分で考える曲順でしばらく聴いてみる、そして信頼できる友人、バンドメンバー、プロデューサー、エンジニアなど周りの人々に訊いてみる。それらを聞いたうえで、即断で最終的な曲順を決めているわ。

ニューアルバム『Rock Candy』では曲づくりとレコーディングに費やしたのは12日だった。とても早く進んだので、不安だったわ。そういうアルバムを創ったのは初めてだったから、挑戦でもあった。

ちなみに『Rock Candy』はサミー・ヘイガーが Montrose で歌ってた曲とは違うから。皆に訊かれるんだけど、そういうタイトルに聴こえるから『Rock Candy』にしただけ。ロックとポップとエレクトロニックの要素がある。

友人と制作したのだけど、彼は映画音楽を書いている人でビッグなサントラを手掛けてる。バイオリン他の楽器にも詳しい。それで一緒に実験的音楽をやってみた、自分にできるのかの挑戦でもあった。皆が気に入ってくれるといいな。

オリアンティは来年公開予定のドキュメンタリーも制作中だね、ジョーは息子がドキュメンタリーを制作済だけど、何かアドバイスはあるかな?

JS:私の言うことなんて聞かないことだよ。(笑)私はカメラの前に立つのが苦手なんだ。だから私からアドバイスなんてできない。

Ori:私も。ずっとカメラが周りにいるってとても変な感じだった。ドキュメンタリーは2本撮っていて、1本はライブDVDに入っていて、もう1本は来年どこかで公開の予定。

2人とも、最近新しいシグネチャー・ギターが出ていますね。ジョーはNAMMGolden Boy が、オリアンティは Gibson のアコースティックが。

JS:最初のプロトタイプは1989年に創られているんだ。"Big Bad Moon" のビデオで私が弾いているよ。撮影は2日共、雨に降られたけれど、Gold Chrome は良いアイデアだと思っていた。仕上がるのに30年以上かかったけれど、興奮しているよ。(ピカピカのボディに)どう最初の傷を付けたらリラックスして弾けるかなと考えているところさ。

Ori:あなたの Chrome Boy が発売されたとき大興奮だった。実はアデレード(オーストラリア)に1本あるのよ。トーンが素晴らしくて、ギターストアに行くと他に並ぶものがないギターで人目を捉えるものだった。

JS:君の後ろにあるアコースティックはとても美しいね。

Ori:この Gibson J-200 は工房に行ってエレクトリックのネックを付けてもらったものなの。弾きやすく、赤いボディにしてもらって、クリスタルを付けた。そして蓮の花を入れてもらったのよ。まさかシグネチャーを創ってもらえるとは思わなかったわ。

美しくて、力強くて、エレキギターみたいなプレイアビリティ。ピックアップはLR Baggs™ で、ミッドレンジが強く押し出される感じ、でもボトム・エンドもしっかりある。多くのアコースティックは音が薄っぺらくて気に入らなかったけど、これは酔っ払いを気絶させるくらいに良い音よ。(笑)

それにここに新しく出たPRSのシグネチャー(エレキギター)もある。2つの素晴らしい会社に創ってもらえて感激だわ。このPRSのボディカラーは私が10歳のときに着ていたジミ・ヘンドリックスのTシャツの色なの。

他に何か新しい製品の予定はあります?

Ori:Orange から新しいアンプが出る予定。余りまだ話せないのだけど、コンボになる。ワクワクしてる、ラウドになるし、リヴァーブもたっぷり。

JS:私は今のところ何もなくて、フリーな状態を楽しんでいるよ。背後に私のシグネチャーが見えるだろうけど、今はツアーに向けてこれらを試しているんだ。通常、EL34 (真空管)が載った状態でくるんだが、KT88 と 6L6 (真空管)のセットがあって、C83 が載ったのもある。これらでサウンドを比べているんだが、毎日気が変わるから、気が狂いそうになってる。

今はアンプやペダルの契約がないから、何でも試せるのを楽しんでいるよ。ギターはお気に入りの Ibanez だけどね。

ジョーは絵を描いているそうですね。

JS:ああ、沢山描いているんだ。ギャラリーで展示会もやっている。家族にアーティストがいたから、子供の頃から絵を描いていた。姉が最初の教師だったよ。私はアーティストと結婚して、息子がアートの学位をとったから、ずっとアーティストに囲まれている。私は遅咲きの絵描きだよ。

Ori:素晴らしいわ。私の姉も画家で、素晴らしい腕なんだけど、私は全くダメ。でも好きで酷いペイントをギターに描いたりしている。良いメディテーションになるもの。

JS:音楽と同じでやり続けるのが大事だ。(絵を描くのは)ギターソロと同じだと人に言っているんだ。ギターソロの準備をして1万人の前で1音弾き始めたとたんにプランは消えて、ただ起こることに身を任せるように、キャンバスに向かって筆を降ろしたら、ただ身を任せるんだよ。

オリ、君は料理の才能があって、料理番組ができるかも知れないのだとか?

Ori:そう。来週、最初のエピソードを撮影する予定。今年の終わりか来年の公開になる。私はギリシャ人のハーフだから、食事と音楽、人の集いの中で育ってきた。5歳の頃からギリシャ人の祖母にキッチンで料理を教えられて、友達が沢山家に来て皆に食事を出してた。それが義務だと思ってた。

Instagram に料理を投稿していたら、料理番組からコンタクトがあって、音楽料理番組みたいなものをやろうって。ゲストを呼んで音楽をプレイして、ゲストの好きな食べ物の話をするという内容。私はオーガニックのヘルシーな食事を広めたいと思ってる。楽しいものになりそう。

ジョーは料理はするのかな?

JS:するよ、料理番組はやらないけどね。(笑)ずっと家に居るから覚えないと。今は随分と料理するんだ。

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ビッグなギターメーカー2社とのシグネチャー契約にアンプの契約、更にはドキュメンタリー&料理番組とは、オリアンティはなかなか波に乗ってますね!

一方、サッチが今はアンプもペダルも全くのフリー状態というのが不思議。秋からの北米ツアーで久しぶりにサッチのライブを見れるのが楽しみです。動画漁りな日々になりそう。