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MR. BIG、シンガーなしのステージ

欧州ツアーも終盤に入ったMR. BIG、10月5日のプラハ公演ではエリックなしの3人でショウを行ったとのこと。このニュース、びっくりしました。
ビリーのツイートによると、

"We were set up in Prague and ready to go when we found out the singer lost his voice"
プラハでライブの準備ができたってところで、シンガーの声が出ないってことが分かった。

"So myself, Pat & Paul didn't want to let everyone there down--so we played, just the three of us."
それで、俺とパットとポールは(ショウをキャンセルして)皆を失望させたくなかったから、3人だけで演奏したんだ。

"The place was jam-packed, nobody left or asked for their money back and the crowd went crazy."
会場は満員で、誰も(途中で)帰ったり、返金しろとも言わなかった。観客はクレイジーに楽しんでた。

プラハの前のドイツ ハンブルグ公演で既にエリックの声は厳しい状態にあったようです。ライブ数時間前にシンガーの声が出ないという、バンドにとって危機的状況の中、バンドが下した決断は3人でライブをやろう、ということでした。時間との戦いの中、彼らが決めたセットリストは、ファンとしてはとても興味深いです。

01. Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)
02. Green-Tinted Sixties Mind
03. It's For You
04. Hoedown
05. Purple Haze
06. Paul Gilbert Solo
07. Little Wing
08. Hey Joe
09. La Grange
10. Billy Sheehan Solo
11. Addicted To That Rush
12. To Be With You
13. Shy Boy
- Encore
14. Smoke On The Water

まず思ったのは、MR. BIGのオリジナル曲が4曲しかない、ということ。今回のツアーは新作アルバムをひっさげてのワールド・ツアーだった訳ですが、さすがに新作の曲はエリックしか歌えない、ということでそこはまず断念したんでしょうね。とはいえ、バンドのオリジナル曲はファンのためにも必要なので、彼らの代表曲4曲は入れました。
Green-Tinted Sixties MindやTo Be With Youはポールがソロ時代に歌っていたので、なんとか歌えるのでは、と思います。Daddy, BrotherやAddicted To That Rushはキーが高いので、シンガーじゃないと難しいでしょうねぇ。でもそこは演奏でカバーするぞ、と。この2曲はほぼビリーが歌っていましたね。

It's For Youはリユニオン・ツアーで3人がアカペラを披露した曲、Shy BoyとSmoke On The Waterは彼らのライブでおなじみの曲だからリスト・インですね。
その他のラインアップを見ると、やっぱりジミ・ヘンドリックスですねぇ。Purple Haze、Hey Joeはポールが歌っている音源ありますね。91年のフランクフルト・ジャズ・フェスティバルに遊びに行ったポールが急遽欠席したギタリストの代役でステージに立ち、ヴォーカルも担当したという逸話のアルバム"Tribute to Jimi Hendrix"があります。Little Wing、La GrangeはビリーもポールもG3ツアーでやってる曲ではないでしょうか。

という訳で、開演まで残り数時間という状況で彼らが決めたセット・リストを眺めると、なるほどねぇ~という曲が並んでいました。エリックなしでステージをやりぬいた彼らには本当に頭が下がります。とはいえ、やっぱりエリックがいないとMR. BIGのライブにはならないよねぇ、とエリックの存在が重要になるのでした。プラハの次のチューリヒ公演からはエリックが復帰していますので、一安心です。MR. BIGはモスクワ、イスタンブールのショウを終えると、12月のインドネシア公演までひとまずオフです。