ニューアルバム "...Stories We Could Tell" を発表したMR. BIGの日本縦断ツアーもここ名古屋と最終日の福岡を残すのみとなりました。パーキンソン病を発表したパットがツアー同行し、何曲かではドラム演奏し、ボーカルでも参加しているようなので、パットの元気そうな笑顔が楽しみです。
ステージ背景には3枚の大型液晶パネル、ドラムセット上まで続く階段のセットが組まれていました。残念至極だったのは、せっかくステージ左右に細いながらも花道のある会場なのに、巨大スピーカーがステージ左右を高さ5m近くまで覆っており、道が塞がれ、恐らくステージからも左右が見難くなっていたこと。音響のために仕方ないのでしょうけど、残念すぎる。
ショウは液晶パネルに映し出されるメンバーをモデルにしたアニメーションのショート・ストーリーが終わると同時にスタート。オープニング定番曲の "Daddy, Brother, Lover, Little Boy" 、やっぱりポールとビリーのドリル奏法見るとMR. BIG見に来た!って気分になります。
ビリー側だったせいか、MR. BIGらしいベースの爆音が堪能できました。音響はギターもなかなかに良い。少しボーカルマイクの高音がキンとして気になる程度。
"Alive And Kickin'" はイントロにこれもMR. BIG名物、ポールとビリーのギター&ベース掛け合い。やっぱりこれが聞きたいんだってば!長時間バトルでもOK!
「パットを呼ぼう!」の掛け声でステージにはパットがタンバリンを持って登場し、ひときわ盛大な拍手が沸き起こりました。
「あの特徴あるドラムビートで曲を始めよう!」
とエリックの掛け声でマットがあのイントロを叩き始めました。"Take Cover" マットの隣に用意された Silverstar Cocktail-JAM なるセット前でタンバリンを持っているパット。ああ、このドラムイントロをプレイするパットの姿が今まであまりにも当然すぎて、今の状態を受け入れるのは複雑な気持ちになる。
続いて"Green-Tinted Sixties Mind"! この曲のギターイントロは実に名作だと思う。ポールの歌心、メロディセンスが発揮された曲。
ライブのお楽しみ、ポールのギター・ソロ。おお!今年のポールはギターで歌ってる!ニューアルバムでもポールはソロアルバムで開眼したのか、歌うギターをそこかしこで見せていたけれど、その流れで来ました。途中、手拍子を要求するポール。そうだよね、ギターがアカペラで歌ってるんだから、手拍子が要るよね。(笑)
ポールは9月のプロモ・ツアー時にも使っていたセミアコにギターを持ち換え、エリックはアコギを持ち、パットがタンバリンを持って集合し、アコースティック・セットの始まり。何かなと思っていたら、ポールが弾き始めたイントロはストーンズの "Jampin' Jack Flash" でした。おお~、そうきたか~♪でも1コーラスだけの演奏。オーディエンスとの大合唱になった "Wild World"に続いてはパットの曲紹介。
「ナゴヤ!来てくれてありがとう。皆に会えてうれしいよ。次の"East/West" はニューアルバムから。ファンに捧げた曲だ。特に日本の皆に向けて。カンパイ!」
曲の最初の歌詞からとった「カンパイ!」の日本語が胸にしみる。曲とメロディがしみわたる。そして次の"Just Take My Heart" ではパットがドラムセットに座る!盛大な拍手と「パット!」の掛け声が会場のあちこちから。一連の感動的なシーンでした。
エリック 「ツアーに出て5週間くらいになるかな。どこを周ってきたんだっけ?」
ビリー 「あちこちに行った。イギリスだろ、フランスだろ、オランダだろ、」
エリック 「それってこの辺り?」(下半身を指差す。あの~、オランダってトコで無理やり下ネタ振ろうとするのはオヤジギャグなのかしら~?エリックぅ、滑ってると思う・・・)
ビリー 「スペイン、イタリア、ロシア、フィリピン、韓国・・・」
エリック 「そして、ナゴヤ~!」(それ都市です・・・)
エリックのギャグに苦笑していたんだけど、"Around The World" のベース&ギターのユニゾンはゾクゾクします!
ビリーのベース・ソロで神技をお腹一杯聞かせてもらった後は "Addicted To That Rush" お馴染みの"Are you addicted to that rush?" の問いかけは会場の男女別に掛け声がかかりました。女性陣の声は少し控えめだったかな。
ライブ本編を終えて袖に下がるメンバーでしたが拍手に応えてすぐに戻ってきました。"To Be With You" は25年前のミュージック・ビデオを背景に、今回のポールはエレキで演奏していました。何度も見た映像だけど、今歌っているメンバーと見比べながら見るのは感慨深いです。
お楽しみの楽器交換タイム。ベースを受け取ったエリックは客席を相手に勝手にオークションを始めて、落札先まで決めていました。(笑)ポールがドラム、ビリーとマットがギター、そして黒い皮ジャンにサングラス姿のパットがボーカル!"Living After Midnight" をオーディエンスと合唱で盛り上がりました。楽しい時間!
次の"The Light Of Day" はエリックとパットのツイン・ボーカル。演奏が終わっても、エリックがワンフレーズをアカペラで歌ってくれたのですが、今日のエリックは声がいい!アカペラになるとエリックのマジック・ボイスはますます輝きを放つんです。やっぱりグレートなボーカリスト。次の曲に向けて、パットがドラムセットに座ります。
「さあ、上に登ろう!ポールも、ビリーも早く!」
というエリックに促されて、ポールもビリーもステージセット最上段へ、急な階段を登って横に並び、ドラム席のパットの真後ろに立ちました。
「僕ら全員がずっとキミに付いている!(We are behind YOU all the way!)」
言葉通りに、パットの後ろに並んだ3人。エリックの言葉に涙が出そうになりました。(今日はオヤジギャグを連発していたエリックだけど、このセリフは胸を打つよ!)
そして締めくくりの曲は"MR. BIG" 完璧な選曲、そしてパットのドラムで曲が終了。カーテンコールでステージ前に下りてくるパットは両手で涙を拭っていました。ああ、涙腺崩壊!
満場の拍手とビリーのお礼の言葉でライブは締めくくられました。ありがとうMR. BIG!どうかこの4人でずっと音楽を作り続けて欲しい。
本日のセットリスト
01. Daddy, Brother, Lover, Little Boy
02. Gotta Love The Ride
03. Undertow
04. Alive And Kickin'
05. I Forget To Breathe
06. Take Cover
07. Green-Tinted Sixties Mind
08. Out Of The Underground
09. Paul guitar solo
10. The Monster In Me
11. Rock & Roll Over
12. As Far As I Can See
13. Jampin' Jack Flash (The Rolling Stones cover)
14. Wild World
15. East/West
16. Just Take My Heart
17. Fragile
18. Around The World
19. Billy bass solo
20. Addicted To That Rush
encore
21. To Be With You
22. Colorado Bulldog
23. Living After Midnight (Judas Priest cover)
24. The Light Of Day
25. Mr. Big