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ダグ・アルドリッチ 「レコーディングは息子を寝かしつけてから」

ホワイトスネイクがUKツアー中のダグ・アルドリッチアイルランドのラジオ局のインタビューに答えました。こちらで音声(5/15分)も聞けます。とっても長いインタビューですが、なかなか興味深いことを話していますので、一部を編集して和訳してみました。

動画はマンチェスター公演でスペシャル・ゲストのバーニー・マーズデン(ホワイトスネイク元ギタリスト)を迎えたシーンです。歳月が人を変えるとはこのことね。。。

Burning Rain の“Epic Obsession”の製作はどうだった?

ホワイトスネイクの活動中はできなかったから13年もかかってしまったのだけど、2012年に少し休みがとれて、その間に一気に曲を書いた。でも、デヴィッドから連絡が入ってDVDの編集でものすごく忙しくなってしまって、「いったいどうやってレコーディングしたらいいんだ?」って状態だったよ。週末の休みしか時間はなかったけど、休みには息子と過ごしたいんだ。だから土曜の朝起きて、息子に朝食を用意して、昼食、夕食を食べさせて、お風呂に入れて、寝かしつけてからキース(Vo, Burning Rain)とスタジオに入って何とか録音したんだ。

Led Zeppelinの“Kashmir”が印象的だったね。

ロックバンドならLed Zeppelinのカバーはやらないのが定説だけど、今回はまるで自分達の曲のようにできたことがクールなんだ。キースの歌や俺のギターはまるでBurning Rain のサウンドのように演奏できたと思う。ギタープレイでは敬意を払って演奏したつもりだ。あの曲のコードはサビで早弾きやクレイジーなソロができるけど、一歩下がった演奏を心がけたんだ。その結果クールにいったと思う。

多くのアーティストのレコーディングに参加しているけど、最近はリタ・フォードの“Living Like A Runaway”のボーナストラックに関わってるね。

彼女が曲のアイデアを探していたところで、協力したんだ。“Bad Neighbourhood”のリフのアイデアが気に入ってもらえた。俺のプレイはLed Zeppelin風だったけど、最後はJudas Priest風の方が彼女が気に入ってそっちになった。彼女は当時個人的な問題を抱えていて、助けを必要としていたから、メタル・クイーンを助けることができて光栄だよ。

ホワイトスネイク は“Made in Britain – The World Record”を7月に発売予定だね。

“Made in Japan”のDVDを出したばかりなんで、デヴィッドがこれをやるって言った時は驚いたよ。でもボスであるデヴィッドがやると言ったら、やるんだ。
俺はどうやって違うライブアルバムを作るんだろうと思ってた。DVDを買ったばかりのファンはどうしてまたライブアルバムを買ってくれるだろう?とね。
でもデヴィッドにはアイデアがあって、“The World Record”は世界中のショウから、アリーナでのショウなんかだから音が大きくなるし、珍しい曲も入ってる。“Made in Britain”は劇場でのショウだから、音がもう少し小さくて親密な感じがあるよ。

バンドはツアーを楽しんでいるようですが、日本はどうでしたか?

日本は独特で、全てが違っているんだ。バンドにとってもクルーにとっても日本でツアーをスタートするのが簡単で上手くいくと思う。日本のファンはとても寛容で忠実だから、バンドはウォームアップできる。
例えば、ギターソロは退屈で皆聴きたがらないけど、日本では許してくれるし、それどころか楽しんでくれるんだ。俺とレブは簡潔にまとめたソロをやろうとするんだけど、ある程度は試行錯誤するし、結果として長くなってしまうこともある。日本ではそれが許容されるけど、UKだと「こんなの聞きたくない!」って言われてしまうからね。

ツアーが終わって、音楽ビジネスから距離を置きたいときはどうしていますか?

音楽から逃れる必要はないけど、ビジネスに参加する側から、音楽を楽しむ側にまわるよ。地元のラジオ局を朝の間聴いているのが好きなんだ。リラックスできる。
俺の趣味はスポーツ観戦だけど、家にいる時は息子が全ての最優先事項だね。一緒に「カーズ」や「ニモ」を観たりする。俺の家にはあらゆるところにスピーカーがあっていつでも音楽を楽しめるんだ。庭にもあるよ。日曜の午後、庭で息子が泥んこ遊びをしているのを見ながら、俺はポーチに座ってワインを飲みながらラジオの音楽を聞くんだ。

最近の音楽ビジネスについて

若い子達は有名になるとか、ロックスターになるということは、そうしようとしてなるものじゃないって理解する必要がある。音楽こそが重要なんだ 。多くの子達は列に並んで、3人のジャッジの前でオーディションをして、テレビに出て、レコード契約ができると思っている。そうじゃないんだ。そんなの単に金儲けだ。
純粋に音楽をクリエイトして、友人と共に楽しみ、演奏を通して成長していくということなんだ。

Dave Grohl(Foo Fighters)が“Sound City”というドキュメンタリー映画を撮ったんだけど、それは俺の家の近くにあるスタジオで、そこが閉鎖される時に彼がレコーディング・コンソールを買い取ったところ、いろんなミュージシャンがレコーディングを行っていたことが分かったという話でね、すごく良かった。Lionも2ndアルバムをあそこでレコーディングしたのさ。さっきの話は彼が言っていたことなんだよ。

“Sound City”は見てみたい映画です。音楽について語るダグは熱いですねぇ。インタビューを通して、ダグの育メンぶりが印象的でした。WSのツアーが終わって、時間がとれればBurning Rainでのツアーもやりたいとのことです。