らダグ目当てでありましたが、Voice of Rock グレン・ヒューズを見に行ってきました!場所は下北沢。私は名古屋からなので、それどこよ?呼び屋さん誰?状態でしたが、友人のお陰でいいもの見れました!
雑居ビルの地下にある小ぶりのライブハウスでこの面子が見れるとは。入場ダッシュで前方位置を確保できました。ステージが近い~!と思っていたら、ステージにギターを持った人影が。
「やぁ、皆んな!」
と観客の熱気に押されながらも、笑顔で挨拶してくれたのはダグ!皆が手を伸ばすと、一人ずつ握手してくれました。舞台袖に去るダグの後姿を見つめつつ、あまりに突然の出来事で消化できないほど幸せ。
予習で海外公演の動画を見てきたのですが、ダグは舞台下手が立ち位置だったハズが、今夜はマーシャルが上手に置いてあります。あれ?位置変更?ツアーの途中で?そんなことってあるんだ。
開演時間を30分近くも過ぎて、やっとライブが "Storm Bringer" で始まりました。あのリフとビートに盛り上がらない訳はない!
1ヶ月程前にもこれを Whitesnake のライブで聞いたけれど、あちらが完璧にプロダクションされ、ショウアップされているのに対して、こちらは3ピースのライブバンド仕様で削ぎ落とされた演奏になっていました。
ダグはヴィンテージの黒いストラト(曲によってゴールドトップのレスポールと使い分けていました)、薄いペイズリーのシャツ&皮パンツ姿でカッコイイ!顔小さい!グレン御大は黒いデザインJKにパープルのスカーフ&サングラス姿。オーラがあるわ~。
次に続いた2曲は大人のロックジャムという感じで、ベースソロもあり、ギターとの掛け合いもありとカッコイイ演奏に浸れました。ダグのカッティングも聞けた~♪
「トウキョウ久しぶり~。随分と経ってしまったね。君たちに会いたかったよ!会えて嬉しい。今夜はたっぷりとロックミュージックをお祝いしよう。この40年で作られた音楽だ。
私はまだたったの42歳だから(22歳サバ読みちゅう)たったの2歳でレコーディング曲を書き始めたんだ。ジーン・シモンズは3歳だった。(笑)
次の曲は82年のアルバム "Hughes/Thrall" から。今夜は本当に参加してくれてありがとう。それには凄く意味があるんだ。ここには沢山の愛がある。」
この曲もカッコイイ。センター付近では音のバランスがいまいちでベースが大きく、ギターとボーカルが小さかった。それが唯一の心残り。
「私たちは7月からツアーに出てるんだ。南アメリカも行ったし、ヨーロッパに行って、今はここだ!75年に武道館でライブをやって以来の長いツアーだ。
今回の選曲は私のキャリアのそれぞれの時代に意味のある曲を選んだ。次の曲は私の最初のバンドの曲、私は17歳だった。そうだよ、私にも17歳だった時があるのさ。Trapeze の曲だ。
このバンドにはメル・ギャレーがいたんだ。私が Deep Purple に入って暫くしたら、メルは Whitesnake に入ってた。今はダグがここにいるしね。まるでファミリーだよ。
あのパリでの事件があってからいっそう強く思うのだけど、音楽だけがあらゆる国の人々の心を癒すんだ。次はTrapeze で若かりしメルが書いた曲だ」
ギターリフだけで始まる曲はグレンのボーカルと共にかっこいい!動と静が繰り返されるスリリングな演奏はこれぞ大人のロック!ダグのギターはDio/ Whitesnake/ Burning Rain といった参加バンドで聞いた彼のプレイとはちょっと違う。こういう演奏もするんだね!
「次はDeep Purple "Burn" からの曲だ。あのバンドにいられたことは素晴らしい経験で多くを学んだ。そして今もこの世で君たちにこの曲を歌えることを嬉しく思う」
曲のイントロに入る前にたっぷりとダグのインプロタイムがあって、"Burn" から何をやるのだろうとワクワク。"Sail Away" でした。DPの曲は3ピースでクールなジャムアレンジができて面白い。やっぱり、ダグのギターが断然カッコイイ方向に行っていて、とても感激。
"Good To Be Bad" をグレンのボーカルで聞くというのも新鮮。荒々しくジャムされるとこの曲もまた違うものに思えます。
「ダグが来てくれて嬉しい。古い友人のデヴィッドは本当の兄弟のようなものだ。ロックにもWhitesnake のファンにも祝福を!ダグ、皆に何か言いたくないか?」
「アリガトゴザイマシタ!ゲンキ?ゲンキー?」
ダグのオーディエンスへの問いかけに会場から一斉に元気な掛け声があがりました。日本語はできないグレンは何を言ってるのか分からなかった模様で、感心していました。
「次の曲は多分日本ではプレイしたことがないと思う。12年前に Red Hot Chili Peppers のチャド・スミスとヨーロッパをツアーしていた時に、彼から "ヘイ、G! あの曲をカバーしないか?"Burn" に入ってるカヴァデールの" って言われて、あれは出来ない。(思い切り低音でデヴィカバ様風に)あれはデヴィッドの子供なんだ。
でもチャドが "やってみようぜ!" と言うのでやったんだ。今はデヴィッド自身もあの曲をやってるから不思議な気分だけどね。私はちょっと髪を直したいから、ダグに少し頼もう」
ギターソロはダグがセンターに来て弾いてくれるので近い!Whitesnake で聞いたダグのソロは実はあまり好みではなかったのだけど、今回のダグはブルース~ロックプレイまでいろいろ見せてくれて味わい深かった!
ブルージーなトーンを聞かせてくれていた最中、下手カーテンの向こうからグレンの大きな話し声が聞こえてきて、さすがのダグも気になったのか、演奏を一度止めて、オーディエンスと顔を見合わせるというシーンが。(笑)気を取り直して次は "Mistreated" のイントロへ。
1ヶ月程前はこれを Whitesnake のライブでレブ・ビーチのギターで聞いたなぁ。ギターソロへのアプローチの仕方が全然違っていて面白い!ベースソロも入ってきて、絡み合うジャムタイム。これはカッコイイぞ。
アドリブになり、ダグがグレンへこれをやってくれと耳打ち&フレットボード上での打ち合わせ。そのベースリフにダグのソロが重なるというシーンを目の当たりにできて面白い!この曲のボーカルはやっぱりデヴィカバ様だなぁと思ったけれども。
「皆、これを言わせてくれ。私は日本語はできないから、英語でゆっくり喋るよ。見て分かるだろうが、私は動けないんだ。1月に膝の手術をする。
でも私はショウをキャンセルしたくはなかったから来たんだ。膝が痛くて動けないけれど。ありがとう、今日は来てくれて。長年のサポートをありがとう。愛しているよ」
やはりそうでしたか。舞台袖カーテンのすぐ裏には椅子が置いてあって、ギターソロ中にグレンがそこに座って休憩をしているのは時折見えていました。ステージでそれを言うのは相当に厳しい状態だからなんでしょう。ショウを続行できるのか心配でした。もう座ってベース弾いてもいいよ、無理しないでください。
クールな演奏だった "Can't Stop The Flood" の後はギターとドラムのジャム~ドラムソロ。恐らくグレンに時間が必要だったのだと思います。ギターとドラム2人でがんばれ~!ドラムのポンタス君は身体がデカくてパワー系だけれども、よくコントロールされたクールなタッチがあってなかなかにいいドラムを聞かせてくれました。
「今日はありがとう。膝が痛くて動けないけれど、歌はまだ歌える。来年また来るから会おう!世界はクレイジーになってしまったけれど、どうか無事でいてくれ。家族とすごすんだ。音楽こそが癒しになる」
本編ラストは "Soul Mover" で、これもクールな演奏。グレンの健康状態を考えるとアンコールがないかもと心配しましたが、さすがのミュージシャン魂で再登場したグレンは "Burn" をやってくれました。痛みの中、100分程のショウをやるのは相当大変だったことでしょう。Voice of Rock は見事なライブを見せてくれました。
11日金曜のシンガポール公演前、グレンのツイートによると、ロスに帰って週明け月曜には左膝を手術するそう。両足とも年明け予定だった手術が前倒しになるほど具合が悪いのかと少々心配です。ご回復をお祈りします。
本日のセットリスト
01. Storm Bringer (Deep Purple)
02. Orion
03. Way Back To The Bone (Trapeze)
04. First Step Of Love (Hughes/Thrall)
05. Touch My Life (Trapeze)
06. Sail Away (Deep Purple)
07. Good To Be Bad (Whitesnake cover)
08. Guitar solo
09. Mistreated (Deep Purple)
10. Can't Stop The Flood
11. Guitar + Drum solo
12. Soul Mover
encore
13. Burn (Deep Purple)