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WINGER サンボラに羨ましがられたあのコト

先週とりあげたアメリカのラジオ番組TRUNK NATIONでは、ジョー・サトリアーニの電話インタビュー後にWINGERのキップ・ウィンガーとレブ・ビーチを迎えて、電話インタビューが行われました。

その週末にはWINGERの25周年ライブがニューメキシコとラスベガスで行われる予定となっており、ラジオDJのエディはベガスのライブを見に行く、さらにショウ後に行われるレブ50歳バースデイパーティにも参加するということで、スタジオと電話口の2人の会話は仲良さそうな雰囲気で盛り上がりました。

エディといえば、2014年3月に開催され、WINGERも参加するMonsters of Rock CruiseのDJも例年務めていますから、彼らとの接点も多そうです。

約26分のインタビューは、バンドの成り立ち、90年代のHR/HMクラッシュ後、ニュー・アルバムについて、25周年ライブについてなどに及んだ楽しい内容。新たな情報も含まれていました。

以下は一部の和訳です。(スタジオ側の質問はエディ以外からのものも全てエディで表示しました。和訳は会話の概要です。)

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90年代のHR/HMクラッシュ後

エディ:私は先週末、キップと一緒にいたんだけど、知らない人が多いと思うんだよね。君はいろんなロックフェスなんかに出かけて、アコギ1本でステージに立っているよね。熱気満々の観客の前で、君はその歌唱力でその場を圧倒してしまうんだけど、自分のソロショウについてはどう思っているの?

キップ:どう始まったかというと、ロックシーンがクラッシュした後、俺はもうギグをやれなくなってしまったんだ。それでソロアルバムを製作して、その時の自分の音楽を世に出したんだ。でもプロモーションなんてできないから、BORDERS(アメリカで大規模店舗展開している本/CDショップ)なんかを回って、50人くらいの観客の前で4~5曲歌ったんだよ。

そしたら、「Madalaineをやってくれないか」「Down Incognitoをやってくれないか」って観客から声がかかってね、それでWINGERの曲をアコースティックに編曲したんだ。97年だったよ。それから毎週あちこちに出かけてプレイした。バンドも機材もほとんどいらないからどこでもできるしね。ソロショウは大好きだよ。アコースティックで演奏すると、俺の歌がよく聞こえるし、観客には俺がギターも弾けるって分かってもらえるし。(笑)

エディ:キップのアコースティック・ショウを見た観客からは本当にいつも好意的なレビューが届いているよ。

レブ:凄いよな、だって俺はアコースティックであんなプレイできないのに、キップはできるんだぜ!クレイジーなヤツだよ!(笑)

ニュー・アルバムについて

エディ:WINGERのニュー・アルバムについて教えてよ。

キップ:レブと俺はちょうどオープニング曲を仕上げたところさ。全11曲のアルバムになる。レブと俺のソングライティングの歴史はもう長いから、お互いがいることで刺激しあいながら自然にいいものができる。

レブ:俺は前作のアルバムが凄く気に入ってて、どうやってあのレコードを超えられるものができるんだ?って思っていたんだ。
でもニュー・アルバムにはあらゆる要素が入っているところが好きなんだ。プログレ変拍子、ある曲では俺がピアノ弾いてるんだぜ。

キップ:サプライズに取っておかないと。ヘヴィーロックやもちろんバラードもあるよ。

エディ:発売日はいつになりそう?

キップ:そうだな、来年の3月くらいには。皆のスケジュールがそろうのが大変なんだ。今年中には仕上げたい。発売は3月くらいかな。

バンドの存在

エディ:今の音楽業界では皆が複数のバンドを掛け持ちしてる状況だけど、もし1つのバンド活動で十分稼げたら、1つのバンドでやるほうがいいのかな?

キップ:他のミュージシャンとツアーに出たりするのは凄く楽しい経験さ。一方で、WINGERは俺たちのコアなバンドであり、帰る家なのさ。来年は俺たちもツアーをやるけど、毎年出られる訳じゃないからね。ま、俺とレブは夫婦みたいなもんさ。レブのデヴィッド・カバーデイルとの仕事は本当に素晴らしいことだけど、俺たちの子供であるニュー・アルバムは育てたいからね。

25周年ライブ

エディ:週末の25周年ライブでは1stアルバムの全曲を演奏するんだろ?

キップ:そうだ。録音するから、今年中にアルバムリリースしたいと思っているんだ。

エディ:週末のショウではキーを下げて歌うのかい?今はどのバンドもそうやっているよね。

キップ:いや、俺にとっては残念なことにキーは大して下げずにプレイすることになるよ。

エディ:そうなのかい?どこかのバンドではキーを下げすぎて、地下まで降りちゃったのかと聞いてて思うくらいだったんだ(笑)

キップ&レブ:「彼女はたったの42歳~♪」
(低い声で歌う。"Seventeen"の彼女が実在したとしたら、今年42歳になっているので、替え歌にしてキーを下げて歌う。一同大爆笑)

リッチー・サンボラ

エディ:最後に君らの"Headed For A Heartbreak"をフルレングスでかけようと思うんだ。ラストの2~3分にも及ぶ君のギターソロやバンドのジャムが私は大好きなんだけど、この曲について何か面白いエピソードはないかい?

レブ:この曲を聞いたリッチー・サンボラが声をかけてくれたんだ。

「おい、お前は音楽業界で一番ラッキーなギタリストだな!こんなに長いギターソロの入った曲は初めて聞いた!俺のソロ聞いたことあるか?(長さを比べてみろよ!)」(笑)

エディ:リッチー・サンボラが?(笑)彼は所属バンドがなくなったから、ソロを弾くところがないからなぁ。

レブ:いやー、でも彼は素晴らしいギタリストだよね。

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来年1月の来日も決定したWINGER、気になるニュー・アルバムの発売が3月だと、ライブに間に合いませんけど?でも25周年ライブアルバムは年内発売らしいのでうれしい!

後半はかなりジョークで盛り上がっていましたが(サンボラのジョーク面白いw)、私は90年代にキップが始めたアコースティック・ショウのエピソードが印象に残りました。
苦しい時代の活動、そこで鍛えられたミュージシャンシップが優れている人だけが生き残っているのかも。