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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

ビリー・シーン Eat 'Em and Smile の舞台裏

The Winery Dogsで全米ツアー中のビリー・シーンUltimate Classic Rockがインタビューした記事の一部和訳です。
長いインタビューだったのですが、タラス時代、デヴィッド・リー・ロス・バンド時代のエピソードをピックアップ。
ビリーは10月10日にデイヴ誕生日おめでとうツイートをしていましたね、「最高のフロントマンで俺のヒーロー」とのこと。
ビリー、ヴァイ、ビゾネットは年に一度集まってEat'Em and Smileの会をやっているようですので、いつの日かデイヴも合流して再結成ライブやって欲しい!(悲願)

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タラスでは、ヴァン・ヘイレンと(前座として)ツアーしましたね。どんな感じだったんでしょうか?

凄い経験だったよ。あのバンドはもちろん世界一のバンドさ。毎夜、軍隊並みの正確さでステージに上がっては、とんでもないパーティをやってるように見せてしまう。

パーティをやるには、会場とビール、それにたくさんの人がいるだろ。でも正しくやれば、凄いパーティになる。彼らはいつでも正しくやるし、実は多大な努力が払われていることに気付かせない。照明、音響、キュー、とにかく全てが機能して、俺たちは毎晩それを見ていたんだけど、毎晩同じなのに、全部のジョークに笑ってたよ。全てが上手く運ばれてて、大半の脚本が決められてて、でも魔法のように完璧なショウだった。

その立役者はデイヴさ。彼はショウビズ界の最高実力者で史上最高のフロントマンだった、今でもね。俺たちには最高の教材だったし、彼らは凄く俺らに親切だった。レコードデビューもしていない俺たちを前座に選んでくれて、ギグではアンコールもやらせてくれた。とても驚いたよ。彼らとはいい友達になったし、それは今もさ。

あなたは何度もヴァン・ヘイレン加入を誘われたそうですね。

ああ。でもバンド加入について何度も話し合った目的が何だったのか、よく分からないのさ。俺はマイケル・アンソニーが好きで、俺自身が好きなバンドを引き裂くような感じがしたんだ。バンドメンバーが入れ替わることが、例えその新メンバーが俺であっても、そんなの見たくないと思ったんだ。それがバンドの血縁者であってもさ。
俺はファンとしてオリジナルのラインナップが最高だと信じてる。俺は何か、板ばさみになった感じで、結局その話は実現しなかった。

自然の成り行きってのは起こるもので、デイヴがバンドを抜けて俺に電話してきた。俺はバッファローにいた間、ずっとこう言っていたんだ。「俺がタラスを抜ける時はヴァン・ヘイレンに加入する時だけだ」
で、デイヴから電話があった時、ほぼそれだよな、って決めたんだ。

"Eat'Em and Smile"のラインナップはスーパーグループの中のスーパーグループと言えますね。

あれは俺たち皆にとって最高の経験だったよ。デイヴのパサディナにある家の地下には大量のビールがあって、俺たちはそこで色んな話をして盛り上がった。俺とスティーブとグレッグとデイヴでそりゃぁ、ツアーもお祭り騒ぎさ。

"Skyscraper"ではそれが変わった。あの時点では商業経営的な要素が出てきて、今思い返すと間違いだったと思う。前みたいにパーソナルで楽しくて親密な感じじゃなかったんだ。でも"Eat'Em and Smile"は最高の経験だった。今でもツアー先のインドネシアなんかであのアルバムにサインをくれってファンが持ってくるんだ。

1stアルバムはテッド・テンプルマンがプロデュースしたのに対し、2ndはデイヴとヴァイがプロデュースしましたね。この変化はセッションのダイナミックさを変えたのでしょうか?

大きくね。2ndは1パートずつ撮りが行われた。俺たちは以前のバンドらしくプレイしなくなったのさ。ドラムパートを撮って、俺のベースパートを撮って、山ほどギターのオーバーダブを撮って。もうバンドがプレイしてるんじゃない。1stではテッドが俺たち全員を部屋に集めて、バンドで演奏して録音したのさ。

俺はスティーブが戻ってギターパートを重ねたいってテッドに言ったのを覚えてる。でもテッドが「いや、このままオーガニックな感じで行こう」って言ったのは嬉しかったな。そのおかげでスティーブがプレイしたままの音が残ったからさ。
だってスティーブがただプレイしたままの音って今ではめったに聞けないからさ。ティーブはスタジオの魔術師なんだよ。だから彼がスタジオに入ると様々な魔術が使われて、そりゃ素晴らしく美しい録音ができる。
でも"Eat'Em and Smile"でスティーブが見せたのは今の彼とは違う個性を見せたスティーブなんだ。

もちろん俺はどちらのスティーブも好きだ。でも、俺は彼がコンボ・アンプとドラマーとベーシストを連れてツアーに出て、録音時みたいな手を加えずとも、レコードの曲をプレイしてしまうのを見るのが大好きなのさ。

ティーブは今ではスタジオを楽器のように使うけれど、"Eat'Em and Smile"ではそのチャンスがなかった。それは彼がテッドに従わなくてはいけなかったから。"Skyscraper"は少し作り込まれすぎた感じがして、俺のお気に入りのアルバムじゃないのさ。