Stay Together

Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

グレン・プラウドフット part2 愛器はテレキャスターと交換で手に入れた中古品

先週に引き続き、グレン・プラウドフットのインタビュー和訳です。グレンのトレードマークともいえるあのストラトとの出会いは興味深いです!キャリア初期にストラトを使い倒したヴァイ先生を思い出します。グレンがIbanezとエンドーズ契約を結んでアーティストモデルの面子の一人に加わって欲しいなぁ。

====================

ギアについての質問です。最近Victory Ampsのビデオを見たのですが、エンドーズ契約をしたのはなぜですか?

あのメーカーとはずっと長い間、良い友人関係だったんだ。1年ほど前、新しいプロジェクトの話を聞いてたんだ。そして幸運にも彼らの英国工場に行って、そのアンプを試聴することができた。彼らが製品を送ってくれたから、俺はスタジオで使ったんだけど、そりゃもうクラシックな英国サウンドの中に現代的なタッチがあって、しかも全部バルブなのさ。

これの前にはオーストラリアのUlbrickっていう素晴らしいメーカーのハンドワイヤ仕上げのアンプを使ってたんだ。でも次のソロ・インストアルバムはVictory Ampsを使うことになる。こっちも全部ハンドワイヤ仕上げなんだ。もうすぐ新しい一式が届く予定で、スタジオに入れるのが待ち遠しいよ。イギリス人の作るアンプは素晴らしいね。

The Nerve のツアーは新しいVictory V100 アンプを使う予定だ。2つともデュアル・チャンネルで、両方にゲイン・ブーストがついてるし、エフェクト・ループもダーティーとクリーンがついてる。古いマーシャルのスピン・モデルみたいだけど、こいつではモディファイ済みなんだ。ソロのブーストやエフェクト・ループのためのマスター・ボリュームだけど、俺はどのみちエフェクト・ループは使わないんだ。

俺はサウンドに関しては古風で、ペダルもそんなに沢山は使わない。できるだけシンプルなのがいいのさ。でも必要な状況に応じて、特にスタジオでは選択肢があるほうがいい。そんな時はアンプの出番だ。

このアンプはとにかく素晴らしくクリアなサウンドなんだ。これまでのハンド・ワイヤ仕上げのアンプではそこで悩んできたんだ。クリーンがちょっとキツくなりがちで、本当のクリアサウンドを出すのは難しかった。こういうアンプはハードなサウンド向きだからね。

Victory Ampsを初めて試すとき、いつも使ってるペダルを持っていったんだけど、結局使わなかった。「わぉ!こいつ一つで全部出来るじゃん!」って感じさ。こいつをライブで使うのが待ち遠しいな。スタジオとライブは全く別モノだからね。サウンドのクオリティは驚くほど素晴らしい上に、デザインも最高にセクシーで美しいんだ。

ギターについて教えてください。

こいつはもう随分長いこと使ってる。以前テレキャスターを買ったんだけど、1ヶ月くらいでトーンがちょっと求めているサウンドと違うと思ってたんだ。ある日、メルボルンのギター・ショップの前を通りかかったら、このストラトがウィンドウに掛かってた。

こいつは元々は80年代製のストラト・プラスで、多分87年に販売されたモデルだ。クラシックなストラトだけど、Lace Sensor ピックアップ、Wilkinson ブリッジ、グラファイト・サドル付Wilkinson ローラー・ナットで、現代風なんだ。中古品だったけど、一目で気に入った。

店に入って試奏して、店員にテレキャスターと交換でどうかって交渉したらOKだったんで、手に入れたんだ。このストラトは残念なことにカナリー・イエローでさ、だから店員も喜んで交換してくれたんだ。だって誰もそんな色欲しくないだろ?80年代にはこの色も人気だったかも知れないけど。

でも俺はネックの感触が凄く気に入って、22フレットだしさ。Lace Sensor ピックアップは昔ながらのシングル・コイルでは相性が悪いってのがストラト・プラスの問題点だったけど、ノイズ・キャンセリングが備わってて、静かなのさ。サウンドが変わってたから、こいつのピックアップは人気がなかった。古いストラト・プラスで出回ってるのがあれば、たいていピックアップを取り替えてあるよ。

デザインとプレイアビリティからすると、俺にとっては最高のギターの一つだね。長い間、俺にとって唯一のギターだった。こいつで何千ものショウをやったし、こいつを持っていないと、裸にされてる気分だよ。今では何本もギターを持つようになったけど、こいつが手元にないと居心地が悪いんだ。

あなたのサウンドを作るのに何を使っていますか?

昔ながらのアプローチをしてる。バルブ・アンプとペダルを何個か。例えば、俺はメルボルンのデイヴって職人の作るチューブ・スクリーマー タイプのペダル、あと彼が作るブースト・ペダル(ゲインは少ない)を使う。でもこいつはアンプを本当にクリーンなシグナル・ブースターにするんだ。それって俺がソロを弾いてて、ちょっと色気が欲しい時には最高さ。ボリュームを戻せば、クリーンになるし。ボリュームを上げれば、ダーティーサウンドになるから、そこからペダルを使うのさ。

俺はゲインの大きいアンプは使わない。でもスタジオやライブで俺のサウンドを出すにはちょっとアンプの出力を上げなくちゃいけない。俺のサウンドはヘヴィだけど、バルブ・アンプとペダルを何個か、それくらいで出来てる。

でも、例えば雑誌のビデオ用撮影では、全く違うアプローチにする。アンプダイレクトか、出力のずっと小さいのを使う。

ギター初心者にとって上達のために最も重要なことは何でしょうか?

良い先生を見つけることだ。特に若いミュージシャンには重要だ。ギター習得には様々な要素があるけど、自分が共感できる先生やメンターに出会えるかということはとても大きい。俺自身、自分のキャリアはそういう先生に出会えなければ開けなかったと思う。俺は恩師と出会う前、たいていのプレイはできたけれど、本当のところでは自分がプレイしていることが何なのか理解していなかった。でも恩師に出会い、道を示してもらうことで、この道に進むことができた。彼に出会えなかったらどうなっていたか分からないよ。

もちろん練習はしなくちゃいけない。練習せずに上達なんてありえない。ミュージシャンになりたければ、サボってなんていられない。ミュージシャンでもその他の職業でも、なりたいものがあれば練習し、努力しなくちゃだめだ、魔法なんてないんだよ。