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ジョー・サトリアーニ  スキンヘッドにした理由

ジョー・サトリアーニが4月22日に"Joe Satriani: the Complete Studio Records"という15枚のCDボックスを発売します。スタジオアルバムのリマスター版14枚プラス初リリース音源1枚。さらに同じパッケージをサトリアーニの頭像“chrome dome”に詰めた特別版を販売。この頭像からはサングラスが取り外し可能で、サングラスには15枚のCDと同じ音源データの入った2つのUSBドライブが収められているそう。(“chrome dome”はサトリアーニのオフィシャルHPで販売)

5月には音楽自叙伝"Strange Beautiful Music"が発売されるジョー・サトリアーニが複数のメディアインタビューに答えました。ボックスセットに含まれる15枚のアルバムに関する1枚ごとの濃密トークは興味深いのですが、かなり長いので和訳は後日にして、その中から15枚目の "Additional Creations And Bonus Tracks" の内容と、先日出演したThat Metal Showでのインタビューを一部和訳してみました。

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この“chrome dome”はどういう訳で出来たのですか?

オーディエンスに俺たちがスタジオで聞いているとおりの音楽体験をして欲しかったんだ。全スタジオアルバムを96k、24bitという最高のクオリティでリマスターした。出来には興奮しているよ。自分の頭像を見るのはちょっと気味が悪いけどね。これを作るのには、あらゆる角度から俺を3D撮影して、いくつかのプロトタイプを作ったんだけど、俺そっくりだから怖かったよ。でもこんな風に出来るなんて大したもんだよ!

あなたがスキンヘッドで良かったです。

凄い皮肉だろ?髪を失ってきた俺の人生は正にこの為だったのさ!(笑)俺が初めて髪を剃ったのは確か'96年の始め頃。俺の髪はどんどん薄くなっていって、実を言うと、俺はカッコイイ「ロックン・ロール・ヘア」には一度もなれなかったんだ。

髪が抜けてきたとき、新しいことを考え付いたんだ。ジョギングしてた時にヘアクリップのセールをやってる店をみかけたんで、1つ買って部屋に帰った。頭を半分そってから妻と息子を呼んだよ。半分やったら残りもやらないとね。

で、しばらくは4ミリくらい残してたんだけど、AC/DCのオープニングでポルトガルのツアーに出てたとき、アタッチメントを付けるのを忘れてシェイバーを使っちゃったのさ。それでスキンヘッドになって、その夜サングラスをしてプレイしたら、今までよりもミステリアスな雰囲気が出せたから、よしこれでいこうって決めたんだ。

あなたはグラミー賞に15回もノミネートされていますが、受賞はありませんね。

俺はまだ「最も受賞を逃した」人間じゃないさ!でも、とても光栄だ。だって1stアルバムをリリースした時には、(大失敗で)街から逃げ出さなきゃいけないと思っていたんだから。こうして多くのノミネーションをもらったのは本当に素晴らしいよ。グラミー賞からロック インストゥルメンタルのカテゴリーが無くなった時には、もうこれ以上受賞を逃す心配は無くなったってお祝いしたくらいさ。

Additional Creations And Bonus Tracksについて

今までのリリースが最高のバージョンじゃないと思っていた曲の別バージョンを全てと、ボーナストラックに入りきらなかった曲を集めたんだ。「何でリリースしないんだ?」って思ったからさ。「Turkey Manが好きな曲です」って言ってくるファンがもう何人もいて毎回驚いていたんだ。

サトリアーニの発言をまとめると、収録曲は以下のとおり

追加作業曲

・Time Machine リミックス
・Cool #9 オリジナルバージョンのニューミックス
・Luminous Flesh Giants オリジナルバージョンのニューミックス
・Borg Sex ロック又はラジオミックス版のリマスター
・Flavor Crystal 7 ロック又はラジオミックス版のリマスター
・Until We Say Goodbye オリジナル・テクノ・ミックス
・Turkey Man リマスター (Engines Of Creationリリース時のボーナスCD)
・Z.Z.'s Song ノイズを外した別バージョン

ボーナストラック

・Slick
・The Eight Steps
・Dog With Crown & Earring
・Tumble
・Ghosts
・Heartbeats
・Longing

あなたが手にした初めてのエレキギターとその後手に入れた初めてのきちんとした楽器について教えてください。

初めてのエレキギターはHagstrom III。ストラトとSGの中間みたいなので、3シングルコイルPUの白いギター。ピックガードは黒。ジミー・ヘンドリクスが亡くなってギタリストになると決めたことを家族の夕食の席で宣言したら、地元の高校で美術教師として働き始めた姉のキャロルが初任給で買ってくれたんだ。

確か2つ目のエレキギターは中古の'68年製のメープルネックのテレキャスター。学校の上級生から誘われて彼らのバンドに入ったんだけど、バンドのリード・ギタリストが情報誌の広告欄で$150くらいのこのギターを見つけたんだ。

俺はマンハッタンの店まで行って、フロントにハムバッカーを付けてもらったんだけど、これをやってくれたのがラリー・ディマジオでさ、当時はまだラリーが誰か知らなかった。確か'71年くらいで、俺はハムの取り付けに苦労して店に持っていったら、店の奥から木屑だらけ、巻き髪で赤い髭のラリーが出てきたんだ。その後彼には俺のPUを作ってもらったりしてるけど、運命って面白いよね。

現在のギアと比較するとどうですか?

例えば俺が初めて手に入れたテレキャスターこれを弾いてると自分じゃなくてギターが音を支配しているって気づかされるんだ。いい音が出たときは、ギターが俺にそうさせたからなんだ。それが'50年や'49年デザインのギターの魅力であり、残酷なところでもある。

でもこういうギターでは俺の曲はとても演奏できないんだ。すぐにチューニングがずれてしまったり、トーンの面でもテクニックの面でも柔軟性に欠けている。結果、俺はIbanez JSモデルに戻って、時にはペダルを使わずにマーシャル・アンプにダイレクトインするんだ。俺にとってはそれが最高で昨日もそうしてた。

プレイヤーとして成長するために必要なことは?

俺の考えでは、自分よりも人のプレイを上手いと思うことが自分を進化させるのにいいと思う。「俺って上手いな」って思うよりもハングリー精神を持って、自分のプレイに満足しないことが、クリエイティブな効果があると思うよ。

俺の代表曲のほとんどは難しい主題について作曲していて、正しく感情を抜き出して表現するのにとてつもなく時間がかかったりする。出来た時には、「ああもう、こんなカタルシスな作業はもうごめんだ!」って思ったりするんだ。でも皆が曲を気に入ってくれて、「わぉ。何で俺はもっと軽い主題の曲を書いて人気者になれないんだろう?」って思う。

ライブで演奏するのが好きな曲と理由は?

Chickenfootでは“Sexy Little Thing”だな。この曲はメンバーの出身バンドのどのサウンドとも違うから。なぜか凄くしっくりくる曲で、レコードはライブ録音だったんだけど、バンドの最高なところを記録できたと思う。

ソロの曲は分からないな。インストゥルメンタルの曲だから、観客に言葉で語りかけることができない代わりに俺の曲は全て特定のやり方でその曲の持っている意味や感情を正しく演奏しなくちゃいけないんだ。俺はメロディーを奏で、それらは感情や物語を表しているんだ。俺の長年の観客はそれらの曲に対して親密な感情があるから、俺はどの曲も完璧に弾かなくちゃいけないのさ。